「ア」

外科

切断術:アンプタとは

- アンプタの意味「アンプタ」は、医療現場で使用される用語で、体の部位、特に手足を手術によって切り離すことを意味します。 これは本来「Amputation(アンピュテーション)」という英語を短縮した言葉です。医療従事者の間では、この「アンプタ」は日常的に使用されています。例えば、「下肢切断」のことを「下肢アンプタ」と簡略化して表現することがあります。切断手術が行われる主な原因は、重度の外傷や血管の病気、悪性腫瘍など、患部を切除しなければ生命の維持が困難になる場合です。 具体的には、交通事故による損傷や、糖尿病による足の壊疽などが挙げられます。アンプタは患者さんにとって、身体機能や外観を大きく変えてしまう可能性のある、とても大きな手術です。そのため、医師は患者さんとその家族に対して、手術の必要性やリスク、術後の生活について、時間をかけて丁寧に説明します。そして、患者さんが納得した上で、初めて手術が行われるのです。
外科

アンプタ:四肢切断という選択

- アンプタとはアンプタとは、医学用語で「切断」または「切除術」を意味し、特に手足に行われる場合を指します。これは、事故や病気など、様々な理由で手足の機能を完全に失ってしまった場合に、患者の生活の質を向上させるための最終手段として選択されることがあります。例えば、重度の外傷や広範囲な熱傷、凍傷、あるいは進行した悪性腫瘍などによって、手足への血流が著しく阻害され、組織が壊死してしまうことがあります。このような場合、壊死した組織は感染症のリスクを高めるだけでなく、体全体に悪影響を及ぼす可能性があります。また、糖尿病などの疾患によって、神経や血管が損傷し、手足の感覚や運動機能が著しく低下することもあります。このような状態が進行すると、日常生活に支障をきたすだけでなく、潰瘍や壊疽などを引き起こし、切断が必要となるケースもあります。アンプタは、患者の身体的負担が大きい手術であると同時に、精神的な苦痛を伴うこともあります。そのため、医師は患者と十分に話し合い、切断の必要性やリスク、術後のリハビリテーション、義肢装具の使用などについて、丁寧に説明する必要があります。近年では、手術技術の進歩やリハビリテーション方法の多様化により、アンプタ後の社会復帰が可能となるケースも増加しています。しかし、依然として社会的な偏見や生活環境における課題も少なくありません。アンプタを受けた人が、社会の一員として再び活躍できるよう、医療従事者だけでなく、社会全体で支えていくことが重要です。
救急

救急車を呼ぶときの名前、知ってる?

病院を舞台にしたドラマや漫画で「アンビ」という言葉を耳にしたことはありませんか? 「アンビって何だろう?」と思っても、日常生活で耳にすることはほとんどないので、意味を調べる機会も少ないかもしれません。 実はこの「アンビ」は、病院で働く人たちの間で使われている隠語の一つです。 医療現場では、専門用語や略語が多く飛び交います。患者さんの前で専門用語を多用すると、不安な気持ちにさせてしまう可能性もあります。そこで、患者さんに直接伝えない場面では、医療従事者同士がスムーズに情報共有するために、専門用語を短く言い換えた隠語が使われるのです。 「アンビ」は、「アンビューバッグ」という人工呼吸に使う医療機器を指す隠語です。他にも、注射を意味する「マルチン」、血圧計を表す「リバロ」など、様々な隠語が存在します。これらの隠語は、医療従事者にとって、コミュニケーションを円滑にするための便利なツールと言えるでしょう。 しかし、隠語はあくまで医療現場の中だけで通じる言葉です。患者さんやその家族には、正しい言葉で丁寧に説明することが大切です。
心の問題

