関節

外科

持続的関節他動訓練器:手術後のリハビリを支える力強い味方

- 持続的関節他動訓練器とは手術後、傷ついた関節や組織は、そのままにしておくと硬くなってしまい、本来の滑らかな動きを取り戻すことが難しくなります。そこで活躍するのが「持続的関節他動訓練器」です。これは、英語名「Continuous Passive Motion」の頭文字をとって「CPM」とも呼ばれるリハビリテーション機器です。この訓練器の特徴は、患者さん自身が動かさなくても、機器が自動で関節を動かしてくれるという点にあります。患者さんはベッドに横になったまま、あるいは椅子に座った状態で、訓練器に患部を固定します。すると、まるでロボットアームのような装置が、あらかじめ設定された範囲と速度で、患部の関節をゆっくりと、優しく動かしていきます。この持続的な動きによって、関節周辺の組織が柔軟になり、関節の可動域の改善や痛みの軽減、腫れの抑制効果が期待できます。さらに、関節周りの血液循環も促進されるため、組織の修復が早まり、回復を促す効果もあると考えられています。持続的関節他動訓練器は、主に人工関節置換術や靭帯修復術など、整形外科手術後のリハビリテーションで用いられます。患者さん自身の負担を軽減しながら、効果的に関節の機能回復を促すことができるため、近年注目されているリハビリテーション機器の一つと言えるでしょう。
外科

手足に関節が腫れる?それはガングリオンかも

- ガングリオンとはガングリオンとは、関節付近にできる軟らかい腫瘤のことです。腫瘍というと悪い病気のように聞こえますが、ガングリオンは良性なので心配ありません。多くは手首にできますが、足首や指の関節にできることもあります。ガングリオンは、関節を包む組織や腱鞘(けんしょう)と呼ばれる腱を包む組織から、ゼリー状の液体が漏れ出てきて、それが風船のように膨らむことでできます。中身は透明か少し黄色っぽいゼリー状の液体で、触るとぷにぷにした感触があります。なぜガングリオンができるのか、その原因はまだはっきりとは解明されていません。しかし、関節を酷使したり、手首を捻ったりするような怪我がきっかけでできることが多いと考えられています。また、同じ場所に繰り返しガングリオンができる人もいます。多くの場合、痛みなどの自覚症状はほとんどありません。そのため、小さく目立たない場合は、特に治療を行わずに様子を見ることも多いです。しかし、神経を圧迫することで痛みやしびれが出現したり、関節の動きが悪くなったりすることがあります。また、見た目が気になるという方もいます。ガングリオンは自然に消えることもありますが、再発することも少なくありません。症状が気になる場合や、大きくなって見た目が気になる場合は、病院を受診して治療について相談してみましょう。
その他

美容と健康の鍵!ヒアルロン酸の秘密

- ヒアルロン酸ってなに?私たちの身体の中には、潤いを保つために欠かせない成分が存在します。それが、今回のテーマである「ヒアルロン酸」です。ヒアルロン酸は、ムコ多糖類という種類に分類される物質で、糖が鎖のようにたくさん繋がって出来ています。この構造が、ヒアルロン酸の持つ驚異的な保水力の秘密です。なんと、たった1グラムのヒアルロン酸で、約6リットルもの水を抱え込むことができるのです。これは、一般的なコップ約30杯分にも相当する量です。このヒアルロン酸、私たちの身体の様々な場所で重要な役割を担っています。例えば、肌に潤いを与え、みずみずしさを保つ働きがあります。また、関節部分ではクッションの役割を果たし、骨と骨との摩擦を減らし、滑らかな動きを助けています。このように、ヒアルロン酸は、私たちの身体にとって、潤滑油のような欠かせない存在と言えるでしょう。
その他

