総合健康ガイド

血液

骨髄検査:血液疾患診断の要

骨髄検査とは 骨髄検査は、血液に異常がある場合や、血液の病気が疑われる場合に行われる重要な検査です。血液は体中に酸素や栄養を運ぶ役割を担っていますが、その血液は骨の中心部にある骨髄で作られています。この骨髄で作られる血液細胞に異常があると、貧血や出血しやすくなる、感染症にかかりやすくなるなど、様々な症状が現れます。 骨髄検査では、腰の骨や胸の骨に針を刺し、骨髄液と骨髄組織を採取します。採取した骨髄液と骨髄組織は顕微鏡で詳しく観察され、血液細胞の種類や数、形に異常がないか、白血病細胞などの異常な細胞が混じっていないかなどを調べます。これらの情報をもとに、血液疾患の診断や治療の効果を判定します。骨髄検査は、血液疾患の診断と治療に欠かせない検査と言えるでしょう。
呼吸器

気管支炎を理解する:症状、原因、治療法

- 気管支炎とは気管支炎は、空気の通り道である気管支に炎症が起こり、様々な症状を引き起こす病気です。この炎症によって気管支の壁が腫れ上がり、空気の通り道が狭くなってしまいます。その結果、息が苦しくなったり、咳が出たりといった呼吸の症状が現れます。気管支炎の原因として最も多いのは、風邪などのウイルス感染です。ウイルスが鼻や喉から侵入し、気管支まで到達して炎症を引き起こします。また、ウイルス以外にも、細菌や、ほこり、煙などの刺激物が原因となることもあります。気管支炎になると、咳、痰、息切れ、胸部不快感など、風邪と似たような症状が現れます。咳は最初は乾いた咳が多いですが、その後、黄色や緑色の痰を伴う咳に変わることがあります。また、発熱や鼻水、喉の痛みを伴うこともあります。ほとんどの気管支炎は自然に治りますが、症状が重い場合や長引く場合は、医療機関を受診しましょう。医師の診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
検査

手術中の判断を支えるゲフ検査

- ゲフとは手術中に医師が患者の体から組織の一部を採取し、それを凍らせて薄く切片にすることで、顕微鏡を使ってすぐに診断を行う検査のことを「ゲフ」と言います。正式には「ゲフリール」と言いますが、一般的には「ゲフ」と略して呼ばれることが多いです。ゲフは、手術中にリアルタイムで病気の診断を行うことができるため、手術の方法や範囲を決定する上で非常に重要な役割を担っています。 例えば、腫瘍の切除手術中にゲフを行うことで、腫瘍が良性なのか悪性なのか、周囲の組織にどの程度広がっているのかをすぐに判断することができます。 これにより、医師は患者にとって最適な手術を行うことができるのです。ゲフは、従来の病理検査に比べて結果が早く得られるというメリットがあります。従来の病理検査では、組織をホルマリンという液体で固定してから薄く切片にするため、結果が出るまでに数日かかることもありました。しかし、ゲフでは組織を凍らせて切片にするため、わずか数十分で診断を行うことができます。このように、ゲフは手術中に迅速な診断を可能にする非常に重要な検査法であり、患者さんの負担を軽減し、より安全で確実な手術を行うために大きく貢献しています。
脳・神経

胸郭出口症候群:その原因と症状

- 胸郭出口症候群とは胸郭出口症候群は、首から腕、指にかけて伸びる神経や血管が、特定の場所で圧迫されることで、しびれや痛み、冷えなどの症状が現れる病気です。 私たちの身体には、心臓から送り出された血液を全身に巡らせるための血管と、脳からの指令を全身に伝えるための神経が張り巡らされています。腕や手に向かう神経と血管は、首から鎖骨の下を通り、腕へと伸びています。この鎖骨の下には、鎖骨と第一肋骨という骨の間の狭い空間があり、「胸郭出口」と呼ばれています。胸郭出口は、腕神経叢と呼ばれる腕や手に伸びる神経の束と、鎖骨下動脈という血管が通る重要な場所です。しかし、この狭い空間で、様々な要因によって神経や血管が圧迫されてしまうことがあります。その原因として、長時間のパソコン作業やデスクワーク、猫背などの姿勢不良、重い荷物を持つなどの習慣が挙げられます。 また、生まれつき肋骨や鎖骨の形に異常がある場合や、過去の怪我による影響で発症することもあります。神経や血管が圧迫されると、腕や手、指にしびれや痛み、冷えなどが生じます。 症状は、腕を上げた時や首を特定の方向に傾けた時に強くなる傾向があり、重症になると手の筋肉がやせてしまうこともあります。
目・眼科

医療用語解説:アウゲって何?

