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看護技術

看護の診断:NANDA-Iとは?

皆さんは、「看護診断の国際化」という言葉を聞いたことがありますか?看護師の世界では、世界中のどこで看護を受けても、質の高い看護を提供するために、看護診断を統一していくことが重要な課題となっています。 看護診断とは、患者さんが抱える健康上の問題を、看護師が専門的な知識や技術を用いて判断することを指します。この診断に基づいて、看護師は個別的なケアの計画を立て、患者さんを支援していきます。 しかし、国や地域によって、看護師の教育内容や文化、医療制度などが異なるため、同じような患者さんの状態に対しても、異なる診断がなされることがあります。このような状況は、患者さんにとって最適な看護の提供を難しくする可能性も孕んでいます。 そこで、看護診断の統一を図るために活躍している国際的な組織が、NANDA-I(North American Nursing Diagnosis Association International北米看護診断協会国際版)です。NANDA-Iは、世界中の看護師と協力しながら、看護診断の定義や分類を標準化し、共通の言語として使えるように活動しています。 NANDA-Iが作成した看護診断リストは、多くの国々で翻訳され、使用されています。日本でも、看護師国家試験や看護教育の現場で広く活用されています。このように、NANDA-Iは国際的な看護の質向上に大きく貢献しています。看護診断の統一は、看護師がより質の高い看護を提供するために、そして、患者さんが安心して適切な看護を受けられるようにするために、今後も重要な課題であり続けるでしょう。
看護技術

看護の標準化を目指して:NANDA-Iとは

医療現場において、看護師は患者さんの状態を的確に把握し、それぞれの状況に応じた適切なケアを提供することが求められます。しかし、看護師によって症状の見立てや判断基準が異なってしまうと、患者さんへの対応にばらつきが生じてしまう可能性があります。質の高い看護を提供するためには、看護師間で共通の認識に基づいた診断を行うことが不可欠です。 このような背景から、看護診断の統一を図るために設立された国際的な組織がNANDA-I(North American Nursing Diagnosis Association-International)です。NANDA-Iは、看護師が使用する診断用語を標準化し、世界中の医療現場で統一された看護診断を可能にすることを目指しています。これにより、看護師間だけでなく、医師や薬剤師など、他の医療従事者との連携も円滑に進めることが期待できます。 NANDA-Iが提供する標準化された看護診断は、看護師の専門性を高め、より質の高い看護を提供するための基盤となるものです。看護師は、NANDA-Iの診断基準を用いることで、患者さんの状態をより正確に把握し、根拠に基づいたケアを提供することができます。また、NANDA-Iは、看護教育の分野においても重要な役割を担っており、世界中の看護学生が共通の診断基準を学ぶことで、質の高い看護師の育成に貢献しています。
看護技術

看護の成果を分類するNOCとは?

- 看護成果分類(NOC)の概要 看護の現場では、患者さんの状態を把握し、個別性の高いケアを提供することが求められます。そのために、看護師は、患者さんがどのような状態になれば望ましいのか、どのような変化を期待するのかを明確にする必要があります。このような看護師が目指す患者さんの状態や変化を「看護成果」と呼びます。 看護成果分類(NOC Nursing Outcomes Classification)は、この看護成果を体系的に分類し、定義したものです。NOCは、患者さんの状態、行動、認識など、様々な側面から捉えた看護成果を網羅しており、看護師が共通の言葉で患者さんの状態や目標を共有することを可能にします。 NOCは、看護計画を立案する上で重要な役割を果たします。看護師は、まずアセスメントを通して患者さんの状態やニーズを把握します。そして、看護診断に基づいて、患者さんにとって適切なNOCを選択し、具体的な目標を設定します。この目標設定は、患者さんの状況や希望を考慮しながら、実現可能なものとして設定する必要があります。 NOCを用いることで、看護師はより明確な目標を持ってケアを提供することができ、患者さんの状態変化を客観的に評価することができます。また、看護師間や医療チーム全体で共通の認識を持ってケアを進めることができるため、より質の高い看護の提供につながると期待されています。
呼吸器

