発作性心房細動:見え隠れする不整脈

循環器

発作性心房細動:見え隠れする不整脈

病院での用語を教えて

先生、「発作性心房細動」ってどういう意味ですか? 健康診断の結果に書いてあって、少し心配です。

体の健康研究家

「発作性心房細動」は、心臓のリズムが一時的に乱れる病気のことだよ。心臓の上の方にある「心房」が、とても速く、しかもバラバラに動いてしまうんだ。

病院での用語を教えて

心臓のリズムが乱れるんですね。でも、先生、一時的っていうのはどういうことですか?

体の健康研究家

発作性心房細動の場合、心臓のリズムの乱れは長くても7日以内には自然に治まることが多いんだ。ただし、再発することもあるので、検査を受けて、医師の指示に従うことが大切だよ。

発作性心房細動とは。

『発作性心房細動』は、医学や健康に関する言葉の一つで、心臓のリズムが乱れる病気の一種です。この病気は、心臓の上にある部屋(心房)が、1分間に300回から600回というとても速いスピードでバラバラに震えるため、脈の打ち方が不規則になります。発作性心房細動は、症状が出てから7日以内に自然に治まるものを指します。

発作性心房細動とは

発作性心房細動とは

– 発作性心房細動とは私たちの心臓は、全身に血液を送るポンプの役割を担っています。このポンプ機能は、心臓の上部にある心房と、下部にある心室の規則正しい収縮によって成り立っています。通常、心房は規則正しいリズムで収縮し、血液を心室へと送り出しています。しかし、何らかの原因で心房に異常な電気信号が発生すると、心房が非常に速く、かつ不規則に震える状態に陥ることがあります。これが「心房細動」と呼ばれる不整脈です。

心房細動には、いくつか種類がありますが、その中でも発作的に起こり、自然に治まるものを「発作性心房細動」と呼びます。具体的には、発作性心房細動は、発症してから7日以内に正常なリズムに戻るものを指し、それ以上続く場合は「持続性心房細動」として区別されます。

発作性心房細動は、自覚症状がない場合もあるため、健康診断や人間ドックなどで心電図検査を受けて初めて発見されるケースも少なくありません。しかし、動悸や息切れ、胸の痛み、めまい、倦怠感などの症状が現れる場合もあり、注意が必要です。

発作性心房細動は、放置すると脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。

種類 説明 期間
心房細動 心房に異常な電気信号が発生し、心房が非常に速く、かつ不規則に震える状態
発作性心房細動 発作的に起こり、自然に治まる心房細動 7日以内に正常なリズムに戻る
持続性心房細動 発作性心房細動とは異なり、7日以上続く心房細動 7日以上続く

症状:自覚症状がない場合も

症状:自覚症状がない場合も

– 症状自覚症状がない場合も発作性心房細動は、その名前が示すように、発作的に心臓のリズムが乱れる病気です。普段は心臓のリズムに異常がないため、自覚症状がないまま生活している方も少なくありません。健康診断などでたまたま心電図検査を受けた際に、初めて発作性心房細動が発見されるケースも多いです。しかし、発作性心房細動を抱えている方の中には、自覚症状が現れる方もいます。代表的な症状としては、動悸、息切れ、胸の痛み、めまい、疲労感などが挙げられます。これらの症状は、発作的に現れたり消えたりするのが特徴です。例えば、激しい運動をした後や、精神的に緊張した時に症状が現れやすく、安静状態になると症状が治まることがあります。また、症状の感じ方には個人差があります。軽い動悸を感じる程度の方もいれば、立っているのも辛いほどの強い症状に襲われる方もいます。さらに、稀ではありますが、意識を失ってしまうような重篤な症状が現れることもあります。自覚症状の有無に関わらず、発作性心房細動は放置すると、脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こす可能性がある病気です。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要となります。健康診断などで心電図検査を受ける機会があれば、自身の心臓の状態を知る良い機会と捉え、積極的に受診しましょう。また、上記のような症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。

症状 期間 詳細
自覚症状なし 普段は心臓のリズムに異常がないため、自覚症状がないまま生活している方もいる。
動悸、息切れ、胸の痛み、めまい、疲労感 発作時 発作的に現れたり消えたりするのが特徴。激しい運動をした後や、精神的に緊張した時に症状が現れやすく、安静状態になると症状が治まることがある。症状の感じ方には個人差がある。
意識消失 稀だが、重篤な症状が出る場合もある。

原因:様々な要因が複雑に関係

原因:様々な要因が複雑に関係

発作性心房細動は、文字通り発作的に起こる不整脈の一種ですが、その原因は決して単純ではありません。実にさまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

まず、年齢を重ねるにつれて発症リスクは高まります。これは心臓の老化現象と関連していると考えられています。また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病も、心臓に負担をかけることで発作性心房細動のリスクを高める要因となります。