「アウゲ」という単語を耳にしたことがありますか? 普段の生活ではあまり耳にする機会がないかもしれませんが、実は医療現場で使われている言葉なのです。 「アウゲ」は、ドイツ語の「Auge」に由来する言葉で、日本語では「目」を意味します。医療の分野では、この「アウゲ」はそのまま「眼科」を指す言葉として使われています。 つまり、「アウゲ」を専門とする医師は、目の病気や治療を専門とする「眼科医」ということになります。 「アウゲ」は、眼科医が患者さんの目の状態を診察したり、治療方針を検討したりする際に使われます。例えば、「アウゲの検査の結果、白内障の症状が見られます」といった具合です。 少し難しい言葉に聞こえるかもしれませんが、「アウゲ」は「眼科」のことだと覚えておけば、医療に関する情報に触れる際に役立つはずです。
その他

変形性膝関節症:老化に伴う膝の痛み

- 変形性膝関節症とは変形性膝関節症は、膝に起こる病気の1つで、関節を構成する骨の表面を覆っているクッションの役割を果たす軟骨がすり減ったり、関節が滑らかに動くために必要な関節内の液体が減ったりすることで発症します。その結果、関節に炎症が起こり、痛みが生じます。この病気は、中年以降の方に多く見られ、年齢を重ねるごとに発症する確率が高くなることから、一般的には老化現象の一つと考えられています。加齢によって軟骨の修復機能が低下したり、関節を支える筋肉が弱くなることが、発症のリスクを高めると考えられています。変形性膝関節症の主な症状は、痛みです。初期には、立ち上がるときや歩き始めるときに痛みを感じることが多く、安静にしていると痛みが治まることが多いです。しかし、症状が進行すると、安静時にも痛みが続くようになり、夜眠れないこともあります。また、関節の動きが悪くなったり、関節が変形したりすることもあります。変形性膝関節症は、日常生活に支障をきたす病気です。適切な治療や運動療法、体重管理などを行うことで、症状の進行を抑え、日常生活を快適に送ることが可能になります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師に相談することをお勧めします。
呼吸器

COPD:知っておきたい肺の病気

- COPDとはCOPDは「慢性閉塞性肺疾患」の略称で、肺の気道と肺胞に異常が起こり、息苦しさや咳などの症状が慢性的に続く病気です。 肺の気道は、空気の通り道となる器官で、空気は気管支を通って肺胞へと送られます。肺胞は、ぶどうの房のように小さな袋が集まった構造をしていて、ここで血液中に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換が行われています。 COPDを発症すると、これらの気道や肺胞に炎症が起こったり、気道が狭くなったり、肺胞が破壊されたりします。その結果、呼吸をするときに空気の通りが悪くなり、十分な酸素を体内に取り込めなくなるのです。 COPDは進行性疾患であるため、病気が進むと、日常生活でのちょっとした動作でも息切れがするようになります。例えば、階段の上り下りや少し速く歩いただけでも息苦しさを感じるようになり、最終的には安静時にも呼吸困難に陥ることがあります。このような状態になると、日常生活に支障をきたし、生活の質は著しく低下してしまいます。 COPDは決して珍しい病気ではなく、国内では500万人以上が罹患していると推定されています。特に、加齢とともに罹患率が高くなる傾向があり、中高年の喫煙経験者は注意が必要です。
検査

