「に」

泌尿器

尿道皮膚瘻:原因と治療法

- 尿道皮膚瘻とは尿道皮膚瘻は、尿の通り道である尿道に穴が開き、そこから皮膚に繋がる異常な管(瘻孔)ができてしまう病気です。通常、尿は尿道を通って体外に排出されますが、この病気になると、尿の一部または全部が瘻孔を通って皮膚から漏れ出てしまいます。尿道皮膚瘻は、様々な原因で起こります。例えば、尿道カテーテルと呼ばれる管を長期間使用することによって尿道が傷ついたり、骨盤骨折の際に尿道が損傷したりすることがあります。また、尿道の手術や腫瘍、感染症などが原因となることもあります。尿道皮膚瘻の症状としては、尿が尿道口以外から漏れることが挙げられます。瘻孔の位置や大きさによっては、少量の尿漏れや、排尿時に尿が全く出ないこともあります。また、瘻孔周囲の皮膚が炎症を起こして、痛みや腫れ、赤みなどを伴うこともあります。尿道皮膚瘻は、自然に治癒することはほとんどありません。治療法としては、手術によって瘻孔を閉鎖するのが一般的です。手術の方法には様々なものがあり、瘻孔の位置や大きさ、患者の状態などを考慮して選択されます。尿道皮膚瘻は、早期に発見して適切な治療を行えば、治癒が見込める病気です。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
泌尿器

知っておきたい尿失禁:原因と対策

- 尿失禁とは尿失禁とは、自分の意思とは関係なく、尿が漏れてしまう状態を指します。日常生活で誰にでも起こりうる現象ですが、その頻度や程度は人によって様々です。特に、加齢に伴いそのリスクは高まる傾向にあり、高齢の女性によくみられます。尿失禁には、大きく分けていくつかの種類があります。まず、咳やくしゃみ、重いものを持ち上げた時など、お腹に力が入った際に尿が漏れてしまう「腹圧性尿失禁」があります。これは、出産や加齢による骨盤底筋の衰えなどが原因で、膀胱や尿道を支える力が弱くなることで起こります。次に、突然、我慢できないような強い尿意に襲われ、トイレに行くまで我慢できずに漏れてしまう「切迫性尿失禁」があります。過活動膀胱と呼ばれる、膀胱が過敏になっている状態がこのタイプの原因として挙げられます。さらに、これらの二つのタイプが組み合わさって起こる「混合性尿失禁」もあります。尿失禁は、日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的な負担も大きいものです。しかし、症状や原因に合わせた適切な治療法を選択することで、症状を改善できる可能性があります。一人で悩まず、医療機関に相談することをお勧めします。

意識下で痛みを制御する:ニューロレプト麻酔法

- ニューロレプト麻酔法とはニューロレプト麻酔法は、手術や検査など、医療行為を受ける際に患者さんの意識を保ちながら、痛みを和らげることを目的とした麻酔方法です。従来の全身麻酔のように完全に意識を失うのではなく、患者さんの意識レベルを調整することで、医療行為中の苦痛を最小限に抑えます。この麻酔法の特徴は、神経遮断薬と鎮痛薬という二種類の薬を組み合わせる点にあります。神経遮断薬は、不安や緊張を和らげ、精神的な安定をもたらします。一方、鎮痛薬は、痛みを抑制する働きがあります。この二つの効果を組み合わせることで、患者さんは痛みを感じることなく、リラックスした状態で医療行為を受けることができます。ニューロレプト麻酔法の大きな利点の一つは、患者さんが意識を保っているため、医師の指示に従ったり、質問に答えたりすることができる点です。これは、手術中に医師と患者さんとのコミュニケーションを円滑にし、より安全な医療行為の実施につながります。また、呼吸を自分でコントロールできるため、全身麻酔に比べて呼吸器合併症のリスクが低いという利点もあります。一方で、この麻酔法では、患者さんによっては不安や恐怖を感じやすくなる場合があり、適切な対応が必要となることがあります。また、使用される薬剤によっては、吐き気や眠気などの副作用が現れる可能性もあります。ニューロレプト麻酔法は、患者さんの状態や医療行為の内容に応じて、適切に選択する必要があります。
泌尿器

