胆嚢炎:胆嚢に起こる炎症
- 胆嚢炎とは胆嚢炎は、肝臓の下にある袋状の臓器である胆嚢に炎症が起こる病気です。この胆嚢は、脂肪の消化を助ける消化液である胆汁を肝臓から一時的に蓄え、濃縮する役割を担っています。食事をすると、胆嚢は収縮し、濃縮された胆汁を胆管と呼ばれる管を通して十二指腸へ送り出します。胆嚢炎は、主に胆石が胆嚢管に詰まることで発症します。胆石は、コレステロールや胆汁色素が結晶化してできた石のようなもので、胆嚢内に形成されます。胆石が胆嚢管に詰まると、胆汁の流れが滞り、胆嚢内に胆汁が過剰に溜まってしまいます。その結果、胆嚢壁に圧力がかかり、炎症を引き起こすと考えられています。胆嚢炎の主な症状は、みぞおちから右上腹部にかけての激しい痛みです。痛みが背中や右肩に広がることもあります。また、発熱、吐き気、嘔吐を伴うこともあります。症状が重い場合は、胆嚢が破裂する危険性もあり、緊急の治療が必要となります。胆嚢炎は、食生活の欧米化に伴い、日本でも増加傾向にあります。胆石の形成リスクを高める要因としては、コレステロールの高い食事、肥満、糖尿病などが挙げられます。胆嚢炎を予防するためには、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、胆石の形成リスクを減らすことが重要です。