健康の指標:SpO2

- 酸素が血液中で運ばれる仕組み 私たちは、生きるために酸素を体内に取り込む必要があります。呼吸によって肺に取り込まれた酸素は、血液中の赤血球という成分と結びつくことで全身に運ばれます。この、酸素を運ぶ役割を担う赤血球ですが、常に一定量の酸素と結びついているわけではありません。体内の酸素が十分であれば多くの酸素と結びつきますし、酸素が不足している場合には結びつく酸素の量は少なくなります。 - SpO2が教えてくれること SpO2(エスピーオーツー)は、正式には『経皮的動脈血酸素飽和度』と呼ばれる指標で、簡単に言うと血液中の赤血球にどれくらい酸素が結びついているかをパーセンテージ(%)で表したものです。つまり、SpO2の値を見れば、血液中にどれくらい酸素が含まれているか、ひいては体に十分な酸素が行き渡っているかを知ることができるのです。 - SpO2の測定方法 SpO2は、医療機関ではもちろんのこと、近年では家庭でも手軽に測定できるようになりました。指先などに光を当てて測定する機器が広く普及しており、健康管理や体調管理の一環として活用する人も増えています。
脳・神経

身近な筋肉の悲鳴:こむら返りについて

- こむら返りとはこむら返りとは、何の前触れもなく筋肉が硬く縮んでしまう現象のことで、医学的には「筋痙攣」と呼ばれます。多くの人が経験する、ありふれた体の不調の一つです。筋肉が自分の意志とは関係なく収縮し、強い痛みを伴うのが特徴です。こむら返りは、特にふくらはぎの筋肉に起こりやすいことから、「こむら」という俗称で呼ばれています。ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれ、血液を心臓に戻すポンプのような役割を担っています。こむら返りが起こると、このポンプ機能が一時的に停止してしまうため、足のむくみやだるさを感じることがあります。こむら返りの原因はさまざまであり、疲労や冷え、脱水症状、ミネラル不足などが挙げられます。激しい運動や長時間の立ち仕事などで筋肉が疲れているときや、冷房の効いた部屋や冷たい水に長時間触れているときなどに起こりやすくなります。また、汗を大量にかくことで体内の水分やミネラルが不足すると、筋肉の収縮がうまくいかなくなり、こむら返りを引き起こすことがあります。こむら返りは、多くの場合、数秒から数分で自然に治まります。痛みが強い場合は、無理に動かしたりせずに、ゆっくりと筋肉を伸ばしたり、マッサージしたりすることで症状を和らげることができます。また、温めることで血行が促進され、筋肉の緊張がほぐれる効果も期待できます。
呼吸器

命を脅かす病気:肺がん

- 肺がんとは肺がんは、呼吸をするために重要な役割を担う肺に発生するがんです。空気の通り道である気管支や、酸素と二酸化炭素の交換を行う肺胞といった、肺を構成する様々な組織の細胞が、何らかの原因でがん細胞へと変化し、制御できないほどに増殖することで発生します。肺は、心臓や大血管など、生命維持に欠かせない臓器と非常に近い場所に位置しています。そのため、肺がんは進行すると、これらの臓器にも影響を及ぼし、呼吸困難や胸の痛み、血痰、咳、体重減少といった様々な症状を引き起こします。さらに、肺がんは他の臓器にも転移しやすい性質を持っています。骨や肝臓、脳など、体の様々な場所に転移することで、さらに深刻な症状を引き起こす可能性があります。肺がんは、早期発見・早期治療が非常に重要です。初期の段階では自覚症状が出にくいため、定期的な健康診断や、少しでも体に異常を感じたら、医療機関を受診することが大切です。
その他

