「モ」

皮膚科

蒙古斑:生まれたての証

- 蒙古斑とは? 蒙古斑とは、生まれたばかりの赤ちゃんや幼児の肌に現れる青みがかったアザのことです。その名の通りモンゴル民族の人々に多く見られることから名付けられましたが、アジア系の赤ちゃんに広く見られる一般的なものです。 特に、お尻や腰のあたりに現れやすく、まるで誰かがうっかりインクをこぼしてしまったかのような、少しぼんやりとした形をしているのが特徴です。 蒙古斑の原因は、皮膚の下にあるメラノサイトと呼ばれる細胞にメラニン色素が密集してしまうことにあります。 メラニン色素は、私たちの肌や髪、瞳の色を決める色素ですが、蒙古斑の場合は、皮膚の奥深くにメラノサイトが集まってしまうために、青みがかって見えるのです。 多くの場合、蒙古斑は成長とともに薄くなり、小学校に上がる頃には自然に消えてしまいます。治療の必要もなく、健康に害を及ぼすこともありません。 蒙古斑は、赤ちゃんにとっての一つの個性とも言えるでしょう。
小児科

乳児に見られるモロー反射:その特徴と役割

- モロー反射とは生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ外界と上手にコミュニケーションをとることができません。しかし、外界からの刺激に対して、生まれつき持っている特定の反応を示すことがあります。これを-原始反射-といい、モロー反射もその一つです。モロー反射は、赤ちゃんが突然の体の傾斜や大きな音に驚いた時に見られます。例えば、赤ちゃんを寝かせようとして体の位置を急に傾けたり、近くで大きな音がしたりすると、赤ちゃんは驚いてしまいます。この時、赤ちゃんはまるで誰かに抱きつこうとするかのように、両腕を左右に広げ、指を開きます。その後、腕をゆっくりと胸の前で閉じるような動作をします。 この特徴的な仕草から、「抱きつき反射」と呼ばれることもあります。モロー反射は、生後4か月くらいまでに自然に消失していきます。これは、赤ちゃんの神経系が成長し、外界からの刺激に対してより複雑で制御された反応ができるようになるためです。もし、モロー反射がなかなか見られなかったり、長期間にわたって見られたりする場合は、医師に相談してみましょう。
看護技術

モジュールナーシング:日本独自の看護提供方式

- モジュールナーシングとはモジュールナーシングとは、日本の病院で多く取り入れられている看護の提供方法の一つです。 従来の看護体制には、主に担当看護師制とチームナーシングという二つの方法がありました。担当看護師制は、一人の看護師が、入院から退院まで、患者さん一人ひとりに責任を持って継続的に看護を行うというものです。患者さんとの信頼関係を築きやすく、きめ細やかな看護を提供できるというメリットがある一方、看護師の負担が大きくなってしまうという課題もありました。 一方、チームナーシングは、複数の看護師がチームを組み、それぞれの得意分野を活かしながら、協力して患者さんの看護にあたるという方法です。多様なニーズに対応しやすく、看護師の負担も軽減できるというメリットがある一方、患者さんとの繋がりが希薄になりやすいという課題もありました。 モジュールナーシングは、それぞれの長所を取り入れ、弱点を補うことを目指した方法と言えます。 モジュールナーシングでは、まず病棟をいくつかのチームに分けます。そして、各チームを数名の看護師で構成される小さな単位(モジュール)に分けます。 各モジュールは、担当する患者さんの入院から退院まで、一貫して看護を担当します。 モジュールナーシングを行うことで、患者さん一人ひとりに合わせた継続的な看護を提供できるだけでなく、チーム全体で協力して、多様なニーズにも対応することができます。また、看護師同士が密に連携を取りながら働くことができるため、質の高い看護を提供することにも繋がります。
外科

手術の必需品:持針器

- 持針器とは持針器は、外科手術において縫合を行う際に必要不可欠な医療器具です。手術では、傷ついた組織を縫い合わせるために縫合糸と縫合針が用いられますが、縫合針は非常に小さく、素手で扱うには滑りやすく危険が伴います。そこで、安全かつ確実に縫合針を保持するために持針器が用いられます。持針器の先端部分は、短い顎のような形をしています。この顎の部分で縫合針を挟み込むことで、針をしっかりと固定し、術者が思い通りに操作することを可能にしています。また、持針器は、握りやすく、指先の微妙な動きを針先に伝えることができるよう、人間工学に基づいて設計されています。持針器には、さまざまな種類があります。使用する縫合針の太さや手術部位、手術の種類などに応じて、適切な形状やサイズ、材質のものが使い分けられます。例えば、開腹手術のように深く広い範囲の手術には、長い持針器が適しています。一方、腹腔鏡手術のように小さな穴から器具を挿入して行う手術には、短く細い持針器が用いられます。このように、持針器は、外科手術において精密な作業を安全に行うために欠かせない存在と言えるでしょう。
皮膚科

