「と」

歯科・口腔

ドライマウス:知っておきたい原因と対策

- ドライマウスとは? ドライマウスとは、唾液の量が減ったり、唾液の性質が変わったりすることで、口の中が乾いた状態を指します。私たちは普段、特に意識しなくても自然と唾液が出ていますが、様々な原因によってこの働きが妨げられ、ドライマウスになってしまうことがあります。 唾液は、食べ物を消化しやすくするだけでなく、口の中に住む細菌の増殖を防ぐ、歯の再石灰化を助けるなど、重要な役割を担っています。 ドライマウスになると、口臭が強くなったり、虫歯や歯周病になりやすくなったりするだけでなく、食事の味が分かりにくくなる、うまく話せなくなるなど、日常生活に影響が出ることもあります。
その他

糖尿病が引き起こす足病変:糖尿病足病変とは?

- 糖尿病足病変とは糖尿病は、血液中の糖分を調節するインスリンというホルモンが十分に働かなくなる、あるいは体がインスリンをうまく利用できなくなることで発症する病気です。このインスリンの作用不足によって、血液中に過剰な糖分が滞ってしまう状態が高血糖です。糖尿病足病変は、この高血糖状態が長く続くことで引き起こされる合併症の一つで、足にさまざまな症状が現れます。糖尿病によって高血糖状態が続くと、足の神経や血管に障害が生じます。神経障害によって足の感覚が鈍くなり、痛みや温度を感じにくくなってしまうため、知らず知らずのうちに足に傷を負ってしまっても気づかないことがあります。また、血管の障害によって血流が悪くなると、傷の治りが遅くなり、細菌などに感染しやすくなります。こうした状態が悪化すると、足には潰瘍や壊疽といった深刻な病変が生じます。潰瘍は皮膚や皮下組織が欠損した状態で、細菌感染を伴うことが多く、強い痛みを伴います。壊疽は組織が壊死した状態で、黒く変色したり、悪臭を放ったりします。糖尿病足病変は、放置すると日常生活に支障をきたすだけでなく、最悪の場合は足を切断しなければならなくなることもあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。そのため、糖尿病と診断された方は、足の症状に注意し、定期的な検査を受けるように心がけましょう。
脳・神経

糖尿病神経障害:高血糖が引き起こす神経の合併症

- 糖尿病神経障害とは糖尿病神経障害は、長期間にわたる高血糖状態によって引き起こされる、神経の合併症です。私たちの体には、脳からの指令を全身に伝えたり、外部からの刺激や感覚を脳に届けたりする、神経という組織が張り巡らされています。この神経は、高血糖状態が続くことでダメージを受けたり、栄養を運ぶ血管が詰まったりすることで、その働きが鈍くなってしまうことがあります。これが糖尿病神経障害と呼ばれる状態です。神経は、大きく分けて感覚神経、運動神経、自律神経の3つに分類されます。糖尿病神経障害は、これらの神経のうちどれが障害されるかによって、現れる症状が異なってきます。例えば、感覚神経が障害されると、手足にしびれや痛み、感覚の鈍さなどが現れます。運動神経が障害されると、筋力低下や歩行障害などが起こりやすくなります。また、自律神経が障害されると、便秘や下痢、立ちくらみ、発汗異常など、様々な症状が現れることがあります。糖尿病神経障害は、糖尿病患者全体の約3割にみられると言われています。初期には自覚症状が出にくいこともありますが、症状が進行すると日常生活に支障をきたす場合もあります。そのため、早期発見と適切な治療、そして日々からの血糖コントロールが非常に重要です。
泌尿器

糖尿病と性機能: 知っておきたい関係性

糖尿病は、血液中の糖の濃度が高くなる病気で、全身に様々な影響を及ぼします。その影響は、体の大切な機能の一つである性機能にも及びます。 高血糖の状態が長く続くと、血管や神経が傷つけられ、それが性機能の低下につながることがあるのです。 男性の場合、糖尿病の影響で勃起障害や射精障害が起こることがあります。勃起障害とは、性的に興奮しても陰茎が硬くならない、または硬さを維持できない状態を指します。また、射精障害は、射精がうまくいかない、あるいは全くできない状態を指します。 一方、女性の場合は、膣の潤いが不足したり、性交時に痛みを感じたりすることがあります。膣の潤いが不足すると、性交時に痛みを感じやすくなるだけでなく、性感染症のリスクも高まります。 これらの症状は、性生活の満足度を低下させるだけでなく、精神的なストレスやパートナーとの関係悪化にもつながる可能性があります。 糖尿病と診断された方は、これらの症状が出現する可能性があることを理解し、気になることがあれば、医師に相談することが大切です。
目・眼科