歩行を支える縁の下の力持ち:ハムストリング

- ハムストリングとは「ハムストリング」とは、太ももの裏側、お尻の下から膝の裏にかけて広がる筋肉群のことを指します。 スポーツ選手がよく口にするのを耳にすることがあるかもしれませんが、決して彼らだけが特別に使う筋肉ではありません。 私たちが普段何気なく行っている歩く、走る、階段を上るといった動作にも、このハムストリングは深く関わっています。 ハムストリングは、主に3つの筋肉によって構成されています。 まず、ハムストリングの中で最も大きく、力強い筋肉である「大腿二頭筋」です。 この筋肉は、外側を走行し、膝を曲げたり、足を外側に捻る動きを助ける働きをしています。 次に、大腿二頭筋の内側に位置する「半腱様筋」と「半膜様筋」です。 これらの筋肉は、股関節を後ろに伸ばす動きや、膝を曲げた状態から内側に足を捻る動きをサポートしています。 このように、ハムストリングは複数の筋肉が協調して働くことで、私たちの日常生活を支える様々な動作を可能にしているのです。
脳・神経

迷走神経反射:身体の防衛反応

- 迷走神経反射とは迷走神経反射とは、私たちの体が強いストレスや危険を感じた際に、自律神経の一つである迷走神経が過剰に働いてしまうことで起こる、一種の防御反応です。日常生活の中で、私たちは様々なストレスにさらされています。激しい痛みを感じた時や、急にトイレに行きたくなった時、あるいは精神的に強い緊張や不安を感じた時など、私たちの身体は危険信号を発し、迷走神経反射が引き起こされることがあります。迷走神経が過剰に働くと、脈拍が遅くなったり、血管が広がったりすることで、一時的に血圧が低下します。その結果、めまいやふらつき、吐き気、冷や汗、顔面蒼白などの症状が現れます。酷い場合には、意識を失ってしまうこともあります。迷走神経反射は、私たちが意識的にコントロールすることが難しい反応です。しかし、この反射が起こる仕組みや症状について理解しておくことは、いざという時に落ち着いて対処するために役立ちます。また、頻繁に迷走神経反射が起こる場合は、医療機関を受診し、適切なアドバイスや治療を受けることが大切です。
脳・神経

モートン病:足指の間の痛み

- モートン病とはモートン病は、足の指の付け根に発生する神経の病気です。特に第3指と第4指の間に多く見られます。この病気は、足の指に向かう神経が圧迫されたり、刺激を受けたりすることで発症します。モートン病になると、強い痛みやしびれを感じることがあります。痛みの程度は、少しチクチクする程度のものから、歩くのも困難になるほどの激しいものまで様々です。また、しびれは、足の指の先端にまで広がることもあります。これらの症状は、長時間立っていたり、歩いたりした後に悪化する傾向があります。さらに、靴を脱ぐと症状が和らぐことも特徴です。モートン病の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、ハイヒールや先の細い靴など、足の指に負担をかける靴を履くことが、発症のリスクを高めるといわれています。また、偏平足や外反母趾など、足の構造的な問題も、モートン病の原因となることがあります。モートン病は、中年以降の女性に多く見られるのも特徴です。これは、女性の方がハイヒールを履く機会が多いためと考えられています。モートン病は、適切な治療を行えば症状を改善できる病気です。そのため、もし足の指の付け根に痛みやしびれを感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
脳・神経

ワゴトニー:迷走神経の謎を探る

- ワゴトニーとは聞き慣れない言葉かもしれませんが、「ワゴトニー」は私たちの健康状態を左右する重要な概念です。この言葉は、体中に張り巡らされた神経の一つである「迷走神経」と密接に関係しています。迷走神経は、脳から出て、まるで複雑な電気回路のように心臓、肺、消化管など、様々な臓器に繋がっています。そして、これらの臓器が正常に働くように、まるで指揮者の如く、その働きを調整しています。 ワゴトニーとは、この迷走神経の活動が過剰になっている状態を指します。迷走神経は、体のリラックス状態を促し、エネルギーを蓄える役割を担っています。このため、ワゴトニーの状態になると、心拍数が低下したり、消化活動が活発になったりするなどの変化が現れます。また、リラックス状態が強くなりすぎることで、眠気やだるさ、集中力の低下といった症状が現れることもあります。 ワゴトニーは、病気というよりは、自律神経の状態を表す言葉です。しかし、過度なワゴトニーは健康上の問題を引き起こす可能性も指摘されています。そのため、ワゴトニーのメカニズムや症状を理解し、自身の体調と向き合っていくことが大切です。
救急