毛孔性苔癬:その原因と対策

- 毛孔性苔癬とは 毛孔性苔癬は、皮膚の表面に無数の小さな赤いブツブツやザラザラとしたものが現れる皮膚疾患です。このブツブツは、毛穴に古い角質が詰まることで発生します。触ると鳥肌のように感じることが特徴です。医学的には「Keratosis pilaris」と呼ばれ、毛孔性角化症とも呼ばれます。 この病気は、乾燥肌の方やアトピー性皮膚炎の方によく見られます。また、遺伝的な要素も関係していると考えられており、家族内で複数人発症することも少なくありません。 軽度の場合は、見た目にはほとんど影響がないこともあります。しかし、重症化すると赤みや炎症を伴うようになり、かゆみを感じることもあります。また、見た目の問題から精神的なストレスを感じる方も少なくありません。 毛孔性苔癬は、適切なスキンケアを行うことで症状を改善できる可能性があります。具体的には、皮膚を清潔に保つこと、保湿を十分に行うこと、角質ケアを行うことなどが重要です。症状が改善しない場合は、皮膚科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
脳・神経

モートン病:足指の間の痛み

- モートン病とはモートン病は、足の指の付け根に発生する神経の病気です。特に第3指と第4指の間に多く見られます。この病気は、足の指に向かう神経が圧迫されたり、刺激を受けたりすることで発症します。モートン病になると、強い痛みやしびれを感じることがあります。痛みの程度は、少しチクチクする程度のものから、歩くのも困難になるほどの激しいものまで様々です。また、しびれは、足の指の先端にまで広がることもあります。これらの症状は、長時間立っていたり、歩いたりした後に悪化する傾向があります。さらに、靴を脱ぐと症状が和らぐことも特徴です。モートン病の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、ハイヒールや先の細い靴など、足の指に負担をかける靴を履くことが、発症のリスクを高めるといわれています。また、偏平足や外反母趾など、足の構造的な問題も、モートン病の原因となることがあります。モートン病は、中年以降の女性に多く見られるのも特徴です。これは、女性の方がハイヒールを履く機会が多いためと考えられています。モートン病は、適切な治療を行えば症状を改善できる病気です。そのため、もし足の指の付け根に痛みやしびれを感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
脳・神経

もやもや病:原因不明の難病

- もやもや病とはもやもや病は、脳の血管に異常が生じる病気です。 私たちの脳は、常にたくさんの酸素を必要としています。酸素を脳に届けるために、心臓から送り出された血液は、太い血管から枝分かれしながら脳全体に行き渡ります。この血管の中で、特に重要な役割を担っているのが「ウィリス動脈輪」と呼ばれる部分です。ウィリス動脈輪は、脳の底部に位置し、まるで環状道路のように主要な血管を繋いでいます。 もやもや病では、このウィリス動脈輪の周辺にある血管が、狭くなったり詰まったりしてしまいます。すると、脳の細胞に十分な血液が行き渡らなくなり、様々な症状が現れます。 私たちの体は、不足した血液を補おうとする働きがあります。そのため、もやもや病になると、脳は細い血管を新たに作り出して、血液を届けようとします。しかし、この新たに作られた血管は非常に脆く、破れやすいという特徴があります。 この脆い血管は、まるで煙や霧のように見えることから、「もやもや血管」と呼ばれ、病名もこの特徴的な血管の姿に由来しています。もやもや血管は、脳血管造影検査という特殊なレントゲン検査を行うことで、確認することができます。
検査

