「か」

治療の革新:カクテル療法とは?

複数の薬を組み合わせた治療法は、カクテル療法または多剤併用療法と呼ばれ、近年注目されています。この治療法は、様々な種類の薬を、まるでカクテルを作るように組み合わせることから、その名が付けられました。お酒のカクテル同様、患者さん一人ひとりの症状や体質、病気の進行状況に合わせて、薬の種類や量を調整します。 従来の治療法では、単一の薬で病気の原因にアプローチすることが一般的でした。しかし、ある特定の病気に対して、単一の薬だけでは効果が限定的な場合や、副作用が強く出てしまう場合があります。このような場合に、複数の薬を組み合わせることで、それぞれの薬の効果を高め合い、副作用を軽減しながら、より効果的に治療することが期待できます。 カクテル療法は、がん治療や感染症治療など、様々な分野で応用されています。例えば、従来の抗がん剤治療では、効果が限定的であったり、副作用が強かったりするケースも見られました。しかし、近年では、複数種類の抗がん剤を組み合わせることで、がん細胞を効果的に攻撃し、治療成績を向上させるケースも報告されています。また、HIV感染症の治療においても、複数の抗HIV薬を組み合わせることで、ウイルスの増殖を抑制し、発症を遅らせる効果が期待できます。 しかし、カクテル療法は、複数の薬を服用するため、薬の相互作用や副作用のリスクも高まります。そのため、医師は、患者さんの状態を注意深く観察しながら、適切な薬剤の選択や投与量の調整を行う必要があります。
その他

身近な病気、関節炎について

- 関節炎とは関節炎とは、骨と骨をつなぐ関節に炎症が起こる病気です。関節は、滑らかな動きを助けるクッションのような役割を担っていますが、この関節に炎症が起こると、様々な症状が現れます。代表的な症状として、痛み、腫れ、こわばりなどが挙げられます。炎症が強い場合には、関節周辺が熱を持ち、赤くなることもあります。これらの症状は、朝起きた時や長時間同じ姿勢を続けた後などに強く現れる傾向があります。関節炎は、加齢に伴い発症リスクが高くなるため、高齢者の多くが悩まされている病気として知られています。しかし、若い世代でも発症する可能性は十分にあり、決して他人事ではありません。関節炎には、遺伝や生活習慣、免疫異常など、様々な要因が複雑に関係していると考えられています。関節炎は進行性の病気であるため、早期発見・早期治療が重要となります。関節に違和感を感じたら、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。関節炎の治療には、薬物療法、リハビリテーション、手術療法など、様々な方法があります。症状や進行度合い、患者さんの状態に合わせて、最適な治療法が選択されます。
血液

免疫の主役:顆粒球の役割

- 顆粒球とは私たちの体内には、細菌やウイルスなどの病原体から身を守る「免疫」というシステムが備わっています。その免疫システムにおいて、最前線で活躍する重要な役割を担っているのが白血球です。白血球は、血液中に存在する細胞の一種で、体内をパトロールし、病原体を見つけると攻撃して排除します。 顆粒球は、この白血球の一種で、細胞内に小さな顆粒と呼ばれる袋状の構造を多数持っていることが特徴です。この顆粒の中には、病原体を撃退するための様々な物質が蓄えられています。顕微鏡で観察すると、顆粒球の細胞質には、まるで小さな粒を散りばめたように顆粒が存在している様子がよくわかります。 顆粒球は、さらに、顆粒の染色性や働きによって「好中球」「好酸球」「好塩基球」の3種類に分類されます。 * 好中球は、顆粒球の中で最も数が多く、細菌や真菌を貪食することで感染防御に重要な役割を果たします。 * 好酸球は、寄生虫感染やアレルギー反応に関与し、寄生虫の排除やアレルギー症状の抑制に働きます。 * 好塩基球は、炎症反応に関与し、ヒスタミンなどの化学物質を放出して炎症を引き起こします。 このように、顆粒球は、それぞれの種類によって異なる役割を担い、私たちの体を病原体から守るために活躍しています。
消化器