尿毒症:腎臓からの警告サイン

- 尿毒症とは私たちの体には、不要なものをろ過して体の外に出す働きをする腎臓という臓器があります。腎臓は、毎日休むことなく血液をきれいにし、老廃物や余分な水分を尿として排出する、いわば体の中の浄水器のような役割を担っています。しかし、様々な原因で腎臓の機能が低下することがあります。腎臓の機能低下が進むと、本来であれば尿として排出されるべき老廃物や余分な水分が血液中に溜まってしまいます。この状態を「尿毒症」と呼びます。尿毒症になると、体に様々な影響が現れます。初期には、食欲不振や吐き気、疲労感といった比較的軽い症状が現れることが多いです。しかし、症状が進むにつれて、むくみや息切れ、動悸、意識障害など、より深刻な症状が現れるようになります。尿毒症は、放置すると命に関わる危険な状態です。腎臓病の早期発見・早期治療が非常に重要となります。もし、尿の量や色、回数に異常を感じたら、または体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
産婦人科

乳がん:知っておきたい基礎知識

- 乳がんとは女性の体の中で、赤ちゃんに栄養を与えるための母乳を作る器官を乳房と言います。乳房の中には、母乳を作るための小さな部屋のような組織がたくさん集まっており、これを小葉と言います。そして、この小葉で作られた母乳を乳頭まで運ぶための管が乳管です。 乳がんとは、この乳管や小葉を構成する細胞の一部ががん細胞に変化し、無秩序に増殖してしまう病気です。がん細胞は、周りの組織を破壊しながら増え続け、場合によってはリンパ管や血管を通って、リンパ節や肺、骨、肝臓などの他の臓器にまで転移することがあります。 乳がんは、早期に発見し、適切な治療を行えば治癒が期待できる病気です。そのためにも、乳がんに関する正しい知識を持ち、定期的な検診を受けることが大切です。
泌尿器

尿閉:尿意があっても出ない病気

- 尿閉とは尿閉とは、その名の通り「尿が閉じてしまう」状態を指します。つまり、膀胱には尿が溜まっているのに、尿意があっても排尿ができない状態のことです。通常、健康な状態であれば、膀胱に一定量以上の尿が溜まると、脳に信号が伝わり、尿意を感じて排尿します。しかし、様々な原因によってこの尿の排出経路が塞がったり、膀胱の収縮力が弱まったりすると、尿意があってもスムーズに排尿することができなくなります。これが尿閉です。尿閉には、尿が全く出ない状態だけでなく、尿意はあるものの、少量しか尿が出ない、尿の勢いが弱く、残尿感があるといった状態も含まれます。これらの症状は、尿閉の初期段階で現れることも多いため、注意が必要です。尿閉は、男性に多くみられる疾患です。これは、男性の場合、加齢とともに前立腺肥大症を発症しやすいためです。前立腺が肥大すると、尿道が圧迫され、尿が出にくくなるため、尿閉を引き起こしやすくなります。尿閉を放置すると、膀胱炎や腎機能障害などの合併症を引き起こす可能性もあります。そのため、尿が出にくい、残尿感があるなどの症状が現れた場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。
泌尿器

よくある病気:尿路感染症について

- 尿路感染症とは?尿路感染症は、尿の通り道である腎臓、膀胱、尿道などに細菌が侵入し、炎症を起こす病気です。誰でもかかる可能性がありますが、男性に比べて尿道が短い女性は、細菌が侵入しやすいため、発症する割合が高くなっています。尿路感染症は、多くの場合、大腸菌などの細菌が尿道から侵入することで発症します。膀胱に炎症が起こると、膀胱炎とよばれ、排尿時の痛みや残尿感、頻尿などの症状が現れます。また、尿が白く濁ったり、血が混じったりする血尿がみられることもあります。さらに、発熱や悪寒、背中や腰の痛みなどの症状が現れることもあります。膀胱炎を放置すると、細菌が膀胱から腎臓にまで侵入し、腎盂腎炎を引き起こすことがあります。腎盂腎炎になると、高熱や吐き気、嘔吐などの症状が現れ、重症化すると入院が必要になることもあります。尿路感染症は、抗生物質などの薬物療法によって治療を行います。症状が改善しても、自己判断で服用を中止せず、医師の指示に従ってしっかりと治療することが大切です。また、日頃から、水分を十分に摂ることや、トイレを我慢しないことなどで、尿路感染症を予防することができます。
泌尿器

