高齢者

泌尿器

知っておきたい尿失禁:原因と対策

- 尿失禁とは尿失禁とは、自分の意思とは関係なく、尿が漏れてしまう状態を指します。日常生活で誰にでも起こりうる現象ですが、その頻度や程度は人によって様々です。特に、加齢に伴いそのリスクは高まる傾向にあり、高齢の女性によくみられます。尿失禁には、大きく分けていくつかの種類があります。まず、咳やくしゃみ、重いものを持ち上げた時など、お腹に力が入った際に尿が漏れてしまう「腹圧性尿失禁」があります。これは、出産や加齢による骨盤底筋の衰えなどが原因で、膀胱や尿道を支える力が弱くなることで起こります。次に、突然、我慢できないような強い尿意に襲われ、トイレに行くまで我慢できずに漏れてしまう「切迫性尿失禁」があります。過活動膀胱と呼ばれる、膀胱が過敏になっている状態がこのタイプの原因として挙げられます。さらに、これらの二つのタイプが組み合わさって起こる「混合性尿失禁」もあります。尿失禁は、日常生活に支障をきたすだけでなく、精神的な負担も大きいものです。しかし、症状や原因に合わせた適切な治療法を選択することで、症状を改善できる可能性があります。一人で悩まず、医療機関に相談することをお勧めします。
健康寿命

高齢者の生活を支えるデイサービス

- デイサービスとはデイサービスは、介護が必要な高齢者が日帰りで施設に通い、食事や入浴などの日常生活の支援を受けたり、レクリエーション活動に参加したりすることができるサービスです。介護保険のサービスの一つで、要介護認定を受けた方が利用することができます。日中だけ施設を利用するため、夜間や休日は自宅で過ごすことができます。そのため、住み慣れた環境で生活を続けながら、必要な時に必要なサポートを受けることができるというメリットがあります。デイサービスでは、利用者の方一人ひとりの状態や希望に合わせたサービスを提供しています。例えば、身体機能の維持・向上を目的としたリハビリテーションや、認知症の予防・改善のためのプログラムなどがあります。また、他の利用者との交流を通して、社会的なつながりを作ることもできます。デイサービスを利用することで、高齢者本人の生活の質を高めるだけでなく、家族の介護負担を軽減することにもつながります。介護を必要とする方がいらっしゃいましたら、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口にご相談ください。
看護技術

患者さんの清潔を保つウォッシュクロス

- ウォッシュクロスとは病気や怪我などで、お風呂に入ることが難しい患者さんの体を清潔に保つために使うタオルをウォッシュクロスと呼びます。自分で体を洗うことが難しい、寝たきりの患者さんにとって、清潔を保ち、快適に過ごしていただくために欠かせないものです。ウォッシュクロスは、「清拭タオル」とも呼ばれ、看護師や介護士が日々のケアの中で使用しています。お風呂に入れない場合でも、ウォッシュクロスを使うことで、肌を清潔に保ち、細菌の繁殖を抑え、皮膚トラブルを予防することができます。また、温罨法や冷罨法など、患部を温めたり冷やしたりする治療にも用いられます。さらに、体を拭いてあげることで、患者さんに安らぎやリラックス効果を与えることも期待できます。ウォッシュクロスは、肌触りの良い素材で、吸水性や速乾性に優れているものが適しています。また、患者さんの状態や用途に合わせて、大きさや厚さを選ぶことも大切です。例えば、顔やデリケートゾーンを拭く場合は、柔らかく小さめのものが適していますし、体を拭く場合は、大きめでしっかりとしたものが適しています。ウォッシュクロスは、患者さんのQOL(生活の質)を高める上で、とても重要な役割を担っています。患者さんが安心して快適に過ごせるよう、適切なケアを提供するために、ウォッシュクロスを正しく理解し、使いこなせるようにすることが大切です。
呼吸器

誤嚥性肺炎を防ぐために

- 誤嚥性肺炎とは誤嚥性肺炎は、食べ物や飲み物、唾液などが誤って食道ではなく気管に入ってしまう「誤嚥」が原因で起こる肺炎です。通常、私たちは食べ物を口にすると、それが食道を通って胃へと運ばれていきます。しかし、加齢や病気などによって飲み込む機能が低下すると、食べ物などが誤って気管に入ってしまうことがあります。気管に入った食べ物や唾液などは、細菌を含んでいることが多く、これが肺に炎症を引き起こします。これが誤嚥性肺炎です。健康な方の場合は、体内に入ろうとする異物を排除しようとする働きが活発なため、誤嚥性肺炎を発症することは稀です。しかし、ご高齢の方や病気で体力が低下している方の場合、免疫力が低下しているため、誤嚥によって肺炎を発症しやすくなります。誤嚥性肺炎は、高齢者施設などに入っている方や、脳卒中などで寝たきりの状態にある方によくみられます。肺炎は、日本人の死因の上位に位置する病気であり、その中でも誤嚥性肺炎は増加傾向にあります。高齢化社会が進むにつれて、今後も患者数が増加することが懸念されています。
脳・神経

高齢化社会における認知症

- 認知症とは認知症は、脳の機能が低下することによって、記憶力や思考力、判断力など、さまざまな知的機能が衰え、日常生活に支障が出てしまう状態を指します。以前は「痴呆症」と呼称されていましたが、2004年以降、厚生労働省の提唱により「認知症」という名称に統一されました。これは、病気に対する偏見や差別をなくし、患者さんとその家族が安心して暮らせる社会を実現するためです。認知症は、単一の病気ではなく、様々な原因によって引き起こされる症候群です。代表的な原因としては、アルツハイマー病、脳血管障害、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などが挙げられます。これらの病気によって脳の神経細胞が損傷を受けたり、働きが阻害されたりすることで、認知機能の低下や行動の変化が現れます。認知症の症状は、中核症状と周辺症状に大別されます。中核症状は、記憶障害、見当識障害、実行機能障害、言語障害など、認知機能そのものの低下を指します。一方、周辺症状は、不安や抑うつ、幻覚、妄想、徘徊、攻撃性など、精神・行動面の変化を指します。これらの症状は、個人差が大きく、現れ方や程度も人それぞれです。認知症は、早期発見・早期治療が重要です。認知症の症状に気付いたら、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。そして、周囲の人々は、認知症に対する正しい知識を持ち、偏見や差別のない、温かい社会を築いていくことが大切です。
その他

社会的入院:知っておきたい現状と課題

- 社会的入院とは「社会的入院」とは、病気や怪我の治療という医療的な必要性があまりないにもかかわらず、患者が長期にわたって病院に入院している状態を指します。これは、病院が本来の役割である医療の提供を行う場としてではなく、生活の場や介護の場として利用されている状況を示しており、日本の医療制度が抱える複雑な問題を浮き彫りにしています。高齢化