糖尿病が招く目の病気:糖尿病黄斑症

- 糖尿病黄斑症とは 糖尿病黄斑症は、糖尿病が原因で起こる目の病気の一つです。糖尿病になると、血液中にあるブドウ糖という糖の量が増えすぎてしまいます。この状態が長く続くと、全身の血管に悪い影響が出てきます。 目は、カメラに例えると、レンズを通して入った光をフィルムに届けています。このフィルムの役割をする部分が網膜と呼ばれ、たくさんの血管が通っています。糖尿病によって血液中のブドウ糖が増えすぎると、網膜の血管も傷つけられてしまい、様々な異常が起こります。これが糖尿病黄斑症です。 糖尿病黄斑症になると、物が歪んで見えたり、視界の中央が暗くなったり、視力が低下したりすることがあります。進行すると失明する可能性もあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。 糖尿病の方はこの病気にかかりやすいため、定期的に眼科を受診し、眼底検査などを受けるようにしましょう。また、血糖値を適切にコントロールすることも、糖尿病黄斑症の予防や進行抑制に繋がります。
目・眼科

糖尿病と目の合併症:糖尿病網膜症

- 糖尿病網膜症とは 糖尿病網膜症は、高血糖状態が長く続くことで発症する病気です。体内にある糖分は、通常、インスリンというホルモンの働きによってエネルギーに変換され、全身の細胞に行き渡ります。しかし、糖尿病の患者さんの場合、インスリンの分泌量が少なかったり、インスリンがうまく働かなかったりするため、血液中に糖分が過剰に存在する高血糖状態になってしまいます。 この高血糖状態が続くと、眼球の奥にある網膜という組織の血管が傷ついてしまいます。網膜は、カメラに例えるとフィルムの役割を果たす重要な組織です。外界から入ってきた光を感じて、それを電気信号に変換し、視神経を通して脳に視覚情報を送る役割を担っています。 この網膜に異常が生じると、視覚に様々な影響が出ます。初期段階では、物が歪んで見えたり、視界の中央がぼやけたりするなどの症状が現れます。さらに症状が進行すると、視力が低下し、最悪の場合、失明に至ることもあります。 糖尿病網膜症は、失明原因の上位に位置する病気です。早期発見、早期治療が非常に重要になりますので、糖尿病と診断された方は、定期的に眼科を受診し、網膜の状態を検査するようにしてください。
食生活

三大栄養素の一つ!糖質のひみつ

- 糖質とは?糖質は、私たちが健康的な生活を送る上で欠くことのできない栄養素の一つであり、たんぱく質、脂質と並んで三大栄養素と呼ばれています。日々の食事の中で、私たちが特に多く口にする機会のある、ご飯、パン、麺類といった主食に多く含まれており、体や脳を動かすために必要なエネルギー源となります。口にした糖質は、体の中で消化、吸収され、最終的にブドウ糖へと分解されます。このブドウ糖は、血液によって体中の細胞に運ばれ、筋肉や脳を動かすためのエネルギーとして利用されます。激しい運動をした後や頭を使った後などに、甘いものが欲しくなるのは、消費したエネルギーを補うために、体がブドウ糖を必要としているためです。また、糖質はエネルギー源としてだけではなく、細胞を構成する重要な成分としても働いています。私たちの体は、無数の細胞が集まってできていますが、その細胞の膜や、遺伝情報を持つDNAなどは、糖質が重要な役割を果たしています。このように、糖質は私たちが生きていく上で欠かせない役割を担っているため、毎日の食事からバランスよく摂取することが重要です。
生活習慣病

生活習慣病としての糖尿病

- 糖尿病とは糖尿病は、血液中に含まれるブドウ糖の濃度が高くなる病気です。食事から摂取したご飯やパンなどに含まれる糖質は、体内でブドウ糖へと変化し血液中に放出されます。通常、このブドウ糖は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きによって、筋肉や脂肪細胞に取り込まれます。取り込まれたブドウ糖は、私たちが活動するためのエネルギー源として利用されたり、脂肪として蓄えられたりするのです。 しかし、糖尿病の場合、インスリンが十分に分泌されなかったり、分泌されていてもその働きが弱まっていたりするため、ブドウ糖がうまく利用されず、血液中に溜まってしまいます。この状態が続くと、様々な合併症を引き起こす可能性があります。 糖尿病には、主に1型糖尿病、2型糖尿病、その他の特定の病気に伴う糖尿病、妊娠糖尿病の4つのタイプがあります。1型糖尿病は、インスリンをほとんど、あるいは全く分泌することができない状態であり、主に小児期に発症します。2型糖尿病は、インスリンの分泌量が少なくなったり、働きが悪くなったりすることで起こる糖尿病で、日本人の糖尿病のほとんどがこのタイプに当てはまります。その他の特定の病気に伴う糖尿病は、膵臓の病気やホルモンを産生する腫瘍などが原因で発症します。妊娠糖尿病は、妊娠中に発見される糖尿病で、多くの場合、出産後に改善します。 糖尿病は初期段階では自覚症状が出にくい病気ですが、放置すると血管や神経に障害を起こし、様々な合併症を引き起こす可能性があります。糖尿病の予防や早期発見、適切な治療を行うことが重要です。
資格・職種