尿道カテーテル:役割と種類

- 尿道カテーテルとは尿道カテーテルとは、自力で尿を排出することが難しい患者さんに対して、尿道を通して膀胱内に細い管を挿入し、尿を体外に導くための医療器具です。人間の体内には、腎臓で作られた尿を膀胱へと運ぶ管である尿道が存在します。通常、膀胱に尿が溜まると、私たちは自然な尿意を感じ、自分の意思で尿を排出することができます。しかし、病気や怪我、手術の影響など様々な理由により、この尿の排出が困難になる場合があります。このような場合に用いられるのが尿道カテーテルです。尿道カテーテルは、主にシリコンやラテックスといった柔らかく、体になじやすい素材で作られた細い管状の形をしています。カテーテルの先端は膀胱内にとどまりやすくするためにバルーン状になっており、挿入後にこのバルーンに水などを注入することで、カテーテルが不用意に抜けてしまうのを防ぎます。尿道カテーテルは、患者さんの状態や目的に合わせて、短期間だけ使用するものと、長期間にわたって使用するものがあります。短期間の使用としては、手術中や手術後の短期間、尿路結石の治療時などが挙げられます。一方、長期間の使用としては、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの病気、あるいは寝たきり状態などにより、長期にわたり自力排尿が困難な場合などが考えられます。尿道カテーテルを使用することで、患者さんは尿閉による苦痛や膀胱への負担を軽減し、快適な生活を送ることができます。しかし、カテーテルの挿入や留置には、尿路感染症などの合併症のリスクも伴います。そのため、医師や看護師の指導のもと、適切な管理を行うことが重要です。
泌尿器

尿道カルンクル:知っておきたい女性の病気

- 尿道カルンクルとは? 尿道カルンクルは、女性の尿道口にできる、やわらかい良性の腫瘍です。尿道口とは、膀胱に溜まった尿が体外へ排出される際に通る穴のことを指します。「腫瘍」と聞くと、がんのような悪性の病気を想像して不安になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、尿道カルンクルは悪性のものではなく、体に深刻な害を及ぼすことはほとんどありません。 尿道カルンクルは、見た目はつやのある赤いできもののように見え、いちごに似ていることから「尿道肉阜」とも呼ばれます。大きさは数ミリ程度のものから、1センチを超えるものまで様々です。 閉経後の女性に多くみられるのも特徴ですが、若い女性に見られることもあります。はっきりとした原因は解明されていませんが、女性ホルモンの減少や尿道口への刺激などが関係していると考えられています。 多くの場合、痛みやかゆみなどの自覚症状はみられません。しかし、尿道口付近に違和感を感じたり、排尿時に痛みを感じたりする場合もあります。また、まれに出血を伴うこともあります。 基本的には経過観察となりますが、症状が気になる場合には治療を行うこともあります。治療法としては、女性ホルモン含有の軟膏を塗ったり、手術で切除したりする方法などがあります。
泌尿器

意外と知らない尿路損傷:原因と症状

- 尿路損傷とは尿路損傷とは、体の中で尿が作られてから体外に排出されるまでの道筋である「尿路」の一部が傷つくことを指します。この尿路は、尿を作る腎臓、尿を膀胱まで運ぶ尿管、尿を貯めておく膀胱、そして尿を体外に排出する尿道から成り立っています。尿路損傷は、これらのどの部位で起こることもあります。尿路損傷の原因として最も多いのは、交通事故や高いところからの転落などによる強い衝撃です。また、お腹の手術中に誤って尿路を傷つけてしまうことも少なくありません。尿路損傷の症状は、損傷の程度や部位によって大きく異なります。比較的軽い損傷の場合、血尿が見られる程度で、痛みなどの自覚症状がないこともあります。一方、重症の場合には、お腹や腰に強い痛みを感じたり、尿が漏れてきたりすることがあります。尿路損傷は、早期に発見して適切な治療を行えば、多くの場合、後遺症を残さずに治すことができます。しかし、発見や治療が遅れると、尿毒症などの重い合併症を引き起こす可能性があります。そのため、尿路損傷が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診することが重要です。
泌尿器

