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産婦人科

性ステロイドホルモン:体の発達と機能の鍵

人間の体は、まるで精巧に組み立てられた機械のように、様々な部品が協調して働いています。その中で、ホルモンは、それぞれの部品へ情報を伝え、体が正しく動くように調整する役割を担っています。 ホルモンには様々な種類がありますが、今回は「性ステロイドホルモン」についてお話します。性ステロイドホルモンは、男性らしさや女性らしさといった特徴に深く関わるだけでなく、子供を作る能力にも大きく影響を与えます。 思春期に差し掛かると、性ステロイドホルモンの影響で、男女それぞれに特有の変化が現れ始めます。男性では声が低くなり、髭が生え始めます。女性では胸がふくらみ、月経が始まります。 性ステロイドホルモンは、心や体の健康にも密接に関わっています。しかし、そのバランスが崩れてしまうと、様々な不調が現れることもあります。 今回の記事では、性ステロイドホルモンの働きや、それが私たちの体に及ぼす影響について、詳しく解説していきます。
皮膚科

接触性皮膚炎:原因と症状、予防策を解説

- 接触性皮膚炎とは接触性皮膚炎は、特定の物質が肌に触れることで、その部分が赤くなったり、かゆみを伴ったり、水ぶくれができたりする、ありふれた皮膚の病気です。 この炎症は、原因となる物質に触れた部分だけに現れ、一般的に「かぶれ」と呼ばれる状態です。原因となる物質は実に様々で、私たちの身の回りにあふれています。例えば、化粧品、洗剤、金属、ゴム製品、植物などは、日常生活で触れる機会が多く、誰にでも発症する可能性があります。また、特定の職業の人に多く見られるものもあります。例えば、美容師ではシャンプーやパーマ液、医療従事者では消毒薬やゴム手袋、建築作業員ではセメントや塗料などが原因となることがあります。接触性皮膚炎は大きく分けて、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2つのタイプに分けられます。刺激性接触皮膚炎は、触れた瞬間に強い刺激を感じるような物質が原因で起こり、ほとんどの人に発症する可能性があります。一方、アレルギー性接触皮膚炎は、特定の物質に対してアレルギー反応を起こしやすい人が、その物質に繰り返し触れることで発症します。接触性皮膚炎の治療は、まず原因となる物質を特定し、それから遠ざかることが重要です。症状を抑えるためには、ステロイド外用薬などが処方されます。症状が重い場合は、ステロイドの内服薬や注射薬が使用されることもあります。日頃から、身に付けるものや使用するものに注意し、皮膚に異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

生理食塩水:私たちの体液と似た働きをするもの

- 生理食塩水とは私たちの体の中にある血液や体液には、ほぼ一定の濃度の塩分が含まれており、体の機能を正常に保つ上で非常に重要です。生理食塩水は、この体液の塩分濃度とほぼ同じ濃度に調整された、0.9%の塩化ナトリウム水溶液のことを指します。生理食塩水が医療現場で頻繁に使用される理由は、体液との浸透圧が近く、体への負担が少ないためです。そのため、点滴によって体内の水分や塩分を補給したり、薬剤を溶かして投与する際の溶解液として用いられます。また、注射の際に針を刺す部位の消毒や、傷口を洗い流す際にも使用されます。さらに、医療現場以外でも、コンタクトレンズの洗浄液など、私たちの身近なものにも生理食塩水は利用されています。このように、生理食塩水は、その安全性と汎用性の高さから、医療現場のみならず、様々な場面で活躍しています。
皮膚科

