膀胱腫瘍を内視鏡で治療!TURBTとは?
病院での用語を教えて
『経尿道的膀胱腫瘍切除術』って、どんな手術のことですか?漢字がいっぱいで、よくわからないです。
体の健康研究家
そうだね。「経尿道的膀胱腫瘍切除術」は、簡単に言うと、おしっこの通り道から膀胱の中を見て、そこで見つかった腫瘍を切除する手術のことだよ。
病院での用語を教えて
おしっこの通り道から膀胱の中が見えるんですか?
体の健康研究家
そうなんだ。細いカメラのようなものを通して、膀胱の中を観察して、腫瘍を見つけたら、そのカメラを通して手術をするんだよ。
経尿道的膀胱腫瘍切除術とは。
『経尿道的膀胱腫瘍切除術』というのは、膀胱の中にできた腫瘍やがんを手術で取り除く方法のことです。尿道から膀胱の中を見るためのできる特殊な内視鏡を使って、腫瘍やがんを切除します。
膀胱腫瘍と診断されたら
– 膀胱腫瘍と診断されたら「膀胱腫瘍」と診断を受けると、当然のことながら、驚きと不安な気持ちに襲われるでしょう。診断名は同じ「膀胱腫瘍」でも、腫瘍が体の表面に近い場所にできる「良性」の場合と、体の奥深くまで進行する可能性のある「悪性(がん)」の場合があります。膀胱腫瘍は、尿をためておくための臓器である膀胱の内側にできる腫瘍です。そして、腫瘍が良性であるか悪性であるか、腫瘍の大きさや種類、進行度合いなどによって、適切な治療法は異なってきます。初期の膀胱がんの治療法として、よく用いられるのが「経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)」です。これは、尿道から内視鏡という細い管状の医療機器を挿入し、膀胱内部を観察しながら、腫瘍を電気で切除する方法です。開腹手術と比べて体への負担が少なく、回復も早いというメリットがあります。しかし、TURBTだけで完全にがんが取りきれるとは限りません。また、がんの種類や進行度によっては、TURBT以外の治療法、例えば抗がん剤を用いた化学療法や放射線治療などを併用する必要がある場合もあります。大切なのは、医師から診断内容や治療方針について、しっかりと説明を受けることです。不安な点や疑問点は、遠慮なく医師に相談し、納得のいく治療を受けていきましょう。
膀胱腫瘍の種類 | 特徴 | 治療法 |
---|---|---|
良性 | 体の表面に近い場所にできる | – |
悪性(がん) | 体の奥深くまで進行する可能性がある | – 初期の膀胱がんの場合: ・経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT) ※ 場合によっては、抗がん剤を用いた化学療法や放射線治療などを併用 – がんの種類や進行度によって、TURBT以外の治療法を選択 |
TURBTとはどんな手術?
– TURBTとはどんな手術?TURBTは、正式には「経尿道的膀胱腫瘍切除術」と呼ばれる手術で、膀胱にできた腫瘍を取り除くことを目的としています。この手術の最大の特徴は、お腹を切ることなく、尿道から内視鏡を挿入して行う点です。内視鏡の先端には、カメラとライトが搭載されており、医師はモニター画面を通して鮮明に膀胱内部を観察することができます。また、内視鏡の先端には電気メスやレーザーなどの器具を取り付けることも可能です。これらの器具を用いることで、腫瘍を切除したり、焼き切ったりすることができます。TURBTは全身麻酔もしくは腰椎麻酔で行われ、手術時間は腫瘍の大きさや数によって異なりますが、通常は1時間程度で終了します。また、入院期間は通常1週間程度です。 TURBTは体に負担が少ない手術ではありますが、出血や感染症などの合併症が起こる可能性もゼロではありません。手術を受ける際は、医師からしっかりと説明を受け、不安な点があれば質問するようにしましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | 経尿道的膀胱腫瘍切除術 |
目的 | 膀胱腫瘍の切除 |
特徴 | お腹を切らずに尿道から内視鏡を挿入して行う |
内視鏡の先端 | カメラとライト、電気メスやレーザーなどの器具を取り付けることが可能 |
麻酔 | 全身麻酔または腰椎麻酔 |
手術時間 | 約1時間(腫瘍の大きさや数による) |
入院期間 | 約1週間 |
合併症 | 出血、感染症などの可能性あり |
TURBTのメリット
– TURBTのメリットTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)は、膀胱腫瘍の治療において広く行われている手術法です。この手術は、尿道から内視鏡を挿入し、電気メスなどを用いて腫瘍を切除する方法です。TURBTの最大のメリットは、身体への負担が少なく、患者さんの回復が早いという点にあります。従来の開腹手術では、お腹を大きく切開する必要があり、術後の傷口が大きく、出血量も多い傾向にありました。そのため、患者さんの身体への負担が大きく、術後の回復にも時間がかかっていました。また、強い痛みが伴うことが多く、入院期間も長くなる傾向がありました。一方、TURBTは、お腹を切開することなく、尿道から内視鏡を挿入して手術を行います。そのため、傷口が非常に小さく、出血量も少ないという特徴があります。そのため、術後の痛みも少なく、患者さんは術後比較的早期から歩行や食事などの日常生活を送ることができます。また、入院期間も開腹手術に比べて短く、多くの場合、1週間程度で退院することができます。このように、TURBTは、患者さんの身体への負担が少なく、術後の回復が早いという大きなメリットがあります。そのため、膀胱腫瘍の治療において、標準的な手術法として広く普及しています。
項目 | TURBT | 従来の開腹手術 |
---|---|---|
身体への負担 | 少ない | 大きい |
傷口 | 非常に小さい | 大きい |
出血量 | 少ない | 多い |
術後の痛み | 少ない | 多い |
入院期間 | 約1週間 | 長い |
回復 | 早い | 時間がかかる |
TURBTのリスク
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)は、膀胱腫瘍の診断と治療において一般的に行われる比較的安全な手術法です。しかし、TURBTも手術である以上、他の手術と同様に合併症のリスクを伴います。ここでは、TURBTに伴う可能性のあるリスクについて詳しく解説します。
まず、最も一般的な合併症として出血が挙げられます。手術中に膀胱の血管が傷つけられることで出血が起こり、場合によっては輸血が必要となることもあります。また、手術部位からの出血が長引くこともあります。
次に、細菌感染のリスクも考えられます。尿路は細菌感染のリスクが高い部位であり、手術によってそのリスクはさらに高まります。感染症を発症すると、発熱や排尿時の痛みなどの症状が現れます。重症化すると敗血症に進行する可能性もあるため注意が必要です。
さらに、膀胱に穴が開いてしまう膀胱穿孔もリスクの一つです。膀胱穿孔は、手術中に膀胱壁に過剰な力が加わることで起こります。穿孔が小さい場合は自然に治癒することもありますが、大きい場合は再手術が必要となることもあります。
また、稀ではありますが、膀胱の入り口が狭くなる膀胱頸部狭窄や、尿道が狭くなる尿道狭窄が起こる可能性もあります。これらの合併症は、排尿困難や尿閉などの症状を引き起こします。
TURBTは比較的安全な手術ではありますが、合併症のリスクを十分に理解した上で手術を受けることが重要です。不安な点や疑問点があれば、遠慮なく医師に相談するようにしましょう。
合併症 | 症状・経過 |
---|---|
出血 | 手術中・後の出血、長引く場合も。輸血が必要になることも。 |
細菌感染 | 発熱、排尿時痛。重症化すると敗血症の可能性も。 |
膀胱穿孔 | 膀胱に穴が開く。小さい場合は自然治癒、大きい場合は再手術の可能性。 |
膀胱頸部狭窄 | 膀胱の入り口が狭くなる。排尿困難、尿閉などの症状。 |
尿道狭窄 | 尿道が狭くなる。排尿困難、尿閉などの症状。 |
TURBT後の経過
経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を受けた後は、再発の可能性を抑え、健康な状態を維持するために、定期的な検査と経過観察が非常に重要となります。
TURBTは膀胱内の腫瘍を取り除く手術ですが、目に見えないレベルで腫瘍細胞が残っている可能性や、新たな腫瘍が発生する可能性も否定できません。そのため、術後も継続的な経過観察と適切な治療が必要となるのです。
具体的には、尿検査や膀胱鏡検査などを定期的に受けていただきます。これらの検査によって、再発の早期発見や新たな腫瘍の発生を早期に把握し、速やかに適切な治療を開始することができます。
また、腫瘍の種類や進行度によっては、TURBTのみで完治を目指すのではなく、追加治療を行う場合があります。追加治療としては、膀胱内に抗がん剤を注入する膀胱内注入療法や、体の免疫力を高めてがん細胞を攻撃する免疫療法などが挙げられます。
いずれにしても、治療方針は患者さん一人ひとりの状態や要望を踏まえて決定されますので、医師とよく相談し、指示に従って治療や検査を受けていきましょう。不安な点や疑問点があれば、遠慮なく医師に相談し、安心して治療に臨めるように心がけましょう。
TURBT後の経過観察と治療 | 詳細 |
---|---|
定期検査 | 尿検査、膀胱鏡検査などを定期的に実施。再発や新たな腫瘍の早期発見を目指す。 |
追加治療の可能性 | 腫瘍の種類や進行度によっては、TURBT後に膀胱内注入療法や免疫療法などの追加治療を行う場合もある。 |
治療方針 | 患者さんの状態や要望を考慮し、医師と相談の上決定。 |