看護の標準化:NICとその役割

看護技術

看護の標準化:NICとその役割

病院での用語を教えて

先生、「NIC」ってなんですか?医学とか健康の分野で使われている言葉みたいなんですが…

体の健康研究家

NICは「看護介入分類」の略で、看護師さんが患者さんに対して行うケアを、分かりやすく分類したものなんだよ。

病院での用語を教えて

へえー。例えばどんなものがあるんですか?

体の健康研究家

例えば、患者さんの痛みを和らげるケアは「疼痛管理」、気持ちの安定を促すケアは「不安管理」といったように分類されているんだ。NICを使うことで、より的確で効果的な看護を提供できるようになるんだよ。

NICとは。

「NIC」は、医療や健康の分野で使われる言葉で、「看護介入分類」の略称です。「看護介入分類」とは、看護師が行うケアの内容を分かりやすく整理して、誰でも同じように使えるように分類したものです。これは、病気やけがの状態を表す「看護診断名」と同じように、あらかじめ決められたものの中から選んで使います。「看護診断名」と、ケアの目標を表す「NOC」を合わせて「NANDA-NOC-NIC」と呼ぶこともあります。

NICとは

NICとは

– NICとはNICは「Nursing Interventions Classification」を略したもので、日本語では「看護介入分類」といいます。これは、看護師が患者さんに対して行うケアや処置を、統一された言葉で表現し、分類したものです。例えば、患者さんの痛みを和らげるために、看護師は様々な行動を起こします。患部の状態を観察したり、楽な姿勢を一緒に考えたり、医師の指示に従って痛み止めを投与したりするなど、その方法は多岐に渡ります。NICは、このような看護師の行動一つ一つに具体的な名前を与え、分類することで、看護の内容を明確に記録したり、他の看護師と共有したりすることを可能にします。NICは、看護師であれば誰でも理解できる共通言語として、看護記録や研究など、様々な場面で広く活用されています。これにより、看護の質の向上や、より安全で効果的な看護の提供につながると期待されています。

項目 説明
NICの定義 Nursing Interventions Classification(看護介入分類)
看護師が行うケアや処置を統一された言葉で表現し分類したもの
NICの目的 看護の内容を明確に記録
他の看護師と情報を共有
看護の質の向上
安全で効果的な看護の提供
NICの活用例 看護記録
研究
看護師間のコミュニケーション

NICの重要性

NICの重要性

– NICの重要性近年、医療現場では、患者さんに安全で質の高い看護を提供するために、エビデンスに基づいたケアの重要性が高まっています。しかし、従来の看護記録は、看護師個人の経験や主観に基づいた記述が多く、客観性や具体性に欠ける側面がありました。その結果、看護師間や他職種間で情報共有や連携が困難になるケースも見受けられました。

このような課題を解決するのが、看護介入分類(NIC)です。NICは、看護師が行うケアを具体的で標準化された用語で表現した分類体系です。従来、看護師の経験や勘に頼っていたケアを、NICを用いることで可視化し、共有することが可能になります。例えば、「不安の軽減」といった抽象的な表現ではなく、「不安のレベルを評価する」「リラックスできる環境を整える」「情報提供を行う」など、具体的な介入内容を記録することで、より客観的で詳細な情報共有が可能となります。

NICの導入により、看護師間や医師など他職種との連携が強化され、患者さん一人ひとりに合わせた、より適切なケアの提供が期待できます。また、蓄積されたデータは、看護研究の貴重な資料となり、看護の質向上や新たな看護介入方法の開発に役立ちます。

このように、NICは、看護の専門性を高め、患者さんに最善のケアを提供するための重要なツールと言えるでしょう。今後、医療現場において、NICの理解と活用がますます重要となっていくと考えられます。

従来の看護記録の課題 NICによる解決
看護師個人の経験や主観に基づいた記述が多く、客観性や具体性に欠ける。 看護師が行うケアを具体的で標準化された用語で表現した分類体系を用いることで、ケアを可視化し、共有することを可能にする。
看護師間や他職種間で情報共有や連携が困難。 具体的な介入内容を記録することで、より客観的で詳細な情報共有が可能となり、看護師間や医師など他職種との連携が強化される。
蓄積されたデータは、看護研究の貴重な資料となり、看護の質向上や新たな看護介入方法の開発に役立つ。

NICと看護過程

NICと看護過程

看護介入分類(NIC)は、看護師が患者さんに質の高い看護を提供するために欠かせないツールです。看護師は、患者さんの現状を把握するために健康状態、生活習慣、抱えている問題などについて詳しく評価します。この評価をアセスメントと呼びます。そして、アセスメントで得られた情報をもとに、北米看護診断協会(NANDA)が作成した看護診断リストを参照しながら、患者さんに何が問題となっているのかを明確化します。
この看護診断に基づいて、看護師は患者さん一人ひとりに合わせた看護計画を立てます。NICは、この看護計画を作成する際に、どのようなケアをすれば患者さんの問題解決に繋がるのか、具体的な介入方法を提示してくれるガイドラインの役割を果たします。
例えば、”栄養状態の改善”という看護診断に対して、NICは”食事指導”、”経管栄養”、”静脈栄養”など、様々な介入方法を提示します。看護師は、患者さんの状態や置かれている環境を考慮し、これらの介入方法の中から最適なものを選択します。
このように、NICは看護師が患者さんの状態に合わせて個別性のある、質の高い看護を提供するために重要な役割を果たしているのです。

