経皮的冠動脈形成術:狭心症と心筋梗塞に対する有効な治療法
病院での用語を教えて
『経皮経冠動脈血栓溶解療法』って、一体どんな治療法なの? 難しい言葉ばかりで、よくわからない…
体の健康研究家
そうだね。『経皮経冠動脈血栓溶解療法』、長い名前で難しそうに見えるけど、心臓の血管が詰まってしまった時に、その詰まりを溶かす治療法なんだよ。
病院での用語を教えて
心臓の血管の詰まりを溶かす? どうやって溶かすの?
体の健康研究家
カテーテルっていう細い管を足の血管から通して、詰まっている心臓の血管まで届けて、そこに直接薬を流し込むんだ。そうすると、薬の効果で血管の詰まりが溶けて、また血液が流れ始めるんだよ。時間との勝負で、発症から時間が経つと効果が薄れてしまうから、迅速な治療が必要になるんだ。
経皮経冠動脈血栓溶解療法とは。
心臓の表面を通る血管である冠動脈に血のかたまり(血栓)が詰まってしまう病気を、急性心筋梗塞といいます。
この病気の治療法の一つに、「経皮経冠動脈血栓溶解療法」というものがあります。
これは、細い管(カテーテル)を血管に通して心臓の冠動脈まで通し、血栓を溶かす薬を直接送り込む治療法です。
薬を飲むよりも早く効果が現れ、高い効果が期待できます。
特に、発症から6時間以内に治療すれば、より効果的です。
はじめに
心臓は、体中に血液を送り出すために休むことなく働き続ける重要な臓器です。ポンプのような役割を担う心臓自身にも、栄養や酸素を運ぶ血液が必要であり、その血液を供給するのが「冠動脈」と呼ばれる血管です。
しかし、加齢や生活習慣の影響などにより、血管が硬くもろくなる動脈硬化が起こることがあります。動脈硬化によって冠動脈が狭くなったり、詰まったりすると、心臓への血液の流れが悪くなり、様々な症状が現れます。
例えば、胸の痛みや圧迫感を伴う狭心症や、さらに悪化すると心臓の筋肉が壊死してしまう心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。
このような心臓の血管の病気を治療する方法の一つに、カテーテルを使った治療法があります。カテーテル治療とは、足の付け根や腕の血管から細い管(カテーテル)を挿入し、心臓の冠動脈まで到達させて治療を行う方法です。
カテーテル治療の中でも、近年広く行われている治療法の一つが「経皮的冠動脈形成術(PTCR)」です。PTCRは、風船のついたカテーテルを狭くなった冠動脈まで挿入し、風船を膨らませて血管を広げる治療法です。血管を広げた後は、再び狭くなるのを防ぐために、ステントと呼ばれる金属製の網状の筒を留置します。PTCRは、身体への負担が比較的少なく、治療効果も高いことから、多くの患者さんに希望を与えている治療法です。
心臓の病気 | 原因 | 症状 | 治療法 |
---|---|---|---|
狭心症、心筋梗塞 | 動脈硬化により冠動脈が狭窄・閉塞 | 胸の痛み、圧迫感 | カテーテル治療(PTCA) |
– | – | – | 薬物療法 |
経皮的冠動脈形成術とは
– 経皮的冠動脈形成術とは心臓の筋肉に血液を送る血管を冠動脈といいますが、この冠動脈が動脈硬化によって狭くなったり、詰まったりすることを冠動脈疾患と呼びます。冠動脈疾患が進行すると、胸の痛みや圧迫感といった狭心症の症状が現れたり、心筋梗塞を引き起こしたりする危険性があります。経皮的冠動脈形成術(PTCR)は、このような冠動脈疾患に対して行われる治療法の一つです。足の付け根や腕の血管に小さな穴を開け、そこからカテーテルと呼ばれる細い管を挿入します。カテーテルはレントゲン透視を用いながら、血管内を冠動脈まで進めます。冠動脈の狭窄や閉塞している部位に到達したら、風船拡張術やステント留置術といった方法で血管を広げます。風船拡張術は、先端に風船のついたカテーテルを用いて、狭窄部位を風船で膨らませることで血管を広げます。ステント留置術は、金属製の網目状の筒であるステントを留置することで、血管を広げた状態を維持します。PTCRは、開胸手術と比較して患者さんの体への負担が少ない治療法であり、治療後も早期に社会復帰が可能となることが多いです。
治療法 | 説明 | 詳細 | ||||
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経皮的冠動脈形成術 (PTCA) |
