総合健康ガイド

看護技術

腹臥位のすべて:利点から注意点まで

- 腹臥位とは何か腹臥位とは、簡単に言うと「うつぶせ」の状態を指します。医療現場では頻繁に用いられる体位の一つで、患者さんの背中全体をベッドに密着させ、顔を横に向けて呼吸を確保します。この体位は、手術や治療、検査など、様々な場面で選択されます。例えば、背中や腰の手術の場合、腹臥位にすることで手術部位へのアクセスが容易になります。また、呼吸療法においても、肺の後ろ側の換気を促すために腹臥位が有効な場合があります。ただし、腹臥位は妊婦や心臓に疾患を持つ方など、体勢によっては負担が大きくなってしまう場合もあります。そのため、医療従事者は患者さんの状態をしっかりと見極め、適切な体位を選択する必要があります。腹臥位は医療現場において、患者さんの負担を軽減し、より安全で効果的な治療や検査を行うために欠かせない体位の一つと言えるでしょう。
検査

生検:病気の診断に欠かせない検査

- 生検とは私たちの体は、皮膚や筋肉、内臓など、様々な組織が集まってできています。これらの組織は、さらに小さな細胞が集まってできており、健康な状態では、細胞は決められた期間ごとに分裂と死滅を繰り返すことで体のバランスを保っています。しかし、何らかの原因で細胞の遺伝子に異常が起こると、このバランスが崩れ、細胞が uncontrollably に増殖してしまうことがあります。これが、がんなどの病気の原因となります。このような病気の原因や状態を正確に診断するために、体の一部から組織を採取し、顕微鏡などを用いて細胞レベルで調べる検査が生検です。生検は、皮膚や臓器など、体の様々な部位から組織を採取することができます。採取方法は、体の表面から一部を切り取る方法や、針を刺して組織を吸引する方法など、部位や目的によって異なります。採取した組織は、病理医と呼ばれる専門の医師によって顕微鏡で詳しく観察されます。細胞の形や大きさ、並び方などを調べることで、がん細胞が存在するかどうか、がんの種類や進行度合い、また、炎症の程度や原因などを判断することができます。生検は、がんなどの腫瘍性疾患だけでなく、炎症性疾患や感染症などの診断にも用いられます。近年では、遺伝子検査と組み合わせることで、より詳細な診断や治療方針の決定に役立てることができるようになってきています。
目・眼科

視界を曇らせる白内障:その原因と治療法

- 白内障とは?人間の目は、カメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズに相当するのが「水晶体」と呼ばれる組織です。水晶体は透明で、外から入ってきた光を集め、奥にある網膜というスクリーンに像を結びます。 白内障とは、この水晶体が白く濁ってしまう病気です。加齢と共に水晶体の成分が変化することが主な原因ですが、紫外線や糖尿病などの影響で発症することもあります。 水晶体が濁ると、光がうまく通過できなくなり、網膜に鮮明な像を結ぶことができなくなります。そのため、視界がぼやけたり、霞がかかったように見えたりします。 白内障の症状は徐々に進行していきます。初期には、視力が少し低下する程度で、日常生活に支障がない場合も多いです。しかし、放置すると視力がさらに低下し、日常生活に支障をきたすようになります。 白内障が進行すると、手術が必要になることがあります。手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズを挿入します。近年では、手術の技術も進歩しており、比較的安全に治療を受けることができます。
泌尿器

膀胱瘻:尿路変更の選択肢

- 膀胱瘻とは膀胱瘻とは、尿が正常な経路である尿道を通らずに、膀胱からお腹の表面に開けた小さな穴(ストーマ)を通じて体外に排出される状態を指します。これは手術によって作られたもので、尿道が損傷したり、病気のために尿道を通って尿を排出することが困難な場合に、尿を体外に排出するための代替手段として用いられます。膀胱瘻の造設手術では、通常、下腹部に小さな切開を加え、膀胱にカテーテルを挿入します。このカテーテルはストーマから体外に導かれ、尿はこのカテーテルを通じて専用の袋(尿路ストーマ用装具)に集められます。この袋は定期的に交換する必要があります。膀胱瘻は尿路の閉塞や尿失禁などの問題を解決する効果的な方法となりえますが、ストーマの管理や合併症のリスクなど、いくつかの注意点があります。膀胱瘻を造設するかどうかは、患者さん個々の状況や生活の質を考慮して、医師とよく相談した上で決定する必要があります。
検査

進化するレントゲン:デジタルX線撮影法とは?

