救急現場の必需品:アンビューバッグ
病院での用語を教えて
『アンビューバッグ』って、人工呼吸器と同じものなんですか?
体の健康研究家
人工呼吸器とよく似ていますが、違うものですよ。人工呼吸器は、機械で自動的に呼吸を助けるものです。一方、アンビューバッグは、手でバッグを押して空気を送り込む必要があるんです。
病院での用語を教えて
なるほど。でも、どちらも肺に空気を送るんですよね?
体の健康研究家
その通りです。どちらも呼吸が止まってしまった人や、うまく呼吸ができない人を助けるための医療機器です。アンビューバッグは、救急現場などですぐに使えるように、多くの病院に備えられています。
アンビューバッグとは。
「あんびゅーばっぐ」とは、病気やけがをした人の口や鼻を覆うマスクに空気を送り込み、呼吸を助けるための医療器具です。救急の現場で、人工呼吸を行う際によく使われています。使い方としては、まず息の通り道を確保します。次に、マスクで患者さんの口と鼻を覆います。一人で操作する場合は片手で、二人で操作する場合は両手でマスクを固定します。そして、袋を押し空気を送り込みます。息がちゃんと肺に送られていれば、肺がふくらみ、胸が持ち上がります。
アンビューバッグとは
– アンビューバッグとはアンビューバッグは、呼吸が止まってしまったり、呼吸をすることが困難になってしまった患者の肺に、人の手で空気を送り込むための医療機器です。
自己呼吸が難しい状況でも、アンビューバッグを用いることで、肺に酸素を送り込み、二酸化炭素を排出することができます。
この医療機器は、別名「バッグバルブマスク」とも呼ばれます。しかし、デンマークにあるアンビュー社の製品が広く世界で使われていることから、「アンビューバッグ」という名前の方が浸透しています。
アンビューバッグは、主に次の三つの部品から構成されています。
1. バッグ
手で握ったり、離したりすることで、空気を出し入れする部分です。材質はポリ塩化ビニルやシリコンゴムなどが一般的で、透明であるため、中の空気の量が一目でわかります。
2. バルブ
空気の流れを一方通行にするための弁です。バッグを握ると、バルブが開いて空気が患者に送られ、手を離すとバルブが閉じて、空気が逆流するのを防ぎます。
3. マスク
患者の顔に密着させて、空気を漏らさずに肺に送り込むための部分です。顔の形に合わせて、様々なサイズがあります。
救急医療の現場において、アンビューバッグは人工呼吸を行うための非常に重要な医療機器であり、救急隊員や医療従事者にとって、なくてはならないものです。
部品 | 説明 |
---|---|
バッグ | 手で握ったり離したりして空気を出し入れする部分。材質はポリ塩化ビニルやシリコンゴムなどが一般的で、透明なので中の空気の量がわかる。 |
バルブ | 空気の流れを一方通行にするための弁。バッグを握るとバルブが開いて空気が患者に送られ、手を離すとバルブが閉じて空気が逆流するのを防ぐ。 |
マスク | 患者の顔に密着させて、空気を漏らさずに肺に送り込むための部分。顔の形に合わせて様々なサイズがある。 |
アンビューバッグの仕組み
アンビューバッグは、そのシンプルな構造からは想像できないほど重要な役割を持つ医療機器です。主に呼吸が弱っている患者さんや、自発呼吸がない患者さんの呼吸を助けるために使用されます。
アンビューバッグは、大きく分けて三つの部品から構成されています。顔に密着させるマスク、空気を溜めておくバッグ、そして空気の通り道を制御するバルブです。
マスクは、患者さんの口や鼻を覆うように装着し、バッグ内の空気が漏れないように密着させます。バッグは、手で押したり引いたりすることで、中の空気の量を調整します。バルブは、バッグとマスクの間に位置し、空気が一方向にのみ流れるように制御する役割を担います。
バッグを手で押すと、バルブが開いて空気がバッグからマスクを通って患者さんの肺へと送り込まれます。そして、手を離すとバルブが自動的に閉じることで、肺に入った空気が逆流するのを防ぎます。
このように、アンビューバッグは、シンプルな構造と簡単な操作で、患者さんの呼吸を補助したり、場合によっては呼吸を完全に代行したりすることができる、大変重要な医療機器と言えるでしょう。
部品名 | 機能 |
---|---|
マスク | 患者の口や鼻を覆い、バッグ内の空気が漏れないように密着させる。 |
バッグ | 手で押したり引いたりすることで、中の空気の量を調整する。 |
バルブ | バッグとマスクの間に位置し、空気が一方向にのみ流れるように制御する。バッグを押すとバルブが開いて空気が肺へ、手を離すとバルブが閉じて空気の逆流を防ぐ。 |
使用方法
アンビューバッグは、呼吸が苦しい患者さんの呼吸を助けるための道具です。しかし、正しく使用しないと効果が得られないばかりか、患者さんに危険が及ぶ可能性もあります。
