排尿のしくみ:反射の観点から

泌尿器

排尿のしくみ:反射の観点から

病院での用語を教えて

先生、「排尿反射」って、どういう意味ですか?

体の健康研究家

そうだね。「排尿」は、おしっこを出すことだよね。では、反射って何か分かるかな?

病院での用語を教えて

熱いものに触ったら、思わず手を引っ込めることですか?

体の健康研究家

その通り! つまり「排尿反射」は、膀胱におしっこがたまると、脳からの指令で自然におしっこが出ることを言うんだよ。

排尿反射とは。

『排尿反射』っていう医学や健康で使う言葉の意味を説明するね。簡単に言うと、おしっこをためておくところが一杯になると、脳のある部分(橋排尿中枢って呼ばれているよ)が反射を起こして、おしっこが体外に出ることを言うんだ。

排尿反射とは

排尿反射とは

– 排尿反射とは私たちは日頃、特に意識することなく、体内に溜まった尿を一定の時間ごとに排泄しています。この尿の排出をスムーズに行うために、体には「排尿反射」と呼ばれる機能が備わっています。排尿反射とは、膀胱に尿が溜まり、内圧が高くなることで始まる一連の反応のことです。膀胱の壁には、尿が溜まってくると伸びる性質を持つセンサーがあります。このセンサーが尿による刺激を受けると、その情報はまず脊髄に伝えられます。脊髄に到達した情報は、そのまま脳へと伝えられます。脳はこの情報に基づいて、「今は排尿に適した状況かどうか」を判断します。もし、周囲の状況が排尿に適していると判断されれば、脳から膀胱に「尿を排出してよい」という指令が出されます。この指令は再び脊髄を通り、膀胱へと伝えられます。指令を受けた膀胱は筋肉を収縮させ、それと同時に尿道の括約筋が緩むことで、尿は体外へと排出されます。このように、排尿反射は、膀胱、脊髄、脳といった複数の器官が関与する複雑なメカニズムによって制御されています。そして、私たちがこの複雑なメカニズムを意識することなく、日々、自然に排尿できているのは、この精巧な反射機構のおかげと言えるでしょう。

段階 プロセス
1 膀胱に尿が溜まり、内圧が上昇する。
2 膀胱壁のセンサーが尿による刺激を感知し、脊髄に情報を伝達する。
3 脊髄が情報を受け取り、脳に情報を伝達する。
4 脳は状況を判断し、排尿の許可を出す。
5 脳の指令が脊髄を経由して膀胱に伝わる。
6 膀胱の筋肉が収縮し、尿道括約筋が緩み、尿が排出される。

反射の中枢

反射の中枢

私たちの体には、意識しなくても行われる反応が数多く備わっています。これを反射と呼びますが、この反射の中心を担うのが中枢神経系です。今回は、その中でも排尿反射に焦点を当てて解説します。

排尿とは、体内に溜まった不要な水分や老廃物を尿として体外に排出する行為ですが、この一連の流れを制御しているのが、脳幹にある橋排尿中枢と呼ばれる場所です。膀胱に尿が溜まってくると、その情報はまず脊髄神経を通じて橋排尿中枢へと伝えられます。橋排尿中枢は、まるでコンピューターのように、送られてきた情報の内容を分析し、尿を排出すべきタイミングかどうかを判断します。そして、今がその時だと判断すると、今度は逆に脊髄神経を介して膀胱へと指令が送られます。この指令によって、膀胱の筋肉が収縮し、尿が体外へと押し出されるのです。

このように、橋排尿中枢は、体内の状態と外部環境の両方を考慮しながら、排尿という行為を巧みに制御しています。この精密な制御システムのおかげで、私たちは日常生活を送ることができていると言えるでしょう。

器官 役割
橋排尿中枢 膀胱からの尿の量に関する情報を受け取り、尿を排出すべきタイミングを判断する。そして、膀胱の筋肉に収縮指令を送り、排尿を促す。
脊髄神経 膀胱からの情報を橋排尿中枢へ伝え、橋排尿中枢からの指令を膀胱へ伝える役割を担う。
膀胱 尿を貯留し、橋排尿中枢からの指令を受けて収縮し、尿を排出する。

膀胱の役割

膀胱の役割

私たちの体の中に、尿を一時的に溜めておくための袋状の器官があります。それが膀胱です。膀胱は、腎臓で血液から濾し出された尿を、体外に排出するまでの間、一時的に保管する役割を担っています。

