生活習慣病としての糖尿病

生活習慣病

生活習慣病としての糖尿病

病院での用語を教えて

先生、「糖尿病」ってよく聞く病気の名前ですが、どんな病気なんですか?

体の健康研究家

良い質問だね。「糖尿病」は、簡単に言うと、血液中の糖分が多すぎる病気なんだ。みんながご飯を食べると、糖分が血液中に吸収されるんだけど、その糖分をエネルギーに変えるために「インスリン」っていうホルモンが必要になるんだ。

病院での用語を教えて

「インスリン」ですか?

体の健康研究家

そう。「インスリン」は、膵臓(すいぞう)ってところから出るんだけど、糖尿病の人は、この「インスリン」が足りなかったり、うまく働かなかったりするんだ。だから、血液中の糖分が多くなってしまうんだよ。

糖尿病とは。

「糖尿病」は、慢性的に血液中の糖分が多すぎる病気のことです。
この病気の原因は、糖を体内に取り込むための「インスリン」という物質がうまく作れなくなることや、インスリンが効きにくくなることの二つが考えられます。
原因によって、主に1型糖尿病と2型糖尿病の二つに分けられます。

糖尿病とは

糖尿病とは

– 糖尿病とは糖尿病は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度が高くなる病気です。食事から摂取したご飯やパンなどに含まれる糖質は、体内でブドウ糖へと変化し血液中に放出されます。通常、このブドウ糖は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きによって、筋肉や脂肪細胞に取り込まれます。取り込まれたブドウ糖は、私たちが活動するためのエネルギー源として利用されたり、脂肪として蓄えられたりするのです。

しかし、糖尿病の場合、インスリンが十分に分泌されなかったり、分泌されていてもその働きが弱まっていたりするため、ブドウ糖がうまく利用されず、血液中に溜まってしまいます。この状態が続くと、様々な合併症を引き起こす可能性があります。

糖尿病には、主に1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の病気に伴う糖尿病、妊娠糖尿病の4つのタイプがあります。1型糖尿病は、インスリンをほとんど、あるいは全く分泌することができない状態であり、主に小児期に発症します。2型糖尿病は、インスリンの分泌量が少なくなったり、働きが悪くなったりすることで起こる糖尿病で、日本人の糖尿病のほとんどがこのタイプに当てはまります。その他の特定の病気に伴う糖尿病は、膵臓の病気やホルモンを産生する腫瘍などが原因で発症します。妊娠糖尿病は、妊娠中に発見される糖尿病で、多くの場合、出産後に改善します。

糖尿病は初期段階では自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると血管や神経に障害を起こし、様々な合併症を引き起こす可能性があります。糖尿病の予防や早期発見、適切な治療を行うことが重要です。

糖尿病の種類 特徴
1型糖尿病 インスリンをほとんど、あるいは全く分泌することができない。主に小児期に発症。
2型糖尿病 インスリンの分泌量が少なくなったり、働きが悪くなったりする。日本人の糖尿病のほとんどがこのタイプ。
その他の特定の病気に伴う糖尿病 膵臓の病気やホルモンを産生する腫瘍などが原因で発症。
妊娠糖尿病 妊娠中に発見される糖尿病。多くの場合、出産後に改善。

糖尿病のタイプ

糖尿病のタイプ

糖尿病は大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病の二つに分類されます。

1型糖尿病は、主に自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンをほとんど、あるいは全く分泌できなくなる病気です。インスリンは、血液中の糖をエネルギーとして利用するために必要なホルモンです。1型糖尿病を発症すると、体内ではこのインスリンが不足するため、血液中の糖が細胞に取り込まれずに、血液中に溜まった状態になってしまいます。