潰瘍性大腸炎:原因不明の炎症性腸疾患

- 潰瘍性大腸炎とは潰瘍性大腸炎は、大腸の最も内側の層である粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍といった傷ができてしまう病気です。この炎症は、直腸から始まり、連続的に上行して大腸全体に広がっていくという特徴があります。原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫システムの異常が大きく関わっていると考えられています。本来、免疫システムは細菌やウイルスなどの外敵から体を守る働きをしていますが、潰瘍性大腸炎の患者さんの場合、何らかの原因で自分の体の細胞や組織を攻撃してしまうと考えられています。また、遺伝的な要因も指摘されています。家族に潰瘍性大腸炎の方がいる場合、発症するリスクが高くなるというデータがあります。さらに、食生活やストレスなどの環境要因も発症に関与している可能性が示唆されています。潰瘍性大腸炎は、10代後半から20代の若い世代に多く発症する傾向があります。そして、症状がほとんどない寛解期と、下痢や血便、腹痛などの症状が現れる再燃期を繰り返すという経過をたどることが多く、患者さんにとって大きな負担となっています。症状の程度は患者さんによって異なり、日常生活に支障をきたすほどの激しい症状が出る場合もあれば、ほとんど症状を感じない軽症の場合もあります。症状が重い場合は、適切な治療を行わないと、貧血や脱水症状、腸閉塞などの合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
資格・職種

看護師を支える、看護補助者の役割とは?

病院やクリニック、介護施設といった医療や介護の現場で、患者さんの日常を支える大切な役割を担っているのが看護補助者です。看護補助者は、看護師の指示を受けながら、患者さんの身の回りのお世話や看護業務の補助を行います。 具体的には、食事の介助、着替えの補助、トイレの介助、入浴の介助といった日常生活のサポートから、ベッドのシーツ交換、部屋の清掃、患者さんの移動の介助など、患者さんが快適に過ごせる環境作りを行います。 看護補助者は、医療行為を行うことはできません。体温や血圧の測定、薬の投与などは、看護師の指示のもとで行う必要があります。 患者さんの立場に立ち、思いやりの心を持って接すること、そして、チーム医療の一員として、看護師や医師と連携していくことが重要です。 看護補助者は、資格がなくても働くことができますが、より質の高いケアを提供するために、資格取得を目指す人も多くいます。 患者さんの笑顔に直接触れることができ、感謝の言葉をいただけるなど、やりがいを感じられる仕事です。
消化器

沈黙の臓器、肝臓:その役割と重要性

私たちの体には、まるで巨大な工場のように、休みなく働き続けている臓器が存在します。それが肝臓です。肝臓は、お腹の右上、肋骨の下に位置し、重さは約1.2~1.5kgほどあります。その大きさは、成人の握りこぶし二つ分にもなり、人体の中で最大の臓器です。 肝臓は、まさに体内工場の中枢と呼ぶにふさわしい役割を担っています。食べ物から摂取された栄養素は、消化管で吸収された後、最初に肝臓に運ばれます。肝臓は、これらの栄養素を体に必要な形へと変化させます。例えば、糖質をエネルギーに変換したり、貯蔵したりします。また、タンパク質を合成し、筋肉や血液などを作るのに欠かせない役割も担っています。さらに、アルコールや薬物などの分解も行い、体内の毒素を排出する働きも担っています。 このように、肝臓は私たちの生命維持に欠かせない多岐にわたる役割を担っている、非常に重要な臓器と言えるでしょう。
消化器

過敏性腸症候群:その原因と症状

- 過敏性腸症候群とは過敏性腸症候群は、繰り返しお腹の痛みや不快感を伴い、便秘や下痢などの便通異常が慢性的に続く病気です。検査をしても炎症や潰瘍などの目に見える異常が見つからないことが特徴です。このため、他の病気を除外した上で診断されることが多く、診断が難しい病気でもあります。過敏性腸症候群の原因は完全には解明されていませんが、ストレスや不安、緊張などの心理的な要因、食事の内容、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなどが関与していると考えられています。症状は人によって異なり、腹痛、腹部膨満感、便秘、下痢などがみられます。これらの症状は、ストレスを感じると悪化したり、逆に排便によって軽減したりすることがあります。過敏性腸症候群は命に関わる病気ではありませんが、日常生活に支障をきたすことがあります。症状が重い場合は、仕事や学校を休まなければならないこともありますし、人と会うことを避けたり、旅行を控えるようになることもあります。しかし、過敏性腸症候群は適切な治療と生活習慣の改善によって症状をコントロールすることができます。治療には、薬物療法や認知行動療法などがあります。また、食事の内容や睡眠時間、ストレスへの対処法を見直すことも重要です。過敏性腸症候群は、一人で悩まずに、医師に相談することが大切です。適切な治療と生活習慣の改善によって、症状をコントロールし、快適な日常生活を送ることができるようになります。
消化器

