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泌尿器

反射性尿失禁:知っておきたい膀胱の病気

- 反射性尿失禁とは反射性尿失禁とは、自分の意思とは関係なく、膀胱に尿がたまると自然と尿が漏れてしまう状態を指します。通常、私たちは、膀胱に尿がたまると、その情報が脳に伝えられます。すると、「尿が溜まってきた」「トイレに行きたい」という感覚、つまり尿意を感じます。そして、適切な場所とタイミングを選んでトイレに行き、自分の意思で膀胱の筋肉を収縮させて排尿します。しかし、反射性尿失禁の場合は、この膀胱から脳への情報伝達がうまくいかなくなっています。そのため、尿がたまっても脳に情報が伝わらず、尿意を感じることができません。そして、膀胱がある一定量以上に尿がたまると、脳からの指令がないまま、膀胱が反射的に収縮してしまい、尿が漏れてしまうのです。この状態は、まるで、自動で水が排出される仕組みを持つタンクのようなものです。タンクに水が溜まると、あらかじめ設定された水位に達した時に、自動的に水が排出されます。反射性尿失禁では、このタンクの自動排出機能が、私たちの意思とは関係なく働いてしまう、と考えるとイメージしやすいかもしれません。
救急

病院の最前線!初療室:その役割と重要性

皆さんは「初療室」と聞いて、どのような場所を思い浮かべるでしょうか。テレビドラマなどで、緊迫した雰囲気の中、医師や看護師が慌ただしく患者に対応する様子を目にしたことがあるかもしれません。 初療室とは、救急車で病院に運ばれてきた患者さんが、最初に診療を受けるための特別な部屋のことです。まさに文字通り、その後の治療方針を決めるための最初の治療が行われる、非常に重要な場所となっています。 初療室には、一刻を争う状態の患者さんの命をつなぐための様々な医療機器が備わっています。人工呼吸器や心臓マッサージ器、電気ショックを与える除細動器など、どれも患者さんの状態を安定させ、次の段階の治療へとつなぐために必要不可欠なものです。 医師や看護師は、初療室に運ばれてきた患者さんの症状を素早く観察し、適切な処置を迅速に行います。 必要な検査を並行して行いながら、治療の優先順位を判断し、場合によっては手術室など他の専門的な部門へ患者さんを搬送することもあります。 このように、初療室は患者さんの命を救うための最前線の場であり、医師や看護師の迅速かつ的確な判断と行動が求められる場所といえるでしょう。
看護技術

ハイケアユニット:高度な医療を提供する場

- ハイケアユニットとはハイケアユニット(HCU)は、入院患者に対して、一般病棟よりも手厚い治療や看護を行うことを目的とした特別な病棟です。一般病棟では対応が難しい、より専門的な医療や看護を必要とする患者のために設けられています。では、具体的にどのような患者さんがHCUに入院するのでしょうか?例えば、外科手術後に集中的な管理が必要な方や、重篤な病気の治療中で、容体が急変する可能性がある方が挙げられます。これらの患者さんは、継続的な監視や、状態に応じた迅速な処置が必要となるため、専門性の高いHCUで治療を受けることが適切と判断されます。HCUは、一般病棟と集中治療室(ICU)の中間に位置付けられる病棟とも言えます。ICUほどは状態が安定していないものの、一般病棟で過ごすには不安がある患者さんにとって、HCUは安心できる医療環境を提供しています。
救急

居合わせた時こそ、命のリレー:バイスタンダーの役割

私たちが毎日を過ごす街中。人通りの多い駅の前や、穏やかな時間が流れる公園など、様々な場所で多くの人々が行き交っています。 しかし、そんなありふれた日常の風景は、ほんの一瞬で、予期せぬ事態に変わってしまうこともあるのです。 例えば、目の前で誰かが突然倒れてしまう、そんな場面に遭遇したらどうでしょうか? 「何か大変なことが起きている!」と感じながらも、ただ呆然と立ち尽くしてしまう、そんな経験はありませんか? 自分は何もできない、関係ないと思ってしまう気持ちも分かります。しかし、突然の事態に遭遇した時、そこに居合わせた「私たち」は、ただの通りすがりの「傍観者」なのではなく、誰もが「バイスタンダー」、つまり「救命の最初の担い手」になることができるのです。
呼吸器