NPPV:マスクで呼吸を楽にする治療法

- NPPVとは NPPVは、「非侵襲的陽圧換気療法」と呼ばれる治療法のことです。 この治療法は、呼吸が苦しい患者さんに対して、口や鼻に装着したマスクを通して空気を送り込むことで、呼吸をサポートします。この時、NPPVでは一定の圧力で空気を送り込み続ける「陽圧」という方法を用いるのが特徴です。 従来の人工呼吸器のように、口から気管を通して肺に直接管を挿入する「気管挿管」とは異なり、NPPVはマスクを装着するだけなので、患者さんの身体への負担が軽減されます。 また、気管挿管による人工呼吸では、声帯を管が塞いでしまうため発声ができませんが、NPPVでは会話も可能です。そのため、患者さんの苦痛を和らげ、より快適な治療を提供することができます。
呼吸器

NPPV:マスクで呼吸を楽にする治療法

- NPPVとはNPPVは、「非侵襲的陽圧換気療法」の略称で、呼吸機能が低下した患者さんの呼吸をサポートする治療法です。口や鼻に装着したマスクを通して空気を送り込むことで、自発呼吸を助けます。従来の人工呼吸器とは異なり、気管挿管のように喉に管を入れる必要がありません。そのため、患者さんへの負担が少なく、苦痛の少ない治療法として注目されています。NPPVは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺線維症などの慢性呼吸不全、心不全、神経筋疾患など、様々な疾患に用いられます。呼吸困難の改善、入院期間の短縮、生命予後の改善などの効果が期待できます。NPPVの大きなメリットは、患者さんの意識がはっきりした状態で治療が行える点です。会話や食事も可能で、日常生活の質を維持しながら治療を継続することができます。ただし、NPPVが適応となるかどうかは、患者さんの病状や全身状態などを考慮して慎重に判断する必要があります。また、NPPVの開始や管理には、専門的な知識と技術が必要です。医師や呼吸療法認定士などの医療従事者によって適切に実施されることが重要です。
看護技術

医療現場で活躍するNGチューブ:その役割と重要性

- NGチューブとはNGチューブとは、鼻から胃に挿入する細い管のことを指し、正式には経鼻胃管と呼ばれます。この管は、口から胃までつながる消化管の一部を一時的にバイパスするために使用されます。材質は柔らかく、柔軟性があるため、鼻腔や食道などのデリケートな部分に挿入しても、比較的苦痛が少ないという特徴があります。 NGチューブは、主に医療現場において、患者さんの治療やケアを目的として使用されます。その用途は多岐にわたり、大きく分けて検査と治療の二つの目的で使用されます。 検査の目的で使用される場合、NGチューブを通じて胃の内容物を採取し、その成分を分析することで、消化器官の状態や病気の診断に役立てます。例えば、胃液の酸性度を測定したり、出血の有無を確認したりする検査などが挙げられます。 一方、治療の目的で使用される場合には、NGチューブは主に栄養補給の手段として用いられます。口から食事を摂るのが難しい患者さん、例えば意識障害のある方や、手術後などで口から食事をとることができない患者さんに対して、栄養剤や水分を直接胃に送り込むことで、必要な栄養を補給することができます。また、薬剤を投与する際にも、NGチューブが使用されることがあります。 このように、NGチューブは多様な目的で医療現場において重要な役割を担っています。患者さんの負担を軽減し、適切な治療やケアを提供するために、欠かせない医療機器の一つと言えるでしょう。
救急

人生の最終段階における選択:NO CPRとは

- 心肺蘇生を行わない選択NO CPRとは命の終わりが近づいた時、私たちは延命治療を行うか、自然な流れに任せるか、重大な選択を迫られることがあります。その選択の一つに、-心肺蘇生を行わない-、つまり -NO CPR- という考え方があります。NO CPRとは、心臓が停止したり呼吸が止まったりした場合でも、人工呼吸や心臓マッサージといった医療行為を行わずに、穏やかな最期を迎えることを選択することを意味します。医療現場では「Non CPR」とも呼ばれ、延命治療を望まない患者さんやその家族の意思を尊重し、苦痛を伴う延命措置ではなく、自然な死を受け入れるという考え方です。NO CPRを選択する背景には、高齢や病気の進行状況、回復の見込み、そしてなによりも患者さん自身の意思が深く関わっています。 延命治療には、体に負担がかかったり、意識が戻らなかったりする可能性も伴います。そのため、患者さん自身の価値観や希望に沿った最期を迎えるために、NO CPRという選択をするケースが増えています。ただし、NO CPRはあくまで選択の一つであり、全ての人に推奨されるものではありません。重要なのは、患者さんや家族が医師と十分に話し合い、治療方針について納得のいくまで相談することです。そして、患者さん自身が望む形で最期を迎えられるように、しっかりと意思表示することが大切です。
検査

