発作性心房細動:その症状と影響
病院での用語を教えて
先生、「発作性心房細動」って、一体どんな病気なんですか?
体の健康研究家
心臓のリズムが乱れる不整脈の一種で、ドキドキが急に起こって、しばらくすると自然に治まるものを指します。7日以内に治まるのが特徴ですね。
病院での用語を教えて
ドキドキするんですね。どのくらいの間、続くんですか?
体の健康研究家
個人差はありますが、数分から数時間続くことが多いですね。ただし、7日以内に治まらない場合は、「発作性」ではなく、他のタイプの心房細動の可能性があります。
発作性心房細動とは。
「発作性心房細動」は、心臓のリズムが乱れる病気の一つです。
この病気では、心臓の上側の部屋(心房)が非常に速く、かつ不規則に震えます。
その結果、脈の速さもバラバラになります。
「発作性」と呼ばれるのは、この症状が自然に治まり、長くても7日以内には正常な状態に戻るためです。
発作性心房細動とは
– 発作性心房細動とは心臓は、全身に血液を送るポンプの役割を担っており、規則正しいリズムを刻んで収縮と拡張を繰り返しています。このリズムを刻む電気信号が何らかの原因で乱れることで、心臓の拍動が速くなったり、遅くなったり、不規則になったりする状態を不整脈といいます。発作性心房細動は、この不整脈の一種であり、心臓の上部の部屋である心房に異常な電気信号が発生することで起こります。正常な状態では、心房は規則正しいリズムで収縮し、血液を下の部屋である心室に送り出しています。しかし、発作性心房細動が起こると、心房は非常に速く、かつ不規則に震えるように動き始めます。この結果、心房は十分な力で収縮することができなくなり、血液を効率的に心室に送り出すことができなくなります。さらに、心房が震えることで、血液が心房内に滞りやすくなり、血栓と呼ばれる血液の塊ができやすくなるリスクも高まります。発作性心房細動は、症状が現れたり、消失したりするのが特徴です。症状としては、動悸、息切れ、胸の圧迫感、めまい、ふらつきなどが挙げられます。これらの症状は、日常生活に支障をきたす場合もあれば、全く症状を感じない場合もあります。発作性心房細動は、放置すると心不全や脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、適切な治療が必要となります。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 心臓の上部の部屋(心房)に異常な電気信号が発生し、心房が非常に速く、かつ不規則に震えるように動く不整脈の一種。 |
原因 | 心房に異常な電気信号が発生。 |
症状 | 動悸、息切れ、胸の圧迫感、めまい、ふらつきなど。症状が現れたり、消失したりするのが特徴。 |
影響 | 心房が十分な力で収縮できず、血液を効率的に心室に送り出すことができなくなる。血液が心房内に滞りやすくなり、血栓ができやすくなる。 |
合併症 | 心不全、脳梗塞など。 |
治療 | 適切な治療が必要。 |
症状と診断
– 症状と診断発作性心房細動は、心臓が本来のリズムで拍動しなくなる病気で、様々な症状が現れます。代表的な症状としては、突然心臓がドキドキと速く脈打つ感覚(動悸)があります。この動悸は、運動後や緊張状態などとは関係なく起こるのが特徴です。また、動悸に伴い、息苦しさを感じることもあります。これは、心臓のポンプ機能が低下することで、肺に血液が滞り、呼吸が浅く速くなるために起こります。さらに、胸の痛みや圧迫感を感じる人もいます。これは、心臓に十分な血液が供給されなくなるために起こる狭心症と似た症状ですが、発作性心房細動による胸の痛みは、通常、短時間で治まることが多いです。その他、めまいやふらつき、強い疲労感なども現れることがあります。しかし、自覚症状が現れない場合もあるため、注意が必要です。健康診断や人間ドックなどで心電図検査を受けた際に、偶然発見されるケースも少なくありません。診断には、心電図検査が有効です。心電図検査では、心臓の電気的な活動を波形として記録することで、不規則なリズムを正確に捉えることができます。発作性心房細動の場合、心電図検査によって、心房が細かく震えている状態を確認できます。
症状 | 説明 |
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動悸 | 突然心臓がドキドキと速く脈打つ感覚。運動後や緊張状態とは関係なく起こるのが特徴。 |
息苦しさ | 心臓のポンプ機能低下により、肺に血液が滞り、呼吸が浅く速くなるために起こる。 |
胸の痛みや圧迫感 | 心臓に十分な血液が供給されなくなるために起こる。狭心症と似た症状だが、通常は短時間で治まる。 |
めまい、ふらつき | |
強い疲労感 | |
自覚症状なし | 健康診断などで心電図検査を受けた際に、偶然発見されるケースも。 |
発作性心房細動のリスク
発作性心房細動は、その名称に「発作性」という言葉が含まれているため、一時的なものであり、あまり心配する必要がないと考えてしまう方もいるかもしれません。しかし、発作性心房細動であっても、放置すると脳卒中などの重大な合併症を引き起こすリスクがあるため、注意が必要です。
発作性心房細動は、心臓の上側の部屋である心房が、発作的に細かく震えるようにけいれんする病気です。この心房のけいれんによって、心臓の中で血液がスムーズに流れなくなり、血液が滞ってしまうことで、血液の中に血の塊(血栓)ができやすくなってしまいます。
