聴診で聞こえる「クリック音」とは?
病院での用語を教えて
先生、「クリック」って医学用語でどういう意味ですか?なんか、マウスのクリックと関係あるんですか?
体の健康研究家
面白い質問だね! 実は医学用語にも「クリック」はあるんだけど、マウスとは全く関係ないんだ。心臓の音を聞いている時に、時々「クリック」という音が聞こえることがあるんだよ。
病院での用語を教えて
心臓の音ですか?ドキドキっていう音以外に何か聞こえるんですか?
体の健康研究家
そうなんだ。「クリック」は心臓の弁がしっかり閉まらなかったりする時に聞こえる音で、病気のサインの可能性もあるんだ。だから、お医者さんは心臓の音を注意深く聞いて、異常がないかを確認しているんだよ。
クリックとは。
「クリック」という医学用語は、心臓の音を聞いて診断する際に使われます。心臓がドクン、ドクンと打つ音のうち、縮む動きの途中でパチンと高い音が聞こえることを指します。この音は、心臓の左心房と左心室の間にある僧帽弁という部分がうまく動かず、本来の位置からズレてしまうことで発生することが多いです。
心臓の音
私たちの体の中心で、休みなく働き続ける心臓。全身に血液を送るポンプとしての役割を担うこの臓器は、健康な状態であれば規則正しいリズムを刻んでいます。この生命のリズムとも例えられる音は、心臓の弁が開閉する際に発生するもので、聴診器を用いることで聞くことができます。
「ドクン、ドクン」と規則正しく聞こえるこの音は、心臓が正常に機能していることを示すサインです。聴診は、心臓の状態を把握するための基本的な診察方法であり、医師はこの音に耳を傾けることで、様々な情報を得ています。
音のリズムや強さ、音色が通常とは異なる場合、心臓の弁に異常がある可能性があります。例えば、弁が狭くなっていたり、逆に弁がうまく閉じなかったりすると、血液の流れが乱れ、雑音が発生することがあります。この雑音は、心臓の病気の兆候である可能性があり、医師は聴診によって得られた情報に基づいて、さらなる検査の必要性を判断します。
心臓の音は、私たちの健康状態を映し出す鏡のようなものです。日頃から自分の心臓の音に耳を傾け、体の異変にいち早く気付くことが大切です。
心臓の音 | 状態 | 詳細 |
---|---|---|
ドクン、ドクン (規則正しい音) |
正常 | 心臓が正常に機能しているサイン |
リズムや強さ、音色が通常と異なる | 異常 | 心臓の弁に異常がある可能性 例:弁の狭窄、弁閉鎖不全による血液の乱れと雑音 |
過剰心音
心臓がドクン、ドクンと脈打つ音は、私たちが生きていることを実感させてくれる大切なものです。普段、この音は2回に分けて聞こえ、それぞれ第一心音、第二心音と呼ばれます。しかし、心臓や血管に異常が生じると、これらの通常の心音に加えて、別の音が聞こえてくることがあります。これを過剰心音と呼びます。
過剰心音は、高音のクリック音や、低くうなるような音など、様々な音質で現れます。これらの音は、心臓の弁の動きが悪くなったり、心臓内の圧力が異常に高くなったりすることで発生します。
過剰心音は、無害なものから、重篤な心臓病の兆候であるものまで様々です。例えば、弁膜症や心房中隔欠損症などの先天性心疾患では、特徴的な過剰心音が聴取されることがあります。また、心臓発作や心不全など、生命に関わる病気のサインとして過剰心音が現れることもあります。
そのため、過剰心音が聞こえた場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の診察を受けることが重要です。過剰心音の原因を特定するために、聴診器を用いた診察に加えて、心電図検査や心臓超音波検査などの精密検査が必要となることもあります。
分類 | 説明 | 原因 | 診断 |
---|---|---|---|
心音 | 心臓がドクン、ドクンと脈打つ音 | 心臓の弁の開閉 | – |
第一心音 | 心音の1回目 | 心臓の弁の開閉 | – |
第二心音 | 心音の2回目 | 心臓の弁の開閉 | – |
過剰心音 | 通常の心音以外に聞こえる音 (高音のクリック音や、低くうなるような音など) |
– 心臓の弁の動きが悪くなる – 心臓内の圧力が異常に高くなる – 弁膜症 – 心房中隔欠損症などの先天性心疾患 – 心臓発作 – 心不全 |
– 聴診器を用いた診察 – 心電図検査 – 心臓超音波検査 |
クリック音とは