下腹部痛:その原因と対処法

- 下腹部痛とは下腹部痛とは、おへそから下の骨盤よりも上のあたりに感じる痛みのことを指します。一般的に、みぞおちとおへその間の上腹部痛、おへそ周りの臍部痛、おへそより下の部分を下腹部痛と区別します。このお腹の痛みは、誰しもが経験したことがあるほど身近な症状の一つです。下腹部痛の多くは、一時的な消化不良や、女性に多い生理痛、便秘などが原因で起こります。これらの場合は、比較的症状が軽く、市販薬や安静によって改善されることが多いため、過度に心配する必要はありません。しかし、痛みが長く続く場合や、我慢できないほど強い痛みがある場合、吐き気や嘔吐、発熱、血便などの症状を伴う場合には注意が必要です。これらの症状は、下腹部痛の原因が、虫垂炎や腸閉塞、婦人科系疾患などの病気である可能性を示唆していることがあります。下腹部痛の原因が病気である場合、適切な治療を受けなければ、症状が悪化したり、命に関わる危険性もあります。そのため、自己判断せずに、医療機関を受診し、医師の診察を受けるようにしましょう。特に、今までに経験したことのない痛み方や、強い不安を感じる場合には、ためらわずに医療機関を受診することが大切です。
消化器

沈黙の臓器の悲鳴:肝炎とは?

- 肝炎とは肝臓は、人体にとって重要な役割を担っています。食べ物を消化するために必要な胆汁を作ったり、アルコールや薬を分解したり、血液をきれいにしたりと、休むことなく働き続けています。 肝炎とは、この重要な臓器である肝臓に炎症が起こる病気です。肝臓に炎症が起こると、本来の働きが十分にできなくなり、様々な症状が現れます。初期症状としては、だるさや食欲不振、吐き気、発熱などが挙げられます。 また、黄疸と呼ばれる、皮膚や白目が黄色くなる症状が現れることもあります。 これは、肝臓の機能低下によって、血液中のビリルビンという黄色い色素がうまく処理できずに、体内に溜まってしまうために起こります。肝炎の原因は様々ですが、大きく分けてウイルスによるものと、ウイルス以外のものがあります。 ウイルス性肝炎は、A型、B型、C型などのウイルスに感染することで引き起こされます。 一方、ウイルス性ではない肝炎は、アルコールの飲み過ぎや、脂肪肝、自己免疫疾患などが原因で起こることがあります。肝炎は、早期発見・早期治療が大切な病気です。 放置すると、肝硬変や肝臓がんといった重い病気につながる可能性もあります。 定期的な健康診断を受けたり、気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
資格・職種

看護師の仕事:患者さんの心に寄り添う

- 看護師とは看護師は、病気、怪我、障害など、様々な健康上の問題を抱える人々に対して、専門的な知識と技術に基づいたケアを提供する、医療現場に欠かせない役割を担っています。医師の指示のもと、点滴や注射、薬の管理、傷の手当てといった医療処置を行い、患者さんの回復をサポートします。 看護師の仕事は、医療処置だけにとどまりません。患者さんの状態を注意深く観察し、変化があれば医師に報告することも重要な役割です。例えば、体温や血圧、脈拍などのバイタルサインをチェックしたり、患者さんの訴えに耳を傾けたりすることで、異常にいち早く気付くことができます。そして、医師に正確に情報を伝え、適切な治療につなげていきます。 また、看護師は、患者さんの日常生活を支える存在でもあります。食事や入浴、トイレなどの介助や、病気や治療に関する不安や悩みに寄り添い、精神的なサポートも行います。患者さんが安心して治療に専念できるよう、温かく寄り添うことが求められます。 このように、看護師は、患者さんの心身に寄り添いながら、健康な状態へと導く、重要な役割を担っているのです。
外科

医療行為における「観血的」とは?

