身近に潜む鉄不足: 鉄欠乏性貧血とは

血液

身近に潜む鉄不足: 鉄欠乏性貧血とは

病院での用語を教えて

先生、『鉄欠乏性貧血』ってよく聞くけど、どんな病気なの?

体の健康研究家

そうだね。『鉄欠乏性貧血』は、血液の中で酸素を運ぶ役割をする『ヘモグロビン』を作るための『鉄分』が足りなくなることで起こる貧血だよ。

病院での用語を教えて

鉄分が足りなくなると、なんで貧血になるの?

体の健康研究家

鉄分はヘモグロビンを作るのにとても大切なんだ。鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作れなくなり、血液が全身に酸素をうまく運べなくなって貧血になってしまうんだよ。

鉄欠乏性貧血とは。

「鉄欠乏性貧血」っていう言葉は、医学や健康の分野で使われるんだけど、簡単に言うと、体の中で血液が足りなくなる「貧血」の一種です。で、この「鉄欠乏性貧血」は、血液の中で酸素を運ぶ「ヘモグロビン」っていう成分を作るのに必要な「鉄分」が足りなくなることで起こるんだ。 実は、貧血って言うと、この「鉄欠乏性貧血」である場合がとっても多くて、全体の約7割を占めているんだって。

鉄欠乏性貧血とは?

鉄欠乏性貧血とは?

– 鉄欠乏性貧血とは?鉄欠乏性貧血とは、体の中に鉄分が不足することによって起こる貧血です。 貧血とは、血液中の赤い色素であるヘモグロビンが減ってしまう状態を指します。 ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。 鉄は、このヘモグロビンを作るために必要不可欠な成分です。 体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られなくなり、その結果、酸素を全身に効率よく運ぶことができなくなってしまいます。 鉄欠乏性貧血になると、以下のような症状が現れることがあります。* 顔色が青白い* 疲れやすい* 動悸がする* めまいがする* 頭痛がする* 食欲不振* 爪が割れやすい、スプーン状になる鉄欠乏性貧血は、特に成長期のお子さんや妊娠中の女性に多く見られます。 また、月経のある女性は、月経のたびに血液とともに鉄分も失われるため、鉄欠乏性貧血になりやすいと言われています。鉄欠乏性貧血と診断された場合は、鉄剤の内服や食事療法によって治療を行います。 鉄分を多く含む食品としては、レバーやほうれん草、ひじきなどが挙げられます。

項目 説明
鉄欠乏性貧血とは 体内の鉄分不足によってヘモグロビンが十分に作られず、酸素運搬がうまくいかなくなる貧血
ヘモグロビンの役割 体中に酸素を運ぶ
鉄分の役割 ヘモグロビンを作るために必要不可欠
症状 顔面蒼白、疲労感、動悸、めまい、頭痛、食欲不振、爪の異常(割れやすい、スプーン状)
なりやすい人 成長期のお子さん、妊娠中の女性、月経のある女性
治療法 鉄剤の内服、食事療法(レバー、ほうれん草、ひじきなど鉄分を多く含む食品の摂取)

主な原因

主な原因

鉄欠乏性貧血は、体内の鉄分が不足することで起こる貧血ですが、その原因は大きく分けて三つあります。

一つ目は、鉄分の摂取不足です。食事から十分な鉄分を摂取できていない場合に起こります。例えば、偏った食事ばかりを続けている、無理なダイエットをしている、といった場合に、鉄分が不足しやすくなります。

二つ目は、鉄分の吸収不足です。十分な鉄分を摂取していても、体がうまく鉄分を吸収できない場合に起こります。胃や腸などの消化器官の病気によって、鉄分の吸収が阻害されることがあります。

三つ目は、鉄分の損失増加です。体から過剰に鉄分が失われることで起こります。女性の場合は、毎月の月経で血液が失われるため、男性に比べて鉄分が不足しやすくなっています。また、消化管出血など、出血を伴う病気によっても、鉄分は失われてしまいます。

鉄欠乏性貧血の原因 詳細
鉄分の摂取不足 食事からの鉄分摂取量が不足している状態。
例:偏った食事、無理なダイエット
鉄分の吸収不足 摂取した鉄分が体内にうまく吸収されない状態。
例:胃や腸などの消化器官の病気
鉄分の損失増加 体からの鉄分の喪失量が多い状態。
例:月経、消化管出血など

症状

症状

– 症状鉄欠乏性貧血の症状は、貧血の度合いによって大きく異なります。軽い場合は、自覚できるような症状が全くないことも少なくありません。しかし、貧血が進むにつれて、様々な症状が現れ始めます。初期症状としては、疲れやすくなり、体がだるく感じる全身倦怠感や、階段を上ったり少し動いただけでも心臓がドキドキする動悸、息苦しさを感じる息切れなどが挙げられます。また、頭を上げるとふらふらするめまいや、顔色が青白くなる顔面蒼白などもみられます。さらに貧血が進むと、食欲がなくなり、食事がおいしく感じられない食欲不振や、爪が薄くもろくなって割れやすくなる、口角が切れてしまうといった症状も現れます。重症化すると、心臓に負担がかかり、動悸や息切れが悪化するだけでなく、心不全などの心臓病を引き起こす可能性も出てきます。鉄欠乏性貧血は、初期段階では自覚症状がない場合も多いですが、進行すると様々な症状が現れ、日常生活に支障をきたす可能性もあります。気になる症状がある場合は、医療機関を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。