アイデンティティー:あなたはあなた、私は私

- アイデンティティーとはアイデンティティーとは、私たち一人ひとりが「自分とは何者なのか」という問いに向き合った時に感じる、確固たる感覚と言えるでしょう。これは、まるでジグソーパズルのピースのように、様々な要素が組み合わさって形作られるものです。まず、私たち自身を内側から見つめた時、性格や価値観、信念といったものが浮かび上がります。明るく社交的なのか、それとも穏やかで思慮深いのか。不正を許せないのか、あるいは寛容であることを大切にするのか。こうした内面的な要素は、私たちが日々の生活の中で無意識のうちに選択する行動や、他者との関わり方に大きく影響を与えます。次に、私たちを取り巻く環境にも目を向けてみましょう。家族、友人、同僚といった大切な人たちとの関係性や、自分が所属する学校や会社、地域社会といった集団は、私たちのアイデンティティーを形成する上で欠かせないものです。それぞれの集団における自分の役割や立場、周囲の人々との関わりを通して、私たちは「自分は社会の中でどのような存在意義を持つのか」ということを認識していきます。さらに、趣味や興味、得意とする分野などもアイデンティティーを彩る大切な要素です。音楽やスポーツに情熱を燃やす人もいれば、読書や映画鑑賞に心を奪われる人もいるでしょう。自分の好きなこと、熱中できることを通して、私たちは喜びや達成感を味わい、自分自身の個性や才能を再認識することができます。このように、アイデンティティーは一朝一夕に形成されるものではなく、人生の様々な経験を通して少しずつ変化していく、流動的なものです。そして、自分自身のアイデンティティーを深く理解することは、より豊かで充実した人生を送るための第一歩と言えるでしょう。
心の問題

愛着障害:幼少期の愛情不足がもたらす影

- 愛着障害とは幼少期、特に乳幼児期は、周囲の人との信頼関係を育み、心の安定を築くための重要な時期です。この期間に、主な養育者である保護者との間で、愛情に満ちた安定した関係を築くことが、その後の健やかな成長に大きく影響します。しかし、様々な事情により、保護者と子が安定した愛着関係を築けない場合があります。虐待やネグレクトといった過酷な養育環境だけでなく、保護者の病気や長期的な不在、あるいは十分に子どもの気持ちに応えられないといった場合でも、子どもは保護者との間に安心できる関係を築くことができず、愛着障害を引き起こす可能性があります。愛着障害は、特定の病気の名前ではなく、愛着形成における問題が、その後の対人関係や心の安定に影響を及ぼす状態を指します。具体的な症状としては、他人と親密な関係を築きにくくなる、感情のコントロールが難しくなる、不安や恐怖を感じやすくなる、などがあります。また、場合によっては、反社会的な行動や自傷行為といった問題行動に繋がることもあります。愛着障害は、早期に発見し、適切な対応をとることで改善が見込めると言われています。周囲の大人が、子どもの様子に注意を払い、愛情深く接することで、子どもが安心できる環境を作り出すことが重要です。
心の問題

子どもの心の発達:愛着の重要性

- 愛着とは人は誰しも、特定の人に対して特別な感情を抱き、その人と共にいたい、近くにいたいと感じる経験をすることがあります。この心の結びつきのことを、心理学では「愛着」と呼びます。特に、生まれたばかりの赤ちゃんが、自分を世話してくれる保護者に対して抱く特別な感情が愛着の始まりです。赤ちゃんは、まだ言葉を発することができません。しかし、泣いたり、笑ったり、抱っこをせがんだりすることで、保護者に自分の気持ちを伝えようとします。保護者は、そんな赤ちゃんのサインに気づき、優しく抱きしめたり、語りかけたりすることで、赤ちゃんの要求に応えようとします。このような相互のやり取りを通して、赤ちゃんは保護者との間に深い信頼関係を築いていくのです。そして、この保護者との特別な関係が、赤ちゃんの「愛着」となっていきます。愛着は、単なる感情的な結びつきではありません。愛着は、乳幼児期における心の成長にとって、非常に重要な役割を担っています。保護者との安定した愛着関係の中で育った子どもは、安心感や信頼感を抱き、情緒が安定していきます。その結果、周囲の環境にも積極的に関わり、様々なことを吸収し、健やかに成長していくことができるのです。反対に、幼少期に十分な愛着を形成できなかった場合は、情緒が不安定になりやすく、対人関係に問題が生じやすくなる可能性も指摘されています。愛着は、その後の人格形成や対人関係、社会性の発達に大きな影響を与えると言えるでしょう。
皮膚科