命を脅かす病、肺がん:その概要と深刻さ

- 肺がんとは肺がんは、呼吸をするために重要な臓器である肺にできるがんです。 肺は、空気中から酸素を取り込み、体内に不要な二酸化炭素を排出する役割を担っています。この働きを助けるのが、空気の通り道となる気管支と、ガス交換を行う肺胞です。肺がんは、これらの気管支や肺胞といった肺の組織から発生します。 がん細胞は、正常な細胞とは異なり、無秩序に増殖を続けます。そして、周囲の健康な組織を破壊しながら大きくなっていきます。 また、肺がんで恐ろしいのは、その増殖が肺だけに留まらない可能性があることです。 がん細胞は、血液やリンパ液の流れに乗り、他の臓器に移動することがあります。そして、移動先で再び増殖を始め、新たな腫瘍を形成することがあります。これを転移と呼びます。肺がんは、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒の可能性もあるがんです。しかし、進行すると治療が難しくなる場合もあります。そのため、早期発見、早期治療が非常に重要となります。
消化器

吐き気:その不快感の正体

- 吐き気とは 吐き気は、一般的に「吐きそう」と表現される、非常に不快な感覚です。これは、胃の内容物を口から外に出したいという衝動を伴いますが、実際に吐いてしまうこと(嘔吐)とは区別されます。つまり、吐き気を感じていても、必ずしも嘔吐するとは限りません。 吐き気は、多くの人が経験するありふれた症状です。食べ過ぎや乗り物酔いなど、比較的軽い原因で起こることもあれば、病気のサインとして現れることもあります。例えば、胃腸炎や食中毒などの感染症、胃潰瘍や胆石などの消化器疾患、脳腫瘍や髄膜炎などの脳神経系の病気など、様々な病気が吐き気を引き起こす可能性があります。 吐き気は、体を守るための重要な反応の一つでもあります。体に有害な物質を摂取した場合、それを吐き出すことで、体内への吸収を防ぐ役割を果たします。また、病気の際には、食欲を抑制することで、消化器官への負担を軽減する効果もあります。 しかし、吐き気が続く場合は、脱水症状や栄養不足を引き起こす可能性もあります。そのため、吐き気が続く場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。
泌尿器

生活の質を大きく左右する排泄障害

- 排泄障害とは人間の身体は、生きていくために必要な栄養を摂取し、不要となったものを体外へ排出する機能が備わっています。その中でも、尿や便として体外へ排出する行為を「排泄」と呼びますが、この排泄の過程に問題が生じることを「排泄障害」と言います。排泄障害には、尿に関するものと便に関するものの二つに大きく分けられます。尿に関するものでは、尿がスムーズに出ない、出にくくなる、あるいは尿意を感じにくくなるなどの症状が見られます。一方、便に関するものでは、便が硬くなって出にくくなる、反対に下痢が続く、あるいは便意をうまくコントロールできないといった症状が現れます。これらの症状は、日常生活を送る上で大きな負担となることが少なくありません。例えば、尿意が気になって外出を控えるようになったり、トイレの場所やタイミングを常に気にするあまり、仕事や leisure活動に集中できないといった影響も考えられます。さらに、排泄障害を放置することで、身体的な健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、尿路感染症や腎機能の低下、便秘による腹痛や腸閉塞などのリスクも高まります。排泄障害は、多くの場合、加齢に伴う身体機能の低下や、生活習慣の乱れ、ストレスなどが原因で起こると考えられていますが、中には病気が隠れているケースもあります。そのため、排泄に関する悩みや不安を感じたら、我慢せずに医療機関を受診し、専門医に相談することが大切です。
泌尿器

