「て」

健康寿命

高齢者の生活を支えるデイサービス

- デイサービスとはデイサービスは、介護が必要な高齢者が日帰りで施設に通い、食事や入浴などの日常生活の支援を受けたり、レクリエーション活動に参加したりすることができるサービスです。介護保険のサービスの一つで、要介護認定を受けた方が利用することができます。日中だけ施設を利用するため、夜間や休日は自宅で過ごすことができます。そのため、住み慣れた環境で生活を続けながら、必要な時に必要なサポートを受けることができるというメリットがあります。デイサービスでは、利用者の方一人ひとりの状態や希望に合わせたサービスを提供しています。例えば、身体機能の維持・向上を目的としたリハビリテーションや、認知症の予防・改善のためのプログラムなどがあります。また、他の利用者との交流を通して、社会的なつながりを作ることもできます。デイサービスを利用することで、高齢者本人の生活の質を高めるだけでなく、家族の介護負担を軽減することにもつながります。介護を必要とする方がいらっしゃいましたら、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご相談ください。
循環器

心臓手術後のリスク:低心拍出量症候群

- 低心拍出量症候群とは 心臓は、まるで体中に血液という大切な栄養を届けるポンプのような役割を担っています。この心臓の働きが悪くなり、全身に十分な血液を送り出せなくなった状態を低心拍出量症候群(LOS)と呼びます。 私たちの体は、心臓から送り出される血液によって酸素や栄養を受け取っています。しかし、心臓の手術後や、心筋梗塞などが原因で心臓のポンプ機能が低下すると、必要な量の血液が体内を巡らなくなってしまいます。 その結果、全身の臓器や組織は酸素不足や栄養不足に陥り、様々な症状が現れます。 息切れや動悸、疲れやすくなるなどの症状が現れることもあれば、重症化すると意識障害に陥ることもあります。 低心拍出量症候群は、命に関わる危険性もあるため、早期の発見と適切な治療が重要となります。
産婦人科

低用量ピル: 避妊以外の使い方

- 低用量ピルってどんな薬?低用量ピルは、女性の体内で作られる女性ホルモンと似た成分を、ごく少量だけ含んだお薬です。毎日決まった時間に飲むことで、体の中の女性ホルモンの量を調整し、主に避妊を目的として使われます。ピルと聞くと、「避妊薬」というイメージが強いかもしれません。しかし、低用量ピルは単に妊娠を防ぐだけでなく、月経痛や月経不順の改善、PMS(月経前症候群)の症状緩和など、女性にとって嬉しい効果も期待できます。低用量ピルは、医師の処方が必要な薬です。自己判断で使用せず、まずは産婦人科を受診し、医師に相談してみましょう。医師の診察と指導のもと、正しく服用することで、より安心して低用量ピルの効果を実感できます。
循環器

静かなる脅威:低血圧を知る

- 低血圧とは私たちの体は、心臓がポンプのように機能することで、血液を全身に送り届けています。 血液は、酸素や栄養を体の隅々まで運び、老廃物を回収するという重要な役割を担っています。この血液が血管を押す力のことを血圧といいますが、低血圧とは、文字通りこの血圧が正常範囲よりも低い状態を指します。一般的には、上の血圧(収縮期血圧)が90mmHg未満、下の血圧(拡張期血圧)が60mmHg未満の場合に低血圧と診断されます。 血圧は常に一定ではなく、時間帯や活動量、ストレス、体位などの変化によって上下します。低血圧は、健康な人にも見られることがあります。例えば、激しい運動の後や、長時間立ちっぱなしの状態、脱水症状などによって一時的に血圧が低下することがあります。また、体質的に血圧が低くても、特に自覚症状がなく健康に過ごせている人もいます。しかし、急激な血圧低下によってめまいや立ちくらみ、ふらつき、意識消失などの症状が現れる場合は注意が必要です。 これらの症状は、脳へ十分な血液が供給されなくなることで起こります。このような場合は、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
脳・神経

