「W」

循環器

WPW症候群:隠れた心臓の回路

- WPW症候群とはWPW症候群は、生まれたときから心臓内に、本来電気信号が通る道とは別に、異常な電気信号の通り道(副伝導路)が形成されている病気です。 健康な心臓では、電気信号は洞結節と呼ばれる場所で発生し、心房から心室へと規則正しく伝わります。この電気信号によって心臓の筋肉が収縮し、血液を全身に送り出しています。 しかし、WPW症候群の患者さんの心臓では、副伝導路の存在により、電気信号の一部が通常の経路を迂回してしまいます。 その結果、心室に異常な電気信号が伝わり、心臓が異常に速く収縮してしまうのです。これが、WPW症候群で動悸や脈が速くなる症状が現れる主な原因です。また、この異常な電気信号の伝わり方によって、心臓のリズムが乱れてしまうこともあります。 これを「発作性上室性頻拍症」と呼び、WPW症候群の患者さんに多くみられます。発作性上室性頻拍症は、突然動悸が激しくなる、息苦しくなるなどの症状が現れますが、通常は数分から数時間で自然に治まります。 WPW症候群は、健康診断などで心電図検査を受けて初めて発見されることも少なくありません。 自覚症状がない場合でも、放置すると突然の失神や、稀に心停止に至る可能性もあるため、適切な診断と治療が必要です。
資格・職種

患者さんの生活の質を高める:WOCナースの役割

近年、看護の現場では、専門性の高い知識や技術を持った看護師が求められています。その中でも、傷や人工肛門・人工膀胱、排泄のケアに特化した看護師を知っていますか?それが、「WOCナース」です。 WOCは、「創傷(Wound)」「ストーマ(Ostomy)」「失禁(Continence)」のそれぞれの頭文字をとった言葉です。つまり、WOCナースとは、傷の手当て、人工肛門や人工膀胱の管理、そして患者さんが抱える排泄の悩みに対して専門的なケアを提供する看護師のことを指します。 WOCナースになるためには、日本看護協会が実施する厳しい試験に合格する必要があります。認定資格を取得したWOCナースは、患者さん一人ひとりの状態に合わせた適切なケアを提供し、日常生活の向上をサポートするという重要な役割を担っています。 例えば、手術後や事故などで体に傷を負った患者さんに対して、WOCナースは傷の状態を見極め、適切な処置や消毒を行います。また、人工肛門や人工膀胱を造設した患者さんに対しては、使用方法の指導や生活上のアドバイスを行い、患者さんが安心して日常生活を送れるように寄り添います。さらに、排泄に悩みを抱える患者さんに対しては、原因を突き止め、適切なケアやリハビリテーションを提供することで、症状の改善を目指します。 このように、WOCナースは、専門的な知識と技術を駆使して、患者さんの生活の質の向上に大きく貢献しています。
看護技術

医療現場で使われる略語:W/C

病院や介護施設に行くと、よく見かける「W/C」という表記。これは一体何を表しているのでしょうか? 「W/C」は、英語の「Wheelchair」を省略した言葉で、日本語では「車椅子」という意味になります。つまり、「W/C」と表記されている場所は、車椅子の方が利用できるトイレのことを指します。 車椅子を利用する方にとって、トイレは段差や扉の幅など、使い勝手に大きく影響する場所です。そのため、病院や介護施設では、車椅子の方でも安心して利用できるよう、広々としたスペースや手すりなどを備えた専用のトイレが設置されていることが多く、それを分かりやすく「W/C」と表示しているのです。 カルテや指示書などで患者さんの状態を伝える際にも、「W/C」という略語が使われます。これは、その患者さんが移動に車椅子を必要とするということを医療従事者間で共有するための大切な情報となります。 このように、「W/C」は車椅子に関連した様々な意味を持つ略語として、医療や介護の現場で広く使われています。
小児科

ウィルムス腫瘍とWT1遺伝子

- ウィルムス腫瘍とはウィルムス腫瘍は、腎臓にできる悪性腫瘍です。悪性腫瘍は、一般的に「がん」と呼ばれる病気です。 小さいお子さんに発症することが多く、腎臓にできる腫瘍の中では最も多くみられます。日本では、毎年約100人の子供がウィルムス腫瘍と診断されています。ウィルムス腫瘍は、初期の段階では、ほとんど症状が現れません。そのため、健康診断や他の病気の検査で偶然発見されることも少なくありません。しかし、腫瘍が大きくなってくると、以下のような症状が現れるようになります。* お腹にしこりを触れる* 尿に血が混じる(血尿)* お腹の痛み* 発熱ウィルムス腫瘍は、早期に発見し、適切な治療を行えば治癒が期待できる病気です。そのため、お子さんに上記のような症状がみられる場合には、早めに医療機関を受診することが大切です。ウィルムス腫瘍の治療は、手術、抗がん剤を使った治療(化学療法)、放射線を使った治療(放射線療法)などを組み合わせて行います。治療法は、腫瘍の大きさや進行度、お子さんの年齢や全身状態などを考慮して決定されます。
資格・職種

WOCナース:専門性と活躍の場

- WOCナースとは?WOCナースとは、皮膚や排泄に関するケアを専門に行う看護師のことです。「WOC」は、創傷を意味する「Wound」、ストーマを意味する「Ostomy」、失禁を意味する「Continence」の頭文字からきており、それぞれの単語の頭文字をとって「WOCナース」と呼ばれています。WOCナースは、褥瘡(じょくそう)と呼ばれる、寝たきりなどによって体重がかかり続けることでできる傷をはじめ、さまざまな種類の傷の治療やケアを行います。また、手術によってお腹に作られた人工肛門や人工膀胱といったストーマの管理やケアも重要な役割です。さらに、排尿や排便をうまくコントロールできない失禁の症状を持つ患者さんに対しても、適切なケアやアドバイスを行います。WOCナースの仕事は、患者さんの身体的なケアだけにとどまりません。ストーマの造設や失禁などによって、患者さんは精神的な負担や生活上の困難を抱えることが多くあります。WOCナースは、患者さんの気持ちを理解し、寄り添いながら、精神的なサポートを行うことも求められます。また、日常生活で気を付けるべきことや、ストーマ装具の使い方、失禁に対するセルフケアの方法など、患者さんやその家族に対して丁寧な指導を行います。患者さんが安心して治療やケアを受け、一日も早く普段通りの生活を送れるようにサポートすることが、WOCナースの大切な役割と言えるでしょう。
検査

健康診断でおなじみ?WNLの意味とは

健康診断の結果票などで「WNL」という略語を見かけることがあるかもしれません。これは Within Normal Limits の略で、「正常範囲内」という意味です。 WNLは、血液検査や尿検査などで得られた数値データに対して使われることが多いです。例えば、血糖値やコレステロール値などが、年齢や性別を考慮した標準的な範囲内であれば「WNL」と記載されます。これは、検査結果が異常値を示していないことを意味し、特に心配する必要がないことを示唆しています。 ただし、WNLはあくまでも検査結果が正常範囲内にあることを示すだけであり、健康状態を完全に保証するものではありません。例えば、自覚症状がないにもかかわらず、ある検査項目が正常範囲ギリギリの場合や、経過観察が必要な場合があります。また、検査項目によって正常範囲が異なることや、個人差があることにも注意が必要です。 健康診断の結果は、医師に相談し、自身の健康状態を正しく理解することが重要です。検査結果がWNLであっても、気になる症状や不安があれば、医師に相談するようにしましょう。
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