– クリック音とは心臓は全身に血液を送るポンプのような役割を担っており、休むことなく規則的に収縮と拡張を繰り返しています。この心臓の動きの一つである収縮期、つまり心臓が血液を全身に送り出す際に、ごく稀に短い高い音が聞こえることがあります。これが「クリック音」と呼ばれるものです。クリック音は、心臓の弁と、その周囲にある組織の動きが変化することで発生すると考えられています。心臓には血液の逆流を防ぐために4つの弁が存在し、これらの弁は心臓が収縮と拡張を繰り返すたびに開いたり閉じたりしています。しかし、何らかの原因で弁の動きがスムーズにいかなくなると、クリック音と呼ばれる音が発生することがあります。このクリック音自体は、必ずしも健康上の問題を示すものではありません。多くは良性のクリック音と呼ばれ、特に治療の必要もなく、健康な生活を送ることができます。しかし、クリック音の中には、心臓弁膜症などの心臓疾患が隠れている可能性もあるため、注意が必要です。心臓弁膜症は、心臓の弁が正常に機能しなくなる病気で、放置すると心臓に大きな負担がかかり、心不全などの深刻な病気を引き起こす可能性があります。そのため、クリック音が聞こえる場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、医師による診察を受けることをお勧めします。医師は聴診器を用いた診察や、必要であれば心電図や心臓超音波検査などの精密検査を行い、クリック音の原因を特定します。そして、もし心臓疾患が発見された場合には、適切な治療方針を立て、患者さんの健康を守るためのサポートを行ってくれます。
分類 | 説明 |
---|---|
心臓のクリック音 | 心臓の収縮期に稀に聞こえる短い高い音。心臓の弁と周囲組織の動きの変化によって発生する。 |
良性のクリック音 | 治療の必要がなく、健康上の問題を示さないクリック音。 |
心臓疾患の可能性があるクリック音 | 心臓弁膜症などの疾患が隠れている可能性があるクリック音。放置すると心不全などの深刻な病気を引き起こす可能性がある。 |
僧帽弁逸脱症との関連
心臓から聞こえるクリック音の原因として、比較的多く見られるのが僧帽弁逸脱症です。心臓には血液の逆流を防ぐための弁がいくつかあり、その一つである僧帽弁は、心臓の左心房と左心室の間に位置しています。
僧帽弁は、薄い弁尖と呼ばれる組織と、それに付着する腱索、乳頭筋という筋肉で構成されており、これらの構造が協調して働くことで、血液を一方通行に流す役割を担っています。
しかし、僧帽弁逸脱症では、この弁尖の一部が何らかの原因で厚く、あるいは伸びてしまうことで、左心室が収縮した際に左心房側に膨らみ込んでしまいます。この弁尖が膨らむ際にクリック音が発生すると考えられており、聴診で確認することができます。
僧帽弁逸脱症自体は比較的多く見られるものであり、自覚症状がないことも少なくありません。しかし、症状の程度によっては、動悸や息切れ、胸痛などを引き起こす場合もあり、放置すると心不全などの重篤な症状に繋がる可能性もあります。そのため、クリック音などの症状がある場合には、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
疾患名 | 僧帽弁逸脱症 |
症状 | クリック音、動悸、息切れ、胸痛など ※無症状の場合もある |
原因 | 弁尖の肥厚や伸展 |
発生機序 | 左心室収縮時に弁尖が左心房側に膨らみ込むことでクリック音が発生 |
重症化リスク | 心不全などの重篤な症状 |
対応 | 医療機関を受診し、適切な検査を受ける |
クリック音への対処
聴診器を当てて心臓の音を聞いていると、通常のドクン、ドクンという音の他に、「クリック」という音が聞こえることがあります。これは心臓の弁が正常に開閉する際に生じる音とは異なり、心臓に何らかの異常がある可能性を示唆しています。
クリック音が聞こえた場合、医師はその音の特徴だけでなく、他に症状がないか、心臓のエコー検査や心電図などの検査結果と合わせて総合的に判断し、原因を特定します。クリック音の原因として、心臓の弁に異常が生じる心臓弁膜症などが考えられます。心臓弁膜症には、弁が狭くなる狭窄症と、弁が完全に閉じなくなる閉鎖不全症があります。
心臓弁膜症が原因でクリック音が聞こえる場合、その種類や重症度に応じて、薬物療法や外科手術などの適切な治療が必要となります。一方、僧帽弁逸脱症のように、心臓の弁が少し変形しているためにクリック音が聞こえる場合でも、特に治療を必要としないこともあります。いずれにしても、重要なことは、クリック音が聞こえるからといって、自分で判断せず、必ず医師の診断を受けることです。
自己判断で放置してしまうと、病状が悪化し、命に関わる危険性もあります。医師の指示に従い、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
心臓クリック音 | 概要 | 原因 | 治療法 |
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特徴 | 通常の心臓の音(ドクン、ドクン)以外に聞こえる音 | 心臓弁膜症(狭窄症、閉鎖不全症)、僧帽弁逸脱症など | 原因や重症度による ・薬物療法 ・外科手術 ・経過観察 |
診断 | 聴診器による聴診 心臓エコー検査、心電図検査など |
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重要度 | 自己判断は危険 医師の診断が必要 |
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