排尿のメカニズム

- 排尿とは 排尿とは、体内に溜まった不要なものや余分な水分を尿として体の外に出す生理的な働きのことです。一見簡単な行為のように思えますが、複雑な神経のネットワークと筋肉の共同作業によって成り立っています。 腎臓で血液から濾し出された老廃物や余分な水分は、尿管を通って膀胱へと運ばれ、一時的に蓄えられます。 膀胱に尿が溜まってくると、その情報は感覚神経によって脳に伝えられます。脳は、膀胱がいっぱいになったことを認識し、私たちは尿意を催します。 尿意を感じても、すぐにトイレに行けない場合もあります。このような時は、脳からの指令によって膀胱の出口にある括約筋が収縮し、尿が漏れるのを防いでくれます。そして、トイレに行ける状況になると、今度は脳から膀胱の筋肉に指令が送られ、膀胱が収縮を始めます。同時に、膀胱の出口にある括約筋は弛緩し、尿は尿道を通って体外へと排出されます。 このように、排尿は意識的な制御と無意識的な反射が複雑に組み合わさって行われています。この精緻なメカニズムによって、私たちの体は健康な状態を保つことができるのです。
泌尿器

排尿痛:原因と治療法

- 排尿痛とは排尿痛とは、読んで字のごとく、おしっこを出す際に痛みや不快感を伴う症状のことを指します。ありふれた症状であり、多くの人が経験するものではありますが、その裏側には実に様々な原因が隠れている可能性があります。痛みの感じ方は人それぞれで、焼けるような熱さを感じる灼熱感や、針で刺されたような鋭い痛み、鈍く重い痛みなど、症状は多岐に渡ります。また、痛みが出始めるタイミングも、おしっこの始めだけ、途中だけ、終わりのみなど様々です。さらに、痛みの強さも個人差があり、我慢できないほどの激しい痛みを感じることもあれば、軽い違和感程度の場合もあります。このように、排尿痛は痛みの種類、出現するタイミング、痛みの強さなど、症状が多岐にわたるため、自己判断は大変危険です。原因を特定し、適切な治療を行うためには、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医による診察を受けるようにしましょう。医師は、問診や尿検査などを通じて原因を突き止め、適切な治療法を提示してくれます。場合によっては、より専門的な検査や治療が必要となるケースもあります。
泌尿器

排尿困難:症状、原因、そして治療法について

- 排尿困難の概要排尿困難とは、スムーズに尿が出ない、または尿を出すまでに時間がかかる状態のことを指します。これは年齢や性別を問わず、多くの人が経験する可能性のある一般的な症状です。排尿困難が続くと、日常生活に支障をきたすだけでなく、他の病気のサインである場合もあるため、注意が必要です。排尿困難には、いくつかのパターンがあります。例えば、尿を出すまでに時間がかかる、尿の勢いが弱い、尿が途切れ途切れに出る、残尿感があるなどが挙げられます。これらの症状は、生活に大きな影響を与える可能性があります。例えば、夜中に何度もトイレに行きたくなってしまうため、睡眠不足に悩まされることもありますし、外出を控えるようになることもあります。排尿困難の原因はさまざまですが、大きく分けて前立腺肥大症や尿道狭窄などの器質的な原因と、神経因性膀胱などの機能的な原因の二つに分類されます。前立腺肥大症は、加齢とともに前立腺が大きくなることで尿道が圧迫され、排尿困難を引き起こします。尿道狭窄は、炎症や手術などが原因で尿道が狭くなることで、排尿困難を引き起こします。一方、神経因性膀胱は、脳卒後や脊髄損傷などが原因で、膀胱や尿道の神経がうまく機能しなくなることで、排尿困難を引き起こします。排尿困難の治療法は、その原因や症状の重さによって異なります。例えば、前立腺肥大症による排尿困難であれば、薬物療法や手術療法などが行われます。尿道狭窄による排尿困難であれば、尿道カテーテルの挿入や尿道拡張術などが行われます。また、神経因性膀胱による排尿困難であれば、間欠的自己導尿や薬物療法などが行われます。排尿困難は、日常生活に大きな影響を与える可能性のある症状です。もし、少しでも排尿に異常を感じたら、我慢せずに早めに医療機関を受診しましょう。早期に適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を取り戻すことが期待できます。
泌尿器