圧迫された体からの悲鳴:圧挫症候群とは

私たちの体は、無数の筋肉によって支えられ、自由自在に動くことができます。歩く、走る、物を持ち上げるといった日常の動作から、複雑な運動まで、筋肉は欠かせない役割を担っています。しかし、この筋肉は、外部からの強い力によって長時間圧迫されると、その構造が損なわれ、最悪の場合、壊死してしまうことがあります。これが、いわゆる「圧挫症候群」と呼ばれる状態です。 圧挫症候群は、地震や事故などで家屋や車両の下敷きになった際に起こりやすいと考えられています。長時間、重いものに押しつぶされることで、筋肉組織への血流が阻害され、酸素や栄養が供給されなくなります。その結果、筋肉細胞が壊死し始め、毒性物質が血液中に流れ出すことで、全身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 圧挫症候群の初期症状としては、痛みやしびれ、腫れなどが挙げられます。重症化すると、意識障害や急性腎不全、ショック状態に陥ることもあります。圧迫が解消された後も、壊死した筋肉から放出される毒性物質によって、腎臓などの臓器に障害が残るケースもあります。圧挫症候群は、迅速な対応が求められる深刻な状態であり、早期発見と適切な治療が不可欠です。
脳・神経

高齢化社会における認知症

- 認知症とは認知症は、脳の機能が低下することによって、記憶力や思考力、判断力など、さまざまな知的機能が衰え、日常生活に支障が出てしまう状態を指します。以前は「痴呆症」と呼称されていましたが、2004年以降、厚生労働省の提唱により「認知症」という名称に統一されました。これは、病気に対する偏見や差別をなくし、患者さんとその家族が安心して暮らせる社会を実現するためです。認知症は、単一の病気ではなく、様々な原因によって引き起こされる症候群です。代表的な原因としては、アルツハイマー病、脳血管障害、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などが挙げられます。これらの病気によって脳の神経細胞が損傷を受けたり、働きが阻害されたりすることで、認知機能の低下や行動の変化が現れます。認知症の症状は、中核症状と周辺症状に大別されます。中核症状は、記憶障害、見当識障害、実行機能障害、言語障害など、認知機能そのものの低下を指します。一方、周辺症状は、不安や抑うつ、幻覚、妄想、徘徊、攻撃性など、精神・行動面の変化を指します。これらの症状は、個人差が大きく、現れ方や程度も人それぞれです。認知症は、早期発見・早期治療が重要です。認知症の症状に気付いたら、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。そして、周囲の人々は、認知症に対する正しい知識を持ち、偏見や差別のない、温かい社会を築いていくことが大切です。
外科

骨折治療の基礎:骨接合術とは?

- 骨接合術の概要骨接合術とは、骨折という骨が折れてしまった状態に対して行われる手術の一つです。この手術では、折れてしまった骨を本来の位置に戻し、再びくっつくように固定します。骨接合術は、骨折した骨を自然に治癒させる保存療法とは異なり、金属製のプレートやネジ、骨の中に埋め込む髄内釘といった固定器具を用いる点が特徴です。これらの器具を用いることで、骨折した部分をしっかりと固定し、骨がずれずに安定した状態でくっつくように促します。骨接合術の利点としては、骨折部の安定化、早期の機能回復、変形したまま骨がくっついてしまうこと(変形治癒)の予防などが挙げられます。固定器具によって骨がしっかりと固定されるため、痛みが軽減し、早期に日常生活に復帰できる可能性が高まります。また、骨を正しい位置で固定することで、変形が残らずにきれいに骨がくっつくことが期待できます。しかし、骨接合術は外科手術であるため、当然ながらリスクも伴います。感染症や神経損傷、血栓症などの合併症が起こる可能性もあります。そのため、手術を受けるかどうかは、骨折の状態や患者さんの年齢、健康状態などを考慮した上で、医師とよく相談して決めることが重要です。
脳・神経

肋間神経痛:その痛みは心臓病?