医療の原点:問診の重要性

- 問診とは何か問診とは、医師が患者さんから直接お話を伺い、病気の診断の手がかりを得るための大切なプロセスです。患者さんが自分の言葉で症状や経過を伝えることで、医師は病気の全体像を把握することができます。問診では、まず現在の症状について詳しく伺います。いつから、どのような症状が現れたのか、痛みの程度や部位、症状の変化などを具体的に伝えてください。過去の病気や怪我、手術の経験なども、診断の重要な手がかりになります。次に、生活習慣や体質に関する質問をします。喫煙や飲酒の習慣、食生活、睡眠時間、運動習慣、アレルギーの有無、服用中の薬、過去の海外渡航歴などを伺うことで、病気の原因やリスク因子を特定していきます。また、家族の病歴も重要な情報です。 血縁者に同じような病気にかかった人がいる場合は、遺伝的な要因も考慮する必要があります。問診は、医師が患者さんを理解し、信頼関係を築くための第一歩です。 安心して話せる雰囲気の中で、包み隠さず伝えるように心がけましょう。医師も患者さんの訴えに耳を傾け、丁寧な説明と適切な診療を心がけています。
その他

患者中心の医療を実現する:問題志向型システムとは?

これまでの医療は、医師の視点や病気自体に重点が置かれがちでした。しかし、医療を取り巻く環境や人々の価値観が変化する中で、患者一人ひとりの状況やニーズを大切にした医療の必要性が高まっています。 従来の医療では、医師の経験や知識に基づいて診断や治療方針が決められることが多く、患者が抱える背景や事情が十分に考慮されないこともありました。 例えば、同じ病気であっても、年齢や生活習慣、仕事、家族構成などが異なれば、治療に対する希望や不安も人それぞれです。 病気の症状だけを見るのではなく、患者一人ひとりの生活や背景、価値観を理解し、その人に最適な医療を提供することが重要になっています。 このような個々の患者に寄り添った医療を実現するために、問題志向型システムは重要な考え方と言えるでしょう。

医療現場で使われる略語:モヒって何?

医療現場では、患者さんの治療やケアを迅速かつ正確に行うため、様々な医療用語が簡縮化された略語として用いられています。 薬剤名、検査名、処置名など、あらゆる場面で略語が登場します。 これらの略語は、 限られた時間の中ですぐに意味が伝わるように、医療従事者間でのコミュニケーションを円滑にする上で大変役立ちます。特に、緊急性の高い状況においては、迅速な判断と行動が求められるため、簡潔な略語を用いることで、よりスムーズな連携が可能となります。 しかし、その一方で、略語の使用には注意が必要です。同じ略語でも、医療機関や診療科によって解釈が異なる場合があり、誤解が生じる可能性も否定できません。また、医療従事者でない患者さんにとっては、聞き慣れない略語は不安や混乱を招く可能性もあります。 そのため、医療現場では、患者さんとのコミュニケーションにおいては、可能な限り略語を避け、分かりやすい言葉で説明することが重要です。もし、略語を用いる場合は、その都度、丁寧に意味を説明するよう心がける必要があります。

医療現場で使われる略語:モヒ

病院で放映されているテレビドラマを何気なく見ていると、医師や看護師が緊迫した状況下で「モヒの準備を!」と指示を出す場面を目にすることがあるかもしれません。この医療現場で使われている「モヒ」とは、一体どのような意味を持つ言葉なのでしょうか? 実は「モヒ」とは、「モルヒネ」という鎮痛剤の略語なのです。 モルヒネは、医療現場において、激しい痛みを抑えるために用いられる非常に強力な鎮痛剤として知られています。手術後や、がんなどの病気による痛みが強い場合に、注射や内服薬として用いられます。 「モヒ」は、医療従事者間で、モルヒネを指示する際に簡潔に伝えるための略語として定着しています。特に、緊急性の高い状況や、迅速な対応が必要な場面においては、言葉のやり取りを減らし、スムーズな連携を図るために、このような略語が用いられることが多いです。 ただし、医療現場以外では、「モヒ」という言葉はあまり一般的ではありません。そのため、一般の人が「モヒ」と聞いても、それがモルヒネを指す言葉だと理解するのは難しいでしょう。 テレビドラマを通して医療現場の言葉を垣間見ることはできますが、実際に使われている専門用語や略語は、私たちが想像する以上に複雑で、奥深いものです。