知っておきたい排尿障害:症状、検査、治療法

排尿障害は、大きく分けて二つに分類されます。一つは、尿を膀胱にためておくことが困難になる「畜尿障害」です。もう一つは、膀胱にためた尿を体外に排出する際に問題が生じる「排出障害」です。これらの障害は、それぞれ単独で現れる場合もあれば、同時に起こる場合もあります。 畜尿障害は、尿意を感じにくい、我慢するのが難しい、あるいは尿が漏れてしまうといった症状が現れます。一方、排出障害では、尿の勢いが弱くなる、排尿に時間がかかる、残尿感があるといった症状がみられます。 これらの排尿障害の原因は、尿の通り道である下部尿路に存在することが多く、尿道や膀胱、男性であれば前立腺などが挙げられます。このような、下部尿路に原因がある排尿障害は、「下部尿路機能障害(LUTD)」と呼ばれます。LUTDは、加齢や生活習慣、病気など、様々な要因によって引き起こされます。
看護技術

生命の指標、バイタルサイン

- バイタルサインとは人間の身体が正常に機能しているかを判断する上で、重要な指標となるのがバイタルサインです。これは、心拍数、呼吸数、血圧、体温という四つの基本的な測定値を指します。健康診断や病院を受診した際、必ずと言っていいほどこれらの数値が測定されるのは、私たちの体の状態を把握する上で非常に重要だからです。心拍数は、心臓が一分間に何回拍動しているかを示す数値です。安静時の成人の場合、通常は一分間に60回から100回程度です。運動やストレス、病気などによって変動します。呼吸数は、一分間に何回呼吸をしているかを示す数値です。健康な成人の場合、通常は一分間に12回から20回程度です。心拍数と同様に、運動や精神状態、病気などによって変化します。血圧とは、血液が血管を押す圧力のことです。心臓が収縮した時の圧力を収縮期血圧(最高血圧)、心臓が拡張した時の圧力を拡張期血圧(最低血圧)と言います。一般的に、成人の正常な血圧は、収縮期血圧が120mmHg未満、拡張期血圧が80mmHg未満とされています。血圧は、加齢や塩分の摂り過ぎ、ストレス、病気などによって上昇しやすくなります。体温は、体の内部の温度のことです。人間の体は、常に一定の体温を保とうとする働きがあります。一般的に、健康な人の体温は36度台です。体温は、時間帯や環境、運動、病気などによって変動します。これらのバイタルサインは、私たちの体の状態を反映する鏡と言えるでしょう。これらの数値に異常が見られる場合は、体に何らかの異常が起きている可能性があります。日頃から自身のバイタルサインを把握しておくことが、健康管理に繋がると言えるでしょう。
泌尿器

排尿のしくみ:反射の観点から

- 排尿反射とは私たちは日頃、特に意識することなく、体内に溜まった尿を一定の時間ごとに排泄しています。この尿の排出をスムーズに行うために、体には「排尿反射」と呼ばれる機能が備わっています。排尿反射とは、膀胱に尿が溜まり、内圧が高くなることで始まる一連の反応のことです。膀胱の壁には、尿が溜まってくると伸びる性質を持つセンサーがあります。このセンサーが尿による刺激を受けると、その情報はまず脊髄に伝えられます。脊髄に到達した情報は、そのまま脳へと伝えられます。脳はこの情報に基づいて、「今は排尿に適した状況かどうか」を判断します。もし、周囲の状況が排尿に適していると判断されれば、脳から膀胱に「尿を排出してよい」という指令が出されます。この指令は再び脊髄を通り、膀胱へと伝えられます。指令を受けた膀胱は筋肉を収縮させ、それと同時に尿道の括約筋が緩むことで、尿は体外へと排出されます。このように、排尿反射は、膀胱、脊髄、脳といった複数の器官が関与する複雑なメカニズムによって制御されています。そして、私たちがこの複雑なメカニズムを意識することなく、日々、自然に排尿できているのは、この精巧な反射機構のおかげと言えるでしょう。
看護技術