尿路ストーマ:人工的に作られた尿の出口

- 尿路ストーマとは尿路ストーマとは、病気や怪我などが原因で、膀胱や尿道が本来の役割を果たせなくなった際に、腎臓でつくられた尿を体の外に出すために、お腹に人工的に作られた出口のことを指します。通常、尿は腎臓で作られた後、膀胱に一時的に溜められ、尿道を通って体外に排出されます。しかし、膀胱がんや尿道がん、あるいは事故による損傷などにより、この尿の経路が正常に機能しなくなることがあります。このような場合に、尿を体外に排出するための代替的な経路として、尿路ストーマが作られます。具体的には、お腹に小さな開口部を作り、そこに尿管と呼ばれる、腎臓から膀胱へと尿を運ぶ管をつなぎます。これにより、尿は膀胱を通ることなく、お腹に設置されたストーマと呼ばれる袋に直接排出されるようになります。尿路ストーマには、その形状や位置によっていくつかの種類があります。代表的なものとしては、お腹の右側に作られることが多い「右片尿路ストーマ」や、左右両側に作られる「両側尿路ストーマ」などが挙げられます。どの種類のストーマが適しているかは、患者さんの状態や生活習慣などを考慮して決定されます。尿路ストーマの設置は、患者さんの生活に大きな変化をもたらします。そのため、医師や看護師などの医療従事者から、ストーマの管理方法や日常生活における注意点について、丁寧に指導を受けることが重要です。

ニトログリセリン:狭心症治療の切り札

- ニトログリセリンとは ニトログリセリンは、狭心症と呼ばれる心臓の病気の治療薬として、広く使われています。 狭心症は、心臓に十分な量の血液が送り届けられないことで、胸に痛みや圧迫感を感じてしまう病気です。 この心臓への血液供給不足は、心臓に栄養や酸素を運ぶための重要な役割を担っている冠動脈という血管が狭くなってしまうことで起こります。 ニトログリセリンは、血管を広げる作用を持っています。 ニトログリセリンを服用すると、狭くなった冠動脈を含む全身の血管が広がり、心臓への血液の流れが改善されます。 その結果、心臓への酸素供給が回復し、狭心症による胸の痛みや圧迫感を和らげることができます。 ニトログリセリンは、その効果の速さから、狭心症の発作時に緊急で用いられることが多い薬です。 しかし、頭痛などの副作用が現れることもあるため、医師の指示に従って適切に使用する必要があります。
泌尿器

尿路結石:その原因と症状

- 尿路結石とは尿路結石とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿の通り道に石のような塊ができてしまう病気です。この石は、尿に含まれるカルシウムやシュウ酸、尿酸などの成分が、様々な原因で結晶化し、大きくなることで形成されます。結石の大きさは様々で、砂粒のように小さなものから、数センチメートルにもなるものまであります。小さな結石は、自覚症状がないまま自然に排出されることもありますが、大きな結石は尿の通り道を塞いでしまい、激しい痛みを引き起こすことがあります。尿路結石は、男性に多く発症する病気として知られています。これは、男性ホルモンの影響や、女性に比べて尿道が長く、尿が滞りやすいという身体的な特徴が関係していると考えられています。ただし、女性でも発症する可能性は十分にあります。また、尿路結石は、一度発症すると再発しやすいという特徴も持っています。これは、体質や生活習慣が結石のできやすい状態になっていることが多いためです。再発を予防するためには、食生活の見直しや水分を十分に摂るなど、生活習慣を改善することが大切です。
泌尿器

