排尿痛:原因と治療法
病院での用語を教えて
『排尿痛』って、細菌に感染した時以外でも起こることがあるんですか?
体の健康研究家
良い質問ですね。排尿痛の原因は細菌感染だけではありませんよ。例えば、尿道に石が詰まってしまったり、膀胱や尿道の粘膜に傷がついてしまったりすることでも起こります。
病院での用語を教えて
そうなんですね!傷って、どんな時につくんですか?
体の健康研究家
尿道はデリケートな部分なので、強い衝撃や摩擦などで傷つくことがあります。例えば、性行為や医療行為などが原因で傷がつくことがあります。
排尿痛とは。
おしっこのときに痛みがあることを「排尿痛」といいます。おしっこを出すときに、膀胱や尿道に痛みや熱さを感じます。ばい菌が入ったり、尿道の粘膜が傷ついたりすることで起こります。
排尿痛は、痛むタイミングによって分けられます。
* おしっこのはじめの頃に痛む「初期排尿痛」
これは、おしっこが炎症を起こしているところに触れることで痛みます。尿道炎、前立腺炎、尿道結石などが原因で起こります。
* おしっこの終わりの頃に痛む「終末時排尿痛」
これは、おしっこが終わるときに膀胱の表面がくっつくことで痛みます。膀胱炎や前立腺炎が原因で起こります。
* おしっこの最初から最後までずっと痛む「全排尿痛」
これは、強い炎症によって、おしっこが通るときずっと痛みます。重い急性膀胱炎や間質性膀胱炎が原因で起こります。
診断は、いつから痛むようになったか、性交渉の経験、放射線治療の経験などを伺ったり、体の状態を調べたりします。また、おしっこや分泌物を調べたり、ばい菌がいるかどうかを調べたりします。前立腺炎が疑われる場合は、肛門から指を入れて前立腺を触って調べます。尿道炎が疑われる場合は、尿道から分泌物が出ていないか調べます。ただし、ばい菌が血液に混じる可能性があるので、前立腺マッサージはしてはいけません。おしっこの検査では、ばい菌がいる場合は、膿が混じったおしっこやばい菌が混じったおしっこが見られます。ばい菌が入っていることが疑われ、熱が出たり、だるかったりといった全身の症状がある場合は、血液検査でばい菌を調べることもあります。また、必要な場合は、膀胱鏡検査を行います。
治療は、ばい菌による病気の場合は、ばい菌をやっつける薬を使います。膀胱結石は、自然に体の外に出ることもありますが、大きい場合は手術で取り除いたり、膀胱鏡を使って取り除いたり、体の外から衝撃波を当てて砕いたりすることがあります。間質性膀胱炎は、まだ確立した治療法がなく、気持ちを落ち着かせる薬やアレルギーの薬、抗アレルギー薬のスプラタストなどを使いながら、水圧をかけて膀胱を広げたり、膀胱の中に薬を入れたり、膀胱を広げる手術をしたり、膀胱の訓練をしたりします。
排尿痛とは
– 排尿痛とは排尿痛とは、読んで字のごとく、おしっこを出す際に痛みや不快感を伴う症状のことを指します。ありふれた症状であり、多くの人が経験するものではありますが、その裏側には実に様々な原因が隠れている可能性があります。痛みの感じ方は人それぞれで、焼けるような熱さを感じる灼熱感や、針で刺されたような鋭い痛み、鈍く重い痛みなど、症状は多岐に渡ります。また、痛みが出始めるタイミングも、おしっこの始めだけ、途中だけ、終わりのみなど様々です。さらに、痛みの強さも個人差があり、我慢できないほどの激しい痛みを感じることもあれば、軽い違和感程度の場合もあります。このように、排尿痛は痛みの種類、出現するタイミング、痛みの強さなど、症状が多岐にわたるため、自己判断は大変危険です。原因を特定し、適切な治療を行うためには、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医による診察を受けるようにしましょう。医師は、問診や尿検査などを通じて原因を突き止め、適切な治療法を提示してくれます。場合によっては、より専門的な検査や治療が必要となるケースもあります。