てんかん:脳の電気信号の乱れが引き起こす発作

- てんかんとはてんかんは、脳の神経細胞が一時的に過剰に興奮することによって起こる病気です。この過剰な興奮は、脳波の異常として記録され、様々な症状を引き起こします。この症状を「発作」と呼びます。発作には、意識を失って全身が硬直したり、手足が痙攣する「大発作」や、一瞬意識がぼーっとするだけの「欠神発作」など、様々な種類があります。発作の症状は、脳のどの部分が過剰に興奮するかによって異なります。てんかんは決して珍しい病気ではなく、世界中で約5000万人が罹患していると推定されています。日本では人口の約1%、およそ100万人がてんかんを抱えていると考えられており、誰にでも起こりうる病気と言えます。てんかんの原因は様々で、脳腫瘍や頭部外傷、脳血管障害などが原因で発症する場合もあれば、原因が特定できない場合もあります。 てんかんは、適切な治療を行うことで発作をコントロールし、普通の生活を送ることが可能な病気です。てんかんの治療には、薬物療法や外科療法など、様々な方法があります。
泌尿器

点滴静注腎盂造影:腎臓の形態と機能を調べる検査

- 点滴静注腎盂造影とは点滴静注腎盂造影(DIP)は、腎臓の働きや尿の通り道である尿路の形を詳しく調べるための検査です。 検査ではまず、血管に点滴の針を刺し、そこから造影剤と呼ばれる薬を注入します。 この造影剤は、レントゲン写真に白く映し出される性質があります。 造影剤が血液に乗って腎臓に到達すると、腎臓は血液から老廃物などを濾過して尿を生成し、尿路を通して体外へ排出する働きをします。 点滴静注腎盂造影では、造影剤を注入してから決められた時間ごとに複数回レントゲン撮影を行うことで、腎臓が造影剤をどのように尿へ排泄していくのかを観察します。 この検査によって、腎臓の大きさや形、体の中での位置などを詳しく知ることができます。 また、尿が腎臓から膀胱までスムーズに流れているか、尿路が狭くなっていたり、詰まっていたりしないかなども調べることができます。 点滴静注腎盂造影は、腎臓や尿路の病気の診断に非常に役立つ検査と言えるでしょう。
心の問題

デブリーフィング:心のケアにおける現状と課題

- デブリーフィングとはデブリーフィングとは、大きな衝撃を受けた経験について、その直後から数週間の間に、経験を共有し、感情を整理することで、心の安定を目指す心理的なケアの方法です。自然災害、事故、事件、暴力など、私たちが予期せず遭遇する出来事は、時に心に深い傷跡を残すことがあります。このような経験をした直後は、ショックや混乱、恐怖、不安など、様々な感情に圧倒され、冷静に状況を把握することが難しい状態に陥ることがあります。デブリーフィングは、このような状態にある人に対して、安全な場で自分の体験を語り、感情を吐き出す機会を提供することで、心の安定を取り戻し、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的な問題を予防することを目的としています。デブリーフィングという言葉は、元々は軍隊で使われていた用語で、戦場から帰還した兵士たちが、自らの体験を語り合うことで心の安定を取り戻すための手法として用いられていました。現在では、軍隊に限らず、消防士、警察官、医療従事者など、ストレスの多い現場で働く人々や、災害や事故の被害者、その家族など、幅広い人々に提供されています。デブリーフィングは、必ずしも専門家が主導する必要はなく、友人や家族、同僚など、信頼できる相手に話を聞いてもらうだけでも効果があると言われています。ただし、深刻な心の傷を負っている場合には、専門家による適切なケアが必要となることもあります。
検査