尿路管理:その重要性と目的

- 尿路管理とは 尿路管理とは、体の中で作られた尿を体の外に排出するまでの一連の流れをスムーズに行えるように、サポートすることをいいます。 私たちの体は、毎日、体にとって不要になったものや老廃物を血液で腎臓に運び、そこで尿を作っています。 作られた尿は、腎臓から膀胱へと運ばれ、膀胱に溜まっていきます。 そして、ある程度の量になると、尿道を通って体の外に排出されます。 通常、健康な状態であれば、この尿を作る、溜める、排出するという流れは自然と行われています。 しかし、病気や怪我、あるいは加齢などによって、この流れが滞ってしまうことがあります。 例えば、神経の病気や怪我によって膀胱の筋肉がうまく動かず、尿をうまく排出できない、いわゆる「尿閉」という状態になってしまうことがあります。 このような場合に、尿路管理が必要になります。 尿路管理には、生活習慣の改善指導や、薬物療法、カテーテルという細い管を用いて尿を排出するなどの方法があります。 特に、病気や怪我、加齢などによって自力で排尿することが困難になった患者さんにとって、適切な尿路管理は日常生活を送る上で非常に重要になります。 尿路管理によって、尿閉による腎臓への負担を軽減したり、尿路感染症などの合併症を防いだりすることができます。
小児科

乳幼児健診: 成長の節目を見守るために

乳幼児健診は、赤ちゃんが健やかに成長し、発達していくために、国が定めた時期に市区町村が無料で実施している健康診査です。これは、乳幼児定期健診や乳幼児健診とも呼ばれ、保護者の皆さんが、お子さんの成長の様子や健康状態を知るための大切な機会となっています。 健診では、医師や保健師などが、お子さんの身長や体重を測定し、発育の状況を丁寧に確認します。また、運動機能や聴力、視力などの発達についてもチェックを行います。さらに、病気の早期発見にもつながるよう、診察も行います。 乳幼児健診は、単に身体的な発達を確認する場だけではなく、保護者の皆さんが子育てに関する疑問や不安を気軽に相談できる場でもあります。授乳や離乳食、夜泣き、生活リズムなど、子育てに関するあらゆる悩みを相談することができます。保健師や栄養士などの専門家が、それぞれの悩みに寄り添い、適切なアドバイスやサポートを提供しますので、安心して相談してください。 乳幼児健診は、お子さんの健やかな成長と発達を支援するだけでなく、保護者の皆さんの不安を解消し、安心して子育てに取り組めるようにサポートする大切な機会です。
検査

健康のバロメーター!尿比重を解説

- 尿比重とは尿比重は、採取した尿の重さを同じ量の水の重さと比較して、尿の中にどれくらい物質が溶けているかを表す数値です。尿は、健康状態や体の水分バランスによって成分が変化するため、尿比重も変動します。健康な人の尿は、薄い黄色で、ほぼ水に近いですが、様々な物質が溶け込んでいるため、水よりもわずかに重くなります。そのため、尿比重は1.000より少しだけ高くなります。 尿比重が高くなるということは、尿の中に溶けている物質の量が多い、つまり尿が濃い状態であることを示します。これは、脱水症状や、腎臓の機能が低下しているなどの原因が考えられます。一方、尿比重が低い場合は、尿が薄い状態であり、水をたくさん飲んだ後や、尿崩症などの病気が疑われます。尿比重は、尿検査の基本的な項目の一つであり、健康状態を把握するための重要な指標となります。尿比重の結果は、他の検査項目と合わせて総合的に判断する必要があります。医師は、尿比重の値だけでなく、患者の症状や他の検査結果も踏まえて、診断を行います。
血液

尿酸:その蓄積と健康への影響

- 尿酸とは私たちの体は、食事から摂取した栄養素をエネルギーに変えたり、体の組織を作ったりするために、常に変化を続けています。この変化には、古い細胞が壊され、新しい細胞が作られるという代謝と呼ばれる過程が深く関わっています。この代謝の過程で、不要になった物質は体外に排出されますが、尿酸もその一つです。尿酸は、細胞の核に存在する核酸や、遺伝情報に関わるプリン体と呼ばれる物質が分解されてできる最終産物です。核酸は、細胞の設計図とも言える重要な物質であり、プリン体はその構成要素の一つです。これらの物質は、私たちが食事をすることによって体内に取り込まれたり、体内で作られたりします。そして、役割を終えると、複雑な過程を経て分解され、最終的に尿酸に変化します。尿酸は水に溶けにくい性質を持っているため、血液中に溶け込める量は限られています。体内で毎日作られる尿酸は、血液に溶けて運ばれた後、主に腎臓で濾過され、尿として体外に排出されます。この働きによって、体内の尿酸の量は一定に保たれています。しかし、何らかの原因で尿酸の産生量が増えたり、排泄量が減ったりすると、血液中の尿酸値が高くなることがあります。これが、高尿酸血症と呼ばれる状態です。
泌尿器