夏の悩み、あせもについて

あせもは、一般的に「あせも」と呼ばれる皮膚の炎症です。医学的には「汗疹(かんしん)」と言い、汗の出口となる管である汗管が何らかの理由で詰まってしまい、皮膚の中に汗が溜まってしまうことで炎症を引き起こします。 高温多湿の環境は汗をかきやすく、汗管が詰まりやすくなるため、あせもは特に夏場に多く見られます。 あせもは、乳幼児から大人まで、年齢に関係なく誰でも発症する可能性があります。しかし、乳幼児は大人に比べて汗腺の密度が高く、体温調節機能も未熟なため、あせもができやすい傾向にあります。また、肥満体型の人や、汗をかきやすい体質の人も、あせもができやすいと言われています。 あせもは、適切なケアを行えば、通常は数日で症状が改善します。しかし、症状が悪化したり、なかなか治らない場合は、皮膚科専門医を受診するようにしましょう。
心の問題

アルコール依存症からの回復を支える会:AAとは

- アルコール依存症という病気アルコール依存症は、お酒を飲む量や飲む時間について、自分の意思でコントロールすることができなくなってしまう病気です。たびたびお酒を飲み過ぎてしまったり、飲酒したいという強い欲求に負けてしまったり、周囲から指摘されても飲酒量を減らすことができない状態を指します。これは、決して個人の性格の弱さや意思の問題が原因ではありません。アルコールを摂取し続けることで、脳の機能や身体の代謝が変化し、お酒なしでは正常な状態を保てなくなってしまうのです。アルコール依存症が進行すると、飲酒を続けるために仕事や家庭、人間関係を犠牲にしてしまうことがあります。また、飲酒によって脳や肝臓、胃などの臓器に damage が蓄積し、様々な病気を引き起こすリスクも高まります。アルコール依存症は、適切な治療を受けることで回復できる病気です。 医療機関では、患者さん一人ひとりの症状や状況に合わせて、薬物療法やカウンセリング、自助グループへの参加などを組み合わせた治療が行われます。もし、ご自身や周囲の人がアルコール依存症で悩んでいる場合は、早めに医療機関に相談することをお勧めします。
検査

アネロイド式血圧計:仕組みと特徴

- アネロイド式血圧計とはアネロイド式血圧計は、家庭や病院などで広く使われている血圧を測るための器具です。水銀を使わないため、安全で扱いやすいという利点があります。 測定の際には、腕にカフと呼ばれる帯状の袋を巻き付けます。このカフに空気を送り込むことで、腕の動脈を圧迫します。そして、聴診器を用いて、圧迫された状態から徐々に空気を抜いていく際に聞こえる血管音の変化を聞き取ります。 血管音の変化は、文字盤の針の動きと連動しており、音が初めて聞こえた時が最高血圧、音が消えた時が最低血圧を示します。 アネロイド式血圧計は、聴診器を用いた聴診による測定が必要なため、ある程度の訓練や経験が必要です。しかし、正確に使用することで、家庭でも手軽に血圧を把握することができます。
心の問題

子どもの愛着:健やかな成長の土台

- 愛着とは何か愛着とは、特定の人に対して特別な感情を抱き、その人と共にいたいと強く感じる気持ちのことです。まるで目に見えない糸で結ばれているように、心の距離が縮まり、安心感や幸福感を覚えます。特に乳幼児期における愛着形成は、その後の子どもの情緒や社会性の発達に大きな影響を与えることが分かっています。生まれたばかりの赤ちゃんは、自分では何もできません。ミルクを飲ませてもらったり、おむつを替えてもらったり、抱っこしてもらったりと、周りの大人の世話が不可欠です。このような状況下で、赤ちゃんは自分を無条件に受け入れてくれ、愛情をかけてくれる特定の大人(多くの場合、母親)に対して、特別な感情を抱くようになります。これが愛着の始まりです。愛着が形成されると、子どもは特定の大人の存在によって安心感や安定感を得ることができ、周囲の世界を探索する意欲や好奇心を育むことができます。反対に、愛着形成がうまくいかないと、情緒不安定になったり、対人関係がうまく築けなかったりするなど、さまざまな問題が生じるリスクが高まると言われています。愛着形成は、子どもの将来を左右すると言っても過言ではありません。子どもの健やかな成長を促すためには、温かで愛情のこもった関わりを通して、子どもとの間に安定した愛着関係を築くことが重要です。
心の問題

