体の痛みとは?:体性痛について解説
病院での用語を教えて
先生、「体性痛」ってどんな痛みかよくわからないんですけど…
体の健康研究家
そうか。「体性痛」っていうのは、体の一部分で感じる痛みのことなんだ。例えば、筋肉を痛めた時の痛みや、切り傷の痛みなどが「体性痛」にあたるよ。
病院での用語を教えて
じゃあ、お腹が痛い場合はどうですか?
体の健康研究家
いい質問だね。お腹の痛みは少し複雑で、「内臓痛」という別の種類の痛みになるんだ。「体性痛」は、皮膚や筋肉、骨など、体の表面に近い部分で感じる痛みだと覚えておこう。
体性痛とは。
「体性痛」っていう言葉は、医学とか健康の話によく出てきます。「体性痛」っていうのは、痛みがどこで起きてるのかっていうことで分けられる痛みの種類のひとつです。
痛みの分類
痛みは、その原因や症状、経過などから様々な分類がされます。痛みの種類を大きく分けると、体の組織の損傷が原因で起こる「侵害受容性疼痛」と、神経系の損傷や機能異常が原因で起こる「神経障害性疼痛」の二つに分けられます。この二つに加えて、心理的な要因が大きく関与している「心因性疼痛」を分類に含めることもあります。
「侵害受容性疼痛」は、組織損傷を知らせる役割を担っており、一般的にイメージされる痛みはこちらに分類されます。例えば、切り傷や火傷、骨折などのケガによる痛みや、虫歯、関節炎、内臓疾患などによる痛みなどが挙げられます。これらの痛みは、組織の炎症が治まるとともに軽減していくことが多いです。
一方、「神経障害性疼痛」は、神経系自体が損傷を受けたり、機能異常を起こしたりすることで発生します。神経は、体の各部位からの痛みや温度などの感覚情報を脳に伝える役割を担っていますが、この神経が損傷されると、本来は痛みとして認識されないような刺激が痛みとして感じられたり、弱い刺激でも激痛になったりすることがあります。また、損傷部位だけでなく、全く別の場所に痛みを感じたり、持続的な痛みや、しびれ、灼熱感などを伴うこともあります。
このように、痛みは一括りに考えることはできず、その原因や症状によって分類されます。適切な治療を行うためには、それぞれの痛みの特徴を理解し、原因に合わせた適切な治療法を選択することが重要です。
分類 | 原因 | 特徴 | 例 |
---|---|---|---|
侵害受容性疼痛 | 体の組織の損傷 | 組織損傷を知らせる痛み、炎症が治まるとともに軽減していくことが多い | 切り傷、火傷、骨折、虫歯、関節炎、内臓疾患など |
神経障害性疼痛 | 神経系の損傷や機能異常 | 神経の損傷により、本来は痛みとして認識されない刺激が痛みとして感じられる、弱い刺激でも激痛になる、持続的な痛み、しびれ、灼熱感を伴うこともある | – |
心因性疼痛 | 心理的な要因 | – | – |
体性痛とは
– 体性痛とは体性痛とは、私たちの体の中で比較的表面に近い部分、例えば皮膚や筋肉、骨、関節といった組織が損傷を受けることで生じる痛みのことを指します。この痛みは、ズキンズキンと脈打つような感覚を伴うことが多く、比較的、痛みの発生源が分かりやすいという特徴があります。例えば、うっかり包丁で指を切ってしまった時や、転んで足を打撲してしまった時、あるいは重い物を持ち上げて腰を痛めてしまった時などに感じる痛みは、全て体性痛に分類されます。その他にも、骨折や筋肉痛、関節の炎症なども体性痛の原因となります。体性痛は、痛みの発生源によってさらに細かく分類することができます。皮膚の表面に生じる痛みは表在性疼痛と呼ばれ、比較的鋭く感じる痛みであるのに対し、筋肉や骨、関節などの体の奥深くで生じる痛みは深部痛と呼ばれ、鈍く、うずくような痛みとして感じられます。体性痛は、日常生活で頻繁に経験するありふれた痛みといえます。多くの場合、時間の経過とともに自然と治癒していきますが、痛みが強い場合や長引く場合には、医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
分類 | 特徴 | 例 |
---|---|---|
体性痛 | 皮膚、筋肉、骨、関節などの損傷による痛み | 切り傷、打撲、骨折、筋肉痛、関節の炎症 |
表在性疼痛 | 皮膚表面に生じる鋭い痛み | 切り傷など |
深部痛 | 体の奥深くで生じる鈍く、うずくような痛み | 筋肉痛、骨の痛みなど |
体性痛の二つの型
体性痛は、体の表面に近い部分で感じる痛みと、体の奥深くで感じる痛みに分けられます。
表面に近い部分で感じる痛みは、「表在性体性痛」と呼ばれ、皮膚や粘膜が傷ついた時に起こります。例えば、紙で指先を切った時や、熱い鍋に触れてしまった時などに感じる、鋭く刺すような痛みや、チクチクとした痛みが特徴です。このタイプの痛みは、傷ついた場所をすぐに認識することができます。