症状 | 詳細 |
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痛みの種類 |
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痛みが出るタイミング |
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痛みの強さ |
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排尿痛の原因
排尿時に痛みを感じる「排尿痛」は、多くの人が経験するありふれた症状ですが、放置すると重篤な病気が隠れている可能性もあります。今回は、排尿痛を引き起こす様々な原因について詳しく解説していきます。
最も一般的な原因として挙げられるのは、細菌による感染症です。細菌が尿道に侵入し炎症を起こす「尿道炎」や、膀胱に炎症を起こす「膀胱炎」になると、排尿時に焼けるような痛みを感じることがあります。これらの病気は、トイレの回数を我慢する、水分摂取が少ないなど、日常生活の些細な事が原因で発症するため、普段から予防を心がけることが大切です。また、性行為によってクラミジアや淋病などの性感染症に感染した場合も、排尿痛が現れることがあります。これらの病気は早期発見、早期治療が重要となるため、心当たりのある場合は医療機関を受診しましょう。
細菌感染症以外にも、尿路結石、前立腺肥大症、間質性膀胱炎なども排尿痛の原因となります。尿路結石は、尿路に結石が詰まることで激痛が走ります。結石が自然に排出されることもありますが、場合によっては手術が必要となることもあります。前立腺肥大症は、加齢に伴い前立腺が肥大することで尿道が圧迫され、排尿困難や排尿痛を引き起こします。中高年の男性に多く見られる病気ですが、近年では若い世代での発症も増えています。間質性膀胱炎は、膀胱に炎症が起こる原因不明の病気で、頻尿や排尿痛、残尿感などの症状が現れます。原因が特定されていないため、根本的な治療法は確立されていませんが、症状を和らげるための薬物療法などが行われています。
排尿痛は、原因や症状によって適切な治療法が異なります。自己判断で放置せず、医療機関を受診し適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
原因 | 詳細 | 備考 |
---|---|---|
細菌感染症 | 尿道炎や膀胱炎など、細菌が尿路に侵入し炎症を起こす。 | トイレの我慢、水分不足などが原因で発症しやすいため、予防が大切。性感染症も原因となる場合がある。 |
尿路結石 | 尿路に結石が詰まり、激しい痛みを引き起こす。 | 自然排出される場合もあるが、手術が必要となる場合もある。 |
前立腺肥大症 | 加齢に伴い前立腺が肥大し、尿道が圧迫されることで排尿困難や排尿痛を引き起こす。 | 中高年の男性に多いが、若年層の発症も増加傾向。 |
間質性膀胱炎 | 膀胱に炎症が起こる原因不明の病気。 | 頻尿、排尿痛、残尿感などの症状が現れる。根本的な治療法は確立されていない。 |
排尿痛の診断
排尿痛の診断では、まず医師による丁寧な問診が行われます。これは、いつから症状が現れたのか、痛みの強さや種類、排尿時の状態、他に症状がないかなどを詳しく把握するためです。問診によって、痛みの原因が膀胱や尿道などの尿路にあるのか、他の臓器に原因があるのかをある程度推測することができます。
問診に加えて、尿検査はほぼ確実に行われます。尿を採取し、その中に含まれる白血球や赤血球、細菌の有無を調べることで、尿路感染症の可能性を調べます。血液が混じっている場合は、結石や腫瘍の可能性も考慮されます。
尿路結石が疑われる場合は、腹部エックス線検査や超音波検査などが行われます。これらの検査によって、結石の大きさや位置を特定します。前立腺肥大症が疑われる場合は、直腸診を行い、前立腺の大きさや硬さを確認します。さらに、血液検査によって、前立腺特異抗原(PSA)の値を測定し、前立腺肥大症の進行度合いを評価します。