子どもとの絆と愛着障害

- 愛着障害とは 愛着障害とは、幼い頃に親など、特定の大人との間で安定した愛着関係を築くことができなかったために、感情や他人との付き合い方に問題が生じる発達障害の一種です。 人は誰しも、赤ちゃんとしてこの世に生を受けた時から、保護を求める気持ちを持っています。これは生まれながらに備わった本能のようなもので、愛着の芽生えと言えます。そして、保護者から温かい反応が返ってくることで、赤ちゃんは安心感や信頼感を育んでいきます。この安心感や信頼感が、愛着の基礎となるのです。 しかし、様々な理由から、この愛着形成がうまくいかない場合があります。例えば、虐待や育児放棄など、保護者からの愛情が感じられない環境で育った場合や、施設などで養育者が頻繁に入れ替わり、特定の大人と安定した関係を築けなかった場合などが挙げられます。 こうした環境で育った子どもは、情緒が不安定になりやすく、対人関係を築くのが難しい傾向があります。大人になってからも、この影響は残り続け、生きづらさを感じてしまうケースも少なくありません。
脳・神経

知っておきたい医療用語:アポ

病院で働く人たちの間では、日常的に様々な専門用語が使われています。その中には、一般の方にはあまり知られていない言葉も少なくありません。「アポ」という言葉も、そうものの一つと言えるでしょう。「アポ」は「あぽ」と読むことが多く、病院の予約や面会などを表す「アポイントメント」を短くした言葉だと勘違いされることもあります。しかし、医療現場で使われる「アポ」は、全く異なる意味を持っています。 それでは、医療現場における「アポ」とは一体何を指すのでしょうか? 「アポ」とは、「apoplexy(アポプレキシー)」の略語であり、これは「脳卒中」を意味する医学用語です。脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳に酸素や栄養が供給されなくなり、様々な神経症状を引き起こす病気です。突然に意識を失ったり、手足が麻痺したり、言葉が話せなくなるなどの症状が現れます。 医療現場では、「アポ」は「脳卒中」の患者さんを指す言葉として使われることが多く、カルテや看護記録にも頻繁に登場します。例えば、「アポの疑いのある患者さんが救急搬送された」「アポ後のリハビリテーション」のように使われます。 「アポ」という言葉一つとっても、医療現場と一般社会では全く異なる意味を持つことが分かります。医療従事者と患者さんとの間で誤解が生じないように、専門用語の意味を正しく理解しておくことが大切です。
救急

救急現場の必需品:アンビューバッグ

- アンビューバッグとはアンビューバッグは、呼吸が止まってしまったり、呼吸をすることが困難になってしまった患者の肺に、人の手で空気を送り込むための医療機器です。 自己呼吸が難しい状況でも、アンビューバッグを用いることで、肺に酸素を送り込み、二酸化炭素を排出することができます。 この医療機器は、別名「バッグバルブマスク」とも呼ばれます。しかし、デンマークにあるアンビュー社の製品が広く世界で使われていることから、「アンビューバッグ」という名前の方が浸透しています。 アンビューバッグは、主に次の三つの部品から構成されています。 1. バッグ 手で握ったり、離したりすることで、空気を出し入れする部分です。材質はポリ塩化ビニルやシリコンゴムなどが一般的で、透明であるため、中の空気の量が一目でわかります。 2. バルブ 空気の流れを一方通行にするための弁です。バッグを握ると、バルブが開いて空気が患者に送られ、手を離すとバルブが閉じて、空気が逆流するのを防ぎます。 3. マスク 患者の顔に密着させて、空気を漏らさずに肺に送り込むための部分です。顔の形に合わせて、様々なサイズがあります。 救急医療の現場において、アンビューバッグは人工呼吸を行うための非常に重要な医療機器であり、救急隊員や医療従事者にとって、なくてはならないものです。
産婦人科

アンドロゲン不応症:男性なのに女性?