尖圭コンジローマ:性感染症を知ろう

- 尖圭コンジローマとは 尖圭コンジローマは、性的な接触によって人にうつる病気の一つです。医学的には性感染症に分類され、ヒトパピローマウイルスという、非常に小さな病原体が原因で発症します。このウイルスは、種類が多く、その中でも主に6型と11型が尖圭コンジローマを引き起こします。 このウイルスが皮膚や粘膜に感染すると、良性の腫瘍、つまり、放置しても命に関わることはありませんが、自然に消えることのないいぼができます。このいぼは、尖っていて、表面がデコボコしていることが特徴で、カリフラワーのような形に見えることもあります。 尖圭コンジローマは、性器だけでなく、肛門の周りや口の中など、性的な接触のある部位であればどこにでもできる可能性があります。また、感染してから症状が出るまでの期間は、数週間から数ヶ月と、個人差が大きいことも特徴です。 尖圭コンジローマは、放置していても命に関わることはほとんどありませんが、見た目の問題や、パートナーへの感染などのリスクがあります。そのため、早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。
呼吸器

喘息発作:命に関わることもある呼吸困難

- 喘息発作とは喘息発作は、気管支喘息という病気を抱えている人に起こる、発作性の呼吸困難のことを指します。発作は突然起こり、激しい息苦しさに襲われます。同時に、「ゼーゼー」という喘鳴音や咳が出るのも特徴です。この発作は、気管支と呼ばれる、肺に空気を送り込むための管が狭くなってしまうことが原因で起こります。気管支が狭くなると、肺に十分な空気を吸い込んだり、吐き出したりすることが難しくなり、息苦しさや喘鳴、咳などの症状が現れるのです。喘息発作のきっかけは人それぞれで、例えば、ダニやハウスダスト、ペットの毛、花粉などのアレルギー物質を吸い込むことや、風邪やタバコの煙、激しい運動、天候の変化、ストレスなどが挙げられます。喘息発作は、適切な治療を行えば症状を和らげ、コントロールすることができます。しかし、重症化すると呼吸困難がさらに悪化し、命に関わる危険性もあります。そのため、喘息と診断された場合は、医師の指示に従ってきちんと治療を続けることが重要です。また、発作の兆候を感じたら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
皮膚科

肌の水分を守る!セラミドの役割とは

私たちの肌の表面には、外部からの刺激や乾燥から肌を守る役割を持つ角質層という薄い層があります。この角質層は、肌の一番外側にあり、例えるなら、レンガの壁のような構造をしています。 このレンガの役割をするのが、肌の細胞です。そして、レンガとレンガの間をしっかりと埋め、壁の強度を保つために欠かせないのが、モルタルのような役割を果たす「細胞間脂質」と呼ばれる成分です。 セラミドは、この細胞間脂質の約半分を占める重要な成分です。セラミドは、水分を抱え込む力が高く、肌の水分を保つとともに、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぐ、バリア機能に大きく貢献しています。 つまり、セラミドは、健康で美しい肌を保つために欠かせない、重要な役割を担っていると言えるでしょう。
血液

血液の検査:赤血球数について

赤血球数とは、血液の中にどれくらいの赤血球が含まれているかを示す数値です。血液は、体中に酸素や栄養を運ぶ重要な役割を担っており、その血液中の重要な成分の一つが赤血球です。赤血球は、肺から取り込んだ酸素と結びつき、全身の細胞に酸素を送り届ける役割を担っています。 健康な状態を保つためには、体中の細胞に十分な酸素が行き渡る必要があります。赤血球数が多すぎると血液がドロドロになり、血管が詰まりやすくなる可能性があります。反対に少なすぎる場合は、酸素を十分に体中に送ることができず、貧血の状態を引き起こします。 赤血球数は、血液検査で測定することができます。一般的に「RBC」と表記され、検査結果レポートにも「RBC」と記載されています。赤血球数の検査は、貧血の診断や、他の病気の有無を調べるために行われます。
血液

