心臓の状態を詳しく調べる!スワンガンツカテーテルとは
病院での用語を教えて
先生、『スワンガンツカテーテル』って、一体どんなものなんですか? 難しい言葉で、よくわかりません。
体の健康研究家
そうだね。『スワンガンツカテーテル』は、心臓の働きを調べるための医療機器なんだ。簡単に言うと、体に細い管を入れて、心臓の圧力や血液の流れなどを測るんだよ。
病院での用語を教えて
心臓の中に管を入れるんですか!? 痛くないんですか?
体の健康研究家
もちろん、入れるときは麻酔を使うから大丈夫だよ。それに、この検査は心臓が弱っている人の状態を詳しく知るためにとても役立つんだ。
スワンガンツカテーテルとは。
「スワンガンツカテーテル」は、肺の動脈に使う管であるカテーテルの一種で、「肺動脈カテーテル」とも呼ばれます。販売元の会社名から「スワンガンツカテーテル」と呼ばれることが多く、管の先端に風船が付いているのが特徴です。この風船を使って心臓の働きを調べる医療機器であり、検査方法でもあります。太ももの付け根や腕、鎖骨の下、首などにある静脈に針を刺し、そこからカテーテルを挿入して、先端の圧力を測ります。この検査では、心臓内の圧力、心臓から送り出される血液の量、血液中の酸素の量を調べることができます。スワンガンツカテーテルは、重い心筋梗塞や心肺停止後の蘇生など、特に重い病気の患者に対して使われます。現場では「ガンツ」と略して呼ばれることもあります。
スワンガンツカテーテルとは
– スワンガンツカテーテルとはスワンガンツカテーテルは、心臓の機能を詳細に評価するために用いられる医療機器です。正式には肺動脈カテーテルと呼ばれますが、開発元であるエドワーズライフサイエンス社の商品名「Swan-Ganz」から、一般的にスワンガンツカテーテルとして知られています。このカテーテル最大の特徴は、先端に小さな風船(バルーン)が付いていることです。カテーテルは、首や足の付け根にある太い血管から挿入し、心臓まで到達させます。風船を膨らませたり、しぼませたりすることで、心臓内の圧力を測定したり、血液の流れを分析したりすることが可能になります。具体的には、心臓のポンプ機能を評価する指標である心拍出量や、心臓に戻る血液の量を示す中心静脈圧などを測定することができます。これらの情報は、心不全やショックなどの循環器系の疾患の診断や治療方針の決定に非常に役立ちます。しかし、スワンガンツカテーテルは他のカテーテル検査と比べて侵襲性が高いという側面も持ち合わせています。そのため、近年では、超音波検査や心臓MRIなど、より低侵襲な検査法が普及してきています。それでも、スワンガンツカテーテルは、重症患者の状態を詳細に把握するために、現在も重要な役割を担っています。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | 肺動脈カテーテル |
通称 | スワンガンツカテーテル (Swan-Ganzカテーテル) |
開発元 | エドワーズライフサイエンス社 |
特徴 | 先端に風船(バルーン)が付いている |
挿入経路 | 首や足の付け根にある太い血管 |
用途 | 心臓の機能を詳細に評価する |
測定項目 | – 心拍出量 – 中心静脈圧など |
用途詳細 | – 心不全やショックなどの循環器系の疾患の診断 – 治療方針の決定 |
注意点 | 他のカテーテル検査と比べて侵襲性が高い |
スワンガンツカテーテルでわかること
心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担っており、その機能が低下すると生命に関わる重大な事態を引き起こす可能性があります。心臓の状態を詳細に把握するために、スワンガンツカテーテルと呼ばれる細い管を体の特定の血管に通し、心臓まで到達させる医療技術があります。
スワンガンツカテーテルを用いることで、心臓の機能に関する重要な情報を複数得ることが可能です。まず、心臓内の圧力、つまり心臓が血液を送り出す際にどれだけの圧力をかけているかを測定できます。この圧力値は、心臓の負担や弁の機能を知る上で重要な指標となります。次に、心臓から送り出される血液の量、すなわち心臓が一回の拍動でどれだけの血液を送り出しているかを測定できます。この値は、心機能の評価や体液の状態を把握する上で欠かせません。さらに、血液中の酸素飽和度も測定可能です。これは、血液中にどれだけの酸素が含まれているかを示す指標であり、肺の機能や組織への酸素供給の状態を評価する際に役立ちます。
このように、スワンガンツカテーテルによって得られる情報は、心臓のポンプ機能を総合的に評価し、適切な治療方針を決定する上で非常に重要です。
測定項目 | 説明 | 臨床的意義 |
---|---|---|
心臓内の圧力 | 心臓が血液を送り出す際の圧力 | 心臓の負担や弁の機能を知る指標 |
心臓から送り出される血液の量 | 心臓が一回の拍動で送り出す血液量 | 心機能の評価や体液の状態把握の指標 |
