「き」

検査

健康診断の重要指標:基準値を理解する

健康診断の結果を受け取ると、様々な数値が並んでいて、その横に「基準値」というものが記載されているのに気付くでしょう。この基準値は、一体何を意味するのでしょうか。簡単に言うと、基準値とは、健康な人が持つ検査値の範囲を示したものです。 例えば、血液検査でコレステロール値を測ったとします。この時、基準値は、健康な人のコレステロール値がどの範囲に収まるのかを示しています。もし、あなたの値がこの範囲内であれば、ひとまず安心と言えるでしょう。逆に、基準値から外れている場合は、基準値より高すぎるのか、低すぎるのかによって、脂質異常症などの病気の可能性も考えられます。 ただし、基準値はあくまでも目安です。基準値から少し外れていたとしても、必ずしも病気を意味するわけではありません。年齢や性別、体質、生活習慣などによって、検査値は個人差があります。また、基準値は、検査機関や測定方法によっても異なる場合があります。 健康診断の結果を正しく理解するためには、基準値の意味を理解しておくことが大切です。もし、検査結果について不安な点があれば、医師に相談するようにしましょう。
脳・神経

胸郭出口症候群:その原因と症状

- 胸郭出口症候群とは胸郭出口症候群は、聞きなれない病名かもしれませんが、鎖骨の周辺を通る神経や血管が圧迫されることで、腕や肩、首などに様々な症状が現れる病気です。神経や血管の通り道である「胸郭出口」と呼ばれる部分が、生まれつきの骨の形や、日常生活での姿勢や動作によって狭くなることで発症すると考えられています。例えば、重い荷物を持つ、長時間デスクワークをする、長時間運転する、など、腕を上げ下げする動作や、猫背などの姿勢を長時間続けることで、首から肩、腕にかけて走行する神経や血管が圧迫され、痛みやしびれなどの症状を引き起こすことがあります。具体的には、腕や手のしびれ、痛み、冷感、だるさなどが挙げられます。また、手の握力低下や、細かい動作がしにくくなるといった症状が現れることもあります。症状は、片側だけに現れる場合もあれば、両側に現れる場合もあります。胸郭出口症候群は、比較的若い女性に多くみられると言われています。また、デスクワークや手を使う作業が多い人、なで肩の人なども発症しやすいとされています。症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
呼吸器

気管支炎を理解する:症状、原因、治療法

- 気管支炎とは気管支炎は、空気の通り道である気管支に炎症が起こり、様々な症状を引き起こす病気です。この炎症によって気管支の壁が腫れ上がり、空気の通り道が狭くなってしまいます。その結果、息が苦しくなったり、咳が出たりといった呼吸の症状が現れます。気管支炎の原因として最も多いのは、風邪などのウイルス感染です。ウイルスが鼻や喉から侵入し、気管支まで到達して炎症を引き起こします。また、ウイルス以外にも、細菌や、ほこり、煙などの刺激物が原因となることもあります。気管支炎になると、咳、痰、息切れ、胸部不快感など、風邪と似たような症状が現れます。咳は最初は乾いた咳が多いですが、その後、黄色や緑色の痰を伴う咳に変わることがあります。また、発熱や鼻水、喉の痛みを伴うこともあります。ほとんどの気管支炎は自然に治りますが、症状が重い場合や長引く場合は、医療機関を受診しましょう。医師の診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
脳・神経

胸郭出口症候群:その原因と症状

- 胸郭出口症候群とは胸郭出口症候群は、首から腕、指にかけて伸びる神経や血管が、特定の場所で圧迫されることで、しびれや痛み、冷えなどの症状が現れる病気です。 私たちの身体には、心臓から送り出された血液を全身に巡らせるための血管と、脳からの指令を全身に伝えるための神経が張り巡らされています。腕や手に向かう神経と血管は、首から鎖骨の下を通り、腕へと伸びています。この鎖骨の下には、鎖骨と第一肋骨という骨の間の狭い空間があり、「胸郭出口」と呼ばれています。胸郭出口は、腕神経叢と呼ばれる腕や手に伸びる神経の束と、鎖骨下動脈という血管が通る重要な場所です。しかし、この狭い空間で、様々な要因によって神経や血管が圧迫されてしまうことがあります。その原因として、長時間のパソコン作業やデスクワーク、猫背などの姿勢不良、重い荷物を持つなどの習慣が挙げられます。 また、生まれつき肋骨や鎖骨の形に異常がある場合や、過去の怪我による影響で発症することもあります。神経や血管が圧迫されると、腕や手、指にしびれや痛み、冷えなどが生じます。 症状は、腕を上げた時や首を特定の方向に傾けた時に強くなる傾向があり、重症になると手の筋肉がやせてしまうこともあります。
外科