赤沈とは? 検査でわかること

- 赤沈の概要赤沈とは、赤血球沈降速度を省略した言葉で、血液検査の一つです。この検査では、採取した血液を細いガラス管に入れ、一時間静置した時に、赤血球がどのくらいの速さで沈んでいくかを測定します。健康な状態では、赤血球はゆっくりと沈んでいきます。しかし、体内で炎症が起きている場合、血液中のタンパク質のバランスが変化し、赤血球同士がくっつきやすくなります。その結果、赤血球は塊となりやすくなるため、沈む速度が速くなります。つまり、赤沈の値が高い場合は、体内で炎症反応が起こっている可能性を示唆しているのです。ただし、赤沈はあくまでも炎症反応の有無を調べるための検査の一つであり、これだけで特定の病気を診断することはできません。赤沈の値が高い場合は、医師が他の検査結果や症状も踏まえ、総合的に判断する必要があります。例えば、関節リウマチなどの膠原病や感染症、悪性腫瘍などが疑われる場合に、追加の検査が行われます。赤沈は簡便な検査でありながら、体の状態を知る上で重要な手がかりとなります。
耳鼻科

舌根沈下:睡眠時無呼吸症候群との関係

- 舌根沈下とは舌は食べ物を噛み砕いたり、飲み込んだりする際に重要な役割を果たすと同時に、言葉を発する上でも欠かせない器官です。この舌の付け根の部分を舌根と呼びますが、この舌根が重力によって喉の奥にある咽頭に沈み込んでしまうことを舌根沈下と呼びます。舌根沈下が起こると、空気の通り道である気道が狭くなったり、場合によっては完全に塞がってしまったりします。特に睡眠中は、筋肉が弛緩して舌が喉の方に落ち込みやすくなるため、舌根沈下は睡眠中に起こりやすいという特徴があります。この舌根沈下は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の主要な原因の一つとして知られています。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まってしまう病気で、日中の強い眠気や集中力の低下などを引き起こすだけでなく、高血圧や心臓病、脳血管障害などのリスクを高める危険性も孕んでいます。舌根沈下の原因は、舌を支えている筋肉の緊張が低下することにあります。加齢に伴い筋肉量が減少していくことは自然な流れですが、肥満も舌周りの筋肉量低下や脂肪蓄積に繋がり、舌根沈下のリスクを高めます。また、生まれつき顎の骨格が小さい方は、舌が収まるスペースが狭いため、舌根沈下を起こしやすくなる傾向があります。
検査

染色体検査:遺伝情報を読み解く

- 染色体検査とは私たちの体は、細胞と呼ばれる小さな単位が集まってできています。その細胞の一つ一つの中に、核と呼ばれる場所があり、そこに遺伝情報が詰まった染色体が存在します。染色体は、DNAと呼ばれる物質が、まるで糸巻きのようにきつく折り畳まれてできています。このDNAには、私たちの体の特徴、例えば、目や髪の色、身長などを決める情報だけでなく、病気のリスクや体質に関する情報など、生命の設計図とも言える重要な情報が記録されています。染色体検査とは、この染色体の数や構造を調べる検査です。具体的には、血液などの細胞を採取し、特殊な方法で染色体の形が見えるようにして、顕微鏡で観察します。健康な人であれば、通常は2本ずつ対になった染色体が23対、合計46本見られます。しかし、生まれつき染色体の数が多かったり少なかったり、一部が欠けていたり、他の染色体とくっついていたりするなど、様々な異常が起こることがあります。これらの異常は、発育や発達、健康状態に影響を与える可能性があります。染色体検査は、このような染色体異常の有無を調べることで、原因不明の先天的な病気や発達障害、不妊症などの診断に役立ちます。また、一部のがんの診断や治療方針の決定にも用いられます。
検査