生命を支える電解質:役割と重要性

私たちの身体は約60%が水分でできており、その水分には様々な物質が溶け込んでいます。その中でも、水に溶けると電気を帯びるようになる物質のことを「電解質」と呼びます。電気を帯びた物質のことを「イオン」と呼ぶため、電解質は水に溶けるとイオンになる物質とも言えます。 私たちの身体の中には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど、様々な種類の電解質が存在し、それぞれ重要な役割を担っています。例えば、ナトリウムは体内の水分量を調整したり、神経伝達をスムーズに行うために欠かせません。また、カリウムは筋肉の収縮や心臓の働きを正常に保つために、カルシウムは骨や歯を作るだけでなく、血液凝固や筋肉の収縮にも関わっています。 これらの電解質は、私たちの身体の中で常に一定の濃度に保たれている必要があり、そのバランスが崩れると、脱水症状や筋肉の痙攣、神経伝達の異常など、様々な体調不良を引き起こす可能性があります。電解質のバランスを維持するためには、日頃からバランスの取れた食事を心がけ、汗をかいた時などは、スポーツドリンクや経口補水液などで電解質を補給することが大切です。
耳鼻科

音の大きさを表す単位:デシベル

私たちが日々耳にしている「音」は、空気の振動が波のように伝わってくる現象です。この音の強さを表す単位として「デシベル」が使われています。デシベルは記号で「dB」と表記され、音の強さや音圧のレベルを示す単位です。日常生活の様々な場面で、音の大きさを表す際に用いられています。 音の強さは、音源から発せられるエネルギーの大きさによって決まります。エネルギーが大きいほど、音は大きく聞こえます。この音のエネルギーを分かりやすく数値で表したのがデシベルです。デシベルは対数スケールで表されるため、数値が大きくなるほど、実際の音のエネルギーは急激に増加します。例えば、20dBの音と40dBの音では、数値上は2倍の差ですが、実際の音のエネルギーは100倍も違います。 デシベルは、私たちの身の回りにある様々な音の大きさを表す際に用いられています。例えば、静かな図書館内は40dB程度、普通の会話は約60dB、電車の車内は約80dB、飛行機のエンジン音は約120dBとされています。このように、デシベルを用いることで、音の大きさを客観的な数値で把握することができます。 デシベルは、騒音対策など、音に関する様々な分野で重要な役割を果たしています。また、近年では、家電製品の音の静音化が進み、静かな環境を作ることへの関心が高まっています。デシベルについて理解を深めることは、快適な音環境作りにも役立ちます。
循環器

心臓手術後のリスク:低心拍出量症候群とは?

- 低心拍出量症候群とは 私たちの体は、心臓という重要な臓器が休むことなく血液を送り出すことで、酸素や栄養を体の隅々まで届けています。この心臓のポンプ機能が低下し、十分な量の血液を送り出せなくなった状態を低心拍出量症候群と呼びます。 心臓は、まるで体中に血液を巡らせるエンジンです。しかし、このエンジンが何らかの原因でうまく動かなくなると、体全体に深刻な影響を及ぼします。酸素や栄養が不足することで、様々な臓器が正常に機能しなくなる可能性があります。 心臓手術後や心臓発作後、心肺蘇生後などは、心臓に大きな負担がかかり、低心拍出量症候群のリスクが高まります。また、心臓以外の病気、例えば重度の肺炎や敗血症などが原因となることもあります。 低心拍出量症候群は、放置すると生命に関わる危険性があります。早期発見・早期治療が重要となるため、気になる症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
小児科