医学の分野において、「観血的」という言葉は、文字通り「血を見る」処置、つまり出血を伴う医療行為を指します。患者さんの体内に直接アプローチするため、出血は避けられない側面と言えます。 観血的な医療行為の代表例としては、外科手術が挙げられます。外科手術では、メスを用いて皮膚や組織を切開し、病変部を切除したり、臓器を修復したりします。例えば、虫垂炎の手術では、炎症を起こした虫垂を切除するために腹部を切開します。また、骨折した骨を固定するために、金属プレートやネジを埋め込む手術なども、観血的な医療行為に分類されます。 心臓カテーテル検査も、観血的な医療行為の一つです。この検査では、足の付け根や腕の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、心臓まで進めます。そして、造影剤を注入しながらレントゲン撮影を行うことで、心臓の血管の状態を詳細に調べます。 観血的な医療行為は、出血や感染症などのリスクを伴いますが、直接患部にアプローチできるため、より確実な診断や治療効果が期待できます。例えば、外科手術では、病変部を直接見て確認しながら切除できるため、取り残しを少なくすることができます。また、心臓カテーテル検査では、心臓の血管の状態を詳細に把握することで、適切な治療方針を立てることができます。
看護技術

看護の現場:看護単位とは?

- 看護単位とは病院や診療所といった医療機関において、患者さんの看護を専門に行う看護師の集団を看護単位と呼びます。多くの場合、患者さんが入院する病棟を指し、「外科病棟」や「内科病棟」のように、診療科ごとに設置されていることが多いです。それぞれの看護単位には、リーダーである看護師長のもと、看護師、准看護師、看護助手といった様々な資格を持つ職員で構成されたチームが存在し、入院から退院まで、患者さんの療養生活を様々な面から支える役割を担っています。看護単位では、患者さん一人ひとりの症状や状況に合わせて、きめ細やかな看護を提供することが求められます。具体的には、体温や血圧などの測定といった健康状態の観察、医師の指示に基づいた薬の投与や処置、食事や排泄の介助、清潔な環境の維持など、多岐にわたる業務を行います。また、患者さんやその家族の不安や悩みに寄り添い、精神的なケアを行うことも重要な役割です。病気や治療に関する説明、入院生活の不安や悩みを聞くなど、患者さんが安心して治療に専念できるようサポートします。このように、看護単位は、患者さんが安心して治療を受け、一日も早く回復できるよう、医療チームの一員として重要な役割を担っています。
アレルギー

免疫の異常で起こる関節リウマチ

- 関節リウマチとは関節リウマチは、本来は細菌やウイルスなどの外敵から体を守るはずの免疫システムに異常が生じ、自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことで起こる病気です。このような病気を自己免疫疾患と呼びますが、関節リウマチはこの自己免疫疾患の一つに分類されます。関節リウマチでは、体の多くの関節が炎症を起こし、腫れたり痛んだりすることが特徴です。特に、手足の小さな関節が左右対称に侵されることが多く見られます。私たちの関節の内側には、滑膜と呼ばれる薄い膜が存在します。滑膜は関節液を作り出し、関節の動きを滑らかにする役割を担っています。しかし関節リウマチでは、この滑膜に炎症が起きてしまいます。炎症によって滑膜は異常に増殖し、関節の軟骨や骨を破壊しながら進行していきます。関節リウマチは、放置すると関節の変形が進み、日常生活に大きな支障をきたすようになります。早期に発見し、適切な治療を開始することが非常に大切です。
外科

医療における「観血的」とは?