医療現場で使われる略語:モヒ

病院で働いていると、医師や看護師が専門用語や略語を使っているのを耳にすることがよくありますよね。患者さんの前で使われることもあれば、医療スタッフ同士の会話の中で飛び交うこともあります。 今回は、そんな医療現場で使われる略語の中から「モヒ」について解説していきます。「モヒ」は、私たちがよく知る鎮痛剤である「モルヒネ」の略語です。モルヒネは、痛みの信号が脳に伝わるのをブロックすることで、強い痛みを抑える効果があります。 手術後や、がんなどの病気による強い痛みを和らげるために使われることが多いです。医療現場では、モルヒネを投与する際に、「モヒ〇〇mg」のように、略して使われます。これは、忙しい医療現場で、正確かつ迅速に情報を伝えるために用いられる方法の一つです。 ただし、患者さんに対しては、分かりやすさを優先し、「モルヒネ」と正式な名称で伝えることが一般的です。このように、医療現場では、患者さんへの配慮から、同じ薬剤でも、状況に応じて使い分けがされているのです。
消化器

急性虫垂炎の診断:モンロー点

お腹の痛みは、日常生活で誰もが経験するありふれた症状です。食べ過ぎや消化不良、風邪によるものなど、その原因は実に様々です。多くの場合、お腹の痛みは一時的なもので自然と治まりますが、中には緊急の治療が必要な深刻な病気が隠れていることもあります。そのため、お腹の痛みを感じた際には、その種類や痛む場所、症状の出方など、痛みに関する情報を詳しく確認することが重要です。 お腹の痛みの中でも、右下腹部に見られる痛みは特に注意が必要です。右下腹部には、盲腸の先端にある虫垂という器官が存在します。この虫垂に炎症が起こる病気を急性虫垂炎、一般的には「盲腸」と呼びますが、右下腹部に激しい痛みが生じることが特徴です。初期はみぞおちのあたりが痛むこともありますが、時間の経過とともに痛みが右下腹部へと移動していきます。また、吐き気や嘔吐、発熱、食欲不振などを伴うこともあります。 もちろん、右下腹部の痛みが必ずしも急性虫垂炎を示唆するわけではありません。しかし、急性虫垂炎は放置すると命に関わる危険性もある病気です。そのため、少しでも気になる症状があれば、自己判断せず、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
消化器

盲腸と虫垂炎

- 盲腸とは解剖学において「盲腸」とは、大腸の一部を指す言葉です。食べ物の消化・吸収を終えた残渣は、小腸から大腸へと送られます。小腸と大腸の接続部分には、「回盲弁」と呼ばれる逆流防止弁のような構造があり、ここから大腸が始まります。回盲弁から続く大腸は、まず上行結腸、横行結腸、下行結腸と続き、S状結腸を経て直腸へとつながっていきます。そして、このうち回盲弁から続く大腸の始まりの部分、行き止まりになっている部分を「盲腸」と呼びます。通常、盲腸の長さは5~6cmほどです。盲腸の後内側壁には、「虫垂」と呼ばれる直径3~5mmほどの袋状の臓器が付いています。虫垂は、リンパ組織が集まってできた器官で、免疫機能に関与していると考えられていますが、その詳細な役割についてはまだ解明されていません。虫垂は、一般的には右下腹部に位置していますが、人によっては発生過程の違いにより、右上腹部や骨盤内など、様々な場所に位置する可能性があります。虫垂に炎症が起きると「虫垂炎」となりますが、世間一般では虫垂炎のことを「盲腸」と呼ぶことが多く見られます。医学的には、虫垂と盲腸は明確に区別されるため、注意が必要です。例えば、医療機関を受診する際には、「盲腸が痛い」ではなく、「右下腹部が痛い」と症状を伝えるようにしましょう。
消化器

生命の関所:門脈の役割

- 門脈とは何か門脈とは、胃や腸などの消化器官と脾臓から血液を集めて肝臓へと運ぶ、人体にとって非常に重要な血管です。食べ物を消化して吸収した栄養分を豊富に含んだ血液は、この門脈を通って肝臓へと送られます。人間の身体では通常、心臓がポンプの役割を果たし、全身に血液を送り出しています。心臓から送り出された血液は、全身を巡って再び心臓へと戻っていきます。そして、心臓に戻った血液は肺へと送られ、そこで酸素を取り込んで再び全身へと送り出されるのです。しかし、門脈を流れる血液は、心臓に戻る前に肝臓を通過するという点で、他の血管とは大きく異なります。これは、消化器官から吸収された栄養分を、肝臓が効率よく処理するためです。肝臓は、門脈を通じて運ばれてきた栄養分を、身体に必要な形に変えたり、必要に応じて蓄えたり、あるいは解毒したりといった働きを担っています。このように、門脈は、消化器官で吸収された栄養分を肝臓へと運び、身体全体の健康を維持するために重要な役割を担う、非常に重要な血管と言えるでしょう。
消化器