よくある夏風邪?手足口病について

- 手足口病とは手足口病は、主にコクサッキーウイルスA6、A16、エンテロウイルス71などのウイルス感染によって引き起こされる、感染力が強い病気です。乳幼児を中心に、主に夏に流行が見られます。-# 代表的な症状手足口病という名前の通り、手のひら、足の裏、口の中などに赤い発疹が現れ、その中心に水ぶくれができるのが特徴です。発疹はかゆみを伴う場合もあり、水ぶくれは破れると痛みを伴うこともあります。口の中にできた発疹は口内炎となり、食事や飲み物を摂るのが辛くなることがあります。また、発熱や喉の痛み、だるさ、食欲不振などの症状が出ることもあります。-# 感染経路と予防手足口病は、感染者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込むこと(飛沫感染)や、ウイルスが付着したおもちゃやドアノブなどを触った後、自分の口や鼻、目を触ること(接触感染)によって感染します。そのため、こまめな手洗いうがいを徹底することが重要です。また、タオルの共用を避けたり、咳エチケットを心がけたりすることも有効な予防策です。-# 治療手足口病はウイルス性の病気であるため、特別な治療法はありません。基本的には、安静にして、水分を十分に摂り、症状に合わせて解熱鎮痛剤を使用するなど、対症療法が中心となります。ほとんどの場合、1週間程度で症状は改善しますが、まれに髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。特に、高熱が続いたり、ぐったりしているなど、いつもと様子が違う場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
産婦人科

低用量ピルの多様な役割

- 低用量ピルとは低用量ピルは、女性の体内で自然に分泌されるホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンを、ごく微量だけ含んだ飲み薬です。主な目的は避妊で、毎日決まった時間に服用することで、高い確率で妊娠を避けることができます。従来のピルに比べてホルモンの量がかなり抑えられているため、吐き気や頭痛、乳房の張りといった副作用が少なくなっています。これは低用量ピルの大きなメリットと言えるでしょう。また、月経周期を整えたり、月経痛や月経量を軽減する効果も期待できます。低用量ピルは医師の処方が必要な薬です。自己判断で服用することは大変危険なので、必ず医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。医師は、問診や診察を通して、その人に合った種類のピルを選択し、服用方法や注意点などを丁寧に説明してくれます。
皮膚科

手湿疹:原因と対策を知って手肌を守ろう

- 手湿疹とはどんな病気?手湿疹とは、その名の通り、手に炎症が起こる皮膚の病気を指します。 主な症状としては、我慢できないほどの強いかゆみ、皮膚の赤み、そして小さな水ぶくれなどが挙げられます。 これらの症状は、初期段階では一時的なものとして現れることもありますが、症状が悪化すると、皮膚の乾燥やひび割れ、さらには皮膚が厚くなってしまうなどの変化が見られることもあります。 手は日常生活で頻繁に使うため、手湿疹の症状が出ると、様々な場面で不便を感じることがあります。例えば、洗い物や洗濯などの家事や、パソコン作業や字を書くなどの仕事、趣味の活動など、多くの場面で支障が出てしまう可能性があります。 このような不便さは、日常生活の質を低下させるだけでなく、精神的なストレスにもつながりかねません。 そのため、手湿疹の症状が出た場合は、自己判断で対処するのではなく、早めに皮膚科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
その他

防御反応:身体を守るメカニズム

「防御」という言葉は、私たちが日常で何気なく使っている言葉ですが、その意味するところは、攻撃から身を守る、危険を回避するといった、自らを危険から守る行動を指します。この行動は、何も特別な状況下だけに限った話ではありません。私たちは日常生活を送る中で、意識的にせよ、無意識的にせよ、様々な危険から身を守るために防御反応を示しています。 例えば、熱い鍋にうっかり触れてしまいそうになった時、私たちはとっさに手を引っ込めます。これは、熱という危険から身を守るための、無意識的な防御反応の一例です。また、強い日差しから目を守るために帽子をかぶったり、日傘を差したりするのも、日焼けという危険を回避するための、意識的な防御行動と言えるでしょう。 このように、「防御」という言葉は、外からの攻撃や危険から、自分自身を守るための、あらゆる行動を包括的に表す言葉と言えるでしょう。
皮膚科

