尿路ストーマ:人工的に作られた尿の出口
病院での用語を教えて
先生、「尿路ストーマ」って初めて聞いたんですけど、どういうものですか?
体の健康研究家
そうだね。「尿路ストーマ」は、病気などで尿の通り道がうまく機能しなくなった時に、おしっこの出口をお腹に作る手術のことだよ。
病院での用語を教えて
お腹におしっこの出口を作るんですか? なんでそんなことをするんですか?
体の健康研究家
本来はおしっこは腎臓から尿管を通って膀胱に溜まり、尿道を通って体外に排出されるよね。しかし、病気などでその経路がつまってしまったり、うまく機能しなくなってしまった場合に、体外におしっこを出すことができなくなってしまうんだ。そこで、お腹に人工的に出口を作ってあげることで、体外におしっこを出せるようにするんだよ。それが「尿路ストーマ」だよ。
尿路ストーマとは。
「尿路ストーマ」っていう言葉は、医学や健康の分野で使われるんだけど、腎臓で作られた尿を体の外に出すために、人工的に作られた出口のことなんだ。
尿路ストーマとは
– 尿路ストーマとは尿路ストーマとは、病気や怪我などが原因で、膀胱や尿道が本来の役割を果たせなくなった際に、腎臓でつくられた尿を体の外に出すために、お腹に人工的に作られた出口のことを指します。通常、尿は腎臓で作られた後、膀胱に一時的に溜められ、尿道を通って体外に排出されます。しかし、膀胱がんや尿道がん、あるいは事故による損傷などにより、この尿の経路が正常に機能しなくなることがあります。このような場合に、尿を体外に排出するための代替的な経路として、尿路ストーマが作られます。具体的には、お腹に小さな開口部を作り、そこに尿管と呼ばれる、腎臓から膀胱へと尿を運ぶ管をつなぎます。これにより、尿は膀胱を通ることなく、お腹に設置されたストーマと呼ばれる袋に直接排出されるようになります。尿路ストーマには、その形状や位置によっていくつかの種類があります。代表的なものとしては、お腹の右側に作られることが多い「右片尿路ストーマ」や、左右両側に作られる「両側尿路ストーマ」などが挙げられます。どの種類のストーマが適しているかは、患者さんの状態や生活習慣などを考慮して決定されます。尿路ストーマの設置は、患者さんの生活に大きな変化をもたらします。そのため、医師や看護師などの医療従事者から、ストーマの管理方法や日常生活における注意点について、丁寧に指導を受けることが重要です。
項目 | 説明 |
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尿路ストーマとは | 病気や怪我で膀胱や尿道が機能しなくなった場合に、尿を体の外に出すためにお腹に人工的に作られた出口 |
尿路ストーマが必要なケース | 膀胱がん、尿道がん、事故による損傷など |
尿路ストーマの仕組み | お腹に開口部を作り、尿管を繋ぐことで、尿をストーマと呼ばれる袋に直接排出 |
尿路ストーマの種類 | 右片尿路ストーマ、両側尿路ストーマなど |
重要な点 | 医師や看護師からストーマの管理方法や日常生活の注意点について指導を受ける |
尿路ストーマが必要となるケース
– 尿路ストーマが必要となるケース尿路ストーマは、病気や怪我などによって尿の自然な排出が困難になった場合に、尿を体外に排出するために腹部につくる人工的な排泄口です。 尿路ストーマが必要となるケースは多岐にわたり、以下のような状況が考えられます。-# がん治療による影響膀胱がん、前立腺がん、子宮がん、直腸がんなど、骨盤内の臓器に発生したがんの治療において、手術で腫瘍を切除する際に、膀胱や尿道の一部、または全部を摘出する必要が生じることがあります。 その場合、尿の出口を失ってしまうため、尿路ストーマを造設して尿の排泄経路を確保します。-# 事故や病気による損傷交通事故や転倒などによる骨盤骨折、あるいは病気による膀胱や尿道の損傷によって、尿路が閉塞したり、正常な機能を失ったりする場合があります。 このような場合にも、尿の排出をスムーズに行うために尿路ストーマが必要となることがあります。-# 排尿機能障害神経因性膀胱など、神経の障害によって膀胱の収縮や尿道の開閉がうまくいかなくなることがあります。 その結果、尿が十分に排出されず、尿路感染症を繰り返したり、腎臓に負担がかかったりする可能性があります。 このような排尿機能障害に対しても、尿路ストーマを造設することで症状の改善を図ることがあります。尿路ストーマは、患者さんにとって身体的にも精神的にも大きな変化を伴うものです。 しかしながら、尿路ストーマを造設することで、生活の質を維持し、より快適に日常生活を送ることができるようになる場合も多くあります。
ケース | 詳細 |
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がん治療による影響 | 骨盤内の臓器に発生したがんの治療において、手術で腫瘍を切除する際に、膀胱や尿道の一部、または全部を摘出する必要がある場合、尿路ストーマを造設して尿の排泄経路を確保します。 |
事故や病気による損傷 | 交通事故や転倒などによる骨盤骨折、あるいは病気による膀胱や尿道の損傷によって、尿路が閉塞したり、正常な機能を失ったりする場合、尿の排出をスムーズに行うために尿路ストーマが必要となることがあります。 |
排尿機能障害 | 神経因性膀胱など、神経の障害によって膀胱の収縮や尿道の開閉がうまくいかなくなることがあります。その結果、尿が十分に排出されず、尿路感染症を繰り返したり、腎臓に負担がかかったりする可能性があります。このような排尿機能障害に対しても、尿路ストーマを造設することで症状の改善を図ることがあります。 |
尿路ストーマの種類
