フットポンプ:血栓を予防する医療機器
病院での用語を教えて
『フットポンプ』って、手術後によく使われるって聞いたことがあるんだけど、具体的にどんなものなの?
体の健康研究家
良い質問ですね。『フットポンプ』は、手術後などに足に装着して、血液の流れを良くする医療機器です。足の筋肉のポンプ作用を機械で代用するイメージですね。
病院での用語を教えて
足の筋肉のポンプ作用?
体の健康研究家
そう、歩く時、足の筋肉が収縮と弛緩を繰り返して血液を心臓に戻す働きをしています。『フットポンプ』はそれを機械で再現することで、足の血液が滞るのを防いでいるのです。
フットポンプとは。
「ふっとぽんぷ」は、足やふくらはぎを、ぎゅっとしぼりあげる動きをくり返すことで、足の静脈の血液を心臓に戻りやすくする医療機器です。手術後など、長く寝たきりになる患者さんの、足の血管に血のかたまりができてしまう病気(静脈血栓塞栓症)を防ぐことを目的としています。「間欠的空気圧迫装置」や「IPCポンプ」とも呼ばれます。
■静脈血栓塞栓症
静脈血栓塞栓症は、足の深いところの静脈に血のかたまりができる病気(深部静脈血栓症)と、その血のかたまりが肺の血管につまってしまう病気(肺血栓塞栓症)の総称です。
普段、人の血液は、足の筋肉を動かすことで、重力に逆らって、足の先から心臓へと戻っていきます。しかし、手術後などに長く寝たきりになると、足の静脈の血液が心臓に戻りにくくなり、血液がその場にたまって血のかたまりができてしまうことがあります。これを深部静脈血栓症と呼びます。そこでできた血のかたまりが肺の血管につまると、肺血栓塞栓症になります。
深部静脈血栓症は、太ももやふくらはぎが腫れたり痛んだりすることがありますが、自覚症状がないことも多いです。肺血栓塞栓症は、胸が痛くなったり、息苦しくなったりします。
静脈血栓塞栓症は、手術後だけでなく、飛行機やバスなどで長時間同じ姿勢でいる場合にも起こることがあり、「エコノミークラス症候群」や「ロングフライト血栓症」などとも呼ばれます。重い場合は命に関わることもあるため、「ふっとぽんぷ」などを使った予防が大切です。
■種類
「ふっとぽんぷ」には、以下の4つの種類があります。
・下腿型(カーフポンプ):ふくらはぎを中心にしぼりあげるタイプ
・足底型(フットポンプ):足の裏を中心にしぼりあげるタイプ
・下腿大腿型(カーフタイポンプ):太ももからふくらはぎにしぼりあげるタイプ
・足底下腿型(フットカーフポンプ):足の裏からふくらはぎにしぼりあげるタイプ
この中でも、ふくらはぎを中心にしぼりあげる「カーフポンプ」と、足の裏をしぼりあげる「フットポンプ」がよく使われています。手術の内容や患者さんの状態によって使い分けられています。
■メリット・デメリット
・メリット:出血の危険性が高く、薬が使えない患者さんにも使うことができます。また、足の運動ができない場合でも、足の静脈の血液を心臓に戻りやすくすることができます。
・デメリット:チューブでつながれているため、早くベッドから起き上がって活動することを妨げてしまう可能性があります。
■注意点
深部静脈血栓症の疑いがある場合は、すぐに使用を中止してください。深部静脈血栓症の患者さんに「ふっとぽんぷ」を使うと、血のかたまりがはがれて肺血栓塞栓症を起こす危険性があるためです。
フットポンプとは
– フットポンプとは手術後など、病気や怪我の治療のために長時間ベッドで安静にしていなければならないことがあります。しかし、長時間じっとしていると、足の静脈に血液のかたまり(血栓)ができやすくなってしまいます。これを深部静脈血栓症といい、重症化すると肺塞栓症を引き起こし、命に関わる危険性もあるのです。このような事態を防ぐために用いられるのが、フットポンプです。フットポンプは、空気の力で足の筋肉をマッサージする医療機器です。足に装着したブーツのような形をした部分に、機械で空気を出し入れすることで、まるで足首からふくらはぎの筋肉をポンプのように動かしているような状態を作り出します。これにより、足の静脈を圧迫し、血液を心臓に戻す働きを助けます。その結果、足の静脈に血液が滞るのを防ぎ、血栓ができるリスクを減らすことができるのです。フットポンプは、間欠的空気圧迫装置、IPCポンプなどとも呼ばれています。主に手術後の患者さんを中心に、医療現場で広く活用されているものです。
フットポンプとは | 目的 | 仕組み | 効果 |
---|---|---|---|
空気の力で足の筋肉をマッサージする医療機器 | 長時間安静による深部静脈血栓症を防ぐ | ブーツに空気を出し入れすることで、足の筋肉をポンプのように動かす | 足の静脈を圧迫し、血液を心臓に戻す働きを助ける。足の静脈に血液が滞るのを防ぎ、血栓ができるリスクを減らす。 |
静脈血栓塞栓症の怖さ
静脈血栓塞栓症、それは私たちの体に流れる静脈の中で血液が固まってしまう病気です。この病気は、時に命に関わることもあるため、その危険性について正しく理解しておく必要があります。
静脈血栓塞栓症は、足の静脈にできた血の塊が、血流に乗って肺の血管に詰まってしまうことで起こります。足の静脈にできる血の塊は、深部静脈血栓症と呼ばれ、長時間同じ姿勢でいることで足の血液の流れが滞り、血液が固まりやすくなることが原因です。特に、足のふくらはぎに発生しやすく、足のむくみや痛みなどの症状が現れます。
そして、この血の塊が肺の血管に詰まってしまうと、肺血栓塞栓症を引き起こします。これは、胸に激しい痛みを感じたり、息苦しさを感じたりする病気です。重症化すると、命を落とす危険性もあります。