皮膚のトラブルはデルマで解決

- デルマとは「デルマ」とは、ギリシャ語で「皮膚」を意味する言葉です。日本では、皮膚科医のことを「デルマドクター」と呼ぶことがあります。これは、皮膚の健康と美しさに特化した専門家という意味合いが込められています。皮膚科は、皮膚の病気を専門に扱う診療科です。具体的には、湿疹やアトピー性皮膚炎、ニキビといった一般的な皮膚トラブルから、水虫や円形脱毛症、さらに皮膚がんまで、幅広い症状に対応しています。皮膚は、私たちの体の中で最も外側にあり、外界からの刺激を常に受けている器官です。そのため、様々なトラブルが起こりやすく、その症状も多岐にわたります。このような皮膚のトラブルに対して、適切な診断と治療を行うのが皮膚科医の役割です。皮膚科では、塗り薬や飲み薬による治療だけでなく、レーザー治療や手術など、様々な治療法があります。症状や原因、そして患者さんのライフスタイルに合わせて、最適な治療法を提案します。皮膚の健康は、私たちの生活の質に大きく関わります。何か気になる症状があれば、自己判断せずに、早めに皮膚科を受診しましょう。
産婦人科

帝王切開:出産のもう一つの選択肢

帝王切開とは、お母さんのお腹と子宮を切開して赤ちゃんを直接取り出す手術のことです。一般的に「帝王切開」と呼びますが、正式には「腹部子宮摘出術」と言います。赤ちゃんが産道を通って自然に出てくる経膣分娩とは異なり、外科的な処置によって出産を行います。 帝王切開は、母体または胎児の安全を確保するために必要と判断された場合に行われます。例えば、お母さんに妊娠高血圧症候群や心臓病などの合併症がある場合、赤ちゃんが逆子や横向きの状態であるなど、経膣分娩が難しいと判断された場合に選択されます。 帝王切開は、古代ローマ皇帝のガイウス・ユリウス・カエサルが、この方法で生まれたという伝説からその名がついたと言われています。もちろん、当時は現代のような医療技術はなく、母体への負担も大きかったと考えられます。しかし、現代の医療においては麻酔や手術の技術が進歩し、帝王切開は比較的安全な手術となっています。 帝王切開は、お母さんと赤ちゃんを守るための大切な選択肢の一つです。
小児科

赤ちゃんの足の変形:デニス・ブラウン副子について

- デニス・ブラウン副子とは?赤ちゃんの中には、生まれつき足の形が少し違う場合があります。内反足は、その代表的な例で、足先が内側に曲がってしまう状態を指します。このような変形を自然に治すために用いられるのが、デニス・ブラウン副子と呼ばれる装具です。デニス・ブラウン副子は、金属の棒の両端に、靴によく似た形の部品が取り付けられています。この部品に赤ちゃんの足を固定することで、足先がまっすぐになるように矯正していきます。この装具は、24時間装着するのが一般的で、寝ている間も装着し続けることで効果が期待できます。この副子は、イギリスの医師であるデニス・ブラウンによって考案されました。彼は、添え木を用いた内反足の治療法を提唱し、その功績からこの装具に彼の名前が付けられました。デニス・ブラウン副子は、赤ちゃんの足の変形を矯正する効果的な方法として、現在でも広く用いられています。ただし、装着には医師の指導が必要となります。保護者は、医師の指示に従って、正しく使用することが大切です。
血液

低血糖とその影響

- 低血糖とは私たちの体は、活動するためのエネルギー源としてブドウ糖を必要としています。食事から摂取した炭水化物は体内でブドウ糖に変換され、血液によって全身に運ばれます。この血液中のブドウ糖の濃度を血糖値と呼び、健康な状態を保つためには、血糖値が一定の範囲内に保たれていることが重要です。しかし、様々な要因によって血糖値が正常範囲よりも低下してしまうことがあります。この状態を低血糖と呼びます。低血糖の主な原因としては、糖尿病の治療薬であるインスリンや経口血糖降下薬の使用、食事の量が少なすぎる、激しい運動、アルコールの過剰摂取などが挙げられます。低血糖になると、体がエネルギー不足に陥り、様々な症状が現れます。 代表的な症状としては、冷や汗、動悸、手の震え、空腹感、脱力感、集中力の低下、頭痛、意識障害などがあります。低血糖は適切な処置を行えば速やかに回復することがほとんどです。軽度の低血糖であれば、砂糖やジュースなど、ブドウ糖を多く含むものを摂取することで改善します。しかし、意識障害があるなどの重症の場合は、医療機関への搬送が必要となることもあります。日頃からバランスの取れた食事を心がけ、低血糖のリスク因子となる行動を控えることが、低血糖の予防には重要です。また、糖尿病の治療を受けている方は、医師の指示に従って薬を服用し、定期的な血糖値の測定を行うようにしましょう。
その他

