無気肺:肺が虚脱する病気
病院での用語を教えて
先生、「無気肺」ってどういう意味ですか?肺の病気ですか?
体の健康研究家
良い質問ですね。「無気肺」は肺の病気の一つです。肺の一部または全部がしぼんだ状態を指します。
病院での用語を教えて
肺がしぼむってどういうことですか? 風船みたいに空気が抜けるんですか?
体の健康研究家
そうです。風船がしぼむように、肺の中の空気が減って小さくなるイメージです。色々な原因で肺に空気が入りにくくなったり、逆に肺から空気が出にくくなったりすることで起こります。
無気肺とは。
「無気肺」という言葉は、医学や健康の分野で使われます。これは、肺の中の組織が縮んでしまい、空気が少なくなっている状態のことを指します。言い換えると、「アテレク」とも呼ばれます。
無気肺とは
– 無気肺とは無気肺は、肺の一部、あるいは全体が縮んでしまい、空気が入らなくなった状態を指します。 肺は、呼吸によって体内に酸素を取り込み、代わりに二酸化炭素を排出する重要な役割を担っています。しかし、無気肺になるとこのガス交換がうまくいかなくなり、体に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。肺は小さな空気の袋である肺胞が無数に集まってできており、この肺胞に空気が入ってくることで呼吸が成り立っています。何らかの原因でこの肺胞が潰れてしまったり、気道が塞がったりすると、肺に空気が入らず無気肺の状態になります。無気肺の原因は様々ですが、大きく分けて閉塞性無気肺と非閉塞性無気肺の二つに分類されます。閉塞性無気肺は、気管支に腫瘍や異物が詰まるなど、空気の通り道が塞がれてしまうことで起こります。一方、非閉塞性無気肺は、肺の外側から圧迫される、肺が膨らむ力を失うなど、空気の通り道は塞がっていないものの、肺胞に空気が入らない状態を指します。無気肺になると、息切れや呼吸困難、胸の痛みなどの症状が現れることがあります。 また、重症化すると、呼吸不全に陥り、生命に関わるケースも稀ではありません。そのため、無気肺の予防と早期発見、適切な治療が非常に重要となります。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 肺の一部、あるいは全体が縮んでしまい、空気が入らなくなった状態 |
役割 | 呼吸によって体内に酸素を取り込み、代わりに二酸化炭素を排出する |
構造 | 小さな空気の袋である肺胞が無数に集まっている |
原因 | 肺胞が潰れたり、気道が塞がったりする |
無気肺の種類 | 閉塞性無気肺と非閉塞性無気肺 |
閉塞性無気肺の原因 | 気管支に腫瘍や異物が詰まるなど、空気の通り道が塞がれる |
非閉塞性無気肺の原因 | 肺の外側から圧迫される、肺が膨らむ力を失うなど、空気の通り道は塞がっていないものの、肺胞に空気が入らない |
症状 | 息切れ、呼吸困難、胸の痛みなど |
重症化のリスク | 呼吸不全 |
重要性 | 予防と早期発見、適切な治療 |
無気肺の原因
無気肺は、肺の一部に空気が入らずしぼんでしまう病気ですが、その原因は大きく分けて二つあります。
一つ目は、気道が何らかの原因で塞がってしまうことです。例えば、風邪などをひいたときに喉に発生する痰や、食べ物の一部などが誤って気管に入ってしまうことで気道が詰まることがあります。また、肺がん等の腫瘍が気道を圧迫することで、空気が通るのを邪魔してしまう場合もあります。
二つ目は、肺の外側から圧力がかかり、肺が押しつぶされてしまうことです。胸に水が溜まる胸水や、肺の外側に空気が漏れてしまう気胸になると、肺は外側から圧迫されてしまいます。さらに、横隔膜を動かす神経が麻痺し、横隔膜が正常に動かなくなることで肺が圧迫されることもあります。
その他、手術後や寝たきりなどで長時間同じ姿勢でいる場合にも、呼吸が浅くなってしまい無気肺が起こりやすくなることが知られています。これは、呼吸が浅くなることで肺の奥まで空気が届きにくくなり、その結果、無気肺を引き起こしてしまうと考えられています。
原因 | 詳細 |
---|---|
気道が塞がる | ・痰や異物による閉塞 ・腫瘍による圧迫 |
肺の外側から圧力がかかる | ・胸水 ・気胸 ・横隔膜の麻痺 |
その他 | ・手術後 ・寝たきり |
無気肺の症状
– 無気肺の症状無気肺とは、肺の一部に空気が入らなくなり、縮んでしまった状態を指します。その症状は、無気肺の範囲や程度、そして原因となる病気によって大きく異なります。軽度の無気肺の場合、自覚症状が全くないことも少なくありません。これは、私たちの体が安静時にはそれほど多くの酸素を必要としないため、肺の一部が機能していなくても他の部分がその役割を補うことができるからです。しかし、無気肺が進行すると、様々な症状が現れ始めます。代表的な症状として、息切れや呼吸困難があります。これは、肺に入ることができる空気の量が減るために起こります。特に、運動時など体に多くの酸素が必要となる状況では、これらの症状が顕著に現れます。また、胸の痛みを訴える患者さんもいます。これは、無気肺によって胸膜と呼ばれる肺を包む膜が刺激されるために起こると考えられています。痛みの程度は、軽い違和感から、呼吸をするのも辛いほどの激痛まで様々です。さらに、無気肺によって肺の機能が著しく低下すると、血液中の酸素濃度が低下し、チアノーゼと呼ばれる症状が現れることがあります。チアノーゼは、唇や爪、皮膚などが青紫色に変色する症状で、重症の場合には生命に関わることがあります。無気肺は、放っておくと肺炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。