失われた歩行を取り戻す義足

- 義足とは義足とは、事故や病気などによって片足または両足の全部または一部を失ってしまった方が、再び歩行できるように、あるいは運動を楽しめるように装着する人工の足のことです。身体の一部を補完するという意味では、眼鏡や入れ歯なども人工装具と言えますが、義足は単なる代替品ではありません。義足は、使用する方の身体機能、生活スタイル、そして目標に合わせてオーダーメイドで作られることがほとんどです。例えば、日常生活で快適に歩きたい、スポーツを楽しみたい、仕事で重い物を持ち上げたいなど、目的や状況は人それぞれです。そのため、義足の素材や形状、関節の仕組みなどは、使用者のニーズに合わせて細かく調整されます。近年では、技術の進歩により、より軽量で耐久性の高い素材が使用されるようになったり、コンピューター制御で動きをサポートする電動義足なども開発されています。これらの技術革新により、義足を使用する方の生活の質は飛躍的に向上しています。義足は、使用する方が再び自分の足で歩ける喜びを感じ、社会に積極的に参加していくための大きな助けとなっています。
脳・神経

よくある頭痛、緊張型頭痛とは?

- 緊張型頭痛とは緊張型頭痛は、多くの人が経験するありふれた頭痛の一種です。この頭痛の特徴は、頭全体をぎゅっと締め付けられるような感覚を伴う痛みです。痛みの程度は個人差があり、鈍く感じる程度から、日常生活に影響が出るほど強い場合まで様々です。「まるで帽子をきつく被ったような」「頭の上に重りが乗っているような」と表現されることが多く、分かりやすい例えと言えるでしょう。また、緊張型頭痛は、肩や首のこわばりを伴うことも少なくありません。これらの症状は、デスクワークや長時間のスマホ操作など、同じ姿勢を長時間続けることによって引き起こされる筋肉の緊張が原因と考えられています。ただし、緊張型頭痛は命に関わる病気ではありませんので、過度に心配する必要はありません。しかし、痛みが続いたり、頻繁に起こる場合は、日常生活に支障をきたす可能性があります。我慢せずに医療機関を受診し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。
その他

指の曲げ伸ばしの要!近位指節間関節とは

私たち人間は、日常生活において指を器用に動かして様々な動作を行っています。食事の際に箸を使ったり、文字を書いたり、パソコンを操作したりと、指先を使う動作は数え切れないほどあります。このように、指は私たちにとって欠かせない体の部位と言えるでしょう。 ところで、指をスムーズに動かすために重要な役割を果たしているのは何でしょうか?それは関節です。関節は骨と骨とをつなぐ接続部分のことで、体のある部分を曲げたり伸ばしたり回転させたりする運動を可能にしています。指には複数の関節が存在しますが、中でも特に重要なのが「近位指節間関節」と呼ばれる関節です。 この関節は、指の付け根から一つ目の関節にあたり、指を曲げ伸ばしする際に大きな可動域を担っています。例えば、物を握ったり、つまんだりする動作は、この近位指節間関節の働きによって可能になるのです。 今回の記事では、この「近位指節間関節」の構造や機能、役割について、さらに詳しく解説していきます。また、近位指節間関節で起こりうる疾患や、健康を維持するための方法についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みください。
外科