間質性膀胱炎は、他の病気を除外して診断されるため、膀胱鏡検査などが行われることもあります。膀胱鏡検査では、細い内視鏡を尿道から挿入し、膀胱内を観察します。これらの検査結果を総合的に判断し、排尿痛の原因を特定します。
検査 | 目的 | 対象疾患 |
---|---|---|
問診 | 痛みの原因の推測(尿路 or 他の臓器) | – |
尿検査 |
|
尿路感染症、結石、腫瘍 |
腹部エックス線検査、超音波検査 | 結石の大きさや位置を特定 | 尿路結石 |
直腸診 | 前立腺の大きさや硬さを確認 | 前立腺肥大症 |
血液検査 | 前立腺特異抗原(PSA)値の測定、前立腺肥大症の進行度合いを評価 | 前立腺肥大症 |
膀胱鏡検査 | 膀胱内を観察 | 間質性膀胱炎 |
排尿痛の治療法
排尿時に痛みを感じる「排尿痛」。このつらい症状は、原因によって適切な治療法が異なってきます。
まず、細菌感染症が原因で排尿痛が起きている場合は、抗生物質を服用することで、原因となる細菌を退治していきます。
尿の通り道に結石ができてしまう「尿路結石」も、排尿痛を引き起こす原因の一つです。この場合、結石の大きさや位置によって治療法が変わってきます。もし結石が小さければ、水分をたくさん摂ることで、尿と一緒に自然に体外へ排出されるのを待ちます。しかし、結石が大きくなってしまっている場合は、自然排出を待つことが難しくなります。体外から衝撃波を当てて結石を砕く治療や、手術によって結石を取り除く治療が必要になるでしょう。
年齢を重ねるとともに男性に多くみられる前立腺肥大症も、排尿痛の原因となりえます。この病気は、薬物療法や手術によって治療を行います。
間質性膀胱炎が原因で排尿痛が起こることもあります。しかし、間質性膀胱炎は原因がまだはっきりとは解明されておらず、根本的な治療法は確立されていません。そのため、薬物療法や、膀胱訓練などのリハビリテーションを通して症状を和らげる治療が行われています。
このように、排尿痛の治療法は原因によって様々です。自己判断で対処せずに、まずは医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
原因 | 症状 | 治療法 |
---|---|---|
細菌感染症 | 排尿痛 | 抗生物質投与 |
尿路結石 | 排尿痛 |
|
前立腺肥大症 | 排尿痛 | 薬物療法、手術 |
間質性膀胱炎 | 排尿痛 | 薬物療法、膀胱訓練などのリハビリテーション |
排尿痛の予防
毎日の生活の中で、排尿時に痛みを感じるのを防ぐためには、いくつかの点に注意することが大切です。
まず、体の中の水分が不足しないように、こまめな水分補給を心がけましょう。水分を十分に摂ることで、尿の量が増えていきます。それにより、膀胱の中にいる細菌を尿と一緒に体の外へ流し出す効果が期待できます。
また、尿意を感じたら我慢せずに、すぐにトイレに行くことも重要です。トイレに行くのを我慢すると、膀胱内に細菌が長い時間留まってしまい、その結果、細菌が原因で起こる感染症のリスクが高まってしまいます。
さらに、栄養バランスの整った食事を三食きちんと摂ることや、適度な運動、十分な睡眠時間を取ることを心がけましょう。
これらのことを継続することで、体の免疫力を高め、細菌やウイルスから体を守り、感染症を予防することに繋がります。
ポイント | 詳細 |
---|---|
水分補給 | こまめな水分補給を心がけ、尿の量を増やすことで、膀胱内の細菌を尿と一緒に体の外へ流し出す。 |
尿意を感じたら | 我慢せずにすぐにトイレに行くことで、膀胱内に細菌が長い時間留まるのを防ぐ。 |
生活習慣 | 栄養バランスの整った食事を三食きちんと摂る、適度な運動、十分な睡眠時間を取ることで体の免疫力を高める。 |