腰痛の診察室:ラセーグ徴候って何?
病院での用語を教えて
先生、「ラセーグ徴候」ってどんなものですか?
体の健康研究家
良い質問だね。「ラセーグ徴候」は、仰向けに寝た状態の人の足をまっすぐ持ち上げた時に、太ももの裏側に痛みが出て、それ以上足を上げられなくなる状態のことだよ。
病院での用語を教えて
足を持ち上げただけで、どうして太ももの裏が痛くなるんですか?
体の健康研究家
それはね、腰から足にかけて伸びている神経が、腰の部分で圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで、痛みが出ているサインなんだよ。だから、「ラセーグ徴候」は、腰の病気の検査に使われることが多いんだよ。
ラセーグ徴候とは。
「ラセーグ徴候」っていう医学用語があるんだけど、これは、仰向けに寝ている人の足をまっすぐ伸ばしたまま持ち上げようとすると、太ももの後ろ側に痛みが出て、それ以上足を上げられなくなる状態のことだよ。こういう状態が見られることを「ラセーグ徴候陽性」って言うんだ。
ラセーグ徴候とは
– ラセーグ徴候とは腰痛には様々な原因が考えられますが、その中でも腰椎椎間板ヘルニアは、激しい痛みやしびれを引き起こす代表的な病気の一つです。腰椎椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板の一部が、何らかの原因で飛び出してしまい、神経を圧迫してしまうことで起こります。この腰椎椎間板ヘルニアを診断する上で、重要な検査の一つにラセーグ徴候があります。ラセーグ徴候は、腰から足にかけて伸びている坐骨神経の異常を調べる検査です。検査は、患者さんをベッドに仰向けに寝かせた状態で行います。医師が患者さんの片方の足をゆっくりと持ち上げていきます。もし、腰椎椎間板ヘルニアなどで坐骨神経が圧迫されている場合は、太ももの裏側からふくらはぎにかけて痛みやしびれが出現します。これがラセーグ徴候です。ラセーグ徴候は、腰痛の原因を特定する上で重要な手がかりとなります。しかし、ラセーグ徴候が出たとしても、必ずしも腰椎椎間板ヘルニアであるとは限りません。他の病気の可能性もありますので、医師の診察と、レントゲンやMRIなどの画像検査を組み合わせて、正確な診断を行う必要があります。
項目 | 内容 |
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疾患名 | 腰椎椎間板ヘルニア |
定義 | 背骨の間にある椎間板の一部が飛び出し、神経を圧迫する疾患 |
症状 | 激しい痛みやしびれ |
診断 | * ラセーグ徴候 * レントゲン * MRI |
ラセーグ徴候 | * 患者を仰向けに寝かせ、片足をゆっくり持ち上げる検査 * 坐骨神経が圧迫されている場合、太ももの裏からふくらはぎに痛みやしびれが出る * 腰痛の原因を特定する上で重要な手がかり * ラセーグ徴候が出ても、必ずしも腰椎椎間板ヘルニアとは限らない |
坐骨神経痛との関係
– 坐骨神経痛との関係坐骨神経痛は、腰から足にかけて伸びる坐骨神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで、腰や足に痛みやしびれが生じる病気です。ラセーグ徴候は、この坐骨神経が圧迫されている可能性を示唆する重要な所見となるため、坐骨神経痛の診断において特に重要です。ラセーグ徴候とは、仰向けに寝た状態で膝を伸ばしたまま足を持ち上げた際に、腰から足にかけて痛みやしびれが増強する現象を指します。これは、坐骨神経が緊張することで痛みやしびれが誘発されるためです。坐骨神経痛の患者では、このラセーグ徴候が陽性、つまり痛みやしびれが増強することが多く見られます。ただし、ラセーグ徴候は坐骨神経痛以外にも、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など、他の腰部の病気でも見られることがあります。そのため、ラセーグ徴候だけで坐骨神経痛と診断することはできません。医師は、問診や診察、画像検査(レントゲンやMRIなど)などの結果と組み合わせて総合的に判断する必要があります。坐骨神経痛の治療には、薬物療法、理学療法、神経ブロックなどが用いられます。原因や症状に合わせた適切な治療を行うことが重要です。
項目 | 説明 |
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ラセーグ徴候とは | 仰向けに寝た状態で膝を伸ばしたまま足を持ち上げた際に、腰から足にかけて痛みやしびれが増強する現象 |
坐骨神経痛との関係 | 坐骨神経が圧迫されている可能性を示唆する重要な所見。ただし、ラセーグ徴候だけで坐骨神経痛と診断することはできない。 |
その他の原因疾患 | 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など |
検査の実際