私たちは日常生活において、性別を男性と女性の二択として捉えがちです。しかし、生物学的な観点から見ると、性の決定は非常に複雑なプロセスであり、一概に断言できるものではありません。 まず、性の決定には複数の要素が関わっています。染色体、生殖腺、ホルモン、外性器などは、それぞれが重要な役割を担っており、これらの要素が複雑に絡み合うことで、最終的な性が決定されます。 例えば、染色体においては、一般的に男性はXY染色体、女性はXX染色体を持ちますが、染色体異常によって、この組み合わせと異なる場合も存在します。また、生殖腺は男性であれば精巣、女性であれば卵巣を指しますが、その発達にはホルモンが深く関わっています。さらに、ホルモンの影響は外性器の形成にも及びます。 このように、一見、単純に見える男女の区別も、実際には多様な要素が複雑に相互作用することで成り立っているのです。 性を決定するメカニズムは多岐にわたり、未だ解明されていない部分も多いと言えるでしょう。
耳鼻科

アデノイド:小児期に腫大しやすい組織

- アデノイドの位置と役割 アデノイドは、鼻の奥、喉の入り口の上壁に位置するリンパ組織の塊です。ちょうど口蓋垂(いわゆる「のどちんこ」)の上あたりに位置し、鼻から吸い込んだ空気の通り道に存在しています。 アデノイドは、扁桃腺や口蓋扁桃と同じように、リンパ組織が集まってできています。リンパ組織は、体中に張り巡らされた免疫システムの一部であり、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る重要な役割を担っています。 アデノイドは、鼻から吸い込んだ空気中のウイルスや細菌をキャッチし、免疫反応を引き起こすことで、体を守る役割を担っています。具体的には、アデノイドに侵入してきた病原体に対して、リンパ球などの免疫細胞が攻撃をしかけ、排除しようとします。 このようにアデノイドは、外部から侵入してくる病原体を最初に感知し、撃退するための最前線の防御壁として機能しているのです。 なお、アデノイドは乳幼児期に最も大きく発達し、思春期以降は徐々に縮小していきます。そのため、大人になるとほとんど目立たなくなる場合も多いです。
循環器

意識消失の影に潜む心臓病:アダムス・ストークス症候群

アダムス・ストークス症候群では、突然意識を失ってしまうという恐ろしい症状が現れることがあります。これは、心臓の拍動が一時的に乱れることで、脳に血液が十分に行き渡らなくなることが原因です。 心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。しかし、アダムス・ストークス症候群の場合、このポンプ機能が乱れてしまい、血液を送り出すリズムが崩れてしまうことがあります。すると、脳に十分な酸素を含んだ血液が送られなくなり、意識を失ってしまうのです。 意識消失は、まるでスイッチが切れたように突然起こります。そのため、周囲の人にとっては非常に驚きと不安を伴う出来事となります。患者さん自身は、意識を失っている間は周囲で何が起きているのか全くわかりません。そのため、転倒して怪我をしてしまうこともあります。 このような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。適切な治療を受けることで、症状の改善や進行の抑制が期待できます。
耳鼻科

アデノイド顔貌:その特徴と影響

- アデノイド顔貌とは?アデノイド顔貌とは、鼻の奥にある咽頭扁桃という部分が大きくなることで、特有の顔つきになってしまうことを指します。 咽頭扁桃は、鼻から吸い込んだ空気の中にある、体に悪いばい菌やウイルスを退治してくれる、いわば体の門番のような役割をしています。しかし、アレルギー反応を起こしたり、何度も風邪をひいたりすることで、この門番である咽頭扁桃が大きくなってしまうことがあります。特に小さいお子様の場合、咽頭扁桃が大きくなると、鼻から息をするための通路が狭くなってしまいます。すると、鼻で息をするのが苦しくなり、口で息をすることが多くなります。その結果、口が常に開いた状態になり、あごが下がってくる、上唇がめくれてしまう、歯並びが悪くなる、といった特徴的な顔つきになってしまいます。これがアデノイド顔貌と呼ばれるものです。アデノイド顔貌は、見た目だけの問題ではありません。鼻呼吸がうまくできないことで、いびきをかいたり、睡眠中に呼吸が止まってしまったりするなど、睡眠にも影響を及ぼします。さらに、集中力の低下や成長の遅れにもつながる可能性があります。そのため、アデノイド顔貌の特徴が見られる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
循環器