NED – がんの経過観察でよく見る用語の意味とは?

- はじめにがんの治療がひと段落すると、再発の兆候がないか、あるいは健康状態に問題がないかを確認するために、定期的に病院で検査を受けることになります。 これが経過観察と呼ばれるものです。 診察後、医師から説明を受けたり、手渡された文書を見たりする際に「NED」という言葉を見かけることがあるかもしれません。 この「NED」は、がん治療後の経過観察において、非常に重要な意味を持つ言葉です。 「NED」は -“No Evidence of Disease”- の略称で、日本語では「病勢なし」と表現されます。 つまり、検査の結果、がんの存在を示す兆候が見られない状態を指します。 ただし、「NED」は「がんが完全に治癒した」ということを意味するわけではありません。 がん細胞は、検出限界以下の非常に少ない数が体内に残っている可能性もあり、目に見えないレベルで潜伏している場合もあるからです。 「NED」と診断された後も、油断することなく、医師の指示に従って、定期的な検査を継続していくことが重要です。
検査

カルテ用語解説:NADとは?

- NADの意味NADは、医療現場で使われる略語で、「Nothing Abnormal Detected」の頭文字をとったものです。これは日本語で「異常なし」を意味し、健康診断や検査の結果、特に異常な点が見つからなかった場合に用いられます。医師は、患者さんの診察記録や検査結果をカルテに記録する際、様々な略語を用います。これは、限られた時間の中ですばやく情報を記録し、他の医療従事者とも正確に情報を共有するためです。NADもそうした略語の一つであり、医師間で広く理解されている表現です。 健康診断の結果報告書などで「NAD」と記されていた場合、それは検査項目の中で異常な値が検出されなかったことを意味します。つまり、その検査結果に関しては特に心配する必要がないと言えるでしょう。ただし、これはあくまで検査結果に基づいた判断であり、その後の体調変化や別の症状が現れた場合は、改めて医療機関を受診する必要があることを忘れてはなりません。
看護技術

看護の標準化:NICとその役割

- NICとはNICは「Nursing Interventions Classification」を略したもので、日本語では「看護介入分類」といいます。これは、看護師が患者さんに対して行うケアや処置を、統一された言葉で表現し、分類したものです。例えば、患者さんの痛みを和らげるために、看護師は様々な行動を起こします。患部の状態を観察したり、楽な姿勢を一緒に考えたり、医師の指示に従って痛み止めを投与したりするなど、その方法は多岐に渡ります。NICは、このような看護師の行動一つ一つに具体的な名前を与え、分類することで、看護の内容を明確に記録したり、他の看護師と共有したりすることを可能にします。NICは、看護師であれば誰でも理解できる共通言語として、看護記録や研究など、様々な場面で広く活用されています。これにより、看護の質の向上や、より安全で効果的な看護の提供につながると期待されています。
看護技術

診療記録の謎を解く:NCの意味とは?

- 医療現場で使われる略語NC 医療現場では、正確な情報を素早く記録し、共有することが非常に重要です。そのために、様々な医療用語や指示を短くまとめた略語が日常的に使われています。カルテや指示書には一見暗号のように思えるアルファベットの羅列が並び、初めて見る方は戸惑ってしまうかもしれません。 今回は、数ある医療略語の中から「NC」について解説します。NCは「Nasal Cannula」の略で、日本語では「鼻カニューレ」といいます。 鼻カニューレは、鼻から酸素を供給するための医療器具です。細いチューブの先端に鼻孔にフィットする柔らかいプラスチック製の突起が二つ付いており、これを鼻の穴に差し込んで使用します。 酸素吸入が必要な患者さんにとって、鼻カニューレは日常生活の妨げが少ないという利点があります。食事や会話も無理なく行うことができ、比較的長時間の使用にも適しています。 カルテに「NC 5L」などと書かれている場合は、「5リットル/分の酸素を鼻カニューレを用いて投与している」という意味になります。このように、医療現場では略語を用いることで、簡潔に患者の状態や治療内容を記録しています。

お薬手帳で見かけるn.d.Eってどんな意味?

