COPD:知っておきたい肺の病気
病院での用語を教えて
「COPD」って、どういう病気のことですか?
体の健康研究家
COPDは、肺の病気の一つで、息を吐くのが苦しくなる病気だよ。正式な名前は「慢性閉塞性肺疾患」って言うんだけど、長くて言いづらいからCOPDと略すんだ。
病院での用語を教えて
息を吐くのが苦しくなる病気なんですね。どうしてCOPDになるんですか?
体の健康研究家
COPDになる一番の原因は、タバコを吸うことなんだ。タバコの煙で、肺の中にある空気の通り道や空気の袋が壊れてしまうと、息を吐きにくくなってしまうんだよ。
COPDとは。
「医学や健康でよく聞く『COPD』という言葉について説明します。『COPD』は、英語で『慢性閉塞性肺疾患』という意味の言葉の頭文字を取ったものです。気道や肺胞に異常があり、息苦しさなどの症状が長く続く肺の病気を指します。COPDになる一番の原因はタバコです。また、他人のタバコの煙や、まきや木くずを燃やした時の煙なども、COPDの原因になることがあります。
COPDとは
– COPDとはCOPDは「慢性閉塞性肺疾患」の略称で、肺の気道と肺胞に異常が起こり、息苦しさや咳などの症状が慢性的に続く病気です。
肺の気道は、空気の通り道となる器官で、空気は気管支を通って肺胞へと送られます。肺胞は、ぶどうの房のように小さな袋が集まった構造をしていて、ここで血液中に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換が行われています。
COPDを発症すると、これらの気道や肺胞に炎症が起こったり、気道が狭くなったり、肺胞が破壊されたりします。その結果、呼吸をするときに空気の通りが悪くなり、十分な酸素を体内に取り込めなくなるのです。
COPDは進行性疾患であるため、病気が進むと、日常生活でのちょっとした動作でも息切れがするようになります。例えば、階段の上り下りや少し速く歩いただけでも息苦しさを感じるようになり、最終的には安静時にも呼吸困難に陥ることがあります。このような状態になると、日常生活に支障をきたし、生活の質は著しく低下してしまいます。
COPDは決して珍しい病気ではなく、国内では500万人以上が罹患していると推定されています。特に、加齢とともに罹患率が高くなる傾向があり、中高年の喫煙経験者は注意が必要です。
項目 | 説明 |
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COPDとは | 慢性閉塞性肺疾患の略称で、肺の気道と肺胞に異常が起こり、息苦しさや咳などの症状が慢性的に続く病気 |
症状 | 息苦しさ、咳など |
原因 | 気道や肺胞の炎症、気道の狭窄、肺胞の破壊 |
患者の状態 | 呼吸時に空気の通りが悪くなり、十分な酸素を体内に取り込めない。進行すると、日常生活での動作で息切れ、最終的には安静時にも呼吸困難になることも。 |
罹患患者数 | 国内では500万人以上が罹患(推定) |
リスク要因 | 加齢、喫煙 |
主な原因は喫煙
– 主な原因は喫煙慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、主に喫煙が原因で発症する病気です。タバコの煙には、4000種類以上もの有害物質が含まれており、これらが肺に悪影響を及ぼします。代表的な有害物質として、タール、ニコチン、一酸化炭素などが挙げられます。タールは、粘着性のある物質で、フィルターを通過して肺の奥深くまで入り込みます。そして、肺の組織を傷つけ、炎症を引き起こす原因となります。また、ニコチンは、血管を収縮させる作用があり、血圧の上昇や動脈硬化を引き起こします。さらに、一酸化炭素は、血液中の酸素を運ぶヘモグロビンと強く結合し、酸素不足を引き起こします。これらの有害物質は、長期間にわたる喫煙によって、気道の壁を厚く硬くし、肺胞を破壊していきます。肺胞は、酸素と二酸化炭素の交換を行う重要な器官ですが、これが破壊されると、呼吸機能が著しく低下します。その結果、息切れや咳、痰などの症状が現れ、日常生活に支障をきたすようになります。喫煙者は、非喫煙者に比べてCOPDのリスクが数倍高くなることが知られています。COPDは、一度発症すると完治が難しい病気ですが、禁煙することで、病気の進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることができます。COPDの予防と進行抑制のために、禁煙は最も効果的な方法と言えるでしょう。
有害物質 | 影響 |
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タール | 肺の組織を傷つけ、炎症を引き起こす |
ニコチン | 血管を収縮させ、血圧の上昇や動脈硬化を引き起こす |