- 肋間神経痛とは肋間神経痛とは、その名の通り、肋骨の間を通っている神経に痛みが生じる病気です。 主に片側の胸に、電気が走るような鋭い痛みを感じます。 この痛みは、咳やくしゃみ、深呼吸、体をひねるといった動作によって悪化することがあります。肋間神経痛は、その痛みが心臓の周辺に現れることから、心臓病と誤解されるケースも少なくありません。 しかし、肋間神経痛と心臓病は全く異なる病気です。心臓病の場合、痛みが胸全体に広がったり、締め付けられるような感覚を伴うことが多いです。 また、息切れや冷や汗、吐き気といった症状が現れることもあります。 一方、肋間神経痛の痛みは、肋骨に沿って帯状に現れることが特徴で、息切れや冷や汗といった症状は通常見られません。ただし、自己判断は危険ですので、胸に痛みを感じたら、まずは医療機関を受診して、医師の診断を受けることが重要です。
アレルギー

免疫の異常が招く関節の痛み: 関節リウマチ

- 関節リウマチとは関節リウマチは、本来は細菌やウイルスなどの外敵から体を守るはずの免疫の働きに異常が生じ、自分自身の関節組織を攻撃してしまうことで発症する病気です。 免疫の異常によって関節の内側にある滑膜に炎症が起こり、関節が腫脹したり、痛みが生じたりします。 この病気は、進行すると日常生活に大きな影響を及ぼします。 初期には朝起きた時や長時間同じ姿勢を続けた後に、関節のこわばりを感じることが多く見られます。 症状が進むと、関節の痛みは強くなり、安静時にも感じるようになります。 さらに進行すると、関節が変形し、日常生活における動作に支障をきたすようになり、衣服の着脱や歩行、食事など、基本的な動作さえ困難になることもあります。関節リウマチは、早期に発見し、適切な治療を開始することが非常に大切です。 早期に治療を開始することで、炎症を抑え、関節の破壊を遅らせ、病気の進行を抑制することができます。 関節リウマチの疑いがある場合は、放置せずに、早めに医療機関を受診し、専門医の診断を受けるようにしましょう。
脳・神経

パーキンソン病:原因と症状を知る

- パーキンソン病とはパーキンソン病は、体を動かす指令を出す脳の神経細胞が徐々に減少していく病気です。具体的には、脳の中心付近にある「黒質」と呼ばれる部分で、ドーパミンという神経伝達物質を作り出す神経細胞が減っていきます。ドーパミンは、運動の滑らかさや正確さを調節する上で重要な役割を果たしています。ドーパミンが不足すると、脳から体にスムーズに指令が伝わらなくなり、パーキンソン病の症状が現れます。パーキンソン病は、世界中で多くの人がかかっている病気で、特に高齢者に見られることが多い病気です。ただし、若い世代でも発症することがあり、これは若年性パーキンソン病と呼ばれています。パーキンソン病はゆっくりと進行する病気であり、症状は初期段階ではほとんど現れません。そして、症状の現れ方や進行の程度は人によって大きく異なります。
その他

知られざる扁平足の真実

- 扁平足とは?人の足の裏には、土踏まずと呼ばれる、地面から少し浮き上がったアーチ状の部分があります。この土踏まずがあることで、歩く・走るといった動作の際に、地面からの衝撃を吸収したり、バランスを保ったりすることができるのです。しかし、生まれたばかりの赤ちゃんや小さな子供の場合、この土踏まずがあまりはっきりとしていません。これは、骨や筋肉が未発達であることが原因です。多くの場合、成長とともに自然と土踏まずが形成され、しっかりとしたアーチ構造を持つようになります。しかし、成長しても土踏まずがほとんど見られない、あるいは非常に低い状態である場合があります。これを扁平足と呼びます。扁平足は、必ずしも症状が出るわけではありませんが、人によっては、歩行時や運動時の足の疲れや痛み、姿勢が悪くなるなどの問題が生じることがあります。扁平足の原因は、遺伝的な要因や歩き方の癖、肥満など、様々なものが考えられます。また、加齢やケガ、病気によって後天的に扁平足になることもあります。もし、足の痛みや疲れ、姿勢の悪さなどが気になる場合は、早めに医療機関を受診し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。
脳・神経

