SpO2:酸素の状態を知る指標
病院での用語を教えて
先生、「SpO2」って聞いたことあるんですけど、何でしたっけ?
体の健康研究家
そうだね。「SpO2」は、簡単に言うと、血液中の酸素の量を測るものだよ。
病院での用語を教えて
血液中の酸素の量ですか?
体の健康研究家
そう。体の中に、酸素を運ぶ役割の赤い血球があるんだけど、「SpO2」はその赤い血球にどれくらい酸素がくっついているかを教えてくれるんだよ。
SpO2とは。
「SpO2(えすぴーおーつー)」は、医療や健康の分野で使われる言葉で、体の中を流れる血液のうち、心臓から送り出されたばかりの動脈血に含まれる赤血球の、酸素と結びついている割合を皮膚の上から測ったものです。指先などに光をあてて測る、非侵襲的な方法です。「経皮的動脈血酸素飽和度」を短くした言葉で、「サチュレーション」と呼ばれることもあります。
SpO2とは
– SpO2とはSpO2(エスピーオーツー)は、正式には「経皮的動脈血酸素飽和度」といい、血液中の酸素の飽和度を表す指標です。一体、この数値が何を意味するのでしょうか? 簡単に言うと、体内の血液中にどれだけの酸素が含まれているかを割合で示したものです。私達の身体は、呼吸によって肺から酸素を取り込みます。 酸素は、血液中の赤血球という細胞に含まれるヘモグロビンと結合し、体の隅々まで運搬されます。 SpO2は、このヘモグロビンが酸素とどれだけ結合しているかをパーセンテージで表しているのです。健康な人の場合、SpO2の値は通常96%以上と considered 高く、ほぼ全てのヘモグロビンが酸素と結合している状態です。 しかし、肺炎や喘息などの呼吸器疾患、心不全などの循環器疾患があると、肺から十分な酸素を取り込めなくなったり、酸素を運ぶ力が弱まったりするため、SpO2の値が低下します。 近年では、指先などに光を当てるだけで簡単に測定できるパルスオキシメーターが普及しており、健康管理や医療現場で広く活用されています。
項目 | 説明 |
---|---|
SpO2(正式名称) | 経皮的動脈血酸素飽和度 |
意味 | 血液中の酸素の飽和度を表す指標。つまり、体内の血液中にどれだけの酸素が含まれているかを割合で示したもの。 |
測定原理 | 血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが酸素とどれくらい結合しているかをパーセンテージで表す。 |
健康な人のSpO2値 | 96%以上 |
SpO2値低下の原因 | 肺炎、喘息などの呼吸器疾患や心不全などの循環器疾患があると、肺から十分な酸素を取り込めなくなったり、酸素を運ぶ力が弱まったりするため。 |
測定方法 | 指先などに光を当てるだけで簡単に測定できるパルスオキシメーターが普及。 |
測定の仕組み
– 測定の仕組み健康状態をチェックする指標の一つに、動脈血酸素飽和度というものがあります。これは、略してSpO2と呼ばれ、血液中のヘモグロビンがどの程度酸素と結びついているかを示す割合のことです。このSpO2を測定することで、体内に十分な酸素が供給されているかを把握することができます。SpO2の測定には、一般的に指先や耳たぶにクリップのような形の装置を装着します。この装置は、光を使って測定を行います。具体的には、装置から指先や耳たぶに向けて光を照射し、その光が血液中のヘモグロビンによってどのように反射されるかを分析するのです。 血液中のヘモグロビンは、酸素と結びついている状態と、そうでない状態とで、光に対する反射の仕方が異なります。この性質を利用して、反射光の変化を分析することで、ヘモグロビンがどの程度酸素と結びついているかを計算し、SpO2の値として表示することができます。
測定対象 | 測定指標 | 測定方法 | 算出方法 |
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健康状態 | 動脈血酸素飽和度(SpO2) | 指先や耳たぶにクリップ型の装置を装着し、 装置から光を照射し、血液中のヘモグロビンによる光の反射を分析 |
ヘモグロビンの酸素結合状態による光の反射の違いを分析し、 ヘモグロビンと酸素の結合度を計算 |
健康な人のSpO2
健康な人の場合、動脈血酸素飽和度(SpO2)の正常値は95~99%と言われています。これは、血液中のヘモグロビンという酸素を運ぶ役割を持つタンパク質のほぼ全てに酸素が結合している状態を示しています。
ヘモグロビンは、肺で酸素と結合し、血液の流れに乗って体中の細胞に酸素を届けます。そして、細胞から排出された二酸化炭素を受け取り、再び肺へ戻り、体外へ排出されます。SpO2は、このヘモグロビンがどれだけ酸素と結合しているかを表す指標であり、健康状態を把握する上で重要な値となります。