生化学検査:血液でわかる体の状態

- 生化学検査とは私たちの体は、常に健康な状態を保つために、様々な機能が働いています。その働きを支えているのが、血液です。血液は、酸素や栄養を全身に運び、老廃物を回収する役割を担っています。生化学検査は、この血液を採取し、中に含まれる様々な成分を分析することで、私たちの体の状態を詳しく調べる検査です。血液中には、タンパク質や糖分、脂質、電解質など、多くの物質が含まれています。これらの物質は、それぞれ重要な役割を担っており、その量やバランスが崩れることで、様々な病気が引き起こされる可能性があります。例えば、肝臓が正常に機能していない場合は、特定の酵素の値が上昇したり、腎臓の働きが低下している場合は、老廃物が血液中に蓄積し、その濃度が高くなったりします。生化学検査では、これらの物質の量やバランスを調べることで、肝臓や腎臓、心臓、膵臓といった様々な臓器の機能を評価することができます。また、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病のリスクを評価したり、栄養状態を把握したりすることも可能です。生化学検査は、健康診断や人間ドックなどで行われる一般的な検査の一つです。自覚症状がない段階で病気の兆候を発見できる場合もあり、早期発見・早期治療に繋がると期待されています。また、治療の効果を判定したり、病気の進行状況を把握したりするためにも重要な役割を担っています。
外科

整形外科:運動器のスペシャリスト

整形外科は、私たちが日常生活を送る上で欠かせない、体を支え、動かす機能を担う器官を専門的に扱う診療科です。この診療科では、骨、関節、靭帯、末梢神経、筋肉など、運動に関わる様々な組織の異常や損傷を診断し、治療を行います。 整形外科が対象とする病気や怪我は多岐にわたります。例えば、骨折や捻挫、打撲、切り傷といった外傷、スポーツによる障害、関節リウマチ、変形性関節症などの慢性的な病気、脊椎疾患、骨粗鬆症、骨腫瘍など、様々な症状に対応します。 治療法としては、保存療法と手術療法があります。保存療法には、安静、投薬、注射、リハビリテーションなどがあり、症状に合わせて適切な方法が選択されます。手術が必要な場合には、骨折の整復固定術、関節鏡手術、人工関節置換術など、様々な術式があります。 整形外科は、患者さんの年齢や症状、生活背景などを考慮しながら、日常生活への早期復帰、痛みの軽減、運動機能の改善を目指します。
検査

医療現場の業界用語:ゼク

「ゼク」とは、医療現場で使われる言葉で、「解剖」や「剖検」、「病理解剖」を指す場合に用いられます。亡くなった方の死因を特定したり、病気の原因を詳しく調べたりするために、ご遺体を解剖することを指す言葉です。 医学の進歩や医療の質向上のためには、ご遺体を解剖して、病気の原因や治療法を探求することが欠かせません。解剖によって得られた情報は、将来、同じ病気で苦しむ人を救うことに繋がる可能性があります。 しかしながら、「ゼク」は決して医療従事者にとって軽々しく口にする言葉ではありません。ご遺族にとっては大切な家族を亡くされた直後であり、深い悲しみの中にいることを忘れてはなりません。 医療従事者は、ご遺族に対して解剖の必要性を丁寧に説明し、理解と同意を得ることが重要です。また、解剖を行う際には、故人の尊厳を最大限に尊重し、感謝の気持ちを持って、真摯に向き合わなければなりません。
検査

穿刺:医療におけるその役割と種類

- 穿刺とは穿刺とは、診断や治療を目的として、体外から針を刺し、体内の組織や臓器から液体や細胞などを採取する医療行為です。注射や採血で用いる針よりも太く長い針を用いることが多く、患者さんの状態をより詳しく把握したり、病気の原因を特定したりするために欠かせない検査の一つです。穿刺によって採取されるものは、血液、体液、組織など多岐に渡ります。例えば、胸水や腹水などの体液を採取してその成分を分析することで、感染症やがんなどの病気を診断することができます。また、肝臓や腎臓などの臓器に直接針を刺して組織を採取する生検では、がんの確定診断や病状の進行度を評価することができます。穿刺は、患者さんにとって負担の少ない検査ではありますが、出血や感染などのリスクもゼロではありません。そのため、穿刺を行う際には、事前に患者さんの状態や持病などを十分に確認し、安全に配慮しながら行うことが重要です。また、穿刺後は安静にするように指示が出されることが多く、場合によっては入院が必要となることもあります。穿刺は、現代医療において欠かせない検査の一つであり、患者さんの健康を守る上で重要な役割を担っています。穿刺を受ける際には、医師や看護師から十分な説明を受け、安心して検査を受けるようにしましょう。
目・眼科