看護の現場で活躍する半側臥位

- 半側臥位とは半側臥位とは、病気や怪我などで安静が必要な患者さんや、寝たきりの患者さんにとって、楽に過ごせるようにするための基本的な姿勢の一つです。この姿勢は、単に楽なだけでなく、体にかかる負担を減らし、呼吸を楽にしたり、床ずれのリスクを減らしたりする効果も期待できます。半側臥位にするには、まず患者さんを仰向けに寝かせた状態から始めます。そして、体を左右どちらか一方に、だいたい45度くらいの角度をつけて傾けていきます。この時、無理に傾けすぎないことが大切です。次に、体の向きに合わせて腕の位置を調整します。下になった方の腕は、体よりも前に出して、肘を軽く曲げてあげると楽になります。上になった方の腕は、体の後ろ側に回し、軽く曲げておきます。脚の位置も重要です。下になった方の脚は、股関節と膝の両方を軽く曲げてあげると、体が安定しやすくなります。上になった方の脚は、そのまままっすぐ伸ばしておきます。このように、半側臥位は、横向きと仰向けの中間のような姿勢をとることで、患者さんの状態を安定させ、負担を軽減することができます。ただし、患者さんの状態や状況によっては、他の姿勢の方が適している場合もあります。そのため、医師や看護師の指導のもと、適切な姿勢で行うことが重要です。
脳・神経

発達障害とは?

- 発達障害の定義発達障害とは、脳の発達における特徴が原因で、幼い頃から学生時代にかけて、日常生活や学習において様々な困難が生じる状態を指します。発達障害は、大きく分けて、自閉症、アスペルガー症候群といった広汎性発達障害と、学習障害、注意欠如多動症(ADHD)といった特定の能力の発達に偏りが見られる障害があります。発達障害は、決して知能の遅れではありません。知的な発達には問題がないものの、コミュニケーションや社会性、学習、注意などに困難が生じる場合があります。例えば、自閉症の人は、言葉によるコミュニケーションや他人との関わりが苦手な一方、特定の分野において優れた集中力や記憶力を発揮することがあります。また、ADHDの人は、注意を持続することが難しく、落ち着きのない行動が見られる一方、高い創造性や行動力を持ち合わせていることがあります。発達障害は、その特性や程度は人それぞれです。 大切なのは、それぞれの特性を理解し、その人に合った環境や教育を提供することです。そうすることで、発達障害のある人も、その能力を最大限に発揮し、社会で活躍していくことができるのです。
歯科・口腔

人間の歯:噛み砕く強さの秘密

私たちが食事を楽しむ時、欠かせないのが食べ物を噛み砕く動作です。この重要な役割を担っているのが歯です。口の中に規則正しく並んだ歯は、硬いエナメル質で覆われており、その強靭さから、堅い食材にも難なく食らいつくことができます。 食べ物を噛む際、歯は単に小さくするだけでなく、すり潰す、混ぜ合わせるといった作業も行っています。食べ物を細かくすることで、表面積を広げ、消化液がより浸透しやすくなるため、胃や腸での消化吸収をスムーズに行うことができるのです。 歯は、私たちが健康な食生活を送る上で非常に重要な役割を担っています。歯を健やかに保つことは、楽しく食事を続け、健康的な毎日を送るために欠かせないと言えるでしょう。
泌尿器

バルーンカテーテル:膀胱への安全なアクセス

- バルーンカテーテルとはバルーンカテーテルとは、体内の管状の器官や血管などに挿入して使用する、先端に風船状の部分が付いた医療用の細い管のことです。この風船部分は「バルーン」と呼ばれ、カテーテルを目的の場所に固定したり、管を広げたりするために使用されます。バルーンカテーテルは、心臓、血管、尿道、胆管など、体の様々な部位で使用されます。例えば、心臓カテーテル検査では、心臓の冠動脈にバルーンカテーテルを挿入し、バルーンを膨らませて狭くなった血管を広げます。泌尿器科領域では、バルーンカテーテルは主に尿道から膀胱に挿入し、尿を体外に排出する目的で使用されます。この場合、カテーテルは「尿道カテーテル」と呼ばれ、膀胱内に挿入された後、バルーンに水または生理食塩水を注入して膨らませることで、カテーテルが抜け落ちないように固定します。バルーンカテーテルは、医療現場において様々な疾患の診断や治療に欠かせない医療機器の一つとなっています。
看護技術