治療の転帰:その意味と重要性

- 治療の転帰とは 病気や怪我は、自然に治る場合もあれば、治療が必要な場合もあります。治療が必要な場合、私達はその病気や怪我に対して、薬を飲んだり、手術を受けたりなど、様々な方法で治療を行います。 では、治療の効果はどのように判断すれば良いのでしょうか? この時、「治療の転帰」という言葉が重要になります。 「治療の転帰」とは、簡単に言うと、治療がどのような結果になったのかを表す言葉です。 例えば、風邪をひいて病院に行き、医師から薬をもらって飲み続けたら、症状が軽くなり、最終的に治ったとします。この場合、「治療の転帰」は「治癒」という言葉で表すことができます。 このように、「治療の転帰」は、「治癒」以外にも、様々な言葉で表されます。 例えば、病気が完全に治らなくても、症状が軽くなったり、進行が遅くなったりした場合もあります。このような場合は、「改善」「軽快」「寛解」といった言葉で表されます。 逆に、治療を行っても病状が悪化したり、亡くなってしまったりすることもあります。このような場合は、「増悪」「死亡」といった言葉で表されます。 「治療の転帰」は、治療の効果を判断する上で、非常に重要な要素です。 治療の効果を正しく評価することで、より効果的な治療法を選択できるようになり、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供することに繋がります。
その他

テニスをしない人も注意!テニス肘とは?

- テニス肘ってどんな病気?テニス肘とは、肘の外側が痛む病気で、医学的には『上腕骨外側上顆炎』と呼ばれます。肘の外側には、骨の出っ張った部分(外側上顆)があり、手首や指を伸ばす筋肉(短橈側手根伸筋など)の多くがこの部分に繋がっています。テニス肘は、これらの筋肉に負担がかかり続けることで、筋肉と骨の繋ぎ目に炎症が起き、痛みが生じると考えられています。テニスをする人に多くみられることから「テニス肘」という名前がつきましたが、実際にはテニスをする人だけでなく、誰でもなる可能性があります。例えば、パソコン作業や手作業など、手首を頻繁に使う仕事や日常生活で起こることもあります。主な症状としては、肘の外側の痛みや腫れ、握力の低下などが挙げられます。安静にしていれば痛みは治まることもありますが、悪化すると、ドアノブを回したり、コップを持ったりするなどの簡単な動作でも痛みを感じるようになります。テニス肘は、適切な治療と予防を行うことで改善する病気です。痛みが強い場合は、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
検査

進化するレントゲン:デジタルX線撮影法とは?

医療現場において、画像診断は患者の状態を把握し、適切な治療方針を決定するために欠かせないものです。中でも、レントゲン撮影は骨の状態や臓器の位置などを把握する上で、長年にわたり広く活用されてきました。従来のレントゲン撮影では、X線を照射して感光させたフィルムを現像することで画像を得ていました。しかし近年、デジタル技術の進歩に伴い、医療分野においてもデジタル化が進展しています。 その中でも特に、デジタルX線撮影法は従来のフィルムを用いた方法に比べて多くの利点を持つことから、急速に普及しつつあります。 デジタルX線撮影法は、X線を電気信号に変換して画像データとして取得する撮影方法です。従来のフィルム現像のような手間が省けるだけでなく、鮮明な画像を短時間で得られることが大きなメリットとして挙げられます。さらに、コンピュータ上で画像の拡大や縮小、濃淡調整などが容易に行えるため、診断の精度向上にも大きく貢献しています。また、デジタルデータとして保存されるため、フィルムの保管スペースが不要になるだけでなく、電子カルテとの連携も容易になり、医療現場の業務効率化にも繋がっています。このように、多くの利点を持つデジタルX線撮影法は、医療現場において今後ますますその存在感を増していくと考えられます。
脳・神経