使用にあたり最も重要なのは、患者さんの気道が確保されていることを確認することです。気道が塞がっていると、いくらアンビューバッグで空気を送り込もうとしても、肺に届きません。
気道が確保できたら、マスクを患者さんの顔に密着させます。マスクは口と鼻の両方を覆うようにしてください。片方の手でマスクを顔にしっかりと固定し、もう片方の手でアンビューバッグをリズミカルに圧迫して、空気を送り込みます。
この時、患者さんの胸が上下して、呼吸をしていることを確認することが重要です。もし胸の動きが弱かったり、全く動かない場合は、気道が確保されていないか、空気が漏れている可能性があります。
その場合は、もう一度気道の状態を確認し、マスクがしっかりと顔に密着しているかを確認してください。それでも改善が見られない場合は、直ちに医師に助けを求めてください。
手順 | 詳細 | 注意点 |
---|---|---|
気道確保の確認 | アンビューバッグを使用する前に、患者の気道が塞がっていないことを確認する。 | 気道が塞がっていると、アンビューバッグで空気を送り込んでも肺に届かないため、最も重要な手順。 |
マスクの装着 | マスクを患者の顔に密着させる。口と鼻の両方を覆うようにする。 | 片方の手でマスクを顔にしっかりと固定する。 |
アンビューバッグの圧迫 | もう片方の手でアンビューバッグをリズミカルに圧迫し、空気を送り込む。 | 患者の胸が上下して、呼吸をしていることを確認する。 |
呼吸状態の確認 | 胸の動きが弱かったり、全く動かない場合は、気道が確保されていないか、空気が漏れている可能性がある。 | 気道の状態とマスクの密着性を再確認する。改善が見られない場合は、医師に助けを求める。 |
使用上の注意点
– 使用上の注意点アンビューバッグは、呼吸が苦しい人を補助するための器具ですが、正しく使用しないと、かえって危険な場合があります。安全に使用する為に、以下の点に注意しましょう。-# 空気量の調節アンビューバッグで送り込む空気の量が多いと、肺に負担をかけ、損傷させてしまう可能性があります。 肺は、風船のように、 無理に膨らませすぎると破裂してしまうことがあります。 特に、乳幼児や高齢者、呼吸器疾患を持つ人は、肺が弱っている場合があり、注意が必要です。 適切な量の空気は、対象者の体格や状態によって異なりますので、医師や看護師の指示に従ってください。 目安としては、胸が軽く膨らむ程度で十分です。-# 送り込む速度空気を送り込む速度が速すぎると、食道に空気が入り、胃が膨らんでしまうことがあります。 その結果、吐き気や嘔吐、場合によっては、胃の内容物が気管に入ってしまう誤嚥のリスクも高まります。 誤嚥は、肺炎を引き起こす可能性もあるため、大変危険です。 空気は、ゆっくりと、胸が膨らむ様子を見ながら送り込みましょう。-# 衛生管理アンビューバッグは、口や鼻に直接接触するため、衛生面にも注意が必要です。 使用後は、必ず消毒用エタノールなどで消毒し、清潔な状態で保管してください。 特に、複数人で使用する場合や、感染症の疑いがある場合は、衛生管理を徹底することが重要です。アンビューバッグは、適切に使用すれば、呼吸を助ける有効な器具です。 しかし、使い方を誤ると、重大な健康被害に繋がる可能性もあります。 使用する際は、必ず注意事項をよく読み、安全に配慮して使用してください。 不安な場合は、ためらわず医師や看護師に相談しましょう。
項目 | 注意点 | リスク |
---|---|---|
空気量 | – 送り込みすぎない – 胸が軽く膨らむ程度 |
– 肺損傷 – 肺破裂 |
送り込み速度 | – 速すぎない – 胸が膨らむ様子を確認しながらゆっくりと |
– 胃膨満 – 吐き気 – 嘔吐 – 誤嚥 – 肺炎 |
衛生管理 | – 使用後は消毒用エタノールなどで消毒 – 清潔な状態で保管 |
– 感染症 |
まとめ
– まとめ
呼吸が苦しくなった患者さんの命を救うためには、医療現場において様々な医療機器が使われています。その中でも、アンビューバッグは救急現場だけでなく病院内でも広く活用されている重要な医療機器の一つです。
アンビューバッグは、シンプルな構造で、誰でも簡単に使用できるように見えます。しかし、その扱い方を間違えると、患者さんの命を危険にさらす可能性もはらんでいます。
患者さんの安全を第一に考え、アンビューバッグを正しく使用するためには、医療従事者一人ひとりが正しい知識と技術を習得することが不可欠です。
そのためには、日頃からアンビューバッグの使用方法や注意点を確認し、緊急時にも適切に対応できるよう準備しておくことが重要です。また、定期的な訓練やスキルアップの機会を設けることで、確実な技術の習得と維持に努めましょう。