眼の構造と機能:前房の役割

眼球は、外界のものを見て認識するために、光を捉えて脳に情報を送る、カメラのような役割を担っています。 その複雑な構造の中で、前房は角膜と虹彩の間に存在する、房水と呼ばれる透明な液体で満たされた空間を指します。 前房は、単なる空間ではなく、眼の健康維持において重要な役割を担っています。 第一に、前房は角膜や水晶体といった眼の組織に栄養を供給し、老廃物を除去する役割を担っています。 房水は、眼球内の代謝を維持するために、これらの組織に必要な酸素や栄養素を運び、不要なものを運び出す役割を担っています。 第二に、前房は、眼球内圧を一定に保つことで、眼球の形状を維持し、視覚機能を正常に保つ役割を担っています。 眼球内圧は、眼球が適切な形状を維持するために必要な圧力で、前房内の房水の量によって調節されています。 第三に、前房は、外部からの衝撃を吸収し、眼球内部の組織を保護する役割を担っています。 前房は、クッションのような役割を果たすことで、外部からの衝撃を和らげ、眼球内部の繊細な組織を守っています。 このように、前房は、その存在が眼球の健康維持に大きく貢献しています。
検査

生体組織診断:病気の真相に迫る顕微鏡検査

- 生体組織診断とは生体組織診断とは、患者さんの体から採取した組織の一部を顕微鏡などで詳しく調べることで、病気の原因や状態を明らかにする検査方法です。 例えるならば、皆さんは名探偵シャーロック・ホームズをご存知でしょうか? ホームズが虫眼鏡を使って事件の手がかりを探すように、医師は顕微鏡を使って病気の手がかりを探します。具体的には、手術で患部を切除したり、内視鏡を使って組織の一部を採取します。採取した組織は特殊な方法で処理され、薄くスライスされてプレパラートと呼ばれる観察用の試料となります。このプレパラートを顕微鏡で観察することで、組織や細胞の形や状態を詳しく調べることができます。生体組織診断によって、がん、炎症、感染症など、様々な病気を正確に診断することができます。 また、がんの場合には、がんの進行度合いや種類を特定することも可能です。 これらの情報は、適切な治療法を選択するために非常に重要となります。生体組織診断は、病気の診断に欠かせない重要な検査方法と言えるでしょう。
検査

生検:病気の診断に役立つ検査

- 生検とは生検とは、体の気になる部分からほんの少しだけ組織を採取して、顕微鏡を使って詳しく調べる検査のことです。この検査によって、病気の原因や種類を特定することができます。例えば、皮膚に今までなかったできものや、なかなか消えないシミができたとします。こうした場合、その一部を採取して生検を行うことで、それが心配のないものなのか、それとも治療が必要なものなのかを判断することができます。採取する組織は、ほんの少しで十分な場合もあれば、もう少し多くの量が必要な場合もあります。採取の方法も、メスで切り取る方法や、細い針を刺して吸引する方法など、状況に応じて適切な方法が選択されます。生検は、がんなどの悪性腫瘍の診断に特に重要な役割を果たします。早期発見・早期治療のためにも、医師から生検を勧められた際には、検査を受けることを検討しましょう。ただし、生検はあくまでも診断のための検査です。検査結果によっては、さらに詳しい検査や治療が必要になることもあります。
検査

赤血球沈降速度:炎症を見つける検査

- 赤血球沈降速度とは赤血球沈降速度(せっけっきゅうちんこうそくど)は、略して赤沈や血沈と呼ばれる検査で、血液中の赤血球がどれくらいの速さで沈むかを測定します。 健康な状態では、赤血球は互いに反発し合いながら血液中に分散しているため、ゆっくりと時間をかけて沈んでいきます。しかし、体内で炎症が起こると、状況が変わります。炎症によって肝臓で作られる特定のタンパク質が増加し、その影響で赤血球の表面電荷が変化します。 すると、赤血球は互いにくっつきやすくなり、덩어리를形成して早く沈むようになります。赤沈は、炎症の程度を大まかに把握するための指標として用いられます。値が高いほど、体内で炎症が起きている可能性が高いと考えられます。ただし、赤沈はあくまでも目安であり、この検査だけで特定の病気を診断することはできません。 風邪やインフルエンザなどのありふれた感染症でも値が上昇することがありますし、関節リウマチなどの慢性的な炎症性疾患でも値が上昇します。赤沈は、他の検査と組み合わせて総合的に判断することで、より正確な診断に役立ちます。
検査