ハイケアユニット:高度な医療を提供する場

- ハイケアユニットとはハイケアユニット(HCU)は、入院患者さんのうち、病状が重く、一般的な病棟での看護や治療では対応が難しい患者さんを受け入れる、専門性の高い病棟です。HCUは、一般病棟と集中治療室(ICU)の中間に位置付けられ、ICUほどは病状が不安定ではないものの、より手厚い看護や治療が必要な患者さんが入院しています。HCUでは、患者さん一人ひとりの病状に合わせた、きめ細やかな医療が提供されます。医師や看護師だけでなく、薬剤師、理学療法士、栄養士など、多職種の医療スタッフが連携し、患者さんの状態回復をサポートします。また、HCUでは、医療機器や設備も充実しており、患者さんの状態を常に監視し、必要があれば迅速な対応ができる体制が整っています。HCUに入院される患者さんは、例えば、手術後や、脳卒中、心筋梗塞など、重篤な病気の急性期を脱した方などです。HCUでの治療や看護を通して、患者さんの病状が安定し、自立した生活を送れるようになることを目指します。そして、状態が改善すれば、一般病棟へ転棟となります。HCUは、患者さんが一日も早く回復し、自宅へ退院できるよう、集中的な治療と看護を提供する役割を担っています。
救急

病院の最前線!初療室の役割と重要性

皆さんは「初療室」と聞いて、どのような場所を想像するでしょうか?テレビドラマなどで目にする機会も多いかもしれません。緊迫した雰囲気の中で、医師や看護師が慌ただしく動き回り、患者さんの命を救おうと全力を尽くしている、そんなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか? 初療室とは、病院に搬送されてきた一刻を争う患者さんを最初に受け入れる、まさに命の入り口ともいえる場所です。 交通事故や心筋梗塞、脳卒中など、予期せぬ出来事によって重篤な状態に陥った患者さんが、救急車で次々と運び込まれてきます。一刻を争う状況の中、医師や看護師は、患者さんの状態を迅速かつ的確に把握し、必要な処置を施さなければなりません。 初療室では、患者さんの意識レベル、呼吸、脈拍、血圧などを確認し、重症度に応じて、気道確保、人工呼吸、心臓マッサージなどの救命処置を優先的に行います。 また、必要があれば、輸血や緊急手術などの処置も行われます。 初療室は、患者さんにとって、まさに生死を分ける重要な場所であると同時に、医師や看護師にとっても、その知識、経験、判断力が試される場でもあります。日々の訓練と研鑽を積み重ね、冷静かつ迅速な対応で、一人でも多くの命を救うために、彼らは今日も初療室で闘っています。
泌尿器

排尿中枢:体からの尿の排出を制御する

- 排尿中枢とは 人間は、体内で不要になった水分や老廃物を尿として体外に排出します。この尿の排出をスムーズに行うために、体には尿を膀胱にためておき、適切なタイミングで排尿を促す仕組みが備わっています。この仕組みをコントロールしているのが、脳と脊髄の一部に存在する「排尿中枢」と呼ばれる神経中枢です。 排尿中枢は、脳の橋にある排尿中枢(橋排尿中枢)と、脊髄の仙髄にある排尿中枢(仙髄排尿中枢)の二つに分けられます。橋排尿中枢は、排尿を意識的にコントロールする際に働く上位中枢としての役割を担います。一方、仙髄排尿中枢は、膀胱が尿で満たされると反射的に排尿を促す、より原始的な中枢です。 これらの排尿中枢は、膀胱や尿道に分布する感覚神経、筋肉を動かす運動神経と複雑にネットワークを形成し、互いに情報をやり取りしながら排尿の開始・停止を制御しています。 例えば、膀胱に尿がたまると、その情報が感覚神経によって脊髄、そして脳へと伝えられます。すると、脳は状況を判断し、適切なタイミングで排尿するように指令を出します。この指令は脊髄を通り、仙髄排尿中枢を経由して膀胱や尿道の筋肉に伝えられ、排尿が開始されます。 このように、排尿中枢は、複雑な神経回路網によって緻密に制御された、体にとって重要な機能と言えるでしょう。
泌尿器