一方、体の奥深くで感じる痛みは、「深部体性痛」と呼ばれ、筋肉や骨、関節などに損傷が生じた時に起こります。例えば、スポーツなどで筋肉を痛めた時や、骨折をした時などに感じる、鈍く重い痛みや、うずくような痛みが特徴です。このタイプの痛みは、体の表面ではなく、体の内部から湧き上がってくるように感じることが多く、痛みの発生源を特定することが難しい場合があります。
種類 | 別名 | 原因 | 特徴 |
---|---|---|---|
体の表面に近い部分で感じる痛み | 表在性体性痛 | 皮膚や粘膜の損傷 例:切り傷、火傷 |
鋭く刺すような痛み、チクチクとした痛み 痛みの発生源が分かりやすい |
体の奥深くで感じる痛み | 深部体性痛 | 筋肉、骨、関節などの損傷 例:筋肉痛、骨折 |
鈍く重い痛み、うずくような痛み 痛みの発生源が分かりにくい |
体性痛の診断
体性痛とは、骨や筋肉、関節、皮膚など、体の表面に近い部分で発生する痛みのことを指します。この痛みは、炎症や怪我、姿勢の悪さ、使い過ぎなど、様々な原因によって引き起こされます。
体性痛の診断は、まず医師が患者さんから詳しく話を聞くことから始まります。痛みが発生した場所や、どのような痛み方をするのか、いつから痛むようになったのか、痛みが強くなる時や弱くなる時はあるか、など、様々な質問を通して痛みの特徴を把握します。
問診に加えて、体の動きや痛む部分を触診したり、レントゲン検査やCT検査、MRI検査などの画像検査を行うこともあります。レントゲン検査は、骨の状態を調べるのに有効です。CT検査やMRI検査は、骨だけでなく、筋肉や靭帯、関節の状態を詳しく調べるのに役立ちます。これらの検査によって、骨折や捻挫、関節炎などの有無を確認します。
問診や画像検査などを行っても痛みの原因が特定できない場合には、血液検査や神経学的検査など、より詳細な検査を行うことがあります。血液検査では、炎症の程度や、痛みに関連する病気の可能性を調べます。神経学的検査では、神経の圧迫や損傷の有無を調べます。
体性痛の診断では、患者さん自身の症状や訴えを丁寧に聞き取り、必要な検査を組み合わせることで、痛みの原因を特定することが重要です。
分類 | 内容 |
---|---|
定義 | 骨、筋肉、関節、皮膚など体表面に近い部分の痛み |
原因 | 炎症、怪我、姿勢の悪さ、使い過ぎなど |
診断 | 問診、触診、画像検査(レントゲン、CT、MRI)、血液検査、神経学的検査 |
診断のポイント | 痛みの場所、痛み方、期間、増悪・緩和因子などを把握し、原因を特定 |
体性痛の治療
– 体性痛の治療体性痛は、筋肉や骨、関節など、体の表面に近い組織が傷ついたり炎症を起こしたりすることで生じる痛みです。そのため、その治療法は、痛みの原因や程度、そして患者さんの状態によってさまざまです。多くの場合、まずは痛みを抑える薬が使われます。痛みの程度が軽い場合は、市販薬として薬局で購入できるものも利用できますが、痛みが強い場合は、病院で医師の診察を受け、より効果の高い薬を処方してもらう必要があります。痛みが非常に強い場合や、薬だけでは十分な効果が得られない場合は、神経ブロック療法という治療法が選択されることがあります。これは、痛みを感じている神経周辺に局所麻酔薬などを注射することで、痛みを遮断する方法です。神経ブロック療法には、比較的体の表面に近い部分を治療する「神経ブロック」と、脊髄など、より体の深部にある神経を治療する「硬膜外ブロック」などがあります。痛みが治まってきたら、リハビリテーションを行います。リハビリテーションでは、ストレッチや運動などを通して、硬くなってしまった筋肉や関節の動きを改善し、痛みの再発を予防します。また、温熱療法や物理療法なども、血行を促進し、痛みを和らげる効果が期待できます。体性痛の治療は、自己判断で行わず、必ず医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。自己判断で治療を行うと、症状が悪化したり、思わぬ副作用が出たりする可能性もあります。専門家の指示に従い、適切な治療を受けるようにしましょう。
体性痛の治療法 | 詳細 |
---|---|
痛みを抑える薬 | – 市販薬(痛みが軽い場合) – 病院で処方される薬(痛みが強い場合) |
神経ブロック療法 | – 神経ブロック:体の表面に近い部分を治療 – 硬膜外ブロック:脊髄など、体の深部にある神経を治療 |
リハビリテーション | – ストレッチ、運動:筋肉や関節の動きを改善 – 温熱療法、物理療法:血行促進、痛み緩和 |