モートン病:足指の間の痛み
病院での用語を教えて
先生、『モートン病』って、どんな病気ですか?
体の健康研究家
足の指の間を通っている神経が圧迫されて起こる病気だよ。特に、足の親指から数えて3番目と4番目の指の間で起こりやすいんだ。
病院での用語を教えて
なぜ、その指の間で起こりやすいんですか?
体の健康研究家
足の構造上、その部分は神経が集まっていて、圧迫を受けやすいからなんだ。靴などが合わなかったり、歩き方が悪かったりすると、その部分が圧迫されてしまうんだよ。
モートン病とは。
「モートン病」は、医学や健康の分野で使われる言葉です。足指の間にある神経が圧迫されて起こる病気で、「モートン病」や「モートンのつま先痛」とも呼ばれます。特に、足の親指から数えて3番目と4番目の指の間に起こりやすく、外側からと内側からくる神経がちょうど重なるため、圧迫を受けやすい場所だと考えられています。
モートン病とは
– モートン病とはモートン病は、足の指の付け根に発生する神経の病気です。特に第3指と第4指の間に多く見られます。この病気は、足の指に向かう神経が圧迫されたり、刺激を受けたりすることで発症します。モートン病になると、強い痛みやしびれを感じることがあります。痛みの程度は、少しチクチクする程度のものから、歩くのも困難になるほどの激しいものまで様々です。また、しびれは、足の指の先端にまで広がることもあります。これらの症状は、長時間立っていたり、歩いたりした後に悪化する傾向があります。さらに、靴を脱ぐと症状が和らぐことも特徴です。モートン病の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、ハイヒールや先の細い靴など、足の指に負担をかける靴を履くことが、発症のリスクを高めるといわれています。また、偏平足や外反母趾など、足の構造的な問題も、モートン病の原因となることがあります。モートン病は、中年以降の女性に多く見られるのも特徴です。これは、女性の方がハイヒールを履く機会が多いためと考えられています。モートン病は、適切な治療を行えば症状を改善できる病気です。そのため、もし足の指の付け根に痛みやしびれを感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
項目 | 説明 |
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病気名 | モートン病 |
部位 | 足の指の付け根、特に第3指と第4指の間 |
症状 | 強い痛みやしびれ ・痛みの程度は軽度から重度まで様々 ・しびれは足の指の先端まで広がることがある ・長時間立っていたり、歩いたりした後症状が悪化する ・靴を脱ぐと症状が和らぐ |
原因 | 足の指に向かう神経の圧迫・刺激 ・ハイヒールや先の細い靴 ・偏平足や外反母趾などの足の構造的問題 |
好発 | 中年以降の女性 |
症状:足指の痛みやしびれ
– 症状足指の痛みやしびれモートン病の主な症状は、足の指の付け根に感じる痛みやしびれです。特に、歩いたり運動したりする際に症状が悪化し、まるで小石を踏んでいるような感覚や、電気が走るような痛みを感じることもあります。痛みやしびれは、足の指の付け根だけでなく、足指の先端まで広がることもあります。その場合、足指の先が痺れたり、感覚が鈍くなったりします。症状が進行すると、安静にしている時にも痛みを感じるようになり、日常生活に支障をきたすこともあります。例えば、靴を履くことや、長時間歩くことが困難になることがあります。
症状 | 詳細 |
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痛みやしびれ | 足の指の付け根から始まり、足指の先端まで広がることがある。歩行や運動で悪化し、安静時にも痛みを感じる場合がある。 |
感覚異常 | 小石を踏んでいるような感覚や、電気が走るような痛み、足指の痺れや感覚の鈍化。 |
日常生活への影響 | 靴を履く、長時間歩くなどの動作が困難になる場合がある。 |
原因:神経の圧迫
モートン病は、足の裏、特に指の付け根に鋭い痛みやしびれを引き起こす病気ですが、その主な原因は神経の圧迫にあります。
人間の足には、感覚を脳に伝えるために無数の神経が張り巡らされています。モートン病では、足の指の間を通る神経が、周囲の組織によって圧迫されることで発症します。 特に、足の甲が低く扁平になっている、いわゆる偏平足や、足の横幅が狭くアーチ状になっている部分を横アーチと呼びますが、この横アーチが低下している人は、神経が圧迫されやすい状態にあります。 つまり、足の構造的な問題が、モートン病の発生リスクを高める要因の一つと言えるでしょう。
また、日常生活における靴の選択も、モートン病と密接に関係しています。 先端が細く、かかとが高いハイヒールなどは、足の指の付け根に大きな負担をかけ、神経を圧迫しやすいため、モートン病のリスクを高めます。 ファッション性も大切ですが、足の健康を保つためには、靴選びにも注意を払う必要があるでしょう。
原因 | 詳細 |
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神経の圧迫 | 足の指の間を通る神経が、周囲の組織によって圧迫される。 |
足の構造 |
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靴の選択 | 先端が細く、かかとが高いハイヒールなどは、足の指の付け根に大きな負担をかけ、神経を圧迫しやすくなる。 |
診断:問診と診察が重要