一酸化炭素 | 血液中の酸素不足を引き起こす |
喫煙以外の要因
– 喫煙以外の要因喫煙が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の原因であることは広く知られていますが、それ以外にもCOPDの発症に関係する要因は複数存在します。その一つが受動喫煙です。これは、自分自身が喫煙者ではなくても、周囲の人の喫煙によってタバコの煙を吸い込んでしまうことを指します。受動喫煙によって、喫煙者と同様に肺がダメージを受け、COPDのリスクが高まることが分かっています。タバコの煙には、4,000種類以上の化学物質が含まれており、その中には発がん性物質や毒性のある物質も多数含まれています。これらの有害物質は、直接吸い込むだけでなく、周りの空気に漂うことで周囲の人々の健康にも悪影響を及ぼします。また、調理や暖房のために使用する薪や炭などのバイオマス燃料も、COPDのリスクを高める要因として挙げられます。これらの燃料を燃やす際に発生する煙には、タバコの煙と同様に、呼吸器を刺激し、炎症を引き起こす有害物質が多数含まれています。特に、換気が不十分な環境で長期間これらの煙に曝露されると、肺への悪影響が大きくなり、COPDの発症リスクがさらに高まります。このように、COPDは喫煙者だけでなく、非喫煙者でも発症する可能性があります。COPDのリスクを減らすためには、喫煙はもちろんのこと、受動喫煙やバイオマス燃料の煙に曝露される機会を減らすなど、日頃から呼吸器への負担を軽減する生活習慣を心がけることが重要です。
要因 | 詳細 |
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受動喫煙 | – 喫煙者以外がタバコの煙を吸い込むこと – 肺がダメージを受け、COPDリスク増加 |
バイオマス燃料(薪、炭など)の使用 | – 調理や暖房で発生する煙に有害物質が含まれる – 呼吸器を刺激し、炎症を引き起こす – 換気が不十分な環境での長時間の曝露は特にリスクが高い |
COPDの症状
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、初期には自覚症状が乏しいことが多く、風邪と間違われやすい病気です。
COPDの初期症状として最も一般的なのは咳や痰です。しかし、これらの症状は風邪などでもよくみられるため、COPDだと気づかずに放置してしまうケースも少なくありません。COPDの場合、咳や痰は慢性的に続くという特徴があります。
病気が進行すると、少し動いただけで息が切れる、階段の上り下りや軽い運動で呼吸が苦しくなるなどの症状が現れます。さらに症状が進むと、安静にしていても呼吸が苦しくなるようになり、酸素吸入が必要になることもあります。
COPDは自然に治癒することはなく、放置すると症状が進行していく病気です。そのため、早期に発見し、適切な治療を開始することが非常に重要です。
COPDのステージ | 症状 |
---|---|
初期 | ・咳や痰(慢性的に続く) ・風邪と間違われやすい |
中期 | ・少し動いただけで息が切れる ・階段の上り下りや軽い運動で呼吸が苦しくなる |
後期 | ・安静にしていても呼吸が苦しい ・酸素吸入が必要になる |
早期発見と治療
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は早期発見と適切な治療によって症状の進行を遅らせ、日常生活の質を維持できる病気です。COPDと診断するためには、肺の機能を測る検査を行います。
この検査は「肺機能検査」と呼ばれ、肺活量や一秒率といった指標を測定することで、肺の機能がどの程度保たれているかを評価します。
COPDと診断された場合、最も重要なことは禁煙です。たばこの煙は肺に深刻なダメージを与えるため、COPDの症状を悪化させる大きな原因となります。
禁煙に加えて、薬物療法や呼吸リハビリテーションなどの治療法があります。薬物療法では、気管支を広げる薬や炎症を抑える薬などが処方されます。呼吸リハビリテーションは、呼吸機能を改善するための運動療法や呼吸法の指導などを行います。
COPDの治療は、患者さん一人ひとりの症状や重症度に合わせて行われます。担当の医師の指示に従って、適切な治療を継続していくことが大切です。
COPDとは | 診断方法 | 治療法 |
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早期発見と適切な治療で進行を遅らせ、QOL維持が可能な病気 | 肺機能検査(肺活量や一秒率を測定) | 禁煙,薬物療法(気管支拡張薬,炎症を抑える薬),呼吸リハビリテーション(呼吸機能改善のための運動療法や呼吸法指導) |