膀胱の壁は非常に弾力性に富んでおり、尿が溜まってくると風船のように膨らんでいきます。この柔軟性のおかげで、私たちは一度に大量の尿を排出する必要がなく、日常生活を送ることができます。

膀胱に尿が溜まってくると、膀胱の壁は内側から圧力を受け、徐々に伸びていきます。そして、この伸びが限界に達すると、膀胱の壁にある神経が刺激され、その情報が脊髄を通って脳に伝えられます。脳はこの信号を受け取ると、尿意を感じ、トイレに行きたいと感じるようになるのです。

尿意を感じても、すぐにトイレに行けない場合もあります。このような時は、脳からの指令によって膀胱の筋肉が収縮し、尿が膀胱から流れ出ないように制御しています。そして、トイレに行ける状況になると、脳から膀胱に排尿の指令が送られ、膀胱の筋肉が緩むと同時に尿道が開き、尿が体外に排出されるのです。

器官 役割 特徴 尿意と排出のしくみ
膀胱 腎臓で生成された尿を一時的に溜めておく 弾力性に富み、尿が溜まると膨らむ
  • 膀胱が尿で満たされると、壁の神経が刺激され、脊髄を通じて脳に信号が伝達される。
  • 脳は信号を受け取り、尿意を発生させる。
  • すぐにトイレに行けない場合は、脳からの指令で膀胱の筋肉が収縮し、尿の流出を抑制。
  • トイレに行ける状況になると、脳から膀胱に排尿指令が送られ、膀胱の筋肉が緩み、尿道が開いて尿が排出される。

尿道の役割

尿道の役割

– 尿道の役割体外への尿の出口尿道は、体の中にある膀胱から尿を体外へ排出するための重要な管です。 普段は、尿道はしっかりと閉じられており、尿が漏れることはありません。これは、尿道の周囲を取り囲む筋肉が、ぎゅっと収縮して、尿道を閉鎖しているためです。しかし、体の中に尿が溜まってくると、膀胱が一杯になり、脳に尿意を伝える信号が送られます。 脳からの指令を受けた橋排尿中枢は、膀胱に向けて「尿を出してよい」という信号を送ります。 この信号を受け取ると、膀胱の筋肉が収縮し、同時に尿道を取り囲む筋肉が緩みます。 この連携プレーによって、尿道は開き、溜まっていた尿が体外へと押し出されるのです。 このように、尿道は、普段は尿が漏れないように閉じておく機能と、尿意を感じた時に尿をスムーズに排出する機能という、二つの重要な役割を担っています。

尿道の状態 尿道の筋肉 膀胱の筋肉 尿の排出
普段 収縮(尿道閉鎖) 弛緩 なし
尿意を感じた時 弛緩(尿道開放) 収縮 あり

意識的な排尿

意識的な排尿

私たちが日常生活で当然のように行っているトイレ動作。実は、脳による緻密な制御機構によって成り立っています。

体内に溜まった尿を膀胱から体外へ排出する排尿は、本来、脊髄にある仙髄という部位と排尿に関わる神経の働きによって反射的に起こるものです。膀胱に尿が溜まると、その情報が仙髄を介して脳へと伝えられます。この時、脳が何も指令を出さなければ、私たちは反射的に尿を漏らしてしまいます。しかし、通常は尿意を感じても、すぐにトイレに行ける状況とは限りません。そこで重要な役割を果たすのが、脳の中にある橋排尿中枢と大脳です。

膀胱からの情報は、仙髄だけでなく橋排尿中枢にも伝えられます。橋排尿中枢は、受け取った情報をさらに大脳へと送ります。大脳は、状況判断の中枢です。周囲の環境や状況を判断し、トイレに行くべきタイミングかどうかを決定します。そして、大脳からの指令は再び橋排尿中枢へ、さらに仙髄へと伝達されます。こうして私たちは、意識的に排尿をコントロールし、社会生活を送ることができるのです。

器官 役割
膀胱 尿を溜める。尿が溜まると仙髄と橋排尿中枢に情報を送る。
仙髄 脊髄にある部位。膀胱からの情報を受け、脳からの指令がない場合は反射的に排尿を引き起こす。
橋排尿中枢 脳幹にある部位。膀胱と大脳を繋ぎ、排尿のタイミングを調整する。
大脳 周囲の状況を判断し、トイレに行くべきタイミングを判断する。橋排尿中枢に指令を送り、排尿を制御する。

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