原発性不妊症とは?

産婦人科

原発性不妊症とは?

病院での用語を教えて

先生、「原発性不妊症」って、どういう意味ですか?

体の健康研究家

いい質問だね。「不妊症」は妊娠しにくい状態のことを言うんだけど、「原発性不妊症」は、一度も妊娠したことがない状態を指すんだ。

病院での用語を教えて

一度も妊娠したことがない、ってことですか?

体の健康研究家

そうだよ。例えば、過去に妊娠や出産を経験したことがある人が、その後妊娠しにくくなった場合は、「原発性不妊症」ではなく「続発性不妊症」と言うんだ。

原発性不妊症とは。

「原発性不妊症」という言葉は、医療や健康の分野で使われる言葉です。これは、一度も妊娠を経験したことがない不妊症のことを指します。

原発性不妊症の定義

原発性不妊症の定義

妊娠できない状態が続くと、不妊症と診断されますが、その中でも、一度も妊娠を経験したことがない場合を原発性不妊症と呼びます。これは、性交渉の経験があり、かつ避妊をしていないにもかかわらず、一定期間以上妊娠に至らない状況を指します。

では、具体的にどれくらいの期間、妊娠しなければ原発性不妊症と診断されるのでしょうか。一般的には、夫婦生活を1年以上継続していても妊娠に至らない場合に、不妊症の検査を受けることが推奨されています。これは、健康な男女が性交渉を持った場合、1年間で約8割が妊娠に至るとされているためです。しかし、年齢やその他の要因によって、検査を始める時期は個別に対応する必要があります。例えば、女性の年齢が35歳以上の場合や、生理不順、過去の病気など、妊娠しにくい要素を持っている場合は、1年待たずに早めに医療機関を受診することが推奨されます。

項目 内容
原発性不妊症の定義 一度も妊娠を経験したことがない場合で、性交渉の経験があり、かつ避妊をしていないにもかかわらず、一定期間以上妊娠に至らない状態
不妊症検査の目安 夫婦生活を1年以上継続していても妊娠に至らない場合
早期受診が推奨されるケース
  • 女性の年齢が35歳以上の場合
  • 生理不順
  • 過去の病気など、妊娠しにくい要素を持っている場合

原因と要因

原因と要因

妊娠を望んでもなかなか授からない「原発性不妊症」の原因は、女性と男性のどちらか一方にある場合もあれば、両方に要因がある場合もあり、その原因を特定することは容易ではありません。

まず、女性側の要因としては、卵巣から卵子が排出されない「排卵障害」が挙げられます。また、卵子と精子が出会う場所である卵管の異常も原因となります。具体的には、卵管が詰まったり、癒着を起こしたりする「卵管因子」です。さらに、子宮に問題がある「子宮因子」も挙げられます。これは、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因で、受精卵が着床しにくくなる状態を指します。その他、子宮の入り口である子宮頸管に問題がある「子宮頸管因子」も原因の一つと考えられます。

一方、男性側の要因としては、精子の数が少なかったり、運動能力が低かったりする「精子形成障害」精子が通る道である精路が詰まっている「精路通過障害」、性行為が困難な「性機能障害」などが考えられます。

さらに、男女ともに加齢やストレス、喫煙、過度な飲酒、肥満、極端なダイエットなども、不妊に影響を与える可能性が指摘されています。このように、不妊の原因は実にさまざまであり、その人に合った治療法を見つけることが重要です。

原因 詳細
女性側
  • 排卵障害:卵巣から卵子が排出されない
  • 卵管因子:卵管が詰まったり、癒着を起こしたりする
  • 子宮因子:子宮筋腫や子宮内膜症などにより、受精卵が着床しにくい
  • 子宮頸管因子:子宮の入り口である子宮頸管に問題がある
男性側
  • 精子形成障害:精子の数が少なかったり、運動能力が低かったりする
  • 精路通過障害:精子が通る道である精路が詰まっている
  • 性機能障害:性行為が困難
共通
  • 加齢
  • ストレス
  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 肥満
  • 極端なダイエット

