腹水検査:病気のサインを見つける手がかり

検査

腹水検査:病気のサインを見つける手がかり

病院での用語を教えて

先生、「腹水検査」ってどんな検査ですか?

体の健康研究家

いい質問だね。「腹水検査」はお腹に水が溜まっている時に、その水を調べて病気の原因を突き止める検査だよ。

病院での用語を教えて

お腹の水を調べるんですか? 何を調べるんですか?

体の健康研究家

そうだね。水を調べることで、例えば、細菌がいるのか、炎症を起こしているのか、など色々なことがわかるんだ。これは、病気の原因を特定するためにとても役立つんだよ。

腹水検査とは。

おなかの中に水がたまっている状態を『腹水』と言いますが、『腹水検査』とは、このおなかにたまった水が一体どんな性質のものなのかを調べることで、何が原因で病気になっているのかを探る検査のことです。もし、最近おなかに水がたまり始めて、しかも原因がはっきりしない場合や、細菌によってお腹の膜が炎症を起こしているかもしれないと疑われる場合は、必ずこの腹水検査を受ける必要があります。

お腹に水が溜まる病気

お腹に水が溜まる病気

お腹に水が溜まることを腹水と言いますが、これは病気の名前ではなく、様々な病気の結果として現れる症状です。そのため、腹水が見られる場合には、その背後にある原因を突き止めることが非常に重要です。

腹水をきたす病気として代表的なものには、肝臓の病気、心臓の病気、腎臓の病気などが挙げられます。肝臓は、タンパク質の合成や解毒など、多くの重要な役割を担っていますが、肝硬変などの病気になると、腹水が溜まりやすくなります。また、心臓は、体中に血液を循環させるポンプの役割を担っていますが、心不全になると、心臓の働きが低下し、体内に水が溜まりやすくなり、腹水を引き起こすことがあります。さらに、腎臓は、血液中の老廃物を濾過して尿として排出する役割を担っていますが、腎不全になると、この機能が低下し、体内に水が溜まり、腹水が生じることがあります。

このように、腹水は命に関わる病気のサインであることも少なくありません。そのため、お腹に水が溜まったと感じた場合には、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。

臓器 病気の例 メカニズム
肝臓 肝硬変など 肝臓の機能低下により腹水が溜まりやすくなる
心臓 心不全など 心臓のポンプ機能低下により体内に水が溜まる
腎臓 腎不全など 腎臓の濾過機能低下により体内に水が溜まる

腹水検査とは

腹水検査とは

お腹に水が溜まることを「腹水」と言いますが、この腹水が一体どのような原因で引き起こされているのかを調べるために、「腹水検査」は非常に重要な役割を担っています。

腹水検査では、まずお腹に局所麻酔を施し、痛みを感じにくくした状態で、注射針を用いてお腹から少量の腹水を採取します。検査自体は10分程度で終了することがほとんどで、患者さんの負担も軽い検査と言えます。

採取した腹水は、その後、顕微鏡などを用いて詳しく分析されます。具体的には、腹水の色や濁り具合といった見た目の特徴から、含まれている細胞の種類や数タンパク質や糖の量などを調べます。これらの検査項目を総合的に判断することで、腹水が肝臓病心臓病がんなど、どのような病気が原因で引き起こされているのか、その手がかりを得ることができるのです。

項目 詳細
検査名 腹水検査
目的 腹水を引き起こしている原因を調べる
手順 1. 局所麻酔
2. 注射針で腹水を採取
所要時間 約10分
分析項目 – 色・濁り具合
– 細胞の種類・数
– タンパク質・糖の量
考えられる原因疾患 – 肝臓病
– 心臓病
– がん
– その他

腹水検査でわかること

腹水検査でわかること

お腹に水が溜まる状態を腹水と言いますが、この腹水を調べることで、病気の診断に役立つことがあります。検査では、まず腹水を目で見て、色や濁り具合を確認します。透明な場合は正常なこともありますが、黄色や茶色く濁っている場合は異常が疑われます。
次に、顕微鏡を使って、腹水の中にどんな細胞がどれくらい含まれているかを調べます。例えば、細菌感染症の場合には白血球が多く見られる傾向があります。また、がん細胞が見つかることもあり、がんの診断に繋がることもあります。
さらに、腹水に含まれるタンパク質や糖の量なども重要な情報になります。タンパク質が少なく、糖が少ない場合は細菌感染症などが疑われます。反対に、タンパク質が多く、糖が多い場合は、肝臓の病気である肝硬変などが疑われます。
このように、腹水検査は、その見た目や成分を調べることで、様々な病気の診断の手がかりを得ることができるのです。