医療現場において、画像診断は患者の状態を把握し、適切な治療方針を決定するために欠かせないものです。中でも、レントゲン撮影は骨の状態や臓器の位置などを把握する上で、長年にわたり広く活用されてきました。従来のレントゲン撮影では、X線を照射して感光させたフィルムを現像することで画像を得ていました。しかし近年、デジタル技術の進歩に伴い、医療分野においてもデジタル化が進展しています。 その中でも特に、デジタルX線撮影法は従来のフィルムを用いた方法に比べて多くの利点を持つことから、急速に普及しつつあります。 デジタルX線撮影法は、X線を電気信号に変換して画像データとして取得する撮影方法です。従来のフィルム現像のような手間が省けるだけでなく、鮮明な画像を短時間で得られることが大きなメリットとして挙げられます。さらに、コンピュータ上で画像の拡大や縮小、濃淡調整などが容易に行えるため、診断の精度向上にも大きく貢献しています。また、デジタルデータとして保存されるため、フィルムの保管スペースが不要になるだけでなく、電子カルテとの連携も容易になり、医療現場の業務効率化にも繋がっています。このように、多くの利点を持つデジタルX線撮影法は、医療現場において今後ますますその存在感を増していくと考えられます。
その他

細胞の中の世界:細胞内寄生菌について

私たちの体の中には、たくさんの細胞が存在しています。そして、驚くべきことに、その細胞の中にまで入り込んで暮らしている細菌がいるのです。このような細菌は、細胞内寄生菌と呼ばれ、まるで細胞を自分たちの隠れ家のように利用して増殖していきます。 細胞内寄生菌の中には、細胞の外では生きていけないものもいれば、細胞の外でも増殖できるものもいます。例えば、結核菌のように、細胞の外では生きられない細菌は偏性細胞内寄生菌と呼ばれます。これらの細菌は、生きていくために必要な栄養や環境を宿主の細胞に完全に依存しているため、細胞の外では増殖することができません。 一方、サルモネラ菌のように、細胞の外でも増殖できる細菌は通性細胞内寄生菌と呼ばれます。これらの細菌は、環境に応じて細胞の中と外どちらでも生き延びることができ、宿主の細胞内に入り込んで増殖することで、免疫の攻撃から身を守ったり、栄養を効率的に摂取したりすることができます。 細胞内寄生菌は、私たち人間を含む様々な生物に感染し、時に病気を引き起こすことがあります。これらの細菌がどのようにして細胞に侵入し、細胞の中でどのようにして生き延びているのかを明らかにすることは、感染症の予防や治療法の開発に繋がると期待されています。

硬膜外麻酔:出産時の痛みを和らげる方法

- 硬膜外麻酔とは硬膜外麻酔とは、痛みを伝える神経の働きを一時的に抑え、感覚を鈍らせることで痛みを感じにくくする麻酔法です。身体の一部だけに効果がある局所麻酔の一種で、腰から下に効果があります。硬膜外麻酔を行う際には、まず患者さんに横向きになってもらい、背中を丸めてもらいます。そして、背中の中ほど、腰の少し上のあたりに消毒を施し、針を刺します。このとき、脊髄を包む硬膜という膜の外側にある、硬膜外腔というわずかな隙間を狙って針を進めます。硬膜外腔に針先が到達したら、そこから細い管(カテーテル)を挿入します。その後、針は抜き、カテーテルだけを残しておきます。カテーテルはテープで体に固定され、点滴のように薬剤を注入できる状態になります。このカテーテルを通じて麻酔薬を注入することで、腰から下の神経に作用し、痛みを感じにくくします。効果が現れるまでには、通常30分ほどかかります。硬膜外麻酔は、出産時の陣痛を和らげる方法として広く知られていますが、帝王切開や下半身の手術、腰や足の痛みを治療する際など、様々な場面で用いられています。
検査