災害医療の最前線!トリアージナースの役割とは?

- トリアージナースとは? トリアージナースとは、大規模な事故や災害、あるいは多くの傷病者が搬送されてくる状況下で、その場にいる医療従事者の一員として、治療の順番を決める役割を担う看護師のことです。 事故や災害の現場は、一度に多くの人が怪我を負い、病院に搬送されてくるため、病院内は大変な混乱状態となります。このような状況では、限られた医療資源(医師や看護師、ベッドの数など)の中で、一人でも多くの命を救うために、治療の緊急度が高い人から優先的に治療を行う必要があります。 そこで、トリアージナースは、傷病者の症状や状態を素早く観察し、的確な判断力と冷静な対応力を持って、治療の優先順位を決定していきます。一刻を争う緊迫した状況下で、冷静かつ迅速な判断が求められる、非常に責任の重い仕事です。

関節リウマチ治療の新しい選択肢:トファシチニブ

- トファシチニブとはトファシチニブは、「ゼルヤツ®」という商品名で処方される飲み薬で、関節リウマチの治療に用いられます。関節リウマチは、免疫の異常によって自分の体の関節を攻撃してしまう病気で、関節の痛みや腫れ、朝のこわばりといった症状が現れます。放っておくと関節が破壊され、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。トファシチニブは、従来の治療薬とは異なる新しい仕組みで効果を発揮します。従来の薬は、炎症を引き起こす物質を直接抑えることで効果を発揮していました。一方、トファシチニブは、炎症を引き起こす細胞内の信号伝達を阻害することで、炎症を抑えます。この新しい作用機序によって、トファシチニブは関節の炎症と破壊を抑制し、病気の進行を抑える効果が期待できます。具体的には、関節の痛みや腫れを軽減し、関節の破壊の進行を遅らせることで、患者さんの日常生活の改善に貢献します。しかし、トファシニブは新しいタイプの薬であるため、従来の薬とは異なる副作用が現れる可能性もあります。そのため、服用を開始する前には、医師とよく相談し、副作用のリスクや注意点について十分に理解しておくことが重要です。
その他

特定機能病院:高度医療の最前線

- 特定機能病院とは特定機能病院は、特定の病気や怪我に対して高度で専門的な医療を提供することに特化した病院です。これらの病院は、がん、心臓病、脳血管障害、先天性心疾患、糖尿病などの生命を脅かす可能性のある病気や、高度な医療技術を必要とする治療を専門としています。特定機能病院には、それぞれの専門分野において豊富な経験と高い技術を持つ医師や看護師、薬剤師、理学療法士など、多くの医療専門職が働いています。彼らは、患者一人ひとりの状態に合わせて、最適な治療計画を作成し、チームで医療を提供します。また、特定機能病院には、最新の医療機器や設備が導入されています。例えば、高精度な画像診断装置、手術支援ロボット、放射線治療装置などがあり、より正確な診断と治療を可能にしています。さらに、治験や臨床研究にも積極的に取り組んでおり、新しい治療法や薬の開発にも貢献しています。特定機能病院は、他の医療機関では対応が難しいような複雑な病気や怪我の治療にも対応することができます。そのため、他の病院から紹介されて受診する患者も多くいます。医療の質の向上、医療技術の進歩、人材育成などにおいて中心的な役割を担っています。
救急

特定集中治療室:より高度な医療を提供する場

- 集中治療室とは集中治療室(ICU)とは、病気や怪我の症状が重く、命に関わるような危険な状態にある患者さんを対象に、24時間体制で集中的な治療と看護を行うことを目的とした、病院の中でも特別な設備の整った病室です。この病室には、人工呼吸器や心臓カテーテルなど、生命維持に必要な高度な医療機器が備えられています。これらの機器を用いることで、患者さんの状態を詳細に把握し、適切な治療や処置を迅速に行うことが可能になります。ICUでは、専門的な知識や技術を持った医師や看護師がチームを組んで、患者さんの状態を常に監視し、きめ細やかな医療を提供しています。医師は、麻酔科、呼吸器科、循環器科など、様々な分野の専門医で構成され、それぞれの専門知識を生かして、患者さんにとって最適な治療方針を決定します。看護師もまた、集中治療の専門的な知識や技術を習得しており、医師の指示のもと、患者さんの状態観察や医療処置、日常生活の援助などを行います。ICUで治療を受ける患者さんは、交通事故による多発外傷、重い心臓病や脳卒中、大手術後の回復期など、その症状は多岐にわたります。このように、ICUは、様々な病気や怪我の患者さんにとって、命をつなぐための最後の砦としての役割を担っています。
資格・職種

