心臓のポンプ機能:一回拍出量とは?
病院での用語を教えて
先生、「一回拍出量」ってなんですか?
体の健康研究家
いい質問だね。「一回拍出量」とは、心臓が一回ドキドキするごとに、体へ送り出す血液の量のことだよ。
病院での用語を教えて
心臓が一回に送り出す血液の量なんですね。大人と子どもで違うんですか?
体の健康研究家
そうだよ。体は大きくなるにつれて、より多くの血液を必要とするから、大人になるほど一回拍出量は多くなるんだ。
一回拍出量とは。
「一回拍出量」っていう医学用語は、心臓の左心室が一回ぎゅっと縮むごとに、大動脈に送り出す血液の量のことなんだ。子どもが大人になるにつれて、一回拍出量も増えていくのが普通だよ。単位はmLで表すんだ。
心臓から送り出される血液の量
私たちの体内には、全身に酸素や栄養を運ぶために血液が絶えず巡っています。この血液循環の原動力となっているのが心臓です。心臓は休むことなく拍動し、血液を体全体に送り出しています。
心臓が一回拍動するごとに送り出す血液の量を「一回拍出量」と言います。心臓は4つの部屋に分かれており、そのうち左心室と呼ばれる部屋が全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。一回拍出量とは、この左心室が一回収縮するごとに、大動脈へ送り出す血液の量のことを指します。
一回拍出量は、心臓の働きを知る上で重要な指標の一つです。安静時の平均的な一回拍出量は約70mlとされています。心臓は、運動時にはより多くの酸素を必要とするため、一回拍出量が増加します。逆に、心不全などの心臓病になると、一回拍出量が低下し、全身に十分な血液を送り出すことができなくなります。
一回拍出量は、心臓のポンプとしての機能を評価する指標であり、私たちの健康状態を知る上で非常に重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
心臓の役割 | 血液を全身に送り出すポンプ |
一回拍出量 | 左心室が一回収縮するごとに、大動脈へ送り出す血液の量 安静時平均:約70ml |
一回拍出量の増減 | 運動時:増加 心不全時:減少 |
一回拍出量の意義 | 心臓のポンプ機能を評価する指標 健康状態を知る上で重要 |
一回拍出量の単位と正常値
心臓が一回に送り出す血液の量を一回拍出量と呼びますが、この一回拍出量はミリリットルという単位を使って表されます。健康な大人の場合、安静時に心臓が一回ドクンと打つごとに、およそ70ミリリットルの血液を送り出しています。これは、コーヒーカップ半分くらいの量に相当します。
しかし、一回拍出量は人によって大きく異なる場合があります。 年齢や性別、体格、運動習慣などによって、心臓の大きさや働き方が異なるためです。 例えば、男性は女性に比べて一般的に体が大きく、心臓も大きいため、一回に送り出す血液の量も多くなる傾向があります。また、運動習慣のある人は、そうでない人に比べて心臓の筋肉が発達しており、より多くの血液を送り出すことができます。
一回拍出量は、心臓の健康状態を評価する上で重要な指標となります。 心臓の機能が低下すると、一回に送り出す血液の量が減ってしまうため、全身に十分な血液を送り届けることができなくなってしまう可能性があります。そのため、健康診断などでは、心電図検査や心臓超音波検査などを行い、心臓の機能を評価します。
項目 | 詳細 |
---|---|
一回拍出量 | 心臓が一回に送り出す血液の量 (単位: ミリリットル) |
安静時の成人一回拍出量 | 約70ミリリットル (コーヒーカップ半分程度) |
一回拍出量に影響を与える要因 | 年齢、性別、体格、運動習慣 |
一回拍出量の意義 | 心臓の健康状態を評価する上で重要な指標 |
成長に伴う一回拍出量の変化
心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担っており、その働きは、成長と共に変化します。特に、一回の心拍で送り出す血液の量である一回拍出量は、成長に伴い大きく変化します。