体の不思議を解き明かすMRI

- 磁気共鳴断層撮影法とは磁気共鳴断層撮影法(MRI)は、近年、医療現場において欠かせない検査方法の一つとして広く普及しています。この検査方法は、レントゲン検査のように放射線を使用せず、強力な磁場と電波を利用して体の内部を画像化するため、人体への負担が少なく、安全性の高い検査方法として知られています。MRI検査では、私たちの体を構成する水素原子核に注目します。水素原子核は、小さな磁石のような性質を持っており、通常はバラバラの方向を向いています。そこに強い磁場をかけると、水素原子核は磁場の向きに沿って整列します。この状態で特定の周波数の電波を照射すると、水素原子核は電波のエネルギーを吸収し、一時的に異なる方向を向きます。その後、電波を止めると水素原子核は元の状態に戻り、吸収したエネルギーを放出します。MRI装置はこの放出された電波を検出し、コンピューター処理することで、体の内部構造を鮮明な断層画像として描き出します。MRI検査は、脳、脊髄、内臓、筋肉、関節など、体の様々な部位の診断に用いられます。具体的には、腫瘍、炎症、出血、骨折などの病変の有無や状態を詳しく調べることができます。また、MRI検査では、造影剤と呼ばれる薬剤を静脈注射することで、病変部をより鮮明に描出することも可能です。造影剤を使用することで、腫瘍の血管の状態や血流の情報を得ることができ、より正確な診断に役立ちます。このように、MRI検査は、人体への負担が少なく、詳細な体内情報を得ることができるため、現代医学において非常に重要な役割を担っています。
脳・神経

尖足:足先が下垂する病気について

- 尖足とは尖足は、足の甲が異常に上に反り上がってしまい、足先を地面に接地できなくなる病気です。わかりやすく言うと、常にバレリーナのようにつま先立ちの状態になっていると想像してみてください。この病気になると、かかとを床につけることが困難になるため、歩行時に足全体を適切に使うことができなくなります。その結果、歩行がふらついたり、体のバランスを保つのが難しくなったりするなど、日常生活に様々な支障が生じます。尖足の原因は、脳性麻痺などの脳や神経の病気、筋ジストロフィーなどの筋肉の病気、骨折や靭帯損傷などの怪我など、実に様々です。また、長期間寝たきり状態が続いた場合や、足に合わない靴を長期間履き続けた場合にも、尖足になることがあります。尖足を放置すると、足や足首の関節に大きな負担がかかり続け、変形や痛みが生じる可能性があります。さらに、変形が進行すると歩行がさらに困難になるだけでなく、腰や膝など他の部位にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、尖足の症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
その他

パンデミック:世界規模の感染症に備える

- パンデミックとはパンデミックとは、ある感染症が国境を越えて世界規模に拡大し、多くの人が罹患する可能性がある状態を指します。これは、単に感染者数が多いということではなく、地理的に広範囲にわたって感染が拡大している点が重要です。歴史を振り返ると、人類は幾度となくパンデミックに襲われてきました。14世紀にヨーロッパで猛威を振るったペストや、1918年から1920年にかけて世界中で流行したスペイン風邪などは、パンデミックの典型的な例です。これらの感染症は、多くの人々の命を奪っただけでなく、社会や経済にも深刻な影響を与えました。近年では、2009年に発生した新型インフルエンザや、2019年末から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミックと認定されました。これらのパンデミックは、私たちの生活に大きな変化をもたらし、医療体制の重要性や国際的な連携の必要性を改めて認識させることになりました。パンデミック発生時には、感染拡大を防ぐために、個人レベルでの予防対策(手洗い、うがい、マスクの着用など)に加え、社会全体で人の移動や集会の制限などの対策を講じることが重要になります。また、ワクチンや治療薬の開発も重要な課題となります。
検査