ギプスシーネ:骨折や捻挫の固定に活躍する副木の役割

- ギプスシーネとは 骨折や捻挫といった怪我をしてしまった際に、損傷した部分を固定するために用いる医療用の添え木を、ギプスシーネと呼びます。 これは、ドイツ語で石膏を意味する「ギプス」と、副木を意味する「シーネ」を組み合わせた言葉です。 その名の通り、石膏を染み込ませた包帯を硬化させて作られます。 ギプスシーネは、患部全体を覆ってしまうギプス包帯とは異なり、半分程度だけを覆うように作られます。 そのため、ギプス包帯と比較して通気性が良く、むくみが引いてきた時や入浴時など、必要に応じて取り外しが可能という利点があります。 ただし、医師の指示なく勝手に取り外してしまうと、患部の状態が悪化したり、回復が遅れたりする可能性がありますので、注意が必要です。
脳・神経

記憶障害:脳の神秘に迫る

- 記憶障害とは何か記憶障害とは、脳の働きに何らかの問題が生じることで、記憶に関する能力に影響が出てしまう状態のことを指します。 私たちは普段の生活の中で、絶えず記憶の力を借りて生活しています。例えば、昨日食べた夕食を思い出す、新しい人の名前を覚える、朝起きたときに顔を洗う、といった行動も、すべて記憶が正常に機能しているからこそできることです。記憶障害が起こると、このような記憶に関連する行動に困難が生じ、日常生活に支障が出てしまうことがあります。 例えば、人の名前が出てこなかったり、約束を忘れてしまったり、時には自分が置かれている状況がわからなくなってしまうこともあります。 記憶障害には、様々な種類と程度があります。 ある特定の期間の記憶だけを失ってしまう場合もあれば、新しいことを全く覚えられなくなってしまう場合もあります。 また、記憶障害の原因も、加齢、ストレス、脳卒中、アルツハイマー病など、実に様々です。記憶障害は、誰にでも起こりうる身近な問題です。 もし、ご自身や周囲の方が記憶に関するトラブルを抱えていると感じたら、早めに医療機関に相談することが大切です。
呼吸器

肺の奥をのぞく:気管支肺胞洗浄とは?

- 気管支肺胞洗浄の目的 呼吸によって体内に取り込まれた空気は、鼻や口から気管を通って肺へと送られます。そして、肺の奥にある無数の小さな袋状の器官である肺胞に到達します。この肺胞こそが、血液中に酸素を取り込み、体内で発生した二酸化炭素を排出する、ガス交換の重要な役割を担う場所です。 気管支肺胞洗浄は、この肺胞の状態を詳しく調べるために行われる検査です。細い管を鼻や口から挿入し、気管支を通って肺胞に到達させます。そして、あらかじめ用意した少量の生理食塩水を肺胞内に注入し、その後、その液体を吸引して回収します。この回収した液体を「肺胞洗浄液」と呼びます。 肺胞洗浄液には、肺胞内に存在する細胞や細菌、異物などが含まれています。そのため、顕微鏡で観察したり、培養検査を行ったりすることで、肺胞に炎症が起きていないか、どのような種類の細胞が増えているのか、感染症の原因となる細菌やウイルスが存在するのかなどを調べることができます。 このように、気管支肺胞洗浄は、肺の奥深くにある肺胞の状態を直接調べることのできる、非常に有用な検査方法と言えるでしょう。原因不明の咳や呼吸困難、間質性肺炎などの病気の診断、治療効果の判定などに役立てられています。
脳・神経

強直間代性けいれん:知っておきたいこと

けいれんは、脳を流れる電流に異常が生じることで起こる発作です。意識や運動、感覚、行動などに一時的に異常が現れます。一口にけいれんと言っても、その種類は様々で、症状や持続時間も人によって、また原因によって異なります。 けいれんは大きく分けて、一部の脳領域で異常な電気活動が起こる部分発作と、脳全体に広がる全般発作の二つに分類されます。 部分発作は、さらに意識が保たれる単純部分発作と、意識がなくなる複雑部分発作に分けられます。単純部分発作では、手足が勝手に動いたり、感覚がおかしくなったりするなどの症状が現れます。複雑部分発作では、意識がなくなったり、ぼーっとしたりする症状に加え、意味のない行動を繰り返すこともあります。 一方、全般発作では、脳全体に異常な電気活動が広がるため、全身に症状が現れます。意識を失って体全体が硬直する強直間代発作や、全身の筋肉から力が抜けて、ぐったりとする欠神発作など、様々なタイプの発作があります。 繰り返しけいれんを起こす病気として、てんかんが挙げられます。てんかんは、脳の神経細胞の過剰な興奮によって起こると考えられており、薬物療法や外科療法など、様々な治療法があります。 けいれんは、その種類や症状、持続時間、頻度などを把握することが重要です。けいれんが疑われる場合は、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診しましょう。
血液