病院で医師や看護師がカルテに文字を書き込んでいる様子や、処方箋に書かれたアルファベットを見かけることはありませんか?診察時に医師が素早くメモを取ったり、看護師と簡単な言葉でやり取りしたりする様子を目にしたことがある方もいるかもしれません。 実は、これらは医療現場で使われる略語と呼ばれるもので、短い言葉で効率的に情報伝達するために用いられています。カルテや処方箋には、使用頻度の高い薬剤名、検査名、処置名などが略語で記載されることが多くあります。例えば、毎食後服用は「毎食後」を略して「食後」と記載され、さらに「食後」を略して「pc」と記載されることもあります。 特に処方箋は、医師の指示を薬剤師が正確に読み取り、患者さんに適切な薬を調剤するために重要な役割を担っています。そのため、処方箋には、服用する薬剤名、用法(服用回数や服用量)、服用期間などが略語を用いて正確に記載されています。例えば、1日3回服用は「1日3回」を略して「3×」と記載され、朝昼晩服用は「朝昼晩」を略して「朝昼夕」と記載され、さらに「朝昼夕」を略して「acd」と記載されることもあります。 このように医療現場では、患者さんの情報を正確かつ迅速に伝えるために、様々な略語が用いられています。
看護技術

診療記録の簡略表記:NCの意味とは?

病院では、患者さんの状態や治療の経過を記録するために、カルテや看護記録が使われます。その記録には、様々な専門用語や略語が使われており、医療関係者たちはそれらを共通の言葉として使っています。 その中でも「NC」は、カルテや看護記録で頻繁に目にする略語の一つです。「NC」は英語の "No Change" の略で、日本語では「変化なし」という意味になります。これは、患者の状態や検査結果などに変化がない場合に用いられます。 例えば、患者の体温が昨日と変わらず36.5度のままであれば、「体温36.5℃ NC」といったように記録されます。 この「NC」は、一見簡潔で便利な表現ですが、医療現場では使い方に注意が必要です。 なぜなら、「変化なし」と判断する基準は、医療従事者によって異なる可能性があるからです。 例えば、患者の呼吸状態について、「呼吸数18回/分 NC」と記録されていたとします。しかし、この患者が慢性呼吸器疾患を患っていた場合、18回/分という呼吸数は正常範囲内であっても、病状によっては注意が必要な場合があります。 このように、「NC」はあくまでも簡略な表現であるため、重要な変化を見逃さないためには、数値や状態を具体的に記録することが大切です。また、少しでも異常を感じたら、自己判断せずに、必ず医師や看護師に報告することが重要です。
看護技術

医療現場のNC:特記すべきことなし

- NCの意味とはNCは医療現場でよく使われる言葉の短縮形で、「特記すべきことなし」という意味です。これは、患者の容態に目立った変化がなく、特に伝えなければならないような症状や検査結果がない場合に、記録として残されます。例えば、毎日の経過観察の中で、患者の様子に変化が見られない場合や、診察の結果、特に気になるような異常が見つからなかった場合などに用いられます。NCは、医療従事者間で情報をスムーズに共有するために使われる重要な言葉です。カルテや看護記録などにNCと記載されている場合は、その時点では患者さんの状態に特に問題がないと判断されたことを示しています。しかし、NCはあくまでその時点での評価に基づいた記録であることを忘れてはなりません。たとえNCと記録されていても、後から症状が現れたり、状態が悪化したりする可能性もあります。そのため、医療従事者は、NCと記録された場合でも、常に患者の状態に注意を払い、変化を見逃さないようにする必要があります。
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