血液中の酸素飽和度 | 血液中に含まれる酸素の割合 | 肺の機能や組織への酸素供給の状態評価の指標 |
検査の方法
– 検査の方法スワンガンツカテーテル検査は、心臓の働きや血管の状態を詳しく調べるための検査です。検査に伴う痛みや負担を軽減するため、足の付け根や首などにある太い静脈に局所麻酔を施してから開始します。麻酔が効いた後、静脈に針を刺し、そこから細い管状のカテーテルを挿入します。カテーテルは血管の中をゆっくりと心臓に向かって進められます。カテーテルの先端には風船やセンサーなどが付いており、検査の内容に応じて使い分けられます。例えば、心臓のポンプ機能を評価する際には、カテーテルの先端にある風船を膨らませて心臓内の圧力を測定します。また、血液中の酸素濃度や血流などを調べる際には、センサーを用いて情報を収集します。検査中は、医師や看護師が患者の血圧、脈拍、心電図などを常に監視し、安全に検査が実施されるよう万全を期しています。検査時間は患者さんの状態や検査内容によって異なりますが、通常は1時間から数時間程度です。
検査 | 目的 | 手順 | 時間 |
---|---|---|---|
スワンガンツカテーテル検査 | 心臓の働きや血管の状態を詳しく調べる | 1. 局所麻酔 2. 静脈にカテーテル挿入 3. カテーテルを心臓へ進める 4. 風船やセンサーで検査 |
1時間〜数時間程度 |
どのような患者に用いられるか
スワンガンツカテーテルは、心臓に大きな負担がかかっている重症患者さんの状態を詳細に把握するために用いられます。具体的には、重度の心筋梗塞や心不全、心臓手術後などが挙げられます。
心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送る血管が詰まってしまい、心臓の筋肉が壊死してしまう病気です。心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなる病気です。心臓手術後は、心臓に負担がかかりやすく、心臓の機能が不安定になりやすい状態です。
これらの患者さんでは、心臓の機能を詳細に把握し、適切な治療を行うことが非常に重要となります。スワンガンツカテーテルは、心臓内の圧力や血液量などを直接測定することができるため、より精密な情報を得ることができ、より適切な治療方針を決定することができます。
しかし、近年では医療技術の進歩により、心臓の状態を把握するための、より体に負担の少ない検査方法も開発されてきています。そのため、以前と比較してスワンガンツカテーテルの使用頻度は減少傾向にあります。
スワンガンツカテーテル | 使用目的 | 対象となる疾患・状態 | 利点 | 現状 |
---|---|---|---|---|
心臓内の圧力や血液量を直接測定するカテーテル | 重症患者の心臓の状態を詳細に把握し、適切な治療を行うため | – 重度の心筋梗塞 – 心不全 – 心臓手術後 |
精密な情報を得ることができ、より適切な治療方針を決定できる | 医療技術の進歩により、以前と比較して使用頻度は減少傾向 |
検査のリスク
心臓の働きを詳しく調べるために、細い管を血管に通して心臓付近まで届ける検査があります。これは、まるで白鳥の首のようにしなやかに曲がった管を使うことから、白鳥のガンツという鳥の名前をとって、ガンツカテーテル検査と呼ばれています。この検査は、心臓の状態を把握する上で非常に役立つものですが、どんな医療行為にも少なからずリスクはつきものです。
まず、管を挿入する際に、どうしても血管やその周辺の組織を傷つけてしまう可能性があります。そのため、検査後に出血したり、そこから細菌が入って炎症を起こしたりすることがあります。また、心臓は電気信号で動いているため、管を入れることでこの信号に乱れが生じ、脈拍が不安定になる不整脈が起きることもあります。さらに、管そのものが血管を傷つけてしまうケースも稀にあります。
しかし、これらのリスクは決して無視できないものではありません。検査を行う医師は、これまでの経験と最新の知識に基づいて、細心の注意を払いながら管を挿入し、合併症のリスクを最小限に抑えるよう努めています。また、検査前に患者さんからしっかりと問診を行い、過去の病歴やアレルギーなどを把握することで、より安全に検査を実施できるよう準備をしています。
検査を受けるかどうかは、患者さん自身が決めることです。その際には、医師から検査のメリットだけでなく、考えられるリスクについても十分な説明を受けることが大切です。そして、疑問点や不安なことがあれば、遠慮なく質問し、納得した上で検査を受けるようにしましょう。
検査 | 目的 | リスク | 医師の対応 | 患者の対応 |
---|---|---|---|---|
ガンツカテーテル検査 | 心臓の働きを詳しく調べる | ・ 出血 ・ 感染症 ・ 不整脈 ・ 血管損傷 |
・ 経験と知識に基づいた丁寧な挿入 ・ 合併症リスクの最小化 ・ 事前の問診と情報収集 |
・ メリットとリスクを理解 ・ 疑問点があれば質問し納得 |