関節の拘縮:その原因と予防法

- 拘縮とは何か関節は、本来滑らかに動くことで、体を自由に動かしたり、様々な動作を可能にする重要な役割を担っています。しかし、何らかの原因によって関節が硬くなり、動かしにくくなってしまうことがあります。これが「拘縮」と呼ばれる状態です。拘縮が起こると、関節の曲げ伸ばしが制限され、日常生活に様々な支障が生じます。例えば、指の関節に拘縮が起こると、ボタンを掛けたり、箸を使ったりといった細かい動作が困難になります。また、肘や膝の関節に拘縮が起こると、腕を完全に伸ばせなくなったり、歩行が困難になったりするなど、日常生活に大きな影響を及ぼします。拘縮の原因は様々ですが、大きく分けて病気や怪我の後遺症と加齢や運動不足の二つが挙げられます。脳卒中や骨折などの後遺症として、筋肉や関節が硬くなってしまうことで拘縮が起こることがあります。また、加齢に伴い、関節の軟骨がすり減ったり、筋肉量が減少したりすることで、関節の動きが悪くなり、拘縮が生じやすくなります。さらに、長期間にわたる安静や運動不足も、関節の柔軟性を低下させ、拘縮のリスクを高める要因となります。拘縮は、放置すると症状が悪化し、日常生活にさらに大きな支障をきたす可能性があります。そのため、早期に適切な治療やリハビリテーションを行うことが重要です。
その他

強直性脊椎炎:知っておきたい脊椎の病気

- 強直性脊椎炎とは私たちの体の中心を貫き、体を支える柱のような役割を果たす脊椎。強直性脊椎炎は、この重要な脊椎に炎症を引き起こし、やがて骨を硬くしてしまう病気です。まるで、本来はバラバラに動くはずの椎骨が、接着剤で固められたかのように動きが制限されてしまうのです。この病気の原因は、細菌やウイルスなどの外敵によるものではありません。私たちの体には、本来、外部から侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体から身を守るための免疫システムが備わっています。しかし、強直性脊椎炎の場合、この免疫システムが何らかの理由で誤作動を起こし、自分自身の体の細胞や組織を攻撃してしまうのです。これが、自己免疫疾患と呼ばれる病気のメカニズムです。強直性脊椎炎は、主に10代後半から30代の若い世代に発症することが多く、男性に多いという特徴も知られています。初期症状としては、腰や背中に痛みやこわばりを感じることが多く、安静にしている時や朝起きた時に症状が強く現れる傾向があります。病気が進行すると、脊椎以外の関節、例えば、肩や股関節、膝関節などにも炎症が広がり、痛みや腫れ、運動制限を引き起こすこともあります。強直性脊椎炎は、国の指定する難病に指定されています。これは、患者数が少なく、治療法が確立されていない病気であることを意味します。しかし、近年では、医学の進歩により、炎症を抑え、病気の進行を遅らせる効果的な薬が開発されてきています。また、患者さん自身ができる運動療法や生活習慣の改善なども、症状の緩和や進行抑制に役立つことがわかってきています。
外科

人体の要、股関節の構造と機能

股関節は、私たちの体の中心部に位置し、上半身と下半身を繋ぐ、体重を支える上で非常に重要な関節です。 この関節は、骨盤の一部である寛骨臼という、ちょうどお椀のような形をした部分と、太ももの骨である大腿骨の先端にある丸い球状の大腿骨頭が組み合わさってできています。 寛骨臼は骨盤の両側に位置し、骨盤と大腿骨をつなぐことで、体のバランスを保ち、スムーズな歩行を可能にしています。 また、股関節は球関節と呼ばれる種類の関節に分類されます。 球関節は、関節を構成する骨の一方が球状で、もう一方がその球を受けるお椀状になっている構造をしています。 股関節の場合、大腿骨頭が球状、寛骨臼がお椀状にあたり、ちょうどドアノブがドアの枠にぴったりと収まっているような状態を想像すると分かりやすいでしょう。 この構造によって、股関節は前後左右さまざまな方向へ、大きく滑らかな動きを生み出すことができるのです。
その他

現代人の悩み、腱鞘炎とは?

