知っていますか?過活動膀胱について
病院での用語を教えて
「過活動膀胱」ってよく聞くけど、どんな病気かよくわからないです。先生、教えてください。
体の健康研究家
そうだね。「過活動膀胱」は、簡単に言うと、膀胱が自分の意思とは関係なく、勝手に活動してしまう病気なんだ。だから、急に我慢できないほど尿意を強く感じてしまうんだね。
病院での用語を教えて
膀胱が勝手に活動してしまうんですか?なんだか大変そうですね…。
体の健康研究家
そうなんだよ。夜中に何度もトイレに行きたくなったり、時には間に合わずに漏れてしまったりすることもあるんだ。ただ、これは他の病気の可能性もあるので、きちんと病院で検査してもらうことが大切だよ。
過活動膀胱とは。
「過活動膀胱」は、医学や健康で使われる言葉です。急に我慢できないほど尿がしたくなる「尿意切迫感」があり、何度もトイレに行ったり、夜中でもトイレに起きる、あるいは我慢できずに尿が漏れてしまうといった症状が出る機能の障害です。ただし、膀胱がんや膀胱炎、間質性膀胱炎、子宮内膜症、前立腺がん、前立腺炎、尿道炎などで起こる尿の問題や、尿が出ない状態、尿の量が多い状態、気持ちの問題でトイレが近くなる場合は、過活動膀胱には含まれません。
過活動膀胱とは
– 過活動膀胱とは過活動膀胱とは、尿をためておく膀胱という臓器の機能に異常が生じ、様々な排尿の症状を引き起こす病気です。健康な状態では、膀胱に尿がたまると脳に信号が伝わり、私たちは「尿がたまっている」と認識します。そして、トイレに行きたいタイミングで脳から膀胱に指令を出し、尿を排出します。しかし、過活動膀胱になると、この膀胱と脳の連携がうまくいかなくなります。膀胱にまだ十分な量の尿がたまっていないにも関わらず、脳に「尿意」の信号が送られてしまうのです。そのため、突然我慢できないような強い尿意(尿意切迫感)に襲われることが多くなります。また、このような強い尿意に何度も襲われることで、トイレに行く回数が増え、頻尿の症状が現れます。特に、夜寝ている間に何度もトイレに行きたくなってしまう夜間頻尿に悩まされる場合もあります。さらに、尿意が非常に強く、トイレに間に合わない場合、我慢できずに尿が漏れてしまう切迫性尿失禁もみられます。過活動膀胱は、加齢に伴い膀胱や神経の機能が低下することが原因で、中高年以降の方に多くみられます。しかし、若い世代でも発症する可能性は十分にあります。過活動膀胱は、生活の質を著しく低下させる病気であるため、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
症状 | 説明 |
---|---|
尿意切迫感 | 突然我慢できないような強い尿意に襲われる |
頻尿 | 尿意が強く、トイレに行く回数が増える。特に夜間頻尿に悩まされる場合もある。 |
切迫性尿失禁 | 尿意が非常に強く、トイレに間に合わない場合、我慢できずに尿が漏れてしまう。 |
過活動膀胱の原因
過活動膀胱は、急に我慢できないような尿意に襲われたり、トイレの回数が増えてしまったりする病気ですが、その原因ははっきりとは解明されていません。しかし、いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。
まず、加齢の影響は無視できません。年齢を重ねると、体の様々な機能が低下するように、膀胱や尿道の筋肉も衰えていきます。その結果、膀胱に尿を十分に貯めておくことができなくなり、頻尿や尿失禁などの症状が現れやすくなります。また、神経系の変化も関係しています。脳から膀胱への信号伝達がうまくいかなくなることで、膀胱の動きが不安定になり、過活動膀胱を引き起こすと考えられています。
さらに、他の病気が原因となることもあります。脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患によって、脳からの指令が膀胱に正しく伝わらなくなることがあります。また、糖尿病の合併症として膀胱の神経が障害され、過活動膀胱の症状が現れることもあります。その他、膀胱結石や前立腺肥大症などによって、膀胱が刺激され、過活動膀胱になることもあります。
加齢や病気以外にも、生活習慣も大きく影響しています。コーヒーやアルコールには利尿作用があり、過剰に摂取すると過活動膀胱が悪化する可能性があります。また、水分を控えることで排尿の回数を減らそうとする人もいますが、これも逆効果です。水分不足は尿が濃縮され、膀胱を刺激してしまうため、かえって頻尿につながる可能性があります。さらに、肥満も腹圧が上昇し、膀胱を圧迫するため、過活動膀胱のリスクを高めます。
このように、過活動膀胱の原因は一つではなく、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。
要因 | 詳細 |
---|---|
加齢 | 膀胱や尿道の筋肉の衰えにより、尿を十分に貯めておくことができなくなる。 |
神経系の変化 | 脳から膀胱への信号伝達の異常により、膀胱の動きが不安定になる。 |