急性骨髄性白血病未分化型とは

- はじめに血液は、体中に酸素を運んだり、細菌などの外敵から体を守ったりするなど、私たちが生きていく上で欠かせない役割を担っています。この血液を作り出す工場が、骨の中にある骨髄という組織です。骨髄では、様々な種類の血液細胞が毎日生まれては成熟し、血液中に送り出されています。 しかし、この血液細胞ががん化してしまう病気があります。それが白血病です。白血病には、大きく分けて「急性」と「慢性」の二つ、さらに白血球の種類によって「骨髄性」と「リンパ性」の二つに分けられます。 今回は、骨髄において血液細胞ががん化するタイプの白血病である「急性骨髄性白血病」の中でも、特に「急性骨髄性白血病未分化型」について詳しく解説していきます。この病型は、顕微鏡で観察しても細胞の特徴がはっきりしないため診断が難しく、治療法の選択も難しいケースがあります。 この章では、急性骨髄性白血病未分化型の定義、症状、診断、治療法などについて、詳しく解説していきます。患者さんご本人やそのご家族にとって、この病気を理解し、治療に向き合うための一助となれば幸いです。
血液

急性前骨髄球性白血病:稀少だが治癒可能な白血病

血液は、体中に酸素を届けたり、細菌やウイルスなどの外敵から体を守ったりする重要な役割を担っています。血液の中には、赤血球、白血球、血小板といった様々な細胞が存在しますが、その中でも、白血球は体を守るために特に重要な役割を担っています。 白血病は、この白血球ががん化してしまう病気です。白血球は、体の中で毎日作られていますが、白血病になると、骨髄という場所で作られる白血球が、がん細胞に変化してしまいます。がん化した白血球は、正常な白血球のように働くことができず、増殖を繰り返して骨髄を占拠してしまいます。その結果、正常な血液細胞が作られなくなり、様々な症状が現れるようになります。 白血病には、大きく分けて急性と慢性の二つ、さらにそれぞれに骨髄性とリンパ性という種類があります。急性骨髄性白血病(AML)は、白血病の中でも進行が早く、放置すると命に関わる病気です。急性前骨髄球性白血病(APL)は、このAMLに分類される病気の一つで、AML全体の約10%と、比較的稀な病気ですが、適切な治療を行うことで治癒が期待できる白血病としても知られています。
検査

診断の鍵! 既往歴を理解する

既往歴とは何か 皆さんは「既往歴」という言葉をご存知でしょうか?これは、病院で問診票を書く際などによく目にしますよね。医療現場では欠かせない情報ですが、具体的に何を指すのか、なぜ重要なのか、詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。今回は、この「既往歴」について詳しく解説していきましょう。 既往歴とは何か 「既往歴」とは、簡単に言うと、その人が過去にかかった病気や怪我、そして健康状態に関する全ての記録のことです。風邪やインフルエンザなどのありふれた病気はもちろん、肺炎や骨折など、入院や手術を伴うような病気や怪我も含まれます。 さらに、既往歴は単に病気や怪我の名前だけを指すのではありません。例えば、どのような治療を受けたのか、病気の経過はどうだったのか、入院はしたのか、手術は受けたのか、アレルギー反応はあるのか、薬の副作用はどうかといった情報も、全て既往歴に含まれます。これらの情報は、カルテや問診票などに細かく記録されていきます。 では、なぜこのような詳しい記録が必要なのでしょうか?それは、過去の病気や治療の経験が、現在の症状の原因を特定し、適切な治療法を選択する上で非常に重要な手がかりになるからです。例えば、過去に特定の薬でアレルギー反応が出たことがある場合、同じ薬を再び使用すると、同様の反応が出てしまう可能性があります。しかし、既往歴をきちんと把握していれば、そのような危険を回避し、より安全で効果的な治療を行うことができます。
呼吸器