この血栓は、血流に乗って体の中を移動し、脳の血管に詰まってしまうことがあります。脳の血管が詰まると、脳への血液供給が絶たれ、脳細胞が損傷を受けてしまいます。これが脳卒中です。
また、発作性心房細動は、心不全のリスクを高めることも知られています。心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送れなくなる状態のことです。発作性心房細動によって心臓に負担がかかり続けると、心不全を引き起こしやすくなります。
このように、発作性心房細動は、放置すると命に関わるような重篤な合併症を引き起こす可能性があります。そのため、発作性心房細動と診断された場合は、医師の指示に従って適切な治療を受けることが大切です。
発作性心房細動のリスク | 詳細 |
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脳卒中 | 心房のけいれんにより血液が滞り、血栓が発生。血栓が脳の血管に詰まると脳卒中を引き起こす。 |
心不全 | 発作性心房細動による心臓への負担が、心不全のリスクを高める。 |
治療と予防
– 治療と予防発作性心房細動は、その症状を和らげ、将来的に起こりうる合併症を予防することを目的として治療を行います。治療法は、患者さん一人ひとりの症状や状態に合わせて選択され、主に以下の3つのアプローチがあります。-1. 薬物療法-心臓のリズムを正常に保つ薬や、血液をサラサラにする薬を用いる治療法です。心臓のリズムを正常化するための薬としては、抗不整脈薬と呼ばれるものがあり、これは心臓の電気信号の伝わり方を調整することで、心房細動の発生を抑えます。また、心房細動によって心臓内に血栓(血の塊)ができるリスクを減らすために、抗凝固薬を用いることもあります。抗凝固薬は、脳梗塞などの重篤な合併症を予防するために非常に重要です。-2. カテーテルアブレーション-カテーテルと呼ばれる細い管を血管を通して心臓まで挿入し、心房細動の原因となる異常な電気信号を発している部分を焼灼する治療法です。この治療法は、薬物療法で効果が不十分な場合や、薬の副作用が心配な場合に検討されます。カテーテルアブレーションは、心房細動を根治することを目指す治療法ですが、すべての人に適応があるわけではありません。-3. 生活習慣の改善-生活習慣病と心房細動は密接な関係があることが知られています。そのため、禁煙、減量、適度な運動、バランスの取れた食事、塩分制限など、健康的な生活習慣を心がけることが大切です。特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を合併している場合は、これらの病気の治療をしっかりと行うことが、心房細動の予防・改善に繋がります。
アプローチ | 説明 |
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薬物療法 | – 心臓のリズムを正常に保つ薬(抗不整脈薬) – 血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)を用いる。 |
カテーテルアブレーション | – カテーテルで心房細動の原因となる異常な電気信号を発している部分を焼灼する。- 薬物療法で効果が不十分な場合や、薬の副作用が心配な場合に検討される。 |
生活習慣の改善 | – 禁煙、減量、適度な運動、バランスの取れた食事、塩分制限などを行う。- 特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を合併している場合は、これらの病気の治療をしっかりと行う。 |
まとめ
発作性心房細動は、心臓の脈が乱れる不整脈の一種で、症状が突然現れたり消えたりするのが特徴です。この病気は放置すると、脳梗塞などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、適切な治療と管理が非常に重要になります。
発作性心房細動は、動悸や息切れ、胸の不快感といった症状が現れることがあります。こうした症状が出た場合は、できるだけ早く医療機関を受診し、専門医の診断を受けるようにしてください。また、健康診断などで心電図検査を受けた際に、発作性心房細動を指摘された場合も、自覚症状がないからといって放置せずに、必ず専門医の診察を受けるようにしましょう。
発作性心房細動の治療は、薬物療法やカテーテルアブレーションなどの方法があります。医師は、患者さんの症状や状態に合わせて、最適な治療法を選択します。
発作性心房細動は、生活習慣の改善によって予防できる可能性があります。具体的には、禁煙、節酒、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などを心がけることが大切です。健康的なライフスタイルを維持することで、発作性心房細動のリスクを減らし、健康な心臓を保つようにしましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
定義 | 心臓の脈が乱れる不整脈の一種で、症状が突然現れたり消えたりする |
症状 | 動悸、息切れ、胸の不快感 |
合併症のリスク | 脳梗塞など |
診断 | 心電図検査など |
治療法 | 薬物療法、カテーテルアブレーションなど |
予防 | 禁煙、節酒、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠 |