全身の血管抵抗:全身末梢血管抵抗とは?

循環器

全身の血管抵抗:全身末梢血管抵抗とは?

病院での用語を教えて

先生、「全末梢血管抵抗」って、血管が血液の流れに抵抗することって書いてあるんですけど、なんで抵抗する必要があるんですか?

体の健康研究家

いい質問ですね。実は、この抵抗があるおかげで、血液を体の隅々まで送り届けることができるんです。抵抗がないと、心臓から送り出された血液は勢いよく流れすぎて、必要な場所に届かなくなってしまいます。

病院での用語を教えて

なるほど。でも、抵抗が強すぎると血液は流れにくくなってしまうんじゃないですか?

体の健康研究家

その通りです。抵抗が強すぎると血圧が上がってしまい、心臓に負担がかかってしまいます。逆に弱すぎると血圧が下がり、体が酸素不足になる可能性もあります。つまり、全末梢血管抵抗は、体の状態に合わせて、適切な強さに保たれている必要があるのです。

全末梢血管抵抗とは。

「医学や健康で使う『全末梢血管抵抗』という言葉について説明します。『全末梢血管抵抗』とは、体の隅々まで血液を送り届ける血管の中での、血液の流れにくさのことを指します。言い換えると、血液が血管の中を流れる時に受ける抵抗のことです。この言葉は、『末梢血管抵抗』や『体血管抵抗』と呼ばれることもあります。

全身末梢血管抵抗とは

全身末梢血管抵抗とは

– 全身末梢血管抵抗とは心臓から送り出された血液は、全身に張り巡らされた血管という名の通路を通って、酸素や栄養を体の隅々まで届けます。この血液の流れやすさ、つまり血液が血管壁から受ける抵抗のことを、-全身末梢血管抵抗(SVR)-といいます。イメージしやすいように、水道管を例に考えてみましょう。細い水道管に水を流そうとすると、太い水道管に比べて水は流れにくく、水圧も高くなります。これは、水道管の壁が水の流れに抵抗を与えるためです。血管も同様に、その太さによって血液の流れやすさが変化します。血管が収縮して細くなると、血液は流れにくくなり、心臓はより強い力で血液を送り出さなければなりません。その結果、SVRは上昇し、血圧も高くなるのです。反対に、血管が拡張して太くなると、血液は流れやすくなり、心臓への負担は軽減されます。この場合は、SVRは減少し、血圧は低下します。このように、SVRは血圧を調整する上で重要な役割を担っています。SVRは、自律神経やホルモン、薬物など様々な要因によって変化し、私たちの体は状況に合わせてSVRを調整することで、常に適切な血圧を保っているのです。

血管の状態 血液の流れやすさ SVR 血圧
収縮(細くなる) 流れにくい 上昇 上昇
拡張(太くなる) 流れやすい 減少 低下

全身末梢血管抵抗と血圧の関係

全身末梢血管抵抗と血圧の関係

私たちの体には、心臓から送り出された血液を全身に巡らせるための血管が網の目のように張り巡らされています。この血管の抵抗のことを全身末梢血管抵抗と呼び、血液が血管の中を流れる際に受ける抵抗のことを指します。この抵抗と血圧には、密接な関係があります。

心臓が一回の拍動で送り出す血液の量を心拍出量といいますが、血圧は、この心拍出量と全身末梢血管抵抗の両方の影響を受けます。つまり、血圧を決定づける要素として、心臓の働きと血管の状態の両方が大きく関わっているのです。

例えば、心拍出量が一定だと仮定した場合、全身末梢血管抵抗が増加すると、血液が血管の中を流れにくくなるため、血圧は上昇します。逆に、全身末梢血管抵抗が減少すると、血液はよりスムーズに流れることができるため、血圧は低下します。

これは、水道管に例えると分かりやすいかもしれません。水道の蛇口から出る水の量が一定であっても、ホースが細くなると水圧は上がり、ホースが太くなると水圧は下がります。これと同じように、全身末梢血管抵抗の変化が、血圧に直接影響を及ぼすのです。

要素 状態 血圧への影響
全身末梢血管抵抗 増加 上昇
減少 低下

全身末梢血管抵抗を調整する仕組み

全身末梢血管抵抗を調整する仕組み

私たちの体は、心臓から送り出される血液によって、酸素や栄養を全身に届け、健康な状態を保っています。この血液の流れをスムーズにし、適切な血圧を維持するために、全身の血管は絶えずその抵抗力を調整しているのです。この調整は、全身末梢血管抵抗と呼ばれる仕組みによって行われています。