意外と知らない頭痛の真実

「頭痛持ち」という言葉があるように、多くの人が経験する頭痛。しかし、一口に頭痛と言っても、その原因や症状は実に様々です。そのため、自己判断で対処するのではなく、まずは自分の頭痛がどのタイプに当てはまるのかを知る必要があります。 頭痛は大きく分けて、大きく三つのタイプに分類されます。ズキンズキンと脈打つような痛みが特徴的な「片頭痛」、頭全体を締め付けられるような鈍い痛みが続く「緊張型頭痛」、片側の目の奥に激しい痛みが集中する「群発頭痛」です。これらの頭痛は、それぞれ原因や痛みの特徴、持続時間が異なります。 例えば、片頭痛はストレスや睡眠不足、気圧の変化などが引き金となって起こることが多く、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。一方、緊張型頭痛は、長時間のパソコン作業やスマホの使いすぎなど、同じ姿勢を長時間続けることによって首や肩の筋肉が緊張し、血行が悪くなることが原因で起こります。群発頭痛は、その名の通り、数週間から数ヶ月の間、集中的に頭痛が起こるのが特徴です。 これらの一次性頭痛と呼ばれるタイプの他に、病気の症状として現れる「二次性頭痛」もあります。くも膜下出血や髄膜炎など、命に関わる病気の可能性もあるため、いつもと違う痛み方や症状がある場合は、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
外科

知らないと怖い!? 病的骨折

- 病気のサインかも? 病的骨折とは皆さんは「病的骨折」という言葉を知っていますか?「骨折」と聞くと、転倒や衝突などの強い衝撃が原因で骨が折れることをイメージするでしょう。しかし、病的骨折は、健康な骨であれば通常は骨折しない程度のわずかな力で骨折してしまうことを指します。つまり、骨自体に何らかの病気が隠れているサインかもしれないのです。では、なぜ骨がもろくなってしまうのでしょうか? それは、骨粗鬆症や骨腫瘍、骨髄炎などの病気が原因で、骨の強度が低下したり、骨の構造がもろくなったりするためです。例えば、骨粗鬆症は、骨の量が減少し、骨の構造がスカスカになる病気です。また、骨腫瘍は、骨にできる腫瘍が骨を破壊したり、骨の構造を弱くしたりします。病的骨折は、日常生活の中で、少しつまずいた、くしゃみをした、布団から起き上がったなど、普段の生活では考えられないようなきっかけで起こることがあります。骨折が起こったときはもちろんですが、このような些細なことで骨折をしてしまった場合は、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。病的骨折は、早期発見・早期治療が大切です。骨がもろくなる病気は、初期段階では自覚症状が現れにくい場合もあります。そのため、骨折をきっかけに病気の発見に繋がることもあります。日頃から、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、骨の健康を維持することが大切です。
脳・神経

脳梗塞:その原因と症状について

- 脳梗塞とは人間の体にとって重要な役割を担う脳は、無数の神経細胞によって構成されています。 この神経細胞に栄養や酸素を届けているのが、脳内をくまなく走る血管です。 しかし、様々な要因によってこの血管が詰まってしまうことがあります。これが脳梗塞です。脳梗塞は、血管が詰まることによって、その先の脳組織に栄養や酸素が行き渡らなくなる病気です。 栄養不足に陥った脳組織は、徐々にその機能を失い、最終的には壊死してしまいます。 壊死した脳組織は二度と元に戻ることはありません。脳は、体を動かす、五感を感知する、言葉を話す、考えたり記憶したりするなど、私たちが生きていく上で欠かせない様々な機能をコントロールする司令塔のような役割を担っています。 そのため、脳梗塞によって脳のどの部分に障害が起きるかによって、現れる症状は大きく異なります。 例えば、手足の麻痺や感覚障害、言語障害、視覚障害などが挙げられます。 重症の場合には、意識を失ったり、最悪の場合は命を落としてしまうこともあります。 脳梗塞は決して他人事ではありません。 普段から健康的な生活を心がけ、脳梗塞のリスクを減らすように努めましょう。
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