沈黙の臓器からの警告?:門脈圧亢進症を理解する

- 門脈圧亢進症とは?私たちの体内には、全身に張り巡らされた血管があり、血液が循環することで、酸素や栄養が体の隅々まで届けられています。この血液の流れにおいて、門脈は重要な役割を担っています。門脈は、胃や腸といった消化器官で吸収された栄養豊富な血液を集め、肝臓へと運ぶ血管です。肝臓はこの血液を受け、栄養分を処理したり、体に必要な物質を作り出したりしています。門脈圧亢進症とは、この門脈の血圧(門脈圧)が、何らかの原因で慢性的に高くなってしまう病気です。門脈圧が高くなると、血液がスムーズに肝臓に流れ込めなくなり、様々な症状が現れます。主な原因としては、肝臓の病気、特に肝硬変が挙げられます。肝硬変は、長年の飲酒やウイルス感染などによって肝臓の細胞が破壊され、線維組織が増殖することで肝臓が硬くなってしまう病気です。硬くなった肝臓は血液の流れを阻害するため、門脈圧が上昇しやすくなります。その他にも、門脈自体が詰まる門脈血栓症や、心臓の機能低下によって血液が滞る心不全などが原因となることもあります。門脈圧亢進症は、放置すると様々な合併症を引き起こす可能性があり、注意が必要です。
消化器

沈黙の臓器からの警告:門脈圧亢進症を知る

私たちの体には、全身に張り巡らされた血管のネットワークがあります。このネットワークを流れる血液は、酸素や栄養を体の隅々まで届け、不要なものを運び去るという重要な役割を担っています。 「門脈」も、この血管ネットワークの一部であり、特に消化器官と肝臓を結ぶ太い血管を指します。食べ物を消化・吸収する胃や腸、そして血液の貯蔵庫である脾臓などは、門脈を通じて肝臓とつながっています。 門脈が運ぶ血液は、消化器官で吸収された栄養分を豊富に含んでいます。この栄養豊富な血液は、肝臓に運ばれ、そこで体に必要な栄養素へと作り変えられたり、貯蔵されたり、あるいは不要なものを解毒したりします。つまり、門脈は、体に必要な栄養を供給し、健康を維持するために重要な役割を担っていると言えるでしょう。
皮膚科

蒙古斑:日本人によく見られる生まれつきのアザ

- 蒙古斑とは?蒙古斑とは、生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚に見られる、青みがかったアザのことです。お尻や腰のあたりに現れることが多く、まるで誰かに強くこねられたような跡に見えることもあります。色は薄い青色から濃い灰色まで、大きさも人それぞれです。 一見すると心配になるかもしれませんが、蒙古斑は病気ではありません。痛みやかゆみなどの症状も全くなく、赤ちゃん自身は気にしていません。 蒙古斑ができる原因は、皮膚にメラニン色素を作る細胞が集まっているためです。 メラニン色素は、肌や髪の色を決める役割をしています。 蒙古斑は成長とともに薄くなり、ほとんどの場合、小学校に上がる頃までには目立たなくなります。 治療の必要もなく、特別なケアも必要ありません。しかし、まれに大人になっても消えずに残ってしまうこともあります。
小児科

赤ちゃんに見られるモロー反射とは?

- モロー反射とは生まれたばかりの赤ちゃんや乳児が見せる、興味深い行動のひとつに「モロー反射」があります。これは、外界からの予期せぬ刺激に対して、赤ちゃんがとっさに反応してしまうことから起こる、生まれつき持っている反射運動のことを指します。この反射運動は「原始反射」とも呼ばれ、成長に伴い徐々に姿を消していくのが特徴です。では、具体的にモロー反射はどのような行動で観察されるのでしょうか?赤ちゃんは、大きな音や急な体位の変化といった、突然の刺激を受けると、まるで驚いたかのように両腕を大きく広げ、その後、再び腕を胸の前で閉じる動きをします。まるで誰かをぎゅっと抱きしめようとしているかのような、愛らしい仕草です。この特徴的な行動こそが、モロー反射と呼ばれています。モロー反射は、赤ちゃんの神経系の発達が順調に進んでいるかどうかを判断する上で、重要な指標の一つとなっています。もしも、赤ちゃんが生後数ヶ月経ってもモロー反射が見られたり、逆にモロー反射が現れるべき時期に反応が見られなかったりする場合は、医師に相談する必要があるかもしれません。
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