褥瘡評価ツール DESIGN-R®️とは
病院での用語を教えて
先生、『DESIGN-R®』って、どういう意味ですか?
体の健康研究家
良い質問だね。『DESIGN-R®』は、簡単に言うと、寝たきりなどで体が弱っている人の、お肌の状態をみるためのものなんだよ。
病院での用語を教えて
お肌の状態を見るんですか?
体の健康研究家
そう。『DESIGN-R®』を使って、お肌が赤くなっていないか、傷ができていないかなどをチェックすることで、早く異変に気づくことができるんだ。褥瘡って、体の同じ場所に圧力がかかり続けることで、血の流れが悪くなってしまうことでできるんだ。 DESIGN-R®はその褥瘡のリスクを評価するのに役立つんだよ。わかったかな?
DESIGN-R®とは。
「DESIGN-R®(でざいんあーる)」という言葉は、医療や健康の分野で使われる言葉です。2008年に日本褥瘡学会が、床ずれの状態を評価するために作った道具のことです。
DESIGN-R®️の概要
– DESIGN-R®️の概要DESIGN-R®️(でざいんあーる)は、高齢者施設や病院などで広く利用されている、褥瘡のリスク評価ツールです。2008年に日本褥瘡学会によって提唱され、褥瘡発生の危険因子を多角的に評価することで、褥瘡の予防や早期発見、そして適切な治療計画の立案に役立てることを目的としています。従来、褥瘡のリスク評価には、海外で開発されたBradenスケールやNortonスケールなどが用いられてきました。しかし、これらのスケールは日本の医療現場や患者の特性に必ずしも合致しない側面がありました。そこで、日本人の体格や生活習慣、医療体制などを考慮し、より日本人に適した評価ツールとしてDESIGN-R®️が開発されました。DESIGN-R®️の特徴は、褥瘡発生に関与する6つの因子(体格、日常生活動作、皮膚の状態、栄養状態、活動量、精神状態)を、それぞれ具体的な項目で評価する点にあります。各項目は点数化されており、合計点によって褥瘡の発生リスクが低リスク、中等度リスク、高リスクの3段階に分類されます。DESIGN-R®️を用いることで、医療従事者は、患者一人ひとりの褥瘡リスクを客観的に把握し、個別の予防策や治療計画を立案することができます。また、評価結果を記録することで、褥瘡発生の予防効果や治療効果の検証にも役立ちます。DESIGN-R®️は、褥瘡ケアの質向上に貢献する重要なツールと言えるでしょう。
項目 | 説明 |
---|---|
ツール名 | DESIGN-R®️(でざいんあーる) |
目的 | 褥瘡の予防や早期発見、適切な治療計画の立案 |
開発の背景 | 従来の褥瘡リスク評価ツール(Bradenスケール、Nortonスケールなど)は日本の医療現場や患者の特性に必ずしも合致しない側面があったため、日本人に適した評価ツールとして開発された。 |
特徴 | 褥瘡発生に関与する6つの因子(体格、日常生活動作、皮膚の状態、栄養状態、活動量、精神状態)を、それぞれ具体的な項目で評価する。各項目は点数化されており、合計点によって褥瘡の発生リスクが低リスク、中等度リスク、高リスクの3段階に分類される。 |
メリット | 患者一人ひとりの褥瘡リスクを客観的に把握し、個別の予防策や治療計画を立案することができる。評価結果を記録することで、褥瘡発生の予防効果や治療効果の検証にも役立つ。 |
DESIGN-R®️の特徴
DESIGN-R®️は、従来の褥瘡リスク評価方法とは一線を画す、画期的な評価ツールです。従来の方法では、患者の年齢や体格といった基本的な情報のみで評価することが一般的でした。しかし、褥瘡の発症には、皮膚の状態、栄養状態、運動機能、意識レベル、日常生活動作能力など、実に様々な要因が複雑に絡み合っています。DESIGN-R®️は、これらの多岐にわたる要因を総合的に評価することで、より精度の高いリスク判定を可能にしました。
例えば、ある患者様の場合、年齢や体格だけを見るとリスクは低いと判断されるかもしれません。しかし、DESIGN-R®️を用いることで、皮膚の脆弱性や栄養状態の悪化、運動量の低下といった、見逃されがちなリスク因子を早期に発見することができます。このように、DESIGN-R®️は、個々の患者様の状態を詳細に把握し、それぞれに最適な予防ケアを提供するための、強力なツールと言えるでしょう。従来の方法では見過ごされてきたリスクを浮き彫りにすることで、褥瘡発生率の低下、ひいては患者様の生活の質向上に大きく貢献することが期待されます。
従来の褥瘡リスク評価方法 | DESIGN-R®️ |
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患者の年齢や体格といった基本的な情報のみで評価 | 皮膚の状態、栄養状態、運動機能、意識レベル、日常生活動作能力など、多岐にわたる要因を総合的に評価 |
リスク因子を見逃す可能性あり | 個々の患者様の状態を詳細に把握し、それぞれに最適な予防ケアを提供可能 |
DESIGN-R®️の活用場面
– DESIGN-R®️の活用場面
DESIGN-R®️は、病院や介護施設など、寝たきりや座りっぱなしの状態が続くことで皮膚に圧力がかかりやすく、その結果として褥瘡が発生しやすい環境において広く活用されています。
特に、患者さんが入院した時や入所した時に行うアセスメント、つまり状態の把握を行うためのツールとして用いられることが多く、褥瘡が発生するリスクが高い患者さんを早期に発見し、集中的な予防ケアを実施することができるという利点があります。
また、DESIGN-R®️を用いて定期的に評価を行うことで、褥瘡の進行状況や治療の効果を客観的に把握することができます。これは、患者さん一人ひとりに合わせたケア内容の見直しや改善に役立ち、より効果的な褥瘡ケアを提供できるという点で非常に重要です。
場面 | 利点 |
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入院・入所時のアセスメント | 褥瘡発生リスクの高い患者を早期発見し、集中的な予防ケアを実施可能 |
定期的な評価 | 褥瘡の進行状況や治療の効果を客観的に把握し、ケア内容の見直しや改善に役立ち、効果的な褥瘡ケアの提供が可能 |
DESIGN-R®️の効果と今後の展望
褥瘡ケアにおける画期的な評価ツールとして注目されているDESIGN-R®️は、その有効性が多くの現場から報告されています。
DESIGN-R®️導入により、実際に褥瘡が発生する患者さんの数が減少しているというデータや、褥瘡の症状が悪化するケースが減っているというデータが報告されており、その効果が裏付けられています。
これらの結果を受け、DESIGN-R®️は医療現場において、褥瘡ケアの質を向上させるための標準的な評価ツールとして、今後ますます普及していくことが予想されます。
さらに、DESIGN-R®️を用いて蓄積されたデータを分析し、研究を進めることによって、褥瘡が発生するメカニズムをより深く解明できる可能性も期待されています。
そして、その解明に基づいた、より効果的で患者さんの負担が少ない予防法や治療法の開発へと繋がることも期待されており、褥瘡ケアの未来を大きく変える可能性を秘めています。
評価ツール | 効果 | 今後の展望 |
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DESIGN-R®️ |
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