冠動脈疾患に対する治療法の一つ。足の付け根や腕の血管からカテーテルを挿入し、狭窄・閉塞部位を広げる。 |
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治療のメリット
– 治療のメリット
従来の開胸手術では、胸部に大きな傷口を作りますが、PTCRは身体への負担が少ない治療法です。胸部に小さな穴を開けるだけで治療を行うため、傷口も小さくて済みます。そのため、入院期間を大幅に短縮することが可能です。
また、従来の開胸手術では全身麻酔が必要でしたが、PTCRは多くの場合、局所麻酔で治療を行うことができます。全身麻酔のリスクを心配する必要がないため、高齢者や合併症のある患者さんでも安心して治療を受けることができます。
このように、PTCRは身体への負担が少なく、患者さんの体への優しさを重視した治療法と言えるでしょう。
項目 | PTCR | 従来の開胸手術 |
---|---|---|
傷口 | 小さい | 大きい |
入院期間 | 短い | 長い |
麻酔 | 多くの場合、局所麻酔 | 全身麻酔 |
メリット | 高齢者や合併症のある患者でも安心 | – |
治療の対象となる疾患
心臓の筋肉に栄養を送る血管である冠動脈が狭くなったり詰まったりする病気を冠動脈疾患と言いますが、PTCRはこの冠動脈疾患の治療に効果を発揮します。
冠動脈疾患の中でも、胸の痛みを伴う狭心症や、心臓の筋肉が壊死してしまう急性心筋梗塞などが、PTCRの治療対象となります。
急性心筋梗塞では、一刻も早く血流を再開させることが重要です。PTCRは、詰まった冠動脈を再開通させることで、心臓へのダメージを最小限に抑える効果が期待できます。
また、狭心症の場合、薬物による治療で症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、PTCRが治療の選択肢の一つとして考えられます。PTCRによって狭くなった冠動脈を広げることで、血流を改善し、症状を和らげることができます。
疾患 | 症状 | PTCRの治療効果 |
---|---|---|
狭心症 | 胸の痛み | 薬物治療で効果がない場合や日常生活に支障がある場合に、狭くなった冠動脈を広げ、血流を改善し症状を和らげる。 |
急性心筋梗塞 | 心臓の筋肉が壊死 | 一刻も早く血流を再開させることで、心臓へのダメージを最小限に抑える。 |
治療後の生活
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と呼ばれる治療を受けた後は、再狭窄(治療した血管が再び狭くなること)を予防するために、継続的なケアが不可欠です。
まず、血液をサラサラにする薬を服用することが重要となります。これにより、血管内で血栓(血の塊)ができるのを防ぎ、再狭窄のリスクを低下させることができます。
さらに、動脈硬化の進行を抑えるために、生活習慣の見直しも重要となります。具体的には、
* 禁煙 タバコは血管を傷つけ、動脈硬化を促進するため、禁煙が必要です。
* バランスの取れた食事 塩分や脂肪分を控え、野菜や果物を積極的に摂るように心がけましょう。
* 適度な運動 軽い運動を習慣的に行うことで、血行促進やストレス解消に役立ちます。
* 十分な睡眠 睡眠不足は血圧や心拍数を上昇させるため、十分な睡眠を確保することが大切です。
これらの生活習慣の改善に加え、定期的な通院も欠かせません。医師の診察を受けることで、治療の効果や現在の健康状態を確認することができます。
医師の指示に従って治療を継続し、健康的な生活習慣を維持することで、再狭窄のリスクを抑え、健やかな日々を送ることができます。
カテゴリー | 具体的な内容 | 効果 |
---|---|---|
薬物療法 | 血液をサラサラにする薬 | 血栓の予防、再狭窄リスクの低下 |
生活習慣の改善 | 禁煙 | 血管へのダメージ抑制、動脈硬化の進行抑制 |
バランスの取れた食事 | 塩分・脂肪分を抑え、野菜・果物を摂取 | |
適度な運動 | 血行促進、ストレス解消 | |
十分な睡眠 | 血圧・心拍数の上昇抑制 | |
定期的な通院 | 医師の診察 | 治療効果・健康状態の確認 |