検査項目 観察点 考えられる病気
肉眼観察 色、濁り具合 透明: 正常/異常
黄色や茶色: 異常
顕微鏡検査 細胞の種類、数 白血球増加: 細菌感染症など
がん細胞: がん
生化学検査 タンパク質、糖の量 タンパク質↓ 糖↓: 細菌感染症など
タンパク質↑ 糖↑: 肝硬変など

腹水検査はどんな時に必要?

腹水検査はどんな時に必要?

お腹に水が溜まる状態を腹水と言いますが、この腹水は、様々な原因で起こる可能性があります。原因を特定するために腹水検査を行うことがあります。

腹水検査は、原因がはっきりしない腹水が見つかった場合に、特に必要とされます。例えば、健康診断で指摘されたものの、自覚症状が全くない場合などです。また、特発性細菌性腹膜炎といって、原因となる細菌が特定できない腹膜の感染症が疑われる場合にも、腹水検査は必須です。腹膜とは、お腹の中にある臓器を包んでいる薄い膜のことです。腹膜に炎症が起こると、腹痛や発熱などの症状が現れます。

特に、発熱や腹痛を伴う腹水の場合には、緊急に検査を行う必要があります。細菌性腹膜炎などの重篤な病気が隠れている可能性があり、迅速な診断と治療が必要となる場合があるためです。

一方、すでに肝臓病など、腹水を起こす原因となる病気が分かっている場合でも、腹水検査が行われることがあります。これは、病状の変化や治療の効果を調べるためです。定期的に腹水の状態を調べることで、病気の進行度合いを把握したり、治療方針を修正したりすることができます。

このように、腹水検査は、原因不明の腹水や腹膜炎の診断、そして、既知の病気の経過観察など、様々な場面で重要な役割を果たしています。

腹水検査が必要な場合 目的
原因がはっきりしない腹水の場合
(例:健康診断で指摘、自覚症状がない)
腹水原因の特定
特発性細菌性腹膜炎が疑われる場合 腹膜炎の原因となる細菌の特定
発熱や腹痛を伴う腹水の場合 細菌性腹膜炎などの重篤な病気の迅速な診断と治療
すでに肝臓病など、腹水を起こす原因となる病気が分かっている場合 病状の変化や治療の効果の確認

腹水検査のリスク

腹水検査のリスク

お腹に水が溜まる病気を腹水と言いますが、その原因を調べるために腹水を採取して検査することがあります。検査自体は比較的安全に行えると考えられていますが、どんな医療行為にもわずかながらリスクはつきものです。

腹水検査で起こる可能性のある合併症には、出血、感染症、腹痛などがあります。検査の際に針を刺すため、お腹の中で出血が起こることがあります。また、針を刺すことで、細菌が体内に入り込み、感染症を引き起こす可能性もあります。さらに、検査後にお腹に痛みを感じる人もいます。

検査を受けるかどうかは、患者さん自身が決める必要があります。検査を受けるかどうかを決める前に、医師から検査の必要性やリスクについて十分な説明を受け、わからないことや不安なことがあれば、遠慮なく質問することが大切です。検査で得られる情報と、合併症のリスクを比較して、納得した上で検査を受けるようにしましょう。

項目 内容
病気 腹水
検査 腹水検査
リスク どんな医療行為にもわずかながらリスクはつきもの
合併症 出血、感染症、腹痛など
合併症の詳細 – 針を刺すことによる出血
– 針を刺すことによる細菌感染
– 検査後のお腹の痛み
検査の決断 患者さん自身が決める
医師の説明 検査の必要性やリスクについて医師から十分な説明を受ける
患者へのアドバイス – わからないことや不安なことがあれば遠慮なく質問する
– 検査で得られる情報と合併症のリスクを比較して納得した上で検査を受ける

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