モートン病と診断するためには、医師による患者さんへの問診と身体診察が何よりも重要になります。
まず医師は、患者さんがいつからどのような症状を感じているのか、日常生活でどのような活動が多いのかなどを詳しく聞き取ることから始めます。モートン病では、足の指の付け根に燃えるような痛みや痺れを感じることが多く、特に歩いたり走ったりする際に症状が悪化する傾向があります。また、靴の種類によって痛みの程度が変わるといった特徴も現れます。
問診に加えて、医師は患者さんの足を注意深く診察します。具体的には、足の指の付け根部分を指で押して、神経の腫れや押した際の痛みがないかを確認します。さらに、足の指を反らしたり曲げたりする動作を行ってもらい、神経が圧迫されて痛みやしびれが出現するかどうかを調べます。
問診や診察だけではモートン病と他の病気を区別することが難しい場合もあります。そのような場合には、レントゲン検査を行います。レントゲン検査では、骨に異常がないかを確認することができます。モートン病は神経の病気であるため、レントゲン検査で異常が見つからない場合もありますが、他の病気の可能性を排除するために重要な検査です。
さらに、超音波検査やMRI検査を行うことで、神経の腫れの程度や周囲の組織の状態をより詳しく調べることができます。これらの検査は、モートン病の確定診断や、より適切な治療方針を決定するために役立ちます。
診断方法 | 詳細 |
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問診 | – 症状の開始時期、種類、日常生活での活動との関連 – 歩行時や走行時の症状悪化 – 靴の種類による痛みの変化 |
身体診察 | – 足の指の付け根の神経の腫れや圧痛の確認 – 足の指の屈伸運動時の痛みやしびれの確認 |
レントゲン検査 | – 骨に異常がないか確認 – モートン病は神経の病気だが、他の病気の可能性を排除するために重要 |
超音波検査、MRI検査 | – 神経の腫れの程度や周囲組織の状態を詳細に確認 – モートン病の確定診断や治療方針決定に役立つ |
治療:保存療法が中心
– 治療保存療法が中心
モートン病の治療は、基本的には手術をせずに症状の改善を目指す保存療法が中心となります。
まずは、足の使い過ぎを避け、安静にすることが重要です。炎症を抑え、痛みを和らげるために、消炎鎮痛剤を内服したり、神経ブロック注射を行ったりすることもあります。
また、足底板(インソール)の使用も有効な治療法の一つです。足底板は、足裏のアーチを支えることで、足裏にかかる負担を分散し、神経への圧迫を軽減する効果があります。
さらに、専門家である理学療法士による指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングを行うことも大切です。これらの運動療法によって、足の柔軟性や安定性を高めることで、症状の改善を図ります。
これらの保存療法を継続的に行うことで、多くの場合、モートン病の症状は改善していきます。
モートン病の治療法 | 詳細 |
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安静 | 足の使い過ぎを避け、安静にする |
薬物療法 | 炎症を抑え、痛みを和らげるために、消炎鎮痛剤を内服したり、神経ブロック注射を行ったりする |
足底板(インソール) | 足裏のアーチを支えることで、足裏にかかる負担を分散し、神経への圧迫を軽減する |
理学療法 | 専門家である理学療法士による指導のもと、ストレッチや筋力トレーニングを行い、足の柔軟性や安定性を高める |
手術が必要な場合
痛みが続く場合、多くの場合は安静や薬といった体に負担の少ない方法で治療を行います。こうした治療を保存療法と呼びますが、保存療法で症状が改善しない場合や、手足の痺れが強くなって日常生活に支障が出てしまう場合には、手術による治療を検討することがあります。
手術では、神経を圧迫している組織を取り除いたり、神経の通り道を広げたりします。具体的には、骨の一部を削って神経の圧迫を取り除いたり、靭帯と呼ばれる組織を切開して神経の通り道を広げたりします。場合によっては、神経そのものを切断することもあります。
手術は、神経の圧迫を取り除き、症状を改善する効果が期待できますが、全ての患者さんに適応されるわけではありません。また、手術には合併症のリスクもあります。例えば、感染症や出血、神経損傷、麻痺などのリスクがあります。さらに、手術後も痛みが残ったり、症状が再発したりする可能性もあります。
そのため、手術を受けるかどうかは、医師から合併症のリスクや手術によるメリット、デメリットについて十分な説明を受け、患者さん自身がしっかりと理解した上で、最終的には患者さん自身の意思で決定することが重要です。
治療法 | 説明 | メリット | デメリット・リスク | 備考 |
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保存療法 | 安静や薬など体に負担が少ない治療 | – | – | 症状が改善しない場合や、手足の痺れが強くなった場合は手術を検討 |
手術 | 神経を圧迫している組織の除去や神経の通り道を広げる手術 ・骨の一部を削る ・靭帯を切開する ・神経を切断する |
神経の圧迫を取り除き症状の改善が期待できる | ・全ての患者に適応されるわけではない ・合併症のリスク(感染症、出血、神経損傷、麻痺など) ・術後の痛みが残る可能性 ・症状が再発する可能性 |
医師の説明をよく聞き、患者自身の意思で決定する |