– 検査の実際ラセーグ徴候の検査は、患者さんに負担の少ない方法で行われます。検査は診察台に仰向けに寝た状態で始めます。医師は片方の足を持ち上げ、もう片方の足はベッドにつけたままの状態を保ちます。足を持ち上げる角度はゆっくりと、痛みやしびれが出現する角度を慎重に確認していきます。この時、患者さん自身の感覚を伝えることが重要です。痛みを感じる場合は我慢せずに医師に伝えてください。痛みやしびれの程度が強い場合は、無理に足を持ち上げ続けることはなく、検査は中断されますのでご安心ください。検査にかかる時間はわずか数秒から数十秒程度です。検査自体は痛みを伴うこともありますが、短時間で終了します。安心して検査を受けていただけるよう、医師は患者さんの状態に合わせて丁寧に検査を進めていきます。
項目 | 内容 |
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検査姿勢 | 診察台に仰向けに寝た状態 |
検査方法 | 医師が片方の足を持ち上げ、もう片方の足はベッドにつけたままの状態を保つ。足を持ち上げる角度はゆっくりと、痛みやしびれが出現する角度を慎重に確認する。 |
検査時間 | わずか数秒から数十秒程度 |
注意点 | 痛みを感じる場合は我慢せずに医師に伝える。痛みやしびれの程度が強い場合は、無理に足を持ち上げ続けることはなく、検査は中断される。 |
陽性反応が出たら
– 陽性反応が出たら坐骨神経痛の可能性を探るラセーグ徴候の検査で陽性反応が出た場合、つまり仰向けに寝た状態で足を持ち上げた際に腰から足にかけて痛みやしびれを感じた場合は、坐骨神経が圧迫されている可能性があります。坐骨神経は、腰から足にかけて伸びる人体の中で最も太い神経であり、この神経が圧迫されると、様々な症状が現れます。坐骨神経痛を引き起こす原因には、いくつかの疾患が考えられます。代表的なものとしては、腰椎椎間板ヘルニアが挙げられます。これは、背骨の間にある椎間板というクッションの役割を果たす組織の一部が飛び出してしまい、坐骨神経を圧迫してしまう病気です。また、腰部脊柱管狭窄症も坐骨神経痛の原因となります。これは、背骨の中にある神経の通り道である脊柱管が狭くなってしまい、神経を圧迫してしまう病気です。加齢に伴い、脊柱管が狭くなってしまうことが多く見られます。さらに、梨状筋症候群も坐骨神経痛の原因の一つとして考えられています。梨状筋はお尻にある筋肉で、この筋肉が硬くなってしまい坐骨神経を圧迫することで、痛みやしびれを引き起こします。ラセーグ徴候の検査で陽性反応が出た場合、医師は更に詳しく症状や原因を調べるために、MRI検査やレントゲン検査を行います。これらの検査結果と、患者さんの症状を総合的に判断した上で、適切な治療法が決定されます。坐骨神経痛は、原因や症状によって治療法が異なるため、自己判断で治療を行うことは避け、医療機関を受診することが大切です。
原因疾患 | 詳細 |
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腰椎椎間板ヘルニア | 背骨の間にある椎間板が飛び出し、坐骨神経を圧迫する |
腰部脊柱管狭窄症 | 背骨の中の神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経を圧迫する。加齢が原因でなることが多い。 |
梨状筋症候群 | お尻にある梨状筋が硬くなり、坐骨神経を圧迫する |
重要なポイント
腰や脚に痛みやしびれを感じると、多くの人が不安を抱くでしょう。特に、お尻から足にかけて電気が走るような痛みは、坐骨神経痛と呼ばれる症状の可能性があり、注意が必要です。このような症状が現れた場合、医療現場ではラセーグ徴候と呼ばれる検査が行われることがあります。
ラセーグ徴候は、患者を仰向けに寝かせた状態で、足をゆっくりと持ち上げていく検査です。この時、痛みやしびれが強くなる角度や、痛みが走る場所などを確認することで、坐骨神経痛の可能性を評価します。
しかし、重要なのは、ラセーグ徴候だけで坐骨神経痛と断定できるわけではないということです。腰痛の原因は様々であり、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、他の病気が隠れている可能性もあります。ラセーグ徴候はあくまでも、医師による診察の一環であり、他の検査結果と組み合わせることで、初めて正確な診断に繋がります。
腰や脚の痛みやしびれを放置すると、症状が悪化したり、日常生活に支障をきたす可能性もあります。自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の診断と適切な治療を受けるようにしましょう。
症状 | 検査 | 診断 | 注意点 |
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腰や脚の痛みやしびれ、お尻から足にかけて電気が走るような痛み | ラセーグ徴候:患者を仰向けに寝かせ、足をゆっくりと持ち上げて痛みやしびれが強くなる角度や、痛みが走る場所などを確認する。 | 坐骨神経痛の可能性 ただし、ラセーグ徴候だけで断定はできない。他の検査結果と組み合わせることで正確な診断が可能。 |
腰痛の原因は様々であり、 腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、他の病気の可能性もある。 自己判断せず、医療機関を受診し、医師の診断と適切な治療を受ける。 |