- 腱鞘炎の概要腱鞘炎とは、文字通り腱を包む鞘の部分に炎症が起きることで発症する病気です。筋肉は骨に付着して体を動かす役割を担っていますが、筋肉の力を骨に伝える役割を担っているのが「腱」と呼ばれる線維状の組織です。腱は全身に存在し、体を滑らかに動かすために欠かせないものです。この腱を包むように存在するのが「腱鞘」と呼ばれる組織です。腱鞘は、腱が滑らか動くように栄養を与えたり、摩擦から保護したりする役割を担っています。 腱鞘炎は、この腱鞘に繰り返し負担がかかり続けることで炎症を引き起こし、様々な症状が現れます。主な症状としては、腱鞘周辺の痛み、腫れ、熱感、動かしにくさなどが挙げられます。 腱鞘炎は、手をよく使う職業や活動、例えばパソコン作業や手芸、スポーツなどによって発症リスクが高まります。また、妊娠中や更年期など、ホルモンバランスの変化によって発症しやすくなることもあります。 腱鞘炎は、適切な治療を行うことで症状を改善し、再発を予防することができます。治療法としては、安静、薬物療法、リハビリテーションなどがあります。症状が重い場合には、手術が必要となることもあります。
その他

変形性膝関節症:老化に伴う膝の痛み

- 変形性膝関節症とは変形性膝関節症は、膝に起こる病気の1つで、関節を構成する骨の表面を覆っているクッションの役割を果たす軟骨がすり減ったり、関節が滑らかに動くために必要な関節内の液体が減ったりすることで発症します。その結果、関節に炎症が起こり、痛みが生じます。この病気は、中年以降の方に多く見られ、年齢を重ねるごとに発症する確率が高くなることから、一般的には老化現象の一つと考えられています。加齢によって軟骨の修復機能が低下したり、関節を支える筋肉が弱くなることが、発症のリスクを高めると考えられています。変形性膝関節症の主な症状は、痛みです。初期には、立ち上がるときや歩き始めるときに痛みを感じることが多く、安静にしていると痛みが治まることが多いです。しかし、症状が進行すると、安静時にも痛みが続くようになり、夜眠れないこともあります。また、関節の動きが悪くなったり、関節が変形したりすることもあります。変形性膝関節症は、日常生活に支障をきたす病気です。適切な治療や運動療法、体重管理などを行うことで、症状の進行を抑え、日常生活を快適に送ることが可能になります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、医師に相談することをお勧めします。
アレルギー

免疫の異常が招く関節の痛み: 関節リウマチ

- 関節リウマチとは関節リウマチは、本来は細菌やウイルスなどの外敵から体を守るはずの免疫の働きに異常が生じ、自分自身の関節組織を攻撃してしまうことで発症する病気です。 免疫の異常によって関節の内側にある滑膜に炎症が起こり、関節が腫脹したり、痛みが生じたりします。 この病気は、進行すると日常生活に大きな影響を及ぼします。 初期には朝起きた時や長時間同じ姿勢を続けた後に、関節のこわばりを感じることが多く見られます。 症状が進むと、関節の痛みは強くなり、安静時にも感じるようになります。 さらに進行すると、関節が変形し、日常生活における動作に支障をきたすようになり、衣服の着脱や歩行、食事など、基本的な動作さえ困難になることもあります。関節リウマチは、早期に発見し、適切な治療を開始することが非常に大切です。 早期に治療を開始することで、炎症を抑え、関節の破壊を遅らせ、病気の進行を抑制することができます。 関節リウマチの疑いがある場合は、放置せずに、早めに医療機関を受診し、専門医の診断を受けるようにしましょう。
外科

整形外科:運動器のスペシャリスト

整形外科は、私たちが日常生活を送る上で欠かせない、体を支え、動かす機能を担う器官を専門的に扱う診療科です。この診療科では、骨、関節、靭帯、末梢神経、筋肉など、運動に関わる様々な組織の異常や損傷を診断し、治療を行います。 整形外科が対象とする病気や怪我は多岐にわたります。例えば、骨折や捻挫、打撲、切り傷といった外傷、スポーツによる障害、関節リウマチ、変形性関節症などの慢性的な病気、脊椎疾患、骨粗鬆症、骨腫瘍など、様々な症状に対応します。 治療法としては、保存療法と手術療法があります。保存療法には、安静、投薬、注射、リハビリテーションなどがあり、症状に合わせて適切な方法が選択されます。手術が必要な場合には、骨折の整復固定術、関節鏡手術、人工関節置換術など、様々な術式があります。 整形外科は、患者さんの年齢や症状、生活背景などを考慮しながら、日常生活への早期復帰、痛みの軽減、運動機能の改善を目指します。
その他