沈黙の脅威、アテローム:その正体と危険性

「動脈硬化」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。これは、文字通り動脈の壁が硬く、もろくなってしまう病気の総称です。そして、この動脈硬化の進行に深く関わっているのが、「アテローム」と呼ばれる存在です。 アテロームとは、一体どのようなものでしょうか? 私たちの血管は、全身に栄養や酸素を運ぶために重要な役割を担っています。動脈は、心臓から送り出された血液を全身に送り出す役割を担う血管ですが、この動脈の血管壁の内側に、コレステロールや脂肪、細胞などが溜まってしまうことがあります。これがアテロームです。 アテロームは、まるで血管内に「こぶ」ができてしまうようなもので、血管を狭くしてしまいます。すると、血液の流れが悪くなり、心臓に負担がかかったり、様々な臓器に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなったりするのです。 さらに悪いことに、アテロームはもろく壊れやすいという特徴も持っています。アテロームが破裂すると、血液が固まって血栓と呼ばれる塊を作り、血管を詰まらせてしまうことがあります。 このように、アテロームは動脈硬化の進行を促し、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす危険因子となるのです。

アムロジピン:高血圧治療の切り札

- アムロジピンとはアムロジピンは、高血圧をはじめとする様々な循環器系疾患の治療に広く用いられている薬です。この薬は、血管を広げて血圧を下げる効果があり、カルシウム拮抗薬と呼ばれる種類の薬に分類されます。私たちの体の血管の壁には、血管平滑筋と呼ばれる筋肉が存在し、これが収縮することで血管は細くなります。アムロジピンは、この血管平滑筋に存在するカルシウムチャネルという場所に作用します。カルシウムチャネルは、細胞の外から内へとカルシウムイオンを取り込むための通路です。アムロジピンは、このカルシウムチャネルを阻害することで、細胞内へのカルシウムイオンの流入を妨げます。カルシウムイオンは、血管平滑筋の収縮に不可欠な物質です。そのため、アムロジピンによって細胞内へのカルシウムイオンの流入が阻害されると、血管平滑筋は弛緩し、血管は拡張します。その結果、血管にかかる圧力が減少し、血圧が低下します。アムロジピンは、高血圧症の治療薬として、単独または他の降圧剤との併用で広く処方されています。また、狭心症の治療にも用いられます。狭心症は、心臓に十分な血液が供給されないことで胸の痛みや圧迫感が生じる病気ですが、アムロジピンは血管を拡張することで心臓への血流を改善し、これらの症状を和らげます。

解熱鎮痛剤の代表格:アスピリン

アスピリンは、正式名称をアセチルサリチル酸といい、鎮痛や解熱、炎症を抑える効果を持つ薬です。歴史は古く、19世紀後半に開発されて以来、世界中で広く利用されてきました。 アスピリンは、体内で作られるプロスタグランジンという物質の生成を抑えることで効果を発揮します。プロスタグランジンは、痛みや発熱、炎症を引き起こす物質です。アスピリンはこのプロスタグランジンの生成を抑えることで、痛みや発熱を和らげ、炎症を鎮めるのです。 アスピリンは、頭痛、歯痛、生理痛、筋肉痛、関節痛など、様々な痛みに効果があります。また、風邪やインフルエンザなどの発熱にも効果があります。 しかし、アスピリンは胃腸障害などの副作用を引き起こす可能性もあります。特に、空腹時に服用すると胃を痛めることがあります。また、妊娠中の方や胃潰瘍などがある方は、服用前に医師に相談する必要があります。
循環器

動脈硬化の正体:アテロームとは?