関節造影検査:アルトログラフィーとは

- アルトログラフィーの概要アルトログラフィーは、レントゲン検査では分かりづらい関節内部の状態を詳細に把握するために用いられる画像診断法です。関節鏡検査のように関節を直接観察するわけではなく、造影剤を用いて関節内部を可視化するのが特徴です。検査ではまず、穿刺針を用いて関節腔と呼ばれる関節内部の空間に、造影剤を注入します。造影剤には、ヨードなどの物質を含む造影剤や、空気などが用いられます。造影剤が関節腔に広がると、レントゲンやCTなどの画像検査で、関節内の軟骨、靭帯、関節包などの状態が鮮明に映し出されるようになります。アルトログラフィーは、関節リウマチ、変形性関節症、関節内骨折、靭帯損傷などの診断に役立ちます。特に、関節軟骨の損傷や関節包の炎症など、他の画像検査では分かりづらい病変の診断に威力を発揮します。検査自体は比較的短時間で終了し、身体への負担も少ないのが特徴です。ただし、穿刺針を関節に刺すため、まれに痛みや出血、感染などの合併症が起こる可能性があります。検査を受ける際は、事前に医師から検査のメリットとデメリットについて十分な説明を受け、不安な点があれば質問することが大切です。
呼吸器

肺結核:原因、症状、予防法

- 肺結核とは肺結核は、結核菌という細菌が原因で起こる感染症です。結核菌は、主に私たちの呼吸器系、特に肺に感染します。感染すると、咳や痰、発熱といった風邪に似た症状が現れます。これらの症状は比較的軽く、初期段階では見過ごされてしまうこともあります。しかし、適切な治療を行わないと病状が進行し、息切れや胸の痛み、血痰といった深刻な症状が現れることがあります。さらに重症化すると、呼吸困難に陥り、命に関わる危険性も高まります。結核は、空気感染によって広がります。感染者の咳やくしゃみ、つばなどと一緒に結核菌が空気中に飛び散り、それを吸い込むことで感染します。ただし、結核菌は、一度吸い込んだだけで必ずしも感染するわけではありません。結核菌に感染しても、多くの場合、私たちの免疫システムが働き、菌の増殖を抑え込むため、発病に至らないことが多いです。しかし、免疫力が低下している人や栄養状態が悪い人などは、結核菌に感染しやすく、発病するリスクが高いと考えられます。かつて結核は、「国民病」とも呼ばれ、多くの人々が命を落としてきました。しかし、衛生状態の向上や栄養状態の改善、そして効果的な治療法の開発と普及により、現在では発症数は減少傾向にあります。それでも、結核は決して過去の病気ではありません。早期発見・早期治療が重要であり、少しでも気になる症状があれば、医療機関を受診することが大切です。
その他

HEPAフィルター:その仕組みと重要性

- HEPAフィルターとはHEPAフィルターは、High Efficiency Particulate Air Filterの頭文字をとったもので、日本語では「高効率微粒子空気フィルター」といいます。その名の通り、空気中を漂う目に見えないほど小さな粒子を、高い効率で取り除くことができるフィルターです。0.3マイクロメートルという、髪の毛の太さの約300分の1ほどの大きさの微粒子に対して、99.97%以上の確率で捕集することができます。これは、1万個の微粒子が HEPAフィルターを通過しようとすると、そのうち9,997個以上がフィルターに捕らえられ、通過できるのはわずか3個以下になるということを意味します。この高い捕集性能から、HEPAフィルターは、空気清浄機をはじめ、病院の手術室や、薬品を扱うクリーンルームなど、清潔な空気環境を保つことが特に重要な場所で広く利用されています。HEPAフィルターは、非常に細かい繊維が複雑に絡み合った構造をしています。空気中の微粒子は、この繊維に衝突したり、繊維に引っかかったりすることで捕集されます。フィルターを通過する空気は、微粒子やほこりなどの汚れが取り除かれ、きれいになった状態で排出されます。HEPAフィルターは、私たちの身の回りで、清潔で安全な空気環境を守るために活躍していると言えるでしょう。
産婦人科

子宮頸がん予防のススメ:スメア検査のススメ

- スメア検査とはスメア検査は、子宮の入り口付近にある子宮頸部という部分を綿棒で軽くこすり、細胞を採取する検査です。採取した細胞を顕微鏡で観察することで、がん細胞や、将来がん化する可能性のある細胞の変化がないかを調べます。子宮頸がんは、初期にはほとんど自覚症状がありません。そのため、自覚症状がない段階でがんを発見するために、スメア検査が重要な役割を果たします。早期発見であれば、子宮の温存手術など、体に負担の少ない治療法を選択できる可能性が高まります。20歳以上の女性は、2年に1度、子宮頸がん検診を受けることが推奨されています。子宮頸がんは、若い世代でも発症する可能性があるがんです。定期的な受診を心がけ、早期発見・早期治療に努めましょう。ただし、スメア検査は子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染をすべて検出できるわけではありません。また、検査結果が陰性であっても、必ずしも子宮頸がんではないとは言い切れません。そのため、気になる症状がある場合は、検査結果にかかわらず、医療機関を受診することが大切です。
呼吸器

マイコプラズマ肺炎とは?