一方、2型糖尿病は、インスリンの分泌量が少なくなったり、分泌されたインスリンがうまく機能しなくなったりすることで発症します。インスリンの働きが低下すると、1型糖尿病と同様に、血液中の糖が細胞に取り込まれずに、血液中に溜まってしまいます。2型糖尿病は、過食や運動不足、肥満、ストレス、遺伝などの要因が複雑に関係して発症すると考えられており、生活習慣病の一つに数えられています。

このように、1型糖尿病と2型糖尿病は、どちらもインスリンが関係する病気ですが、その原因や発症のメカニズムは大きく異なります。糖尿病の治療は、それぞれのタイプや症状に合わせたものとなるため、自己判断はせず、医師による適切な診断と治療を受けることが重要です。

項目 1型糖尿病 2型糖尿病
原因 自己免疫反応による膵臓β細胞の破壊 インスリン分泌量の低下、またはインスリン作用の低下
インスリン分泌 ほとんど、あるいは全く分泌されない 分泌量が減少、または分泌されても効果が低い
発症要因 自己免疫反応 過食、運動不足、肥満、ストレス、遺伝など
分類 生活習慣病

糖尿病の症状

糖尿病の症状

糖尿病は、初期の段階では自覚できる症状がほとんどなく、知らない間に病気が進行してしまうことが多い病気です。血液中の糖の濃度が高い状態が長く続くと、さまざまな症状が現れ始めます。

代表的な症状としては、のどの渇きが強く水をたくさん飲むようになる、尿の量が増えトイレが近くなる、体重が減っていく、体がだるい、視力が低下する、傷が治りにくくなる、皮膚がかゆくなるなどがあります。これらの症状は、高血糖によって体の水分バランスやエネルギー代謝が乱れるために起こると考えられています。

糖尿病がさらに進行すると、さまざまな合併症を引き起こすことが知られており、神経障害、網膜症、腎症、動脈硬化などが代表的な合併症として挙げられます。神経障害は、手足のしびれや痛み、自律神経の乱れなどを引き起こします。網膜症は、視力低下や失明の原因となります。腎症は、腎臓の機能を低下させ、人工透析が必要となる場合もあります。動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中などの命に関わる病気を引き起こすリスクを高めます。

糖尿病は、初期の段階では自覚症状が出にくい病気ではありますが、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、早期発見、早期治療が非常に重要です。定期的な健康診断を受け、血糖値を測定するなどして、自身の健康状態を把握するように心がけましょう。

段階 症状 合併症
初期 自覚症状ほとんどなし なし
進行期
  • のどの渇き
  • 尿量の増加
  • 体重減少
  • 全身倦怠感
  • 視力低下
  • 傷の治りが遅い
  • 皮膚のかゆみ
なし
さらに進行 進行期の症状に加えて、合併症による症状
  • 神経障害 (手足のしびれ、痛み、自律神経の乱れ)
  • 網膜症 (視力低下、失明)
  • 腎症 (腎機能低下、人工透析)
  • 動脈硬化 (心筋梗塞、脳卒中)

糖尿病の治療

糖尿病の治療

糖尿病の治療は、血液中の糖の量を適切に保ち、将来起こりうる合併症を防ぐことを目標に行われます。治療法には、大きく分けて食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあり、これらの治療法を患者さんの状態に合わせて組み合わせます。

食事療法と運動療法は、すべての糖尿病患者さんに必要とされる基本的な治療法です。食事療法では、摂取するカロリーを適切に保ちながら、栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。具体的には、野菜を多く摂り、糖質の多い食品や脂質の多い食品を控えるように心がけましょう。また、食事は規則正しく、よく噛んで食べるように心がけることも重要です。運動療法は、体を動かすことでインスリンの効果を高め、血液中の糖を細胞に取り込みやすくする効果があります。毎日、軽い運動を30分程度、あるいは1週間に150分程度を目安に行うと良いでしょう。

これらの治療法を行っても、血液中の糖の量が十分に下がらない場合は、薬物療法が必要となります。薬物療法には、飲み薬で治療する経口血糖降下薬と、注射によるインスリン治療があります。医師は、患者さんの状態に合わせて、これらの治療法を適切に組み合わせて治療計画を立てます。