検査について

検査について

妊娠を望んでもなかなか授からない場合、検査を受けて原因を探ることになります。検査は段階的に進められ、まずは一般的な婦人科検診と、パートナーの方には精液検査を受けていただきます。
婦人科検診では、子宮や卵巣に異常がないか、視診や触診で確認します。また、月経周期や過去の妊娠・出産の経験なども詳しく伺います。同時に、パートナーの方には精液検査を受けていただき、精子の数や運動量などを調べます。
これらの検査で明らかな異常が見つからなかった場合は、さらに詳しい検査に進みます。ホルモン検査では、血液検査で月経周期に関わるホルモンの値を測定し、排卵が正常に行われているかなどを調べます。卵管通水検査は、子宮と卵管が通っているかどうかを調べる検査で、造影剤を注入してレントゲン撮影を行います。子宮卵管造影検査では、子宮内部の形や卵管の通過性を詳しく調べます。超音波検査では、子宮や卵巣の状態を超音波で観察します。さらに、腹腔鏡検査では、お腹に小さな穴を開けて内視鏡を挿入し、子宮や卵巣、卵管などを直接観察します。この検査では、子宮内膜症や卵管の癒着など、他の検査では発見が難しい病気を見つけることができます。
これらの検査結果を総合的に判断し、不妊の原因を特定していきます。そして、その原因に基づいて、適切な治療法を検討していくことになります。

段階 検査内容 検査の目的
一次検査 婦人科検診
・視診、触診
子宮や卵巣の異常の有無を確認
精液検査 精子の数や運動量などを確認
二次検査 ホルモン検査
・血液検査
月経周期に関わるホルモン値を測定し、排卵の有無などを確認
卵管通水検査
・造影剤を用いたレントゲン撮影
子宮と卵管の通過性を確認
子宮卵管造影検査 子宮内部の形や卵管の通過性を詳細に確認
超音波検査 子宮や卵巣の状態を超音波で観察
腹腔鏡検査
・腹腔鏡を用いた子宮、卵巣、卵管の直接観察
子宮内膜症や卵管の癒着など、他の検査では発見しにくい病気を発見

治療の選択肢

治療の選択肢

子供ができない原因が明らかになっている場合は、その原因や状態、そしてご夫婦の希望に合わせて、様々な治療法の中から選択することになります。

まず、基礎体温やホルモン値から排卵日を予測し、性交渉のタイミングを指導するタイミング療法があります。これは、より自然な形で妊娠を目指す方法です。

次に、排卵日に合わせて、洗浄・濃縮した精子を子宮内に直接注入する人工授精という方法もあります。この方法は、タイミング療法で妊娠に至らなかった場合や、男性側に軽度の原因がある場合に有効です。

そして、体外で卵子と精子を受精させ、発育した受精卵を子宮内に戻す体外受精があります。この方法は、卵管が詰まっている場合や、他の治療法で効果が見られない場合に選択される高度な医療技術です。

近年、体外受精などの技術は進歩し、妊娠の可能性は広がっていますが、治療には肉体的、精神的、そして経済的な負担が伴う場合もあります。そのため、医師とよく相談し、ご夫婦で納得した上で治療を進めていくことが重要です。

治療法 説明 適応
タイミング療法 基礎体温やホルモン値から排卵日を予測し、性交渉のタイミングを指導する より自然な形で妊娠を希望する場合
人工授精 排卵日に合わせて、洗浄・濃縮した精子を子宮内に直接注入する タイミング療法で妊娠に至らなかった場合や、男性側に軽度の原因がある場合
体外受精 体外で卵子と精子を受精させ、発育した受精卵を子宮内に戻す 卵管が詰まっている場合や、他の治療法で効果が見られない場合

サポート体制の重要性

サポート体制の重要性

子供ができないということは、夫婦にとって大きな不安や悲しみをもたらすことがあります。特に原因がはっきりしない場合は、治療が長期にわたることもあり、その間、心は揺れ動くことも少なくありません。焦りや不安、そして周りのプレッシャーに押しつぶされそうになることもあるでしょう。
このような状況において、周囲の支えは大きな助けとなります。パートナーと気持ちを共有し、支え合うことはもちろんのこと、家族や親しい友人に相談することで、心の負担を軽くすることができます。
医療従事者は、医学的なアドバイスや治療法だけでなく、精神的なサポートも行っています。治療の不安や疑問を相談することで、安心して治療に臨むことができるでしょう。
また、同じ悩みを持つ人たちと交流することも有効です。患者会やオンラインコミュニティなどに参加することで、経験談を共有したり、情報を交換したりすることができます。同じ立場の人たちの言葉は、励みになり、前向きな気持ちを取り戻すきっかけとなるでしょう。
原発性不妊症と向き合うには、精神的なケアも重要です。
一人で抱え込まず、周囲のサポートを活用しながら、治療を乗り越えていきましょう。

問題 解決策 詳細
子供ができないことの不安や悲しみ 周囲の支え – パートナーと気持ちを共有
– 家族や友人に相談
– 医療従事者に相談
治療の不安や疑問 医療従事者への相談 – 精神的なサポート
– 安心して治療に臨む
孤独感、情報不足 同じ悩みを持つ人たちとの交流 – 患者会やオンラインコミュニティへの参加
– 経験談や情報の共有
– 励ましと前向きな気持ち

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