マイコプラズマ肺炎は、「マイコプラズマ ニューモニエ」という微生物が原因で起こる、肺の炎症です。この病気は、一般的には「非定型肺炎」に分類され、特に子供や若い世代に多く発症するという特徴があります。 マイコプラズマ肺炎は、感染力が非常に強く、咳やくしゃみなどの飛沫を介して、人から人へと容易に感染が広がります。感染すると、発熱、咳、痰を伴う場合もあれば、頭痛や倦怠感などの症状が出る場合もあります。症状の現れ方は人によって異なり、軽症で済む場合もあれば、重症化するケースも見られます。 通常、マイコプラズマ肺炎と診断された場合は、医師の指示に従って抗生物質を服用することで症状は改善に向かいます。しかし、重症化すると入院が必要となるケースや、まれに脳炎や心筋炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。 日頃から、手洗いとうがいを徹底し、外出時にはマスクを着用するなど、感染予防を心がけることが重要です。また、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠を摂り、免疫力を高めるように心がけましょう。
外科

ギプスシーネ:骨折や捻挫の固定に活躍する副木の役割

- ギプスシーネとは 骨折や捻挫といった怪我をしてしまった際に、損傷した部分を固定するために用いる医療用の添え木を、ギプスシーネと呼びます。 これは、ドイツ語で石膏を意味する「ギプス」と、副木を意味する「シーネ」を組み合わせた言葉です。 その名の通り、石膏を染み込ませた包帯を硬化させて作られます。 ギプスシーネは、患部全体を覆ってしまうギプス包帯とは異なり、半分程度だけを覆うように作られます。 そのため、ギプス包帯と比較して通気性が良く、むくみが引いてきた時や入浴時など、必要に応じて取り外しが可能という利点があります。 ただし、医師の指示なく勝手に取り外してしまうと、患部の状態が悪化したり、回復が遅れたりする可能性がありますので、注意が必要です。
泌尿器

排尿の異常を見つける!ウロフロ検査とは?

- ウロフロ検査ってどんな検査?ウロフロ検査は、正式には「ウロフロメトリー検査」と呼ばれ、尿の勢いや排尿にかかる時間などを計測することで、排尿の異常を調べる検査です。簡単に言うと、どのくらいの量の尿が、どのくらいの速さで出ているのかを調べる検査です。この検査では、特別な装置を使います。トイレに座って自然に排尿するだけで、尿の量や速度、排尿にかかる時間などが自動的に測定されます。検査自体は痛みや苦痛を伴わないため、体の負担が少ない検査としても知られています。ウロフロ検査では、尿の出方の異常を調べることで、様々な疾患の発見に役立ちます。例えば、尿の出が悪い、残尿感があるといった症状がある場合、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの病気が疑われます。ウロフロ検査の結果は、これらの病気の診断や治療方針の決定に重要な情報となります。検査自体は10分程度で終了します。検査の準備や結果の説明を含めても、30分以内には終わりますので、比較的気軽に受けることができる検査と言えるでしょう。
小児科

はしかについて:症状と予防

- はしかとははしかは、麻疹ウイルスが原因で起こる感染力が非常に強い病気です。このウイルスは、空気中に漂う咳やくしゃみのしぶきを介して、感染者から健康な人にうつります。 感染すると、高熱、咳、鼻水、目の充血などの症状が現れます。さらに、口の中に白い斑点が出て、その後、顔から体全体に赤い発疹が広がっていきます。はしかは、乳幼児や免疫力が低下している人にとって、特に危険な病気です。肺炎、中耳炎、脳炎などの重い合併症を引き起こすことがあり、最悪の場合、命を落とすこともあります。はしかの予防には、ワクチン接種が非常に有効です。はしかのワクチンは、他のワクチンと組み合わせたMR(麻疹・風疹混合)ワクチンとして、乳幼児期に2回接種します。はしかは空気感染で広がりやすいため、周囲の人に移さないように、感染者は外出を控えるなどの対策が必要です。また、はしかを疑う症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
外科