肺の奥を覗く:気管支肺胞洗浄とは

- 気管支肺胞洗浄とは 気管支肺胞洗浄は、肺の奥深くにある小さな袋状の組織「肺胞」に溜まっているものを採取し、顕微鏡などで詳しく調べる検査です。 肺胞は、私たちが呼吸によって体内に取り込んだ空気中の酸素と、血液中の二酸化炭素を交換するという、生命維持に欠かせない重要な役割を担っています。 この検査では、まず鼻や口から細い管を挿入し、気管支という空気の通り道を進みます。そして、目的の肺胞に到達したら、管の先から少量の生理食塩水を注入します。その後、注入した生理食塩水を吸引して回収し、その中に含まれている細胞や物質を分析します。 気管支肺胞洗浄は、咳や痰では排出されない肺胞内の状態を直接調べることのできる検査であり、原因不明の咳や呼吸困難、肺炎などの呼吸器疾患の診断に役立ちます。具体的には、感染症の原因となる細菌やウイルス、がん細胞、炎症細胞などを特定することができます。また、病気の活動性や治療効果の判定にも有用です。 気管支肺胞洗浄は、肺の奥深くまで管を挿入するため、患者さんにとって負担が大きい検査です。 検査中は医師や看護師が付き添い、患者さんの状態を注意深く観察しながら行います。また、検査前に十分な説明を受け、不安や疑問を解消しておくことが大切です。
血液

急性骨髄性白血病:血液のがんを知る

- 急性骨髄性白血病とは 急性骨髄性白血病(AML)は、血液に発生するがんで、血液細胞の元となる造血幹細胞ががん化してしまう病気です。 私たちの血液には、酸素を運ぶ赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、出血を止める血小板など、様々な役割を持つ細胞が存在します。これらの血液細胞は、骨の中心部にある骨髄という組織で作られます。この骨髄の中に存在する造血幹細胞は、様々な血液細胞を作り出すことができる特別な細胞です。 通常、造血幹細胞は健康な血液細胞を作り出すために働いていますが、AMLでは、この造血幹細胞に遺伝子の異常が起こってしまいます。その結果、造血幹細胞は正常に機能しなくなり、異常な白血球である「骨髄芽球」が過剰に作られてしまいます。 骨髄芽球は、未熟な白血球であるため、細菌やウイルスから体を守るなどの正常な白血球としての働きを持ちません。さらに、骨髄芽球が増殖することで、正常な血液細胞が作られるスペースが失われてしまいます。そのため、AMLを発症すると、正常な赤血球、白血球、血小板が減少し、様々な症状が現れます。具体的には、細菌やウイルスに対する抵抗力が低下するため感染症にかかりやすくなる、貧血になる、出血しやすくなる、などが挙げられます。
食生活

健康の秘訣!魚油のパワーを探る

- 魚油とは?魚油とは、イワシ、サバ、マグロなど、私たちが普段口にすることの多い魚から作られる油のことです。 これらの魚を煮沸し、溶け出した脂肪分を集めて精製することで、独特の香りと風味を持つ黄金色の油が出来上がります。 一見すると、家庭で使うサラダ油と変わらないように思えるかもしれません。しかし、魚油には、サラダ油には含まれていない、健康に良いとされる様々な成分が含まれています。古くから、魚をよく食べる地域の人々は、心臓病が少ないという事実に注目が集まっていました。その後の研究で、魚油に含まれるDHAやEPAと呼ばれる成分が、血液をサラサラにしたり、中性脂肪値を下げたりする効果を持つことが明らかになってきました。 DHAは脳の働きを活発にする効果も期待されており、記憶力や学習能力の向上にも役立つと考えられています。 また、EPAには、炎症を抑えたり、関節の痛みを和らげる効果も期待されています。魚油は、サプリメントとして手軽に摂取できることも魅力の一つです。魚を食べる機会が少ない方や、魚独特の臭みが苦手な方でも、効率的に健康 benefits を得ることができます。日々の食生活に魚油を取り入れることで、健康的な毎日を送るための一助となるでしょう。
食生活