全身末梢血管抵抗を調整しているのは、自律神経系、ホルモン、そして血管自体に備わった仕組みです。自律神経系は、私たちの意思とは無関係に働く神経系で、状況に応じて血管を拡張したり収縮させたりします。例えば、激しい運動をした後には、多くの酸素を必要とする筋肉へスムーズに血液を供給するために、血管は拡張して全身末梢血管抵抗は減少します。一方、出血などで blood pressure が下がった場合は、血管が収縮して全身末梢血管抵抗を増加させ、重要な臓器へ血液を優先的に送ることで、低い blood pressure を維持しようとします。

ホルモンも重要な役割を担っています。アドレナリンなど、いくつかのホルモンは血管を収縮させる働きがあり、急激な血圧低下を防ぎます。また、血管内皮細胞から分泌される一酸化窒素は、血管を拡張させる働きがあり、血圧を適切な範囲に保つのに役立っています。このように、全身末梢血管抵抗は状況に合わせて変化し、私たちの体の状態を一定に保つために重要な役割を担っています。

要素 作用
自律神経系 状況に応じて血管を拡張・収縮させる 運動時:血管拡張
出血時:血管収縮
ホルモン 血管を収縮・拡張させる アドレナリン:血管収縮
一酸化窒素:血管拡張

全身末梢血管抵抗と健康

全身末梢血管抵抗と健康

私たちの体中に張り巡らされた血管は、心臓から送り出された血液を体の隅々まで届けるという重要な役割を担っています。この血管、特に末梢血管の抵抗値が、私たちの健康状態を大きく左右することをご存知でしょうか。

全身末梢血管抵抗とは、血液が末梢血管を通る際に受ける抵抗のことを指します。この抵抗値が高くなると、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならず、体に大きな負担がかかってしまいます。

高血圧は、この全身末梢血管抵抗が慢性的に高くなった状態と言えるでしょう。血管が収縮し、血液が流れにくくなっているため、心臓は常に高い圧力で血液を送り続けなければならず、やがて心臓に疲労が蓄積していくことになります。

また、心臓のポンプ機能が低下し、十分な血液を送り出せなくなる心不全においても、全身末梢血管抵抗が大きく関わってきます。体はこのような状態になると、血液を末梢血管へ送るのを制限することで、重要な臓器に優先的に血液を届けようとします。その結果、全身末梢血管抵抗はさらに上昇し、心臓への負担が増大してしまうのです。

このように、全身末梢血管抵抗は健康を維持する上で重要な役割を担っており、そのバランスが崩れると高血圧や心不全などの循環器疾患のリスクが高まります。健康的な生活習慣を送り、血管を健やかに保つことが、ひいては全身の健康につながっていくと言えるでしょう。

項目 説明
全身末梢血管抵抗とは 血液が末梢血管を通る際に受ける抵抗のこと
高血圧との関係 全身末梢血管抵抗が慢性的に高くなった状態
血管が収縮し、血液が流れにくくなるため、心臓への負担が大きくなる
心不全との関係 心臓のポンプ機能が低下すると、体は末梢血管への血液量を制限
結果として、全身末梢血管抵抗が上昇し、心臓への負担が増大

まとめ

まとめ

私たちの体は、心臓から送り出された血液によって、酸素や栄養を全身に届けています。この血液の通り道となるのが血管ですが、血液が血管の中をスムーズに流れるためには、適切な圧力が必要です。この圧力のことを血圧と呼び、健康を維持する上で非常に重要な要素となります。

血圧を決定する要素はいくつかありますが、その中でも特に重要なのが「全身末梢血管抵抗」です。これは、心臓から送り出された血液が、全身の細い血管を流れる際に受ける抵抗のことを指します。

全身末梢血管抵抗は、普段私たちが意識することはほとんどありません。しかし、血管が収縮すると抵抗は大きくなり血圧は上昇し、逆に血管が拡張すると抵抗は小さくなり血圧は下降します。このように、全身末梢血管抵抗は、私たちの意識とは関係なく、常に変化しながら血圧を調整し、体の機能を正常に保っているのです。

全身末梢血管抵抗は、自律神経やホルモン、薬の影響などを受けることがあります。また、ストレスや運動、食事なども影響を与えることが知られています。普段は意識することが少ない全身末梢血管抵抗ですが、私たちの体が正常に機能するために、重要な役割を担っていることを理解しておくことが大切です。

要素 詳細 血圧への影響
全身末梢血管抵抗 心臓から送り出された血液が、全身の細い血管を流れる際に受ける抵抗 抵抗大 → 血圧上昇
抵抗小 → 血圧下降
血管の収縮 血圧上昇
血管の拡張 血圧下降

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