てんかん:脳の電気信号の乱れが引き起こす発作

- てんかんとはてんかんは、脳の神経細胞が異常に興奮することで、様々な症状が現れる病気です。脳は、神経細胞が電気信号を発することで、体を動かしたり、考えたり、感じたりする指令を出しています。てんかんの場合、この電気信号が過剰に発生することで、発作と呼ばれる症状が起こります。多くの人は、てんかんと聞くと、手足が硬直したり、激しく痙攣する姿を思い浮かべるかもしれません。しかし、てんかんの発作は、意識、動作、感覚など、実に多様な症状を引き起こします。例えば、意識がぼーっとして周囲の状況が分からなくなる、体の一部がピクピクと勝手に動く、実際にはしないにおいや味を感じるなど、症状は人によって様々です。重要なのは、これらの症状が繰り返し起こるかどうかです。例えば、十分な睡眠が取れなかったり、強いストレスを感じたりした場合、一時的に意識を失うことは誰にでも起こり得ます。しかし、てんかんの場合は、特別なきっかけがなくても、繰り返し発作が起こるのが特徴です。てんかんは、適切な治療を行うことで、発作を抑え、日常生活を送ることができる病気です。発作が疑われる場合は、ためらわずに医療機関を受診しましょう。
血液

身近に潜む鉄不足: 鉄欠乏性貧血とは

- 鉄欠乏性貧血とは?鉄欠乏性貧血とは、体の中に鉄分が不足することによって起こる貧血です。 貧血とは、血液中の赤い色素であるヘモグロビンが減ってしまう状態を指します。 ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。 鉄は、このヘモグロビンを作るために必要不可欠な成分です。 体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られなくなり、その結果、酸素を全身に効率よく運ぶことができなくなってしまいます。 鉄欠乏性貧血になると、以下のような症状が現れることがあります。* 顔色が青白い* 疲れやすい* 動悸がする* めまいがする* 頭痛がする* 食欲不振* 爪が割れやすい、スプーン状になる鉄欠乏性貧血は、特に成長期のお子さんや妊娠中の女性に多く見られます。 また、月経のある女性は、月経のたびに血液とともに鉄分も失われるため、鉄欠乏性貧血になりやすいと言われています。鉄欠乏性貧血と診断された場合は、鉄剤の内服や食事療法によって治療を行います。 鉄分を多く含む食品としては、レバーやほうれん草、ひじきなどが挙げられます。
その他

根絶された感染症:天然痘

天然痘は、天然痘ウイルスという病原体によって引き起こされる感染症で、かつては世界中で猛威を振るい、多くの人々の命を奪いました。日本では「疱瘡(ほうそう)」という名で恐れられてきた歴史があります。 主な症状としては、高熱が出現し、その後、全身に特徴的な発疹が現れます。この発疹は、赤い斑点状から始まり、徐々に水疱へと変化していきます。また、発熱や発疹に加えて、強い倦怠感や頭痛、筋肉痛なども伴います。 天然痘の恐ろしい点は、その高い致死率です。感染者の約30%が命を落としており、治療法が確立されていなかった時代には、まさに「死の病」として恐れられていました。 天然痘は、人から人への接触感染によって広がります。患者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込んだり、発疹に触れたりすることで感染します。空気感染はしませんが、感染力は非常に強く、一度流行すると、多くの人が感染してしまうという特徴がありました。
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