SpO2が95%未満の場合、酸素不足の状態である可能性が考えられます。酸素不足が続くと、倦怠感や息切れなどの症状が現れることがあります。さらに、重症化すると、意識障害や呼吸不全に陥ることもあります。
ただし、SpO2の値は、個人差や測定時の状況によって変動することがあります。そのため、SpO2の値だけをみて自己判断するのではなく、体調不良を感じた場合は、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
項目 | 説明 |
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動脈血酸素飽和度(SpO2)の正常値 | 95~99% |
SpO2が低い場合のリスク | 倦怠感、息切れ、意識障害、呼吸不全 |
注意点 | 個人差や測定時の状況によって変動するため、自己判断はせずに医療機関を受診 |
低いSpO2と病気
血液中の酸素飽和度を表す指標であるSpO2は、健康状態を把握する上で重要な値です。健康な人の場合、SpO2は通常95%以上です。しかし、SpO2の値が95%未満になると、体内で酸素が不足している状態、すなわち低酸素状態の可能性が示唆されます。
低酸素状態は、体に様々な悪影響を及ぼします。初期には、息苦しさや動悸、強い疲労感といった症状が現れます。これは、体が酸素不足を補おうと、呼吸を速くしたり、心臓をより激しく動かしたりするためです。
SpO2の低下は、肺炎や喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった呼吸器疾患が原因で起こることが多く見られます。これらの病気では、肺の機能が低下するため、十分な酸素を取り込むことが難しくなります。また、心不全などの循環器疾患も、SpO2低下の原因となります。心臓のポンプ機能が低下すると、全身への酸素供給が滞ってしまうためです。さらに、貧血も酸素運搬能力を低下させるため、SpO2の低下に繋がることがあります。
このように、SpO2の低下は様々な病気が隠れているサインの可能性があります。自己判断は危険ですので、SpO2の値が気になる場合は、医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
SpO2値 | 状態 | 原因疾患例 | 症状・影響 |
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95%以上 | 正常 | – | – |
95%未満 | 低酸素状態 |
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SpO2の重要性
近年、健康への関心の高まりとともに、自身で体調管理を行う人が増えています。その中で、「SpO2」という言葉を耳にする機会も多くなったのではないでしょうか。SpO2は、動脈血酸素飽和度を表す指標で、簡単に言うと、血液中のヘモグロビンが、どれくらい酸素と結びついているかを示すものです。
私たちの体は、呼吸によって取り込んだ酸素を、血液中のヘモグロビンが全身に運び届けています。SpO2の値が低い場合は、体に十分な酸素が行き渡っていない状態を示唆しており、肺炎や気胸などの呼吸器疾患、心臓病などの循環器疾患の可能性も考えられます。健康な人の場合、SpO2は95%以上あるのが一般的で、90%未満だと、息切れや動悸などの自覚症状が現れやすくなります。
最近では、スマートウォッチや活動量計などでも、手軽にSpO2を測定できるようになりました。日頃から自身のSpO2を把握しておくことで、健康状態の変化にいち早く気づくことができ、健康管理に役立ちます。
ただし、SpO2はあくまで目安であり、測定環境や体調によって変動することもあります。SpO2の値が低いからといって、必ずしも病気であるとは限りませんし、逆に、高ければ健康であるとも言い切れません。自己判断は大変危険ですので、SpO2の値が気になる場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けてください。
項目 | 説明 |
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SpO2とは | 動脈血酸素飽和度のこと。血液中のヘモグロビンが、どれくらい酸素と結びついているかを示す指標。 |
正常値 | 95%以上 |
低値の場合 | 体に十分な酸素が行き渡っていない状態を示唆。 肺炎、気胸などの呼吸器疾患、心臓病などの循環器疾患の可能性も。 |
90%未満の場合 | 息切れや動悸などの自覚症状が現れやすくなる。 |
測定可能な機器 | スマートウォッチ、活動量計など |
注意点 | SpO2はあくまで目安。 測定環境や体調によって変動する。 自己判断は危険なので、異常を感じたら医療機関を受診する。 |