生まれたばかりの赤ちゃんは体が小さく、心臓も未発達なため、一回拍出量はごくわずかです。しかし、成長と共に体は大きくなり、それに伴い心臓も発達し大きくなります。心臓の大きさが増大すると、一回の拍動でより多くの血液を送り出すことができるようになります。そのため、一回拍出量は増加していきます。
幼児期から思春期にかけては、体の成長が著しいため、一回拍出量も急速に増加します。この時期は、体の成長に必要な栄養や酸素を十分に供給するため、心臓はより多くの血液を送り出す必要があるためです。
そして、成人になると体の成長が止まり、心臓の成長も落ち着きます。それに伴い、一回拍出量も安定します。ただし、運動習慣や健康状態によって個人差があります。
このように、一回拍出量は成長と共に変化し、体の発達段階に合わせて変化していくといえます。
成長段階 | 心臓の大きさ | 一回拍出量 |
---|---|---|
新生児 | 未発達で小さい | ごくわずか |
幼児期~思春期 | 成長に伴い増大 | 急速に増加 |
成人 | 成長が止まり安定 | 安定(個人差あり) |
運動による一回拍出量の変化
私たちは体を動かすと、筋肉は多くの酸素を必要とします。激しい運動ほど、より多くの酸素が必要となります。酸素は血液によって体中に運ばれるため、多くの酸素が必要な状態では、必然的に多くの血液を必要とします。 体からの血液要求に応えるために、心臓は一回の拍動で送り出す血液の量、すなわち一回拍出量を増やします。 一回拍出量が増えることで、心拍数が同じだとしても、より多くの血液を体中に送り出すことができるようになります。
激しい運動を習慣的に行っている人の心臓は、運動をしていない人の心臓に比べて一回拍出量が大きくなる傾向があります。これは、運動によって心臓も筋肉と同様に鍛えられるためです。心臓の筋肉が鍛えられることで、一回の拍動でより多くの血液を送り出すことができるようになります。心臓は筋肉の塊であり、鍛えれば鍛えるほど効率的に血液を送り出すことができるようになるという点で、他の筋肉と何ら変わりはありません。日頃から運動を心がけ、心臓を鍛えることが健康的な生活を送る上で非常に重要です。
運動と体の反応 | 詳細 |
---|---|
酸素需要の増加 | 運動すると筋肉は多くの酸素を必要とし、運動強度が高いほど酸素需要も増加する。 |
血液供給量の増加 | 酸素は血液によって運ばれるため、酸素需要を満たすために血液供給量も増加する。 |
一回拍出量の増加 | 心臓は一回の拍動で送り出す血液量(一回拍出量)を増やすことで、必要な血液量を供給する。 |
運動の効果 | 習慣的な運動は心臓を鍛え、一回拍出量を増やす効果がある。 |
心臓の筋肉 | 心臓も他の筋肉と同様に、鍛えることで効率的に血液を送り出すことができるようになる。 |
一回拍出量と健康の関係
心臓が一回に送り出す血液の量を一拍出量と呼びますが、これは私たちの健康状態を把握する上で非常に重要な指標となります。心臓は、まるで体中に血液を送り出すポンプのような役割を担っており、このポンプの働き具合を一拍出量は反映していると言えるでしょう。
例えば、心臓が正常に機能していない状態、いわゆる心不全になると、心臓のポンプ機能が低下し、一回に送り出せる血液の量、つまり一拍出量が減少してしまいます。また、貧血の場合も一拍出量は減少します。貧血とは、血液中の赤血球が減少する状態のことで、赤血球は酸素を運搬する役割を担っているため、赤血球が減ると体が酸素不足に陥ってしまいます。この酸素不足を補うため、心臓はより多くの血液を送り出そうとしますが、赤血球自体が減少しているため、結果として一拍出量は減少してしまうのです。
このように、一拍出量は心不全や貧血など、様々な病気と密接な関係があります。健康な状態を保つためには、心臓のポンプ機能を正常に保ち、十分な量の血液を一拍出量として送り出せるようにすることが重要と言えるでしょう。
状態 | 一拍出量 | 説明 |
---|---|---|
心不全 | 減少 | 心臓のポンプ機能低下により、一回に送り出せる血液量が減少 |
貧血 | 減少 | 酸素不足を補うため心拍数は増加するものの、赤血球自体が減少しているため結果として一拍出量は減少 |