鉄欠乏性貧血の症状
軽度 自覚症状がない場合もある
中等度
  • 全身倦怠感(疲れやすい、体がだるい)
  • 動悸
  • 息切れ
  • めまい
  • 顔面蒼白
重度
  • 食欲不振
  • 爪が薄く、もろくなって割れやすい
  • 口角炎
  • 動悸・息切れの悪化
  • 心不全などの心臓病のリスク増加

診断

診断

– 診断

鉄欠乏性貧血かどうかを調べるためには、血液検査が欠かせません。この検査では、血液に含まれる様々な成分を分析し、貧血の状態や原因を探ります。

まず、血液中のヘモグロビン濃度を測定します。ヘモグロビンは、赤血球に含まれるタンパク質で、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。鉄欠乏性貧血の場合、ヘモグロビン濃度が低下します。

次に、ヘマトクリット値を調べます。これは、血液全体に対する赤血球の割合を示す数値です。鉄欠乏性貧血では、赤血球数が減少するため、ヘマトクリット値も低くなります。

さらに、赤血球の数を直接測定することもあります。鉄欠乏性貧血では、赤血球数が減少していることが確認できます。

これらの基本的な検査に加えて、体内の鉄の状態をより詳しく調べるために、いくつかの項目を測定します。血清鉄は、血液中の鉄の量を、フェリチンは体内に貯蔵されている鉄の量を、総鉄結合能は鉄と結合できるタンパク質の量をそれぞれ示しており、これらの数値を総合的に判断することで、鉄欠乏の程度を正確に把握することができます。

これらの検査結果に基づいて、鉄欠乏性貧血と診断された場合には、適切な治療法が決定されます。

検査項目 説明 鉄欠乏性貧血の場合
ヘモグロビン濃度 赤血球に含まれる、酸素を運ぶタンパク質の量 低下
ヘマトクリット値 血液全体に対する赤血球の割合 低下
赤血球数 赤血球の数 減少
血清鉄 血液中の鉄の量 低下
フェリチン 体内に貯蔵されている鉄の量 低下
総鉄結合能 鉄と結合できるタンパク質の量 上昇

治療

治療

– 治療鉄欠乏性貧血の治療において最も重要なことは、体内で不足している鉄分を補うことです。そのために、一般的には鉄剤を用いた治療が行われます。鉄剤は、体内への吸収効率が高く、不足している鉄分を効果的に補給することができます。しかし、鉄剤を服用すると、場合によっては便秘や胃腸障害などの副作用が現れることがあります。そのため、自己判断で服用せず、必ず医師の指示に従い、適切な量と期間を守って服用することが重要です。鉄剤による治療と並行して、食事療法も重要です。食生活において、鉄分を多く含む食品を積極的に摂取することで、鉄欠乏状態の改善を目指します。鉄分を多く含む食品としては、赤身の肉や魚、レバー、ほうれん草、ひじきなどが挙げられます。これらの食品をバランスよく食事に取り入れることで、体内の鉄分量を増やすことができます。鉄欠乏性貧血の原因によっては、鉄剤の服用や食事療法だけでは十分な効果が得られず、別の治療法が必要となる場合があります。例えば、大量の出血が原因で鉄欠乏性貧血になっている場合には、出血を止めるための治療が優先されます。また、胃や腸の病気によって鉄分の吸収が阻害されている場合には、その病気に対する治療を行う必要があります。鉄欠乏性貧血は、適切な治療を行うことで改善できる病気です。気になる症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。

治療法 詳細 注意点
鉄剤服用 体内への吸収効率が高く、不足した鉄分を効果的に補給できる。 便秘や胃腸障害などの副作用が現れる場合があるため、医師の指示に従い、適切な量と期間を守って服用する。
食事療法 鉄分を多く含む食品(赤身の肉、魚、レバー、ほうれん草、ひじきなど)を積極的に摂取する。 バランスの取れた食事を心がける。
原因に応じた治療 大量出血の場合は、出血を止める治療を優先する。胃や腸の病気で鉄分の吸収が阻害されている場合は、その病気に対する治療を行う。 自己判断せず、医療機関を受診し、医師に相談する。

予防

予防

鉄欠乏性貧血を防ぐには、毎日の食事で栄養のバランスに気を配り、鉄分をしっかりと摂ることが重要です。鉄分は体に必要な栄養素の一つであり、不足すると貧血を引き起こす可能性があります。
鉄分を多く含む食品としては、肉類では牛肉や豚肉、魚介類ではマグロやカツオ、その他にはレバーやほうれん草、ひじきなどが挙げられます。これらの食品を積極的に食事に取り入れるようにしましょう。
さらに、鉄分の吸収を助ける栄養素も一緒に摂るように心がけましょう。ビタミンCは鉄分の吸収率を高める働きがあるため、鉄分の多い食品と一緒に摂取することで、より効果的に体内に取り込むことができます。ビタミンCを多く含む食品としては、イチゴやレモン、ピーマンなどが挙げられます。
一方で、過度なダイエットや偏った食事は鉄分不足に陥りやすいため、注意が必要です。ダイエットを行う場合は、栄養バランスを崩さないように、専門家の指導を受けるようにしましょう。また、特定の食品のみを摂取する偏った食事も、鉄分をはじめとする必要な栄養素が不足する原因となります。食事は多種多様な食材をバランスよく摂取することが大切です。

鉄分を多く含む食品 鉄分の吸収を助ける食品
牛肉、豚肉
マグロ、カツオ
レバー、ほうれん草、ひじき
イチゴ、レモン、ピーマンなど

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