生命の維持に必要なエネルギー量:基礎代謝

- 基礎代謝とは 人間は、生きていくために常にエネルギーを消費しています。心臓がドキドキと脈打つのを感じなくても、心臓は休むことなく血液を全身に送り出していますし、息を吸ったり吐いたりすることを意識しなくても、私たちの体は酸素を取り込んで二酸化炭素を排出しています。体温も、常に一定に保たれています。 このように、私たちが意識していなくても、生命を維持するために体内では様々な活動が行われており、それらには全てエネルギーが使われています。この、生きていくために最低限必要なエネルギー量が、基礎代謝と呼ばれるものです。 つまり、一日中ベッドで寝て過ごし、体を全く動かさなかったとしても、生命を維持するために消費されるエネルギーがあるということです。これが基礎代謝量であり、私たちが生きていく上で必要不可欠なエネルギー消費と言えるでしょう。
脳・神経

致死率ほぼ100%!知っておきたい狂犬病の脅威

- 狂犬病とは狂犬病は、狂犬病ウイルスが原因で発症する病気です。主に哺乳動物が感染し、その命を奪う恐ろしい病気として知られています。感染した動物の唾液にはウイルスが含まれており、噛まれたり、傷口を舐められることで、そのウイルスが体内に侵入します。 一度発症すると、ほぼ100%の確率で死に至るため、世界保健機関(WHO)も脅威となる感染症の一つとしています。狂犬病は、世界中で毎年数万人の命を奪っています。 その多くは、アジアやアフリカなどの発展途上国で発生しています。これらの地域では、野犬の管理が十分に行われていなかったり、医療体制が整っていないことが、感染拡大の要因の一つと考えられています。日本では、犬へのワクチン接種や野犬の管理が徹底されているため、1950年以降、国内で感染した犬による狂犬病の発症例はありません。しかし、海外では依然として狂犬病が流行している地域も少なくありません。海外旅行や赴任の際には、渡航先の感染状況を事前に確認し、野良犬や野生動物との接触を避けるなど、感染予防に十分注意する必要があります。万が一、動物に噛まれたり、傷口を舐められたりした場合は、すぐに傷口を流水と石鹸で洗い流し、医療機関を受診することが重要です。
脳・神経

致死の感染症:狂犬病とは

狂犬病は、狂犬病ウイルスによって引き起こされる恐ろしい感染症です。このウイルスは、感染した動物の唾液中に存在し、主に動物に噛まれたり、引っ掻かれたりすることで人に感染します。 傷口から体内に入ったウイルスは、神経を伝って脳に到達し、そこで増殖して脳炎を引き起こします。 感染すると、初期には発熱や頭痛など、風邪に似た症状が現れます。その後、興奮、錯乱、幻覚、麻痺などの神経症状が現れ、最終的には昏睡状態に陥り、死に至ることがほとんどです。 狂犬病は、適切な治療を行わなければほぼ100%死に至る恐ろしい病気ですが、ワクチン接種によって予防することができます。 狂犬病は世界中でみられる病気ですが、日本では犬に対する徹底したワクチン接種と野犬対策の結果、現在では国内での発生はほとんどみられません。 しかし、海外では依然として流行している地域もあるため、これらの地域へ渡航する際には注意が必要です。 渡航前に狂犬病の予防接種を受けることや、動物との接触を避けるなどの予防策を講じることが重要です。
消化器

命に関わる胆管の炎症:急性胆管炎

- 急性胆管炎とは急性胆管炎は、生命にかかわる可能性もある危険な病気です。胆汁の流れが悪くなることで細菌感染を起こし、胆管に強い炎症を引き起こします。胆汁は、肝臓で作られる消化液で、脂肪の分解を助ける重要な役割を担っています。肝臓で作られた胆汁は、いったん胆嚢に蓄えられ、その後、胆管と呼ばれる管を通って十二指腸に送られます。ところが、この胆管が胆石や腫瘍などによって塞がってしまうと、胆汁の流れが滞ってしまいます。すると、胆汁が溜まり、そこに細菌が繁殖しやすくなるのです。細菌が繁殖すると、胆管に炎症が起こり、これが急性胆管炎の始まりです。急性胆管炎になると、発熱、腹痛、黄疸といった症状が現れます。特に右上腹部には激しい痛みが生じることが多く、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。また、重症化すると意識障害やショック状態に陥ることもあり、迅速な治療が必要です。急性胆管炎は、早期に発見し、適切な治療を行えば、多くの場合、治癒する病気です。しかし、放置すると重症化し、命に関わる危険性も高まります。そのため、腹痛や発熱、黄疸などの症状が出た場合には、速やかに医療機関を受診することが重要です。
産婦人科