尿路ストーマの手術には、いくつかの種類があります。ここでは、代表的な尿路ストーマである回腸導管と尿管皮膚瘻について詳しく説明します。
まず、回腸導管は、小腸の一部である回腸を切り離し、尿を膀胱の代わりに貯める袋として利用する方法です。この袋は、お腹の表面に作られた開口部であるストーマから尿を体外に排出します。回腸導管は、尿の貯留能力が高く、尿が腎臓に逆流するのを防ぐ効果も期待できます。しかし、手術が比較的大きく、体に負担がかかること、また、ストーマの管理に手間がかかることがデメリットとして挙げられます。
一方、尿管皮膚瘻は、尿管を直接お腹の表面に開口させる方法です。この方法では、尿管から流れてくる尿を、ストーマに装着したパウチと呼ばれる袋に直接ためます。尿管皮膚瘻は、回腸導管に比べて手術が簡単で、体に負担が少ないというメリットがあります。しかし、尿が常に体外に排出されるため、皮膚トラブルが起こりやすいことや、腎臓に細菌が感染するリスクが高いことがデメリットです。
どちらの方法にもメリットとデメリットがあるため、患者さんの状態や生活スタイルなどを考慮して、医師とよく相談し、最適な方法を選択することが重要です。
手術方法 | 説明 | メリット | デメリット |
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回腸導管 | 小腸の一部である回腸を尿の貯留袋として利用し、お腹の表面に作ったストーマから尿を排出する方法 | ・尿の貯留能力が高い ・尿が腎臓に逆流するのを防ぐ効果がある |
・手術が大きく体に負担がかかる ・ストーマの管理に手間がかかる |
尿管皮膚瘻 | 尿管を直接お腹の表面に開口させ、ストーマに装着したパウチに尿をためる方法 | ・手術が簡単で体に負担が少ない | ・皮膚トラブルが起こりやすい ・腎臓に細菌が感染するリスクが高い |
尿路ストーマの日常生活
– 尿路ストーマの日常生活
尿路ストーマは、手術によって腹部などに尿の排出口(ストーマ)を作り、そこから尿を体外に排出する方法です。尿路ストーマを造設すると、これまでのように尿道から自然に排尿することができなくなるため、生活に大きな変化が生じます。
最も大きな変化は、尿の排泄方法です。尿はストーマから常に出てきますが、それをためておくためにストーマ装具を使用します。ストーマ装具は、皮膚に直接貼り付ける袋状のもので、尿を漏らさず、かつ皮膚への負担を軽減するように作られています。材質も進化しており、皮膚に優しく、ムレにくいものが増えています。また、消臭効果の高いものや、衣服に響かない薄型のものなど、さまざまな種類がありますので、自分に合ったものを選択することが大切です。
ストーマ装具は、定期的に交換する必要があります。交換の頻度は、使用する装具の種類や尿量によって異なりますが、通常は数日に一度程度です。ストーマ周囲の皮膚を清潔に保ち、皮膚トラブルを予防するためにも、正しい方法で交換することが重要です。
尿路ストーマを造設した当初は、生活の変化に戸惑い、不安を感じることも多いかもしれません。しかし、ストーマケアの専門家である皮膚・排泄ケア認定看護師などの指導を受けることで、ストーマの管理方法や日常生活における注意点を学ぶことができます。専門家のサポートを受けながら、自分に合ったストーマ装具や生活習慣を見つけることで、安心して日常生活を送ることができます。
項目 | 詳細 |
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尿の排泄方法 | ストーマ装具を使用し、尿をためておく
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ストーマ装具の交換 |
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生活への適応 |
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尿路ストーマと向き合うために
尿路ストーマの造設は、身体の一部を失うという喪失感や、排泄の方法が変わることへの不安など、患者さんにとって大きな負担となることがあります。今まで通りの生活が送れるのか、周りの人にどう思われるのか、様々な不安が頭をよぎることでしょう。しかし、ストーマは決して恥ずべきものではありません。ストーマに関する正しい知識とケアの方法を学ぶことで、ストーマと上手く付き合っていけるようになります。
まず、ストーマの種類や仕組み、日々のケア方法について、医師や看護師からしっかりと説明を受けましょう。適切な装具の選択や使用方法を学ぶことで、漏れや皮膚トラブルを防ぎ、快適に過ごすことができます。また、不安や悩みを一人で抱え込まず、医師や看護師、あるいはストーマを造設した経験を持つ方々に相談することも大切です。同じ経験をしたからこそ分かることや、共感できることも多く、心の支えになるはずです。
ストーマに関する情報は、病院のパンフレットやインターネット、患者会などから得ることができます。様々な情報に触れることで、ストーマとの生活についてより深く理解し、不安を軽減できるでしょう。そして、ストーマがあっても、自分らしく充実した生活を送ることは十分に可能です。焦らず、ご自身のペースで、新しい生活に慣れていきましょう。
ポイント | 詳細 |
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ストーマに対する心構え |
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ストーマとの付き合い方 |
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