尿道カテーテル:役割と種類

尿道カテーテルとは、尿の通り道である尿道から膀胱まで、細い管を挿入し、尿を体外に排出するための医療器具です。この管のことをカテーテルと呼びます。 主に、自力で排尿することが難しい方に対して使用されます。例えば、手術後や病気の影響で一時的に排尿が困難な場合や、神経系の障害などで自分の意思で排尿をコントロールすることが難しい場合などです。 尿道カテーテルには、留置カテーテルと一時的カテーテルの二つの種類があります。留置カテーテルは、長期間にわたってカテーテルを挿入しておく必要があり、バルーンと呼ばれる水袋で膀胱内に固定されます。一方、一時的カテーテルは、その名の通り一時的に尿を排出するために使用し、その後は抜去します。 尿道カテーテルを使用することによって、尿閉による腎臓への負担を軽減したり、失禁の管理をしたりすることができます。しかし、カテーテルを挿入することによって、尿路感染症などの合併症のリスクも高まります。そのため、医師は患者の状態を考慮し、尿道カテーテルを使用する必要性とリスクを比較検討した上で、使用を決定します。
泌尿器

尿道炎:原因、症状、治療法について

- 尿道炎とは尿道炎は、尿を膀胱から体外へと送り出す際に通る管である尿道に炎症が起きる病気です。この炎症は、ほとんどの場合、細菌やウイルスといった微生物が尿道に侵入し、増殖することで引き起こされます。男性の場合、尿道は陰茎の先端まで続いており、女性の場合は膣の上部に開口部があります。尿道炎を発症すると、男女ともに排尿時に痛みや不快感を伴うことが多く、場合によっては残尿感や頻尿といった症状が現れることもあります。また、尿の色が濁ったり、血が混じったりすることもあります。尿道炎の原因となる微生物は様々ですが、中でも性行為によって感染するクラミジアや淋菌によるものが多くを占めます。これらの感染症は性感染症(STD)とも呼ばれ、早期に適切な治療を行わないと、将来的に不妊症などの合併症を引き起こす可能性もあります。一方、性行為とは関係なく、大腸菌などの細菌が尿道に侵入することで発症する尿道炎もあります。特に女性は、肛門と尿道の距離が男性に比べて短いため、大腸菌が尿道に侵入しやすく、尿道炎を起こしやすい傾向にあります。尿道炎は、原因や症状、重症度などによって治療法が異なります。そのため、自己判断で市販薬を使用するのではなく、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが大切です。
産婦人科

乳輪:乳首の周りの色のひみつ

- 乳輪ってどんなところ?乳輪は、乳首の周りを囲むように存在する円形の色のついた部分のことを指します。ちょうど、果物でいうと、いちごの赤い部分と、その周りの緑色のヘタの部分の関係に似ていると言えるでしょう。この乳輪部分の色は、一人ひとり異なり、薄いピンク色、茶色、濃い茶色など、実に様々です。肌の色と同じように、生まれ持った肌の色素の量によって、色の濃さが違ってきます。また、同じ人でも、年齢を重ねたり、ホルモンバランスの変化によって色が変化することもあります。 さらに、乳輪の大きさや形も人それぞれです。 小さな丸い形をしている人もいれば、少し大きめの楕円形をしている人もいます。まるで指紋のように、その人だけの個性と言えるでしょう。 普段何気なく過ごしていると、あまり意識することがないかもしれませんが、鏡でじっくりと観察してみると、その人それぞれの個性に気づかされるはずです。
泌尿器