項目 内容
看護介入分類 (NIC) の定義 看護師が質の高い看護を提供するためのガイドライン
アセスメント 患者の健康状態、生活習慣、抱えている問題などを評価すること
看護診断 NANDA が作成したリストを参照し、アセスメントに基づいて患者さんの問題を明確化すること
看護計画 看護診断に基づいて、患者さん一人ひとりに合わせて作成される計画
NIC の役割 看護計画作成時に、どのようなケアをすれば患者さんの問題解決に繋がるのか、具体的な介入方法を提示する
NIC の例 ‘栄養状態の改善’ という看護診断に対して、’食事指導’、’経管栄養’、’静脈栄養’ など、様々な介入方法を提示

NNN連携

NNN連携

– NNN連携患者中心の看護を実現する三位一体のアプローチ看護の現場では、患者さん一人ひとりに最適なケアを提供することが求められます。しかし、その症状や状況は多岐にわたり、経験や勘に頼ったケアでは、質の担保や均一なケアの提供が難しい場合もあります。そこで注目されているのが、「NNN連携」という考え方です。これは、看護診断、看護目標、看護介入という三つの要素を有機的に結びつけ、体系的な看護を実践するためのフレームワークです。NNN連携の中核をなすのが、「NANDA(北米看護診断協会分類)」、「NOC(看護成果分類)」、「NIC(看護介入分類)」という三つの標準言語です。 NANDAは、患者さんが抱える健康上の問題を「看護診断」として明確化します。 例えば、「呼吸困難」や「転倒のリスク」といった状態を、客観的なデータに基づいて判断します。次に、NOCを用いて、看護によって患者さんがどのような状態になれば望ましいかを「看護目標」として設定します。 「呼吸が楽になる」、「転倒することなく安全に過ごせる」といった具体的な目標を設定することで、看護の方向性を明確にします。そして、NICに基づいて、設定した目標を達成するための具体的な看護行為である「看護介入」を選択します。 例えば、「呼吸リハビリテーションの実施」や「転倒予防のための環境調整」といった介入を行うことで、患者さんの状態の改善を目指します。NNN連携は、単に三つの要素を組み合わせるだけでなく、それらを相互に関連付けながら看護プロセスを展開していくことが重要です。看護師は、NANDAを用いて患者さんの状態を的確に把握し、NOCを用いて具体的な目標を設定し、NICを用いて効果的な介入を選択・実施することで、より質の高い看護を提供することができます。NNN連携は、根拠に基づいた質の高い看護を提供するための強力なツールと言えるでしょう。患者さんの状態を客観的に評価し、具体的な目標を設定し、計画的な介入を行うことで、患者さん中心の質の高い看護の実現に貢献します。

要素 説明
NANDA
(看護診断)
患者さんの健康上の問題を明確化 呼吸困難、転倒のリスク
NOC
(看護目標)
看護によって患者さんがどのような状態になれば望ましいかを設定 呼吸が楽になる、転倒することなく安全に過ごせる
NIC
(看護介入)
設定した目標を達成するための具体的な看護行為を選択 呼吸リハビリテーションの実施、転倒予防のための環境調整

今後の展望

今後の展望

– 今後の展望看護介入分類(NIC)は、時代の変化や看護の進歩に合わせて、常に改訂が続けられています。医療現場では、情報技術の進歩が目覚ましく、電子カルテシステムの導入も進んでいます。このシステムによって、患者さんの情報や看護師が行った看護ケアがデータとして蓄積されるようになりました。NICは、これらのデータを分析することで、より効果的で質の高い看護の提供に役立つと考えられています。例えば、特定の病気の患者さんに、どのような看護ケアが効果的だったのかを分析することで、より個別性の高い看護計画を立案することが可能になります。また、看護師の専門性の向上という点においても、NICは重要な役割を担うと考えられています。NICを用いることで、看護師は自らの看護を客観的に振り返り、改善点を明確にすることができます。さらに、経験豊富な看護師が持つ熟練した技術を、NICという共通言語を用いて共有することで、新人看護師の教育にも役立ちます。このように、NICは、患者さんに安全で質の高い看護を提供するための基盤として、今後もますます重要な役割を担っていくと考えられています。そして、医療現場におけるデータ活用看護師のさらなる専門性の向上に貢献していくことが期待されています。

項目 内容
情報技術の進歩への対応 電子カルテシステムに蓄積されたデータ分析を通して、効果的かつ質の高い看護提供を支援
看護師の専門性向上への貢献 – 看護師の自己評価と改善を促進
– 熟練看護師の技術共有による新人教育の効率化
今後の展望 医療現場におけるデータ活用、看護師の専門性向上への貢献

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