他の病気 | 脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患、糖尿病、膀胱結石、前立腺肥大症などが原因となる。 |
生活習慣 | コーヒーやアルコールの過剰摂取、水分不足、肥満などが悪化要因となる。 |
過活動膀胱の診断
過活動膀胱の診断は、まず患者様から普段の排尿の様子について詳しくお話を伺うことから始まります。具体的には、一日に何回トイレに行くか、一回にどれくらいの量の尿が出るのか、どの程度強く尿意を感じるか、我慢できないほど急に尿意を催すことがあるか、尿が漏れてしまうことがあるかなどを伺います。
問診に加えて、尿検査と血液検査を行います。これは、膀胱炎や糖尿病など、過活動膀胱と似た症状が出る病気がないかどうかを調べるためです。尿検査では、尿中の白血球や赤血球、糖の量などを調べます。血液検査では、血糖値や腎機能などを調べます。
さらに、膀胱が正常に機能しているかを調べるために、尿流測定検査や膀胱内圧測定検査を行うこともあります。尿流測定検査では、実際に排尿してもらって尿の勢いを測定します。膀胱内圧測定検査では、細い管を膀胱に入れて膀胱内の圧力を測定します。
過活動膀胱は、他の病気と症状が似ている場合があり、特に膀胱がんや間質性膀胱炎、神経疾患などが疑われる場合は、より精密な検査が必要になります。 これらの病気の可能性を検討するために、画像検査や膀胱鏡検査などが行われることもあります。
診断項目 | 内容 | 目的 |
---|---|---|
問診 |
|
患者の排尿状態を把握する |
尿検査 |
|
膀胱炎、糖尿病などの可能性を調べる |
血液検査 |
|
糖尿病、腎臓病などの可能性を調べる |
尿流測定検査 | 尿の勢いを測定 | 膀胱の機能を評価する |
膀胱内圧測定検査 | 膀胱内の圧力を測定 | 膀胱の機能を評価する |
画像検査、膀胱鏡検査など | – | 膀胱がん、間質性膀胱炎、神経疾患などの可能性を調べる |
過活動膀胱の治療
突然訪れる尿意や頻尿に悩まされる、過活動膀胱。この病気の治療は、画一的なものではなく、その方の症状の重さや日常生活への影響などを考慮し、最適な方法が選択されます。
治療の初手として、まず始められるのが生活習慣の見直しです。コーヒーや紅茶、お酒に含まれるカフェインやアルコールは、利尿作用があるため控えるようにします。また、決まった時間にトイレに行く習慣をつけることで、膀胱のリズムを整える効果も期待できます。さらに、骨盤底筋と呼ばれる、骨盤の底に位置する筋肉を鍛える運動は、膀胱を支える力を強化し、尿漏れなどの症状改善に有効とされています。
これらの生活習慣の改善を試みても症状が改善しない場合、医師の指導のもと薬物による治療が検討されます。膀胱の筋肉の緊張状態を和らげ、尿意を抑制する薬や、神経伝達物質の働きを調整し、膀胱が過敏に反応するのを抑える薬などが処方されます。
薬物療法と並行して、行動療法を取り入れることもあります。これは、尿意を感じても、我慢する時間を少しずつ延ばしていく訓練や、あらかじめ決めた時間ごとにトイレに行くようにする訓練などを通して、膀胱の機能回復を目指すものです。これらの治療法を組み合わせることで、過活動膀胱の症状を軽減し、快適な日常生活を送ることを目指します。
治療法 | 内容 |
---|---|
生活習慣の見直し |
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薬物療法 |
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行動療法 |
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日常生活で気を付けること
日常生活において、頻尿や尿意切迫感といった症状に悩まされる過活動膀胱は、放置すると日常生活に大きな影を落とす可能性があります。しかし、適切な治療や生活習慣の改善を通して、症状を和らげ、快適な日々を送ることは十分に可能です。
まず、水分補給は、体内の水分バランスを整え、膀胱の健康を保つ上で重要です。ただし、一度に大量に摂取するのではなく、こまめに水分を摂るように心がけましょう。食事においては、栄養バランスを意識し、規則正しい食生活を送りましょう。
さらに、適度な運動は、ストレスを軽減するだけでなく、膀胱周辺の筋肉を鍛える効果も期待できます。軽い散歩やストレッチなど、無理のない範囲で体を動かす習慣を取り入れてみましょう。
これらの工夫を凝らしても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出ている場合は、決して我慢せずに、医療機関を受診してください。専門医の診断を受けることで、適切な治療法や生活指導を受けることができます。
症状 | 対策 |
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頻尿や尿意切迫感 |
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