症状 | 説明 |
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自覚症状なし | 軽度の無気肺の場合、特に安静時は自覚症状がないことが多い。 |
息切れ、呼吸困難 | 肺に入る空気量が減るため、特に運動時に顕著に現れる。 |
胸の痛み | 無気肺によって胸膜が刺激されることで生じる。軽度から激痛まで様々。 |
チアノーゼ(唇、爪、皮膚の青紫色化) | 重症化すると、血液中の酸素濃度が低下し、チアノーゼが現れることがある。 |
無気肺の診断
– 無気肺の診断無気肺とは、肺の一部に空気が入らなくなり、しぼんでしまった状態を指します。この状態を診断するためには、いくつかの検査方法が用いられます。最も基本となる検査は、胸部レントゲン検査です。レントゲン写真では、肺の黒くなった部分が空気の溜まっている部分、白く写る部分が心臓や骨、そして無気肺などで空気の入っていない部分を表しています。医師は、この白黒のコントラストや形状、位置などを注意深く観察することで、無気肺の有無やその範囲を判断します。さらに詳しく調べたい場合には、胸部CT検査が行われることもあります。CT検査では、レントゲンよりも詳細な肺の状態を把握することができ、無気肺の原因となっている病気の特定にも役立ちます。例えば、気管支を腫瘍が塞いでいる場合などは、CT検査によってはっきりと確認することができます。また、無気肺によって血液中の酸素濃度が低下しているかどうかを調べるために、血液ガス分析が行われることもあります。血液ガス分析では、動脈から採取した血液中の酸素や二酸化炭素の量などを測定し、呼吸機能に問題がないかを評価します。これらの検査結果を総合的に判断することで、無気肺の診断が確定され、適切な治療法が決定されます。
検査方法 | 目的 | 詳細 |
---|---|---|
胸部レントゲン検査 | 無気肺の有無や範囲を判断する | – 肺の黒くなった部分は空気が溜まっている部分 – 白く写る部分は心臓や骨、そして無気肺などで空気の入っていない部分 – 医師は、白黒のコントラストや形状、位置などを観察 |
胸部CT検査 | 詳細な肺の状態を把握し、無気肺の原因特定 | – レントゲンよりも詳細な肺の状態を把握 – 例:気管支を腫瘍が塞いでいる場合などは、CT検査によってはっきりと確認 |
血液ガス分析 | 血液中の酸素濃度が低下しているかどうかを確認し、呼吸機能を評価 | – 動脈から採取した血液中の酸素や二酸化炭素の量などを測定 |
無気肺の治療
無気肺とは、肺の一部または全体で、空気が入らずにつぶれた状態になる病気です。その治療は、原因や症状の程度に合わせて適切に行う必要があります。大きく分けて、気道閉塞によるものと、肺の外側から圧迫されることによるものがあります。
気道閉塞が原因で無気肺が起こっている場合は、閉塞を取り除き、空気が肺にスムーズに入るようにする治療を行います。例えば、気道に痰が詰まっている場合は、その痰を吸引器を用いて吸引します。また、誤嚥などにより異物が気道に詰まっている場合には、気管支鏡というカメラのついた細い管を気管支内に挿入し、異物を取り除く処置を行います。
一方、肺の外側から圧迫されることが原因で無気肺が起こっている場合は、その圧迫を取り除くことが重要となります。例えば、胸に水が溜まっている場合(胸水)は、針を胸に刺して水を抜く胸腔穿刺を行います。また、肺に穴が開いて空気が漏れてしまう病気(気胸)が原因の場合は、胸腔ドレナージという処置を行い、胸の中に溜まった空気を抜いて肺を膨らませます。
さらに、無気肺の状態によっては、呼吸が浅くなっている場合があります。このような場合には、呼吸機能を改善するための治療も行います。具体的には、患者さんに意識して深く呼吸をしたり、咳をするよう促します。また、呼吸リハビリテーションとして、専門の理学療法士の指導のもと、呼吸訓練を行うこともあります。
無気肺の治療は、その原因や症状に合わせて適切に行うことが重要です。医師の指示に従って、治療に積極的に取り組みましょう。
無気肺の原因 | 治療法 | 治療の詳細 |
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気道閉塞 | 閉塞の除去 | ・ 吸引器による痰の吸引 ・ 気管支鏡を用いた異物の除去 |
空気の通り道を確保 | ||
肺の外側からの圧迫 | 圧迫の除去 | ・ 胸腔穿刺による胸水の除去 ・ 胸腔ドレナージによる胸腔内の空気除去 |
肺の膨張の促進 | ||
呼吸機能低下 | 呼吸機能改善 | ・ 深呼吸と咳の促進 ・ 呼吸リハビリテーション |