- 静かなる脅威アテロームアテロームとは、血管の内壁に脂肪などが溜まっていく病気です。まるで静かに忍び寄る泥棒のように、私たちの体、特に心臓から血液を送り出すための大切な管である動脈に影響を及ぼします。最初はごく小さな変化に過ぎません。血管の内側にコレステロールなどの物質が少しづつ溜まっていきます。これがアテロームと呼ばれるプラークと呼ばれる塊です。この段階では自覚症状はほとんどありません。しかし、時間の経過とともにプラークは成長し、血管を狭くしていきます。血管が狭くなると、血液の流れが悪くなり、様々な体の場所に影響が出始めます。例えば、心臓に栄養を運ぶ血管が狭くなると、胸の痛みや圧迫感(狭心症)を引き起こします。さらに悪化すると、プラークが破裂し、血管が完全に詰まってしまうことがあります。これが心筋梗塞で、命に関わる危険な状態です。アテロームは自覚症状が出にくいため、気づかないうちに進行していることが多く、「静かなる脅威」とも呼ばれています。しかし、食生活の改善や運動習慣など、生活習慣の見直しによって予防することが可能です。健康な血管を維持するために、日頃から自分の体に気を配ることが大切です。
救急

命の危機!突然の心停止「アレスト」とは?

病院のドラマや診察室で時折耳にする「アレスト」という言葉。突然緊迫した状況で発せられるため、何事かと不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。この「アレスト」は、医学用語で「停止」を意味します。医療現場では、主に心臓の動きが止まった状態、つまり「心停止」のことを指します。英語では “cardiac arrest” と表現され、ドラマの影響もあってか、「アレスト=心停止」と認識している方も多いでしょう。 「アレスト」は心臓以外にも、呼吸が停止した状態、つまり「呼吸停止」を表す場合にも使われます。「呼吸アレスト」とも呼ばれ、この場合は英語で “respiratory arrest” と表現されます。呼吸アレストは、窒息や誤嚥、喘息発作などが原因で起こることがあります。 このように「アレスト」という言葉自体は、医学用語で「停止」を意味しますが、医療現場では主に心臓や呼吸など、生命維持に不可欠な機能の停止を指す場合に用いられます。生死に関わる緊急事態を伝えるための言葉であるため、ドラマなどで緊迫した場面で登場することが多いと言えるでしょう。
産婦人科

アウス:人工妊娠中絶の理解

- アウスとは アウスとは、元々はドイツ語の「Auskratzung(アウスクラツング)」を語源とする医療用語で、日本語では「掻爬(そうは)」と訳されます。この言葉自体は子宮内容物を掻き出す行為全般を指す医学用語ですが、日本では特に「人工妊娠中絶」を意味する言葉として用いられています。 人工妊娠中絶は、妊娠している女性が、経済的な問題、健康上の問題、または性犯罪の被害など、様々な事情により妊娠を継続することが困難な場合に、医師の診断と施術によって、人工的に妊娠を終了させる医療行為です。 日本では、母体保護法という法律によって、人工妊娠中絶の実施条件や手続きが定められています。 ただし、アウスという言葉は、歴史的に見ると、女性に対する偏見や差別を含む文脈で用いられてきた経緯もあり、現在では医学的な場以外での使用は避けられる傾向にあります。そのため、人工妊娠中絶については、「アウス」のような古い用語ではなく、「人工妊娠中絶」または「中絶」といった、より中立的な表現を用いることが推奨されています。
呼吸器

人体の守護者:肋骨の役割

私たちの胸部を守る、まるで鎧のような存在、それが肋骨です。肋骨は、薄い板状の形をした骨で、左右対称に12対、合計24本あります。これらが胸部を覆うように弓状に並び、かごのような形を作っています。この骨格は、呼吸や運動など、私たちの日常生活に欠かせない様々な役割を担っていますが、最も重要な役割は、心臓や肺といった重要な臓器を外部からの衝撃から守ることです。 例えば、私たちが転倒したり、何かにぶつかったりしたとき、肋骨はクッションのように作用します。衝撃を吸収することで、内臓へのダメージを最小限に抑え、心臓や肺を守ってくれるのです。また、肋骨は、その構造上、ある程度の柔軟性も持ち合わせています。そのため、呼吸の際にも胸郭を広げたり縮めたりすることができ、円滑な呼吸をサポートする役割も担っています。 このように、肋骨は私たちの体にとって非常に重要な役割を果たしています。この鎧のような骨格のおかげで、私たちは日々安心して生活を送ることができるのです。
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