医療現場で使われる言葉~ハルンって何?~

病院に行くと、医師や看護師が使う、普段の生活では聞き慣れない言葉に戸惑うことはありませんか? 例えば、「バイタルサイン」「サチュレーション」「ルート確保」といった言葉は、医療従事者にとっては日常的な言葉でも、患者さんにとっては初めて耳にする言葉かもしれません。 このような医療現場で使われる専門用語は、患者さんとのコミュニケーションを難しくする一因となる可能性があります。患者さんが自分の症状や治療内容を正確に理解するためには、医師や看護師が分かりやすい言葉で説明することが重要です。 もちろん、医療従事者が専門用語を使うのには理由があります。専門用語を使うことで、正確かつ簡潔に情報を伝えることができますし、他の医療従事者との間で誤解なく意思疎通を図ることができます。しかし、患者さんにとって分かりにくい言葉では、適切な治療を受けてもらうための信頼関係を築くことが難しくなってしまう可能性も考えられます。 医療現場では、患者さんが安心して治療を受けられるよう、分かりやすい言葉で説明することが求められています。医師や看護師は、患者さんの立場に立って、専門用語を避ける、もしくは分かりやすく言い換えるなど、コミュニケーションを工夫していく必要があります。
呼吸器

鼻カニューレ:呼吸を楽にする医療器具

- 鼻カニューレとは鼻カニューレは、呼吸に問題を抱えている患者さんに酸素を供給するための医療器具です。細いチューブの先端に、鼻の穴に優しくフィットする柔らかい素材で作られた二股に分かれた部分があり、これを鼻腔に挿入して使用します。鼻カニューレは、その形状から「メガネ型カニューラ」とも呼ばれ、マスクタイプに比べて患者さんの負担が少ないという利点があります。そのため、呼吸困難、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺炎など、様々な疾患の患者さんに使用されています。鼻カニューレを通して供給される酸素は、血液中の酸素濃度を上昇させます。これにより、呼吸が楽になるだけでなく、臓器の機能維持にも役立ちます。また、息苦しさから解放されることで、患者さんの不安軽減にもつながります。鼻カニューレは、医師の指示のもと、適切な流量で酸素を供給することが重要です。流量が少なすぎると効果が得られず、多すぎると副作用が現れる可能性があります。酸素を使用する際は、火気に近づかないなど、安全にも十分注意する必要があります。
看護技術

寝たきりでも快適な入浴を:ハーバード浴とは

- ハーバード浴とは寝たきりなどで、自力で入浴することが難しい方でも、安全かつ快適に入浴できるように工夫された方法を、ハーバード浴と言います。この入浴方法は、アメリカのマサチューセッツ州にあるハーバード大学医学部付属病院で考案されたことから、その名が付けられました。ハーバード浴では、専用のストレッチャーを使用します。このストレッチャーは、防水加工が施されており、寝たままの状態の患者を安全に移動させることができます。まず、患者はベッドからこのストレッチャーに移されます。そして、ストレッチャーごと浴槽にゆっくりと沈められます。この時、浴槽の温度は体温に近い温度に保たれており、患者は身体への負担を最小限に抑えながら、入浴を楽しむことができます。ハーバード浴は、身体を清潔にするだけでなく、血行促進やリラックス効果も期待できます。また、温浴効果によって筋肉の緊張が和らぐため、関節の可動域の改善にも繋がると言われています。さらに、寝たきりの患者にとって、入浴は気分転換にもなり、生活の質の向上に大きく貢献します。
呼吸器

肺炎:その症状と予防法

- 肺炎とは?肺炎とは、肺に炎症が起こり、様々な症状を引き起こす病気です。肺の中の、空気を取り込んで血液に酸素を送る「肺胞」と呼ばれる小さな袋に、細菌やウイルスなどの病原体が侵入し、炎症を起こすことで発症します。肺炎は、誰にでも発症する可能性のある身近な病気ですが、決して軽視することはできません。特に、乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方などは、重症化しやすい傾向があります。肺炎が重症化すると、呼吸困難に陥り、入院が必要となるケースもあります。最悪の場合、命に関わる危険性もあるため、注意が必要です。肺炎の原因は様々ですが、大きく分けると、細菌、ウイルス、真菌などが挙げられます。中でも、肺炎球菌という細菌による肺炎は多く、高齢者の方に多く見られます。また、インフルエンザなどのウイルス感染をきっかけに、細菌性の肺炎を併発することもあります。肺炎の予防には、普段から手洗いやうがいを徹底し、外出時にはマスクを着用するなど、感染症対策を心がけることが大切です。また、高齢者や基礎疾患を持つ方は、肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を受けることも有効な手段です。肺炎は、早期発見・早期治療が重要です。咳や痰、発熱などの症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
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