さらに、心臓弁膜症や心筋症といった心臓そのものの病気も、発作性心房細動を引き起こすことがあります。心臓弁膜症は心臓の弁の機能異常であり、心筋症は心臓の筋肉そのものに異常が起こる病気です。どちらも心臓の機能を低下させ、不整脈のリスクを高めます。

甲状腺ホルモンの過剰分泌を引き起こす甲状腺機能亢進症も、発作性心房細動と関連することが知られています。甲状腺ホルモンは心臓の働きを活発にするため、過剰になると不整脈のリスクが高まると考えられます。

加えて、過度の飲酒や喫煙、睡眠不足、ストレスといった生活習慣も、発作性心房細動の誘因となることがあります。これらは心臓に負担をかけたり、自律神経のバランスを乱したりすることで、不整脈を引き起こしやすくすると考えられています。

これらの要因に加えて、遺伝的な要因も発症に関与していると考えられています。家族に発作性心房細動の患者がいる場合は、遺伝的な要因も考慮する必要があります。

要因 詳細
加齢 心臓の老化現象と関連
生活習慣病 高血圧や糖尿病など、心臓に負担をかける
心臓の病気 心臓弁膜症、心筋症など、心臓の機能低下
甲状腺機能亢進症 甲状腺ホルモンの過剰分泌により心臓の働きが過剰に
生活習慣 過度の飲酒、喫煙、睡眠不足、ストレスなど
遺伝的要因 家族歴がある場合、遺伝的要因も考慮

診断:心電図検査が重要

診断:心電図検査が重要

心臓が規則正しく拍動するリズムが乱れる不整脈の中でも、発作性心房細動は、突然発生し、しばらくすると自然に治まるという特徴があります。このため、発作時に心電図検査を行わないと、診断が難しいという課題があります。
心電図検査は、心臓の電気的な活動を波形として記録する検査です。この波形を解析することで、不整脈の種類や発生場所、心臓の状態などを把握することができます。発作性心房細動の場合、発作時に心電図検査を行うことで、特徴的な波形を確認することができます。
しかし、発作性心房細動は、いつ起こるかわからないため、発作時に医療機関を受診できるとは限りません。そこで、発作が起きていないときでも診断が可能な検査方法として、ホルター心電図検査やイベントレコーダーなどがあります。ホルター心電図検査は、小型の記録装置を装着して、24時間心電図を記録する検査です。イベントレコーダーは、患者自身が記録装置のボタンを押すことで、症状が出た時の心電図を記録することができます。
これらの検査方法によって、発作性心房細動の診断率は向上し、適切な治療や生活指導が可能となっています。

検査方法 特徴
心電図検査 心臓の電気的な活動を波形として記録する検査。
発作時に実施しないと診断が難しい。
ホルター心電図検査 小型の記録装置を装着して、24時間心電図を記録する検査。
イベントレコーダー 患者自身が記録装置のボタンを押すことで、症状が出た時の心電図を記録する検査。

治療:薬物療法やカテーテルアブレーション

治療:薬物療法やカテーテルアブレーション

治療においては、発作がどのくらいの頻度で起こるか、どのような症状が出るか、原因となる病気があるか、脳梗塞のリスクはどの程度かといった点を総合的に判断します。主な治療法として、薬を用いる方法とカテーテルを用いる方法の二つがあります。

薬を用いる方法では、心臓のリズムを正常に整えたり、脈拍数を適切に保つ薬を使用します。これにより、心臓が小刻みに震えるような状態を抑えたり、脈が速くなりすぎるのを防いだりします。

カテーテルを用いる方法では、細い管を血管に通して心臓まで導き、心臓の壁に高周波電流を流して、異常な電気信号が出ている部分を焼灼することで治療します。この治療は、心臓のリズムの乱れを引き起こしている根本原因に対処する方法と言えます。

これらの治療に加えて、生活習慣の改善も重要です。喫煙は心臓に負担をかけるため、禁煙することが大切です。また、過度な飲酒も心臓のリズムを乱す可能性があるため、お酒は控えめにしましょう。適度な運動は心臓の働きを良くする効果がありますが、激しい運動は逆効果になる場合もあるため、医師に相談しながら行うようにしましょう。バランスの取れた食事を心がけ、塩分を控えることも重要です。睡眠不足は心臓に負担をかけるため、十分な睡眠を確保するようにしましょう。

治療法 詳細 効果
薬物療法 心臓のリズムを整えたり、脈拍数を適切に保つ薬を使用する 心臓の小刻みな震えや脈拍の異常な上昇を抑える
カテーテル治療 細い管を血管に通して心臓まで導き、異常な電気信号が出ている部分を焼灼する 心臓のリズムの乱れの根本原因に対処する
生活習慣の改善 禁煙、節酒、適度な運動、バランスの取れた食事、減塩、十分な睡眠 心臓への負担軽減、健康状態の改善

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