長時間飛行機に乗る際に、座席が狭く足を伸ばせないエコノミークラスに乗ることで発症するエコノミークラス症候群も、この静脈血栓塞栓症の一種です。
静脈血栓塞栓症は、決して他人事ではありません。日頃から、適度な運動や水分補給を心がけ、血液の流れを滞らせないようにすることが重要です。
病気 | 原因 | 症状 |
---|---|---|
深部静脈血栓症 | 長時間同じ姿勢での血液の滞り | 足のむくみ、痛み |
肺血栓塞栓症 | 足の静脈にできた血栓が肺の血管に詰まる | 胸の痛み、息苦しさ |
フットポンプの種類
手術後などに足の血流が悪くなるのを防ぐために、足の筋肉を圧迫してポンプのように血液を心臓に戻す医療機器があります。これがフットポンプです。フットポンプには、圧迫する部位によっていくつかの種類があります。
まず、膝から足首までを圧迫する下腿型があります。これはカーフポンプとも呼ばれ、ふくらはぎの筋肉を重点的に動かして血流を促進します。次に、足の裏を圧迫する足底型があります。こちらはフットポンプとも呼ばれ、歩行時に足の裏にかかる圧力を再現することで、自然な血流の促進を促します。さらに、太ももから足首までを圧迫する下腿大腿型もあります。カーフタイツポンプとも呼ばれるこのタイプは、より広範囲を圧迫することで、高い効果が期待できます。そして、足の裏と膝から足首までの両方を圧迫する足底下腿型もあります。フットカーフポンプとも呼ばれるこのタイプは、それぞれの利点を組み合わせることで、より効果的に血流を促進します。
このように、フットポンプには様々な種類があり、手術の内容や患者さんの状態に合わせて、適切な種類が選択されます。
種類 | 別名 | 圧迫部位 | 効果 |
---|---|---|---|
下腿型 | カーフポンプ | 膝から足首 | ふくらはぎの筋肉を重点的に動かして血流を促進 |
足底型 | フットポンプ | 足の裏 | 歩行時に足の裏にかかる圧力を再現することで、自然な血流の促進を促す |
下腿大腿型 | カーフタイツポンプ | 太ももから足首 | より広範囲を圧迫することで、高い効果が期待 |
足底下腿型 | フットカーフポンプ | 足の裏と膝から足首 | それぞれの利点を組み合わせることで、より効果的に血流を促進 |
フットポンプの利点
手術後や病気などによって、長時間寝たきり状態が続くと、足の血液の流れが悪くなり、血管の中で血液が固まってしまうことがあります。これを血栓と呼び、特に足の静脈にできる血栓は経済艙症候群とも呼ばれ、命に関わる危険性があります。
このような血栓を予防するために、フットポンプと呼ばれる装置が用いられます。フットポンプは、空気で膨らんだり縮んだりするポンプを足に巻き付け、足の筋肉を圧迫と解放を繰り返すことで、血液の循環を助けます。
フットポンプの大きな利点は、出血リスクの高い方や、薬の使用が難しい方でも安全に使える点です。また、足の運動が難しい方でも、装着するだけで効果的に血栓予防を行うことができます。さらに、装着したままでも自由に寝返りを打つことができ、患者さんの負担も少なく済みます。
フットポンプは、患者さんの状態に合わせて適切に使用することで、血栓による健康被害のリスクを大きく減らすことができます。
項目 | 説明 |
---|---|
血栓の危険性 | 手術後や病気などで長時間寝たきり状態が続くと、足の静脈に血栓ができる危険性があり、命に関わる場合もある(経済艙症候群) |
フットポンプの目的 | 血栓予防 |
フットポンプの仕組み | 空気で膨らんだり縮んだりするポンプを足に巻き付け、足の筋肉を圧迫と解放を繰り返すことで、血液の循環を助ける |
フットポンプの利点 | 出血リスクの高い方や、薬の使用が難しい方でも安全に使える 足の運動が難しい方でも、装着するだけで効果的に血栓予防ができる 装着したままでも自由に寝返りを打つことができ、患者さんの負担が少ない |
フットポンプの注意点
– フットポンプの注意点フットポンプは、足の血液循環を促進するために用いられる医療機器ですが、使用に際してはいくつかの注意点があります。まず、フットポンプは足に装着するため、自由に動くことが難しくなります。そのため、リハビリテーションなどで早期離床を目指す患者さんの場合は、フットポンプの使用が運動の妨げとなり、回復を遅らせてしまう可能性も考えられます。フットポンプを使用する場合は、医師や理学療法士とよく相談し、治療計画に影響がないかを確認することが重要です。また、深部静脈血栓症の疑いがある場合は、フットポンプの使用は禁忌とされています。深部静脈血栓症とは、足の静脈に血のかたまり(血栓)ができてしまう病気です。フットポンプを使用することで、この血栓が血流に乗って移動し、肺の血管に詰まってしまう肺血栓塞栓症を引き起こす危険性があります。肺血栓塞栓症は、最悪の場合、死に至る可能性もある恐ろしい病気です。フットポンプは、医師の指示のもと、適切に使用することで、血栓の予防などに効果を発揮します。自己判断で使用せず、使用中に違和感や痛みなどを感じた場合は、すぐに医師に相談するようにしてください。
フットポンプ | 注意点 |
---|---|
使用目的 | 足の血液循環促進 |
注意点 | – 運動の妨げになる可能性 – 深部静脈血栓症の疑いがある場合は使用禁忌 |
使用上の留意点 | – 医師や理学療法士と相談 – 異常を感じたら医師に相談 |