ランナー膝にご用心!鵞足炎を理解する

- 鵞足膝の内側を支える三つの筋肉の交差点 膝の内側やや下方、すねの骨である脛骨の出っ張った部分には、三つの筋肉の腱が合わさって付着する場所があります。この部分を「鵞足」と呼びます。ちょうど鵞鳥の足の形に似ていることから、その名が付けられました。 では、鵞足を形成する三つの筋肉とは、一体どのような筋肉なのでしょうか? 一つ目は「薄筋」です。太ももの内側に位置し、股関節を内側にひねったり、膝を曲げたりする働きがあります。 二つ目は「縫工筋」です。人体の中で最も長い筋肉として知られ、股関節の外側から斜めに走り、膝の内側につながっています。股関節を外側に開いたり、膝を曲げたりする際に活躍します。 三つ目は「半腱様筋」です。太ももの裏側、中央よりやや内側に位置し、股関節を後ろに引いたり、膝を曲げたりする働きを担います。 これらの三つの筋肉は、それぞれ異なる場所から始まりながら、膝の内側の下部で一つに集まり、鵞足を形成しています。そして、膝の動きをスムーズにする、重要な役割を担っています。歩いたり、走ったり、階段を上り下りしたりと、私たちが日常生活で何気なく行っている動作も、鵞足の働きなしには成り立ちません。
検査

体の内部を詳しく見る:核磁気共鳴断層撮影

- 核磁気共鳴断層撮影とは核磁気共鳴断層撮影(かくじききょうめいだんそうさつえい)は、強力な磁場と電波を利用して、体内の臓器や組織の様子を画像化する検査方法です。一般的には「MRI」と省略して呼ばれることが多く、医療現場において病気の診断や治療方針の決定などに欠かせない検査となっています。では、MRIはどのような仕組みで体の内部を画像化しているのでしょうか。私たちの体は、水素原子を多く含む水素化合物で構成されています。MRIでは、この水素原子核が磁場に対して起こす反応(核磁気共鳴現象)を利用して画像を得ています。具体的には、まず検査装置内の強力な磁場によって体内の水素原子核を整列させます。そこに特定の周波数の電波を照射すると、水素原子核はエネルギーを吸収し、一時的に励起状態になります。そして、電波を止めると、水素原子核は元の状態に戻りながら、吸収したエネルギーを放出します。この時放出されるエネルギーの強さをコンピュータで処理することで、臓器や組織の形や性質を反映した断面画像が得られるのです。MRIは、X線を用いないため被ばくの心配がなく、また、体のあらゆる方向の断面を自由に描出できるという特徴があります。さらに、造影剤を使わずに血管を描出できるなど、他の画像診断法と比べて多くの利点があります。そのため、脳、心臓、血管、筋肉、関節など、様々な部位の検査に用いられています。
小児科

感染力の脅威:麻疹について

- 麻疹とは?麻疹は、麻疹ウイルスが原因で起こる感染症です。このウイルスは、空気中に漂う小さな droplets を吸い込む「空気感染」、咳やくしゃみなどの「飛沫感染」、ウイルスが付着した物に触れる「接触感染」など、様々な経路で感染するため、非常に感染力が強い点が特徴です。感染すると、39度前後の高熱が続き、咳、鼻水、目の充血といった風邪に似た症状が現れます。その後、顔から体全体に赤い発疹が広がり、数日間続くのが特徴です。麻疹は、合併症を引き起こす可能性もある病気です。肺炎や中耳炎といった比較的軽い合併症の他に、脳炎や脳症といった重い合併症を引き起こすこともあり、最悪の場合、死に至ることもあります。しかし、麻疹はワクチンで予防可能な病気です。ワクチン接種を受けることで、麻疹ウイルスに対する免疫を獲得し、感染を防ぐことができます。また、周囲の人がワクチン接種を受けていることで、ウイルスが拡散しにくくなるため、自分だけでなく、周りの人を守ることにもつながります。麻疹は一度流行すると、その感染力の強さから、あっという間に広まってしまう可能性があります。そのため、ワクチン接種が非常に重要となります。
検査

u/aってなに?