- 観血的な治療とは医療において、患者さんの身体に直接介入して治療を行う方法を、大きく分けて「観血的治療」と「非観血的治療」の二つに分類することがあります。 「観血的治療」とは、文字通り、血液を見る可能性を伴う治療法を指します。具体的には、メスを用いて皮膚や組織を切開する外科手術や、カテーテルを血管や体腔に挿入する検査などが、観血的な治療に該当します。観血的な治療は、体内を直接見たり、触ったりすることができるため、病気の原因を特定し、より確実な治療を行う上で非常に有効な手段となります。例えば、外科手術では、病気の原因となっている臓器や組織を直接切除したり、修復したりすることができます。また、カテーテルを用いた検査や治療では、心臓や血管など、体の深部にある臓器の状態を詳細に把握し、適切な処置を行うことが可能です。しかし、観血的な治療は、皮膚や組織を傷つけるため、出血を伴う可能性があります。また、傷口からの感染症のリスクもゼロではありません。そのため、観血的な治療を行う場合は、出血や感染症などのリスクを十分に考慮した上で、慎重に判断する必要があります。近年では、医療技術の進歩により、内視鏡手術のように、身体への負担が少ない観血的治療も増えています。患者さんの状態や病気の種類、治療の目的などに応じて、最適な治療法を選択することが重要です。
アレルギー

知っておきたい過敏症のこと

- 過敏症とは?過敏症とは、私たちの体が本来であれば体に害のない物質に対して、過剰に反応してしまう状態を指します。私たちの体には、外部から侵入してくるウイルスや細菌などの病原体から身を守る、免疫という優れた防御システムが備わっています。通常、この免疫システムは体にとって本当に有害な病原体だけを攻撃し、無害なものは攻撃しません。しかし、過敏症の場合、この免疫システムの働きに乱れが生じます。免疫システムが、本来攻撃する必要のない無害なもの、例えば食べ物や花粉、薬、ダニの死骸やフンなどを、「排除すべき敵」だと誤って認識してしまうのです。その結果、免疫システムはこれらの無害な物質に対して過剰な防御反応を起こし、くしゃみ、鼻水、涙、皮膚の発疹やかゆみ、咳、息苦しさなど、様々な不快な症状を引き起こします。これが過敏症の正体です。例えば、花粉症の場合、体内に入った花粉を免疫システムが「敵」だと誤って認識し、攻撃を開始します。この攻撃によって、くしゃみや鼻水、涙などの症状が現れます。食べ物アレルギーの場合も同様で、特定の食べ物を摂取した際に、免疫システムが過剰に反応し、じんましんや腹痛、嘔吐などのアレルギー症状を引き起こします。過敏症は、現代社会において増加傾向にあると言われています。その原因は、環境汚染や食生活の変化、生活習慣の乱れなど、様々な要因が考えられていますが、まだ解明されていない部分も多く残されています。
看護技術

質の高い看護への評価:看護加算とは?

- 看護加算とは? 病院で治療を受けると、治療費とは別に「入院料」を支払いますよね。この入院料には、医師の診察や手術、薬の処方など、様々な医療行為に対する費用が含まれています。実は、この入院料の中に「看護加算」という項目が含まれているのです。 看護加算とは、患者さん一人ひとりに提供された看護の質に応じて、病院が受け取る入院料に上乗せされる金額のことを指します。簡単に言うと、質の高い看護を提供すればするほど、病院はより多くの報酬を受け取ることができるという仕組みです。 では、看護の質はどのように評価されるのでしょうか? 看護師の数、看護師の経験年数、患者さんの状態、提供された看護の内容などが評価の対象となります。例えば、夜勤の看護師が多い、看護師の経験が豊富である、患者さんの状態に合わせてきめ細やかな看護が提供されている、といった病院では、看護加算が高く設定され、より多くの報酬を受け取ることができます。 看護加算は、病院にとって、より質の高い看護を提供するための重要な原資となっています。看護師の増員やスキルアップ研修、より良い看護体制の構築などに活用することで、患者さんにとってより安心で安全な医療を提供することにつながっていくのです。
アレルギー