医療現場のギネ:産婦人科を指す言葉

皆さんは「ギネ」という言葉を聞いたことがありますか?もしかしたら、医療ドラマや漫画の中で耳にしたことがあるかもしれませんね。 実はこの「ギネ」という言葉、私たちが普段「産婦人科」と呼んでいる診療科を指す言葉なのです。 日常生活で耳にする機会は少ないかもしれませんが、医療現場では日常的に使われています。 では、なぜ「産婦人科」を「ギネ」と呼ぶのでしょうか? 実は「ギネ」は、ギリシャ語で女性を意味する「gyne(ギュネー)」という言葉が由来となっています。ギュネーは、医学用語の中でも「婦人科」を意味する言葉として使われており、それが短縮されて「ギネ」と呼ばれるようになったと言われています。 「ギネ」が担当する診療範囲は、妊娠・出産はもちろんのこと、月経不順や更年期障害、子宮や卵巣の病気など、女性の体に関すること全般に及びます。 女性の生涯を通して、健康をサポートする役割を担っていると言えるでしょう。
血液

急性GVHD:移植後の免疫反応を知る

- 急性GVHDとは造血幹細胞移植は、血液のがんや難病の治療法として大きな期待が寄せられています。しかし、移植後には、提供された造血幹細胞(ドナー)と、移植を受けた患者さん(レシピエント)の身体の間で、様々な免疫反応が起こることがあります。その中でも、急性GVHD(移植片対宿主病)は、移植後の合併症として特に注意が必要とされています。急性GVHDは、一体どのような病気なのでしょうか?簡単に言うと、移植されたドナー由来の免疫細胞が、患者さんの身体を「異物」と認識し攻撃してしまう病気です。通常、私たちの体内には、細菌やウイルスなどの外敵から身を守る免疫細胞が存在します。ところが、他人から提供された造血幹細胞は、患者さんから見ると「非自己」と認識されてしまうことがあります。そのため、ドナー由来の免疫細胞は、本来攻撃すべきでない患者さんの臓器や組織を攻撃してしまうのです。急性GVHDは、主に皮膚、肝臓、消化管といった臓器に炎症を引き起こします。具体的には、皮膚の発疹やかゆみ、黄疸、下痢、腹痛などの症状が現れます。これらの症状は、移植後100日以内に発症することが多く、重症化すると命に関わるケースもあります。急性GVHDの発症リスクや重症度は、移植する細胞の種類や量、ドナーとレシピエントのHLA(ヒト白血球抗原)の適合度、患者さんの年齢や基礎疾患など、様々な要因が影響します。そのため、移植前に、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、予防対策を検討することが重要となります。
消化器

逆流性食道炎とは?

- 逆流性食道炎の概要逆流性食道炎は、食べ物が胃から食道へ逆流することで、胸やけや炎症を引き起こす病気です。普段は、食道と胃の境目にある筋肉(下部食道括約筋)がしっかりと閉まり、胃の内容物が逆流するのを防いでいます。しかし、様々な要因でこの筋肉の働きが弱まったり、胃酸の分泌が増えたりすると、胃の内容物が食道に逆流してしまうことがあります。これが繰り返し起こることで、食道の粘膜が胃酸によって刺激され、炎症を引き起こします。主な症状としては、胸やけ、吐き気、口の中に酸っぱい液体がこみ上げてくるなどがあります。その他にも、咳、声がれ、胸の痛み、喉の違和感、飲み込みにくさなどの症状が現れることもあります。これらの症状は、食後や横になった際に悪化する傾向があります。逆流性食道炎は、食生活の乱れ、肥満、喫煙、飲酒、ストレスなどが原因で起こると考えられています。また、加齢に伴い下部食道括約筋の機能が低下することも、発症のリスクを高める要因となります。症状が軽度の場合は、生活習慣の改善や市販薬の使用で症状が和らぐこともあります。しかし、症状が重い場合や長期間続く場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。放っておくと、食道狭窄や食道がんといった合併症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
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