特別養護老人ホームとは?その役割と入居条件について

- 特別養護老人ホームの概要 特別養護老人ホーム、通称「特養」は、寝たきりや認知症などで日常生活に常時介護が必要な高齢者が、安心して生活を送ることのできる施設です。 国が定めた基準に基づいて運営される公的な福祉施設であり、社会福祉法人や地方自治体、一部民間事業者などが運営主体となっています。 全国各地に多くの施設があり、高齢化社会のニーズの高まりとともに、その数は増加傾向にあります。 特養は、単なる住居の提供に留まらず、食事、入浴、排泄などの日常生活の支援から、健康管理、リハビリテーション、レクリエーションなどのサービスを提供します。 これらのサービスを通して、高齢者の心身の状態を維持・改善し、可能な限り自立した生活を送れるよう支援することを目的としています。 また、家族の負担軽減にも大きく貢献しており、高齢者を支える社会的な役割を担っています。
外科

手術後の回復における同化期:体の再建

- 体の回復段階私たちは、手術や怪我を負うとその瞬間から、体が本来持つ自然な回復力によって、健康な状態へと向かい始めます。この回復のプロセスは、大きく4つの段階に分けられます。最初の段階は、障害・傷害期と呼ばれる時期です。この時期は、文字通り体に損傷が生じた直後から始まり、炎症反応が強く現れます。患部が赤く腫れ上がったり、熱を持ったり、痛みを感じるのは、体が傷を治そうと懸命に働いている証拠です。この時期には、安静にして患部を冷やし、炎症を抑えることが大切になります。次の段階は、転換期と呼ばれ、炎症反応が徐々に治まり、体が次の段階へと移行する準備期間にあたります。この時期には、傷口が塞がり始め、腫れや熱も引いていきます。しかし、まだ痛みは残っている場合があり、無理は禁物です。そして、同化・筋力回復期に入ります。この時期の特徴は、損傷した組織の修復が本格的に始まり、新しい細胞が作られていくことです。この時期には、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素を積極的に摂ることが重要になります。これらの栄養素は、細胞の修復や再生に欠かせない役割を果たします。最後の段階は、脂肪蓄積期です。この時期になると、見た目には傷が完全に治ったように見えるかもしれません。しかし、体の中ではまだ組織の修復が続いており、完全に回復したとは言えません。この時期には、油断せずにバランスの取れた食事を心がけ、再発を防ぐとともに、健康な状態を維持していくことが重要になります。このように、体の回復は段階的に進んでいきます。それぞれの段階に合わせた適切な処置や栄養管理を行うことで、よりスムーズに回復へと導くことができるのです。
外科

命をつなぐ尊い行為:ドナーについて

病気や事故などによって、体の一部が機能しなくなってしまうことがあります。その結果、日常生活に支障をきたしたり、命に関わるような深刻な状況に陥ったりすることも少なくありません。そのような患者さんの命を救うために、臓器移植という治療法があります。臓器移植は、機能を失った臓器の代わりに、健康な臓器を移植する治療法です。臓器を提供してくれる人のことを、ドナーと呼びます。 ドナーには、大きく分けて2つの種類があります。1つは、ご自身が亡くなられた後に臓器を提供する「脳死ドナー」と、もう1つは、生きている間に臓器の一部を提供する「生体ドナー」です。脳死ドナーは、心臓死とは異なり、脳の機能が完全に停止した状態を指します。この状態でも、心臓や肺など、他の臓器は機能していることがあります。そのため、人工呼吸器などを用いることで、心臓を動かし続けながら臓器を摘出することが可能になります。一方、生体ドナーは、主に親族間で、腎臓や肝臓の一部などを提供します。 ドナーから提供される臓器は、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓、小腸、眼球など、多岐にわたります。これらの臓器は、移植を必要とする患者さんの体内に移植され、再びその機能を取り戻すことが期待されます。ドナーは、まさに他の人の命と未来を救う、尊い贈り物をする存在と言えるでしょう。
PAGE TOP