生検:病気の診断に欠かせない検査

- 生検とは私たちの体は、皮膚や筋肉、内臓など、様々な組織が集まってできています。これらの組織は、さらに小さな細胞が集まってできており、健康な状態では、細胞は決められた期間ごとに分裂と死滅を繰り返すことで体のバランスを保っています。しかし、何らかの原因で細胞の遺伝子に異常が起こると、このバランスが崩れ、細胞が uncontrollably に増殖してしまうことがあります。これが、がんなどの病気の原因となります。このような病気の原因や状態を正確に診断するために、体の一部から組織を採取し、顕微鏡などを用いて細胞レベルで調べる検査が生検です。生検は、皮膚や臓器など、体の様々な部位から組織を採取することができます。採取方法は、体の表面から一部を切り取る方法や、針を刺して組織を吸引する方法など、部位や目的によって異なります。採取した組織は、病理医と呼ばれる専門の医師によって顕微鏡で詳しく観察されます。細胞の形や大きさ、並び方などを調べることで、がん細胞が存在するかどうか、がんの種類や進行度合い、また、炎症の程度や原因などを判断することができます。生検は、がんなどの腫瘍性疾患だけでなく、炎症性疾患や感染症などの診断にも用いられます。近年では、遺伝子検査と組み合わせることで、より詳細な診断や治療方針の決定に役立てることができるようになってきています。
脳・神経

尖足:足先が下垂する病気について

- 尖足とは尖足は、足の甲が異常に上に反り上がってしまい、足先を地面に接地できなくなる病気です。わかりやすく言うと、常にバレリーナのようにつま先立ちの状態になっていると想像してみてください。この病気になると、かかとを床につけることが困難になるため、歩行時に足全体を適切に使うことができなくなります。その結果、歩行がふらついたり、体のバランスを保つのが難しくなったりするなど、日常生活に様々な支障が生じます。尖足の原因は、脳性麻痺などの脳や神経の病気、筋ジストロフィーなどの筋肉の病気、骨折や靭帯損傷などの怪我など、実に様々です。また、長期間寝たきり状態が続いた場合や、足に合わない靴を長期間履き続けた場合にも、尖足になることがあります。尖足を放置すると、足や足首の関節に大きな負担がかかり続け、変形や痛みが生じる可能性があります。さらに、変形が進行すると歩行がさらに困難になるだけでなく、腰や膝など他の部位にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、尖足の症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
小児科

先天性股関節脱臼:赤ちゃんの股関節の病気

生まれて間もない赤ちゃんに見られる病気の一つに、先天性股関節脱臼というものがあります。これは、赤ちゃんの股関節が本来あるべき場所からずれてしまっている状態を指し、医学的には発育性股関節形成不全(DDH)とも呼ばれます。股関節が完全に外れてしまっている場合だけでなく、外れやすい不安定な状態も含まれます。この先天性股関節脱臼は、比較的多くの赤ちゃんに見られる病気であり、特に女の子に多く発症する傾向があります。 この病気の原因は、まだはっきりと解明されていませんが、いくつかの要因が重なって発症すると考えられています。一つは、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる間の姿勢です。逆子や骨盤位と呼ばれる姿勢でいた場合、股関節に負担がかかりやすく、発症のリスクが高まると言われています。また、女の子は男の子に比べて、股関節を柔らかくするホルモンの影響を受けやすいため、発症率が高いと考えられています。さらに、家族に股関節脱臼の経験者がいる場合も、発症する可能性が高まるとされています。 先天性股関節脱臼は、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。そのため、赤ちゃんを出産した際には、股関節の検査を受けることが推奨されています。治療法としては、股関節を正常な位置に戻すための装具を装着したり、場合によっては手術を行ったりします。早期に発見し、適切な治療を行うことで、後遺症を残さずに治癒できる可能性が高まります。
検査