尿管結石:その原因と症状、治療法について

- 尿管結石とは尿管結石とは、腎臓で作られた尿が膀胱に運ばれる通路である尿管に、結石(石のように固い塊)ができてしまう病気です。 腎臓でつくられた尿は、尿管を通って膀胱に流れ、最終的に体外へと排出されます。この尿の通り道である細い管状の尿管に結石が詰まってしまうことで、激しい痛みやさまざまな排尿トラブルを引き起こします。結石は、尿の中に含まれるカルシウム、シュウ酸、尿酸などの成分が結晶化し、小さな結晶がくっつき合って成長することで形成されます。 結石の大きさは数ミリ程度の小さなものから、数センチと比較的大きなものまで様々です。尿管結石は、20~40代の比較的若い世代に多くみられ、男性は女性の約2倍の頻度で発症すると言われています。 また、食習慣の変化などにより、近年患者数は増加傾向にあります。尿管結石は、自然に排出されることもありますが、結石の大きさや位置によっては、痛みを和らげる薬物治療や、結石を体外に排出するための手術が必要となる場合もあります。
産婦人科

命の奇跡:妊娠について

妊娠とは、新しい命が女性の体内で誕生し、成長していくまでの過程を指し、神秘的で驚異に満ちたものです。 妊娠は、女性の卵巣から排卵された卵子と、男性から射出された精子が卵管で出会い、受精が成立することから始まります。この受精によってできた受精卵は、ひとつの細胞ですが、母親の体内で細胞分裂を繰り返しながら、卵管を通って子宮へと移動します。 子宮に到達した受精卵は、子宮内膜と呼ばれる子宮の内側に着床します。この着床が完了した時が、医学的に妊娠が成立したとみなされる瞬間です。 着床後、受精卵は胎児へと成長を始めます。子宮内膜は胎児の成長に必要な栄養や酸素を供給する胎盤へと変化し、母親と胎児を繋ぐ重要な役割を担います。 妊娠期間は約40週で、その間、胎児は母親の体内で急速に成長を遂げます。そして、出産というプロセスを経て、新しい命がこの世に誕生するのです。
産婦人科

授乳期の不安を解消!乳腺炎の基礎知識

- 乳腺炎とは?乳腺炎は、母乳を作る器官である乳腺に炎症が起こる病気です。乳房に痛みや腫れ、熱を感じ、時には発熱を伴うこともあります。特に、赤ちゃんに母乳を与えているお母さんに多くみられます。母乳育児中のママの体では、赤ちゃんに栄養を与えるために乳腺が活発に働いています。この時、乳腺に細菌が入り込んで増殖してしまうと、乳腺炎を引き起こします。細菌は、赤ちゃんの口やママの皮膚から乳管を通って乳腺に侵入することがあります。また、乳腺内に母乳が過剰に溜まったり、乳房が圧迫されたりすることでも、細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまいます。乳腺炎は、適切な治療を行えば完治する病気なので、必要以上に不安に思う必要はありません。しかし、症状が重い場合には、母乳を与えることが難しくなることもあります。そのため、乳腺炎の予防には、授乳の前後に手を清潔に洗う、赤ちゃんにしっかりと乳房をくわえさせる、授乳間隔を空けすぎない、乳房を締め付けない服装を心がけるなどの方法があります。また、乳房に痛みや腫れを感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
産婦人科

妊娠と糖尿病の関係:妊娠糖尿病とは?

- 妊娠糖尿病とは妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて明らかになる、あるいは発症する、糖の代謝異常のことを指します。 つまり、妊娠前は糖尿病ではなかった方が、妊娠をきっかけに一時的に血糖値が上がりやすい状態になることをいいます。妊娠すると、胎盤から様々なホルモンが分泌されますが、これらのホルモンの中には、血糖値を上げる働きを持つものがあります。 これは、赤ちゃんが成長するために必要なエネルギー源であるブドウ糖を、お母さんの血液中から十分に受け取れるようにするためです。 しかし、体質や生活習慣などによって、この血糖値を下げる働きをするホルモン(インスリン)の分泌量が十分ではなくなったり、働きが悪くなったりする場合があります。 その結果、血液中のブドウ糖が増加し、妊娠糖尿病と診断されるのです。多くの場合、出産後に血糖値は正常に戻ります。 しかし、妊娠糖尿病を経験した方は、将来的に糖尿病を発症するリスクが高いという報告があります。 また、妊娠糖尿病は、巨大児や早産など、お母さんと赤ちゃん双方に様々なリスクをもたらす可能性も指摘されています。 そのため、妊娠糖尿病と診断された場合には、医師の指示に従い、適切な食事療法や運動療法を行うことが重要です。
PAGE TOP