知っておきたい過敏症の話

- 過敏症とは何か 私たちの体は、外部から侵入してくるウイルスや細菌などの異物から、自身を守るための免疫システムを備えています。通常、この免疫システムは、体にとって本当に有害な異物だけに反応し、無害なものには反応しません。 しかし、過敏症の場合、この免疫システムが、本来は無害な物質に対して過剰に反応してしまい、様々な症状を引き起こします。この時、免疫システムが過剰に反応してしまう物質をアレルゲンと呼び、花粉やダニ、ハウスダスト、ペットの毛、食べ物など、人によって様々なものが知られています。 例えば、花粉症の場合、スギやヒノキなどの花粉がアレルゲンとなり、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状が現れます。また、食物アレルギーの場合、特定の食べ物がアレルゲンとなり、じんましんが出たり、口の中が腫れたり、ひどい場合には呼吸困難や意識障害などのアナフィラキシーショックと呼ばれる重篤な症状を引き起こすこともあります。 過敏症は、現代社会において増加傾向にあると言われています。その原因は、生活環境の変化や食生活の変化、大気汚染など、様々な要因が考えられていますが、まだはっきりとは解明されていません。 過敏症は、適切な治療や対策を行うことで、症状をコントロールすることができます。気になる症状がある場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、医師に相談するようにしましょう。
看護技術

看護計画:患者さま中心のケアを実現するために

- 看護計画とは看護計画とは、患者さん一人ひとりに最適な看護を提供するために作成される、いわばケアの設計図です。病気や怪我などによって、日常生活に支障をきたしている患者さんが、再びその人らしく過ごせるように、どのような看護が必要なのかを具体的に計画します。患者さんはそれぞれ、年齢や性別、生活背景、そして抱えている病気や怪我の種類や程度が異なります。そのため、画一的な看護を提供するのではなく、それぞれの患者さんの状況に合わせて、その方に最適な看護を提供することが重要になります。看護計画では、まず患者さんの抱えている問題点を明らかにします。例えば、「歩くのが困難」「食事が一人で食べられない」「不安感が強い」といった状態のことです。そして、これらの問題に対して、看護師は専門的な知識や技術を用いて、どのような看護ケアを行うかを具体的に計画していきます。例えば、「歩くのが困難」な患者さんに対しては、「転倒のリスクを減らすために、ベッドサイドに手すりを設置する」「歩行訓練を実施する」「痛みの軽減のためにマッサージを行う」といった看護ケアが計画されます。看護計画は、患者さんが入院中あるいは在宅療養中に、安全で安楽に、そしてその人らしく生活できることを目指して作成されます。そして、看護師だけでなく、医師や理学療法士、栄養士など、他の医療従事者とも連携しながら、患者さんにとって最善のケアが提供されるよう努めていきます。
その他

私たちの生活を脅かすがんについて

私たちの体は、約37兆個もの細胞で構成されており、毎日新しい細胞が生まれては古い細胞と入れ替わることで健康を保っています。これは驚くべき体の営みですが、細胞の生まれ変わりが正常に行われなくなると、異常な細胞が増殖し続けてしまうことがあります。これが「がん」と呼ばれる病気の始まりです。 がん細胞は、正常な細胞とは異なり、際限なく増殖し続けます。そして、周囲の組織に侵入し破壊しながら、まるで領土を広げるかのように成長していきます。さらに恐ろしいことに、がん細胞は血液やリンパ液の流れに乗って体の別の場所に移動し、そこで再び増殖を始めることがあります。これを「転移」と呼びます。 がんは、発生する場所や種類によって症状は様々です。しかし、初期の段階では自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進行してしまう場合もあります。早期発見のためにも、健康診断を受けることや、体の異変に注意することが大切です。
外科

開腹手術:お腹を開いて治療する方法

- 開腹手術とは開腹手術とは、お腹を切開して、お腹の中の臓器を直接見て、治療する手術のことです。「お腹を開く手術」というと、体への負担が大きく、複雑な手術というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし実際には、様々な病気に対して行われている手術です。例えば、虫垂炎や腸閉塞、消化管穿孔など、緊急を要する病気に対して行われる場合もあれば、腫瘍の切除など、計画的に行われる場合もあります。開腹手術は、お腹の中を直接見ることができるため、病変部を確実に確認し、治療できるという利点があります。また、内視鏡手術に比べて、複雑な手術や大規模な手術にも対応しやすいという利点もあります。かつては、お腹の手術のほとんどが開腹手術で行われていました。しかし近年では、傷口が小さく体への負担が少ない内視鏡手術が普及してきており、開腹手術を行う機会は減ってきているのも事実です。それでも、開腹手術は現在もなお、多くの患者さんの命を救い、健康を守るために重要な役割を果たしている手術です。
消化器