治療法 概要 詳細
食事療法 すべての糖尿病患者に必要とされる基本的な治療法。
摂取カロリーを適切に保ちながら、栄養バランスのとれた食事を心がける。
・野菜を多く摂る
・糖質の多い食品や脂質の多い食品を控える
・食事は規則正しく、よく噛んで食べる
運動療法 すべての糖尿病患者に必要とされる基本的な治療法。
体を動かすことでインスリンの効果を高め、血液中の糖を細胞に取り込みやすくする。
・毎日、軽い運動を30分程度
・あるいは1週間に150分程度を目安に運動
薬物療法 食事療法と運動療法を行っても、血液中の糖の量が十分に下がらない場合に必要となる。 ・経口血糖降下薬(飲み薬)
・インスリン治療(注射)
※医師が患者さんの状態に合わせて、これらの治療法を適切に組み合わせて治療計画を立てる。

糖尿病の予防

糖尿病の予防

– 糖尿病の予防糖尿病は、一度発症してしまうと、生涯にわたって食事療法や運動療法などの自己管理が必要となる病気です。しかし、2型糖尿病は、生活習慣の改善によって予防できる可能性があります。 ここでは、糖尿病予防のための具体的な方法について詳しく解説していきます。まず、食生活において最も大切なのは、バランスの取れた食事を摂ることです。主食であるご飯やパン、麺類などの炭水化物は、摂り過ぎると血糖値を急上昇させる原因となります。そのため、野菜や海藻、きのこなどを積極的に食べるように心がけ、炭水化物の割合を減らすように意識しましょう。また、肉や魚などのたんぱく質、乳製品や大豆製品などのカルシウムもバランス良く摂取することが大切です。さらに、食べ過ぎにも注意が必要です。 私たちの体は、食事から摂取したエネルギーを消費しきれなかった場合、脂肪として蓄積する仕組みになっています。脂肪が蓄積されると、インスリンが働きにくくなり、血糖値が上昇しやすくなってしまいます。食事は腹八分目を心がけ、食べ過ぎないように注意しましょう。食生活に加えて、運動習慣を身につけることも重要です。運動には、脂肪を燃焼させて体重を減らす効果だけでなく、インスリンの働きを良くする効果も期待できます。激しい運動である必要はなく、1日30分程度のウォーキングや軽いジョギングでも効果があります。日常生活の中で、こまめに体を動かすように意識することも大切です。その他にも、ストレスを溜めない、十分な睡眠をとることも糖尿病予防には効果的です。ストレスや睡眠不足は、自律神経のバランスを乱し、血糖値を上昇させるホルモンの分泌を促してしまいます。十分な睡眠時間を確保し、リラックスできる時間を作るなど、ストレスを解消する方法を見つけるようにしましょう。糖尿病は初期には自覚症状が現れにくいため、気が付かないうちに進行している場合もあります。しかし、放置すると、動脈硬化や神経障害などの合併症を引き起こし、最悪の場合、失明や足の切断に至る可能性も考えられます。日頃から生活習慣に気を配り、糖尿病を予防するために積極的に行動を起こしましょう。

糖尿病予防方法 具体的な方法
バランスの取れた食事 ご飯、パン、麺類などの炭水化物の摂り過ぎに注意し、野菜、海藻、きのこ、肉、魚、乳製品、大豆製品などをバランス良く摂取する。
食べ過ぎない 食事は腹八分目を心がけ、脂肪の蓄積を防ぐ。
運動習慣 1日30分程度のウォーキングや軽いジョギングなど、こまめな運動を心がける。
ストレスを溜めない、十分な睡眠 ストレスや睡眠不足は自律神経のバランスを乱し血糖値上昇につながるため、十分な睡眠とストレス解消を心がける。

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