指の曲げ伸ばしの要!近位指節間関節とは

私たち人間は、日常生活において指を器用に動かして様々な動作を行っています。食事の際に箸を使ったり、文字を書いたり、パソコンを操作したりと、指先を使う動作は数え切れないほどあります。このように、指は私たちにとって欠かせない体の部位と言えるでしょう。 ところで、指をスムーズに動かすために重要な役割を果たしているのは何でしょうか?それは関節です。関節は骨と骨とをつなぐ接続部分のことで、体のある部分を曲げたり伸ばしたり回転させたりする運動を可能にしています。指には複数の関節が存在しますが、中でも特に重要なのが「近位指節間関節」と呼ばれる関節です。 この関節は、指の付け根から一つ目の関節にあたり、指を曲げ伸ばしする際に大きな可動域を担っています。例えば、物を握ったり、つまんだりする動作は、この近位指節間関節の働きによって可能になるのです。 今回の記事では、この「近位指節間関節」の構造や機能、役割について、さらに詳しく解説していきます。また、近位指節間関節で起こりうる疾患や、健康を維持するための方法についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
検査

関節造影法:関節内部を詳しく知る検査

- 関節造影法とは関節造影法は、レントゲンを用いて関節内部の状態を詳しく調べる検査です。関節造影検査、あるいはアルトログラフィーとも呼ばれます。この検査では、まず検査を受ける方の関節に局所麻酔を施します。局所麻酔が効いてきたら、関節腔と呼ばれる関節内の空間に細い針を刺し、造影剤と空気を注入します。造影剤はレントゲン写真に写りやすい性質を持っているため、関節内部の構造を鮮明に映し出すことができるのです。そして、実際にレントゲン撮影を行うことで、関節内の軟骨や靭帯、半月板などの状態を詳細に観察することが可能となります。関節造影法は、変形性関節症や関節リウマチ、靭帯損傷、半月板損傷などの診断に役立ちます。検査自体は30分程度で終了します。ただし、検査後しばらくは安静にする必要があり、当日の激しい運動や入浴は控えるように指示があります。また、稀に造影剤によるアレルギー反応や、関節内の感染症などの合併症が起こる可能性もあるため、医師の説明をよく聞いてから検査を受けるようにしましょう。
その他

身近な病気、関節炎について

- 関節炎とは関節炎とは、骨と骨をつなぐ関節に炎症が起こる病気です。関節は、滑らかな動きを助けるクッションのような役割を担っていますが、この関節に炎症が起こると、様々な症状が現れます。代表的な症状として、痛み、腫れ、こわばりなどが挙げられます。炎症が強い場合には、関節周辺が熱を持ち、赤くなることもあります。これらの症状は、朝起きた時や長時間同じ姿勢を続けた後などに強く現れる傾向があります。関節炎は、加齢に伴い発症リスクが高くなるため、高齢者の多くが悩まされている病気として知られています。しかし、若い世代でも発症する可能性は十分にあり、決して他人事ではありません。関節炎には、遺伝や生活習慣、免疫異常など、様々な要因が複雑に関係していると考えられています。関節炎は進行性の病気であるため、早期発見・早期治療が重要となります。関節に違和感を感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。関節炎の治療には、薬物療法、リハビリテーション、手術療法など、様々な方法があります。症状や進行度合い、患者さんの状態に合わせて、最適な治療法が選択されます。
アレルギー

免疫の異常で起こる関節リウマチ

- 関節リウマチとは関節リウマチは、本来は細菌やウイルスなどの外敵から体を守るはずの免疫システムに異常が生じ、自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことで起こる病気です。このような病気を自己免疫疾患と呼びますが、関節リウマチはこの自己免疫疾患の一つに分類されます。関節リウマチでは、体の多くの関節が炎症を起こし、腫れたり痛んだりすることが特徴です。特に、手足の小さな関節が左右対称に侵されることが多く見られます。私たちの関節の内側には、滑膜と呼ばれる薄い膜が存在します。滑膜は関節液を作り出し、関節の動きを滑らかにする役割を担っています。しかし関節リウマチでは、この滑膜に炎症が起きてしまいます。炎症によって滑膜は異常に増殖し、関節の軟骨や骨を破壊しながら進行していきます。関節リウマチは、放置すると関節の変形が進み、日常生活に大きな支障をきたすようになります。早期に発見し、適切な治療を開始することが非常に大切です。
PAGE TOP