ヘルニアの種類:仮性ヘルニアとは

多くの人が経験するであろう「お腹の病気」。その中でも、今回は「ヘルニア」についてお話していきましょう。 「ヘルニア」と聞いても、一体どのような病気なのか、想像がつきにくい方もいらっしゃるかもしれません。 簡単に説明すると、私たちの体は、筋肉や組織で構成されており、それぞれの場所に収まることで、正常に機能しています。しかし、何らかの原因で、本来あるべき場所から組織の一部が飛び出してしまった状態が「ヘルニア」です。 飛び出す場所や原因によって、様々な種類のヘルニアがありますが、今回はその中でも「仮性ヘルニア」に焦点を当てて解説していきます。 「仮性ヘルニア」とは、一体どのような症状なのでしょうか? 一体何が原因で起こるのでしょうか? この後の章では、「仮性ヘルニア」の症状や原因、治療法などについて詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
看護技術

駆風浣腸:ガス抜きのメカニズムと効果

- 駆風浣腸とは駆風浣腸とは、おしりにある肛門という穴から腸の中に管を入れ、空気やガスを送り込むことで、腸内に溜まったガス、つまり「おなら」を外に出す医療行為です。 「ガス抜き」とも呼ばれ、お腹の張りや不快な感覚を和らげる効果があります。便秘の解消にも役立ちますが、主な目的は腸内に溜まったガスを排出することで、そのガスによって引き起こされる症状を和らげることです。 具体的には、お腹の張りや痛み、不快感などが軽減されます。また、腸内のガスが原因で起こる吐き気や嘔吐を抑える効果も期待できます。駆風浣腸は、主に医療機関で行われます。 これは、肛門や腸に傷をつけずに安全に管を挿入し、適切な量の空気やガスを送り込むためには、専門的な知識と技術が必要となるからです。 自己流で行うことは危険ですので、必ず医師の指導のもとで行ってください。
資格・職種

病院を守る感染リンクナースの役割

病院には、病気の治療のために多くの人が訪れます。しかし、治療のために訪れた病院で、別の病気に感染してしまうことがあります。これを院内感染といいます。院内感染は、入院中の患者さんだけでなく、病院で働く医療従事者にとっても大きなリスクです。 院内感染から患者さんと医療従事者を守るために、病院では様々な対策を行っています。その中でも重要な役割を担っているのが、感染リンクナースです。感染リンクナースは、病院内の各部署に配置された、感染対策の担当看護師です。 感染リンクナースは、それぞれの部署で日々、院内感染の予防活動に取り組んでいます。具体的には、手洗い・手指消毒の徹底や、マスクの着用、環境消毒などの指導を行ったり、患者さん一人ひとりの感染リスクを評価し、適切な予防策を検討します。また、新しい感染症が流行した場合には、その情報収集や職員への教育なども行います。 感染リンクナースは、これらの活動を通して、病院全体の衛生管理レベルの向上に貢献しています。さらに、感染対策の専門家である感染制御チーム(ICT)や、専門的な知識と技術を持つ感染管理認定看護師と連携し、より質の高い感染対策を推進しています。 このように、感染リンクナースは、患者さんと医療従事者を院内感染から守るという重要な役割を担っています。
その他

私たちの生活を脅かすがんについて

私たちの体は、実に精巧な仕組みで成り立っており、無数の細胞がそれぞれ役割を担い、日々生まれ変わりながら生命を維持しています。細胞は通常、決められた期間活動すると、自然に消滅していきます。しかし、何らかの原因でこの細胞の生まれ変わりが正常に行われなくなると、増殖が異常に活発化し、死滅するはずの細胞が生き残り続けることがあります。これが「がん」と呼ばれる病気の始まりです。 がん細胞は、周囲の組織や臓器に侵入し、破壊しながら増殖を続けます。そして、正常な細胞の働きを阻害するため、様々な体の機能に障害が生じ、様々な症状を引き起こすようになります。さらに、がん細胞は血液やリンパ液の流れに乗って体の別の部位に移動し、そこで増殖を始めることもあります。これを「転移」と呼びます。 がんは、早期に発見し、適切な治療を行えば治癒が期待できる病気も増えています。がんについて正しく理解し、定期的な健康診断などを通じて早期発見に努めることが大切です。
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