病院で診察を受けると、医師がカルテに様々な略語を書き込んでいるのを目にすることがあるかもしれません。カルテに書かれた文字は、医療従事者にとっては重要な情報源となりますが、馴染みのない人にとってはまるで暗号のように思えるかもしれません。 その中でも「u/a」という略語を見かけたことはないでしょうか? これは一体何を意味するのでしょうか? 実は「u/a」は「尿検査」を意味する医療業界で使われる略語です。 尿検査は、採取した尿の性状を調べることで、体の状態を把握するための検査です。尿は、血液が腎臓でろ過されて作られるため、尿に含まれる成分を調べることで、腎臓の病気や糖尿病などの病気を発見することができます。 尿検査は、検尿、尿一般検査などと呼ばれることもあり、尿の色、濁り、臭いなどの外観、蛋白質や糖の有無などを調べます。 尿検査の結果、異常値が見つかった場合は、さらに詳しい検査を行うことがあります。 このように、「u/a」という一見すると分かりにくい略語も、医療現場では簡潔に情報を伝えるための重要な役割を担っています。
小児科

先天性股関節脱臼:赤ちゃんの股関節の病気

生まれて間もない赤ちゃんに見られる病気の一つに、先天性股関節脱臼というものがあります。これは、赤ちゃんの股関節が本来あるべき場所からずれてしまっている状態を指し、医学的には発育性股関節形成不全(DDH)とも呼ばれます。股関節が完全に外れてしまっている場合だけでなく、外れやすい不安定な状態も含まれます。この先天性股関節脱臼は、比較的多くの赤ちゃんに見られる病気であり、特に女の子に多く発症する傾向があります。 この病気の原因は、まだはっきりと解明されていませんが、いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。一つは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる間の姿勢です。逆子や骨盤位と呼ばれる姿勢でいた場合、股関節に負担がかかりやすく、発症のリスクが高まると言われています。また、女の子は男の子に比べて、股関節を柔らかくするホルモンの影響を受けやすいため、発症率が高いと考えられています。さらに、家族に股関節脱臼の経験者がいる場合も、発症する可能性が高まるとされています。 先天性股関節脱臼は、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。そのため、赤ちゃんを出産した際には、股関節の検査を受けることが推奨されています。治療法としては、股関節を正常な位置に戻すための装具を装着したり、場合によっては手術を行ったりします。早期に発見し、適切な治療を行うことで、後遺症を残さずに治癒できる可能性が高まります。
検査

健康のバロメーター!便検査のススメ

- 便検査とは?私たちが毎日排泄する便は、食べた物の残りかすだけでなく、体にとって不要になったものや、腸の状態を知るための様々な情報を含んでいます。便検査とは、その名の通り、便の状態を詳しく調べる検査です。便検査では、色、形、においといった肉眼的な情報だけでなく、顕微鏡を用いた検査や、化学的な分析など、様々な方法で便を分析します。例えば、便の色がいつもと違う場合は、消化器系の病気の可能性があります。黒っぽい便は、胃や十二指腸からの出血を示唆している可能性があり、赤い便は、大腸や肛門からの出血の可能性があります。また、白っぽい便は、胆道が詰まっている可能性があります。便の形も重要な情報源です。細くて硬い便は、便秘の可能性があります。反対に、水のような便は、下痢の可能性があります。また、便に血が混じっていたり、粘液が付着していたりする場合は、炎症性腸疾患などの病気が疑われます。便のにおいも、健康状態を知る手がかりになります。通常とは異なる腐敗臭がする場合は、消化不良や腸内環境の悪化が考えられます。便検査は、これらの情報をもとに、消化器の病気や感染症の有無、腸内環境の状態などを総合的に判断する検査です。比較的簡単に実施できる検査でありながら、多くの情報を得ることができ、病気の早期発見や健康管理に役立ちます。
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