精密検査とは:病気の早期発見のために

健康診断や人間ドックといった、広く体の状態を調べる検査をスクリーニング検査と言います。この検査は、自覚症状がない段階でも、病気の可能性を早期に見つけることを目的としています。一方で、精密検査は、スクリーニング検査で異常値が出た場合や、症状がある場合に、病気の有無をより詳しく調べるために行われます。 例えば、健康診断で血糖値が高いと指摘されたとします。これはあくまでもスクリーニング検査の結果であり、この時点では糖尿病と診断されたわけではありません。そこで、糖尿病の可能性や詳しい状態を調べるために、精密検査が必要となるのです。精密検査では、血液検査で血糖値をより詳しく調べたり、ブドウ糖を摂取した後の血糖値の変化を調べたりします。 精密検査は、スクリーニング検査よりも、特定の臓器や病気に焦点を当てた、より詳細な検査を行います。そのため、病気の診断や治療方針の決定に重要な役割を果たします。また、精密検査の結果によっては、経過観察が必要となる場合もあります。医師は、精密検査の結果に基づいて、患者さん一人ひとりに最適な治療法やアドバイスを行います。
血液

酸素を運ぶ赤い細胞:赤血球

- 赤血球とは人間の体内には、全身に栄養や酸素を運ぶ血液が流れています。その血液の中で、最も数が多く、赤い色をしているのが赤血球です。顕微鏡で観察すると、中央が少しへこんだ円盤状の形をしており、大きさは直径約7マイクロメートル、厚さは約2マイクロメートルしかありません。これは、1ミリメートルのわずか100分の1ほどの大きさです。 赤血球は、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。私達が呼吸によって肺に取り込んだ酸素は、まず肺胞という小さな袋に入ります。そして、肺胞を取り囲む毛細血管の中にある赤血球に酸素が取り込まれます。赤血球の中には、ヘモグロビンという赤い色をした鉄を含むタンパク質が豊富に含まれており、このヘモグロビンが酸素と結びつくことで、効率よく酸素を全身に運ぶことができるのです。 酸素を届けた赤血球は、今度は体内を巡る中で、細胞から排出された二酸化炭素を受け取ります。そして、二酸化炭素を肺まで運び、私達は呼吸によって二酸化炭素を体外へ排出します。このように、赤血球は酸素と二酸化炭素を運ぶ、いわば「体の中の宅配便」のような役割を果たし、私達の生命活動に欠かせない存在なのです。
検査

穿刺:医療におけるその役割と種類

- 穿刺とは穿刺とは、医療現場で日常的に行われる医療行為の一つで、針を使って体内から血液や体液、細胞などを採取することを指します。注射針よりも太い針を使うことが多く、患者さんから採取した血液や体液は、その後の検査に用いられます。検査結果は、病気の診断や治療方針を決めるための重要な判断材料となります。 例えば、血液検査では、貧血や感染症、糖尿病などの有無を調べることができます。また、体液を採取する場合、採取する部位によって、胸水、腹水、関節液など様々な種類があります。これらの体液を検査することで、炎症や感染症の有無、悪性腫瘍の疑いなどを調べることが可能です。 さらに、細胞を採取する場合は、顕微鏡を使って観察したり、培養したりすることで、より詳細な情報を得ることができます。例えば、がん細胞を採取してその性質を調べることで、がんの種類や進行度を診断したり、適切な治療法を選択したりすることができます。このように、穿刺は比較的簡便な処置でありながら、病気の診断や治療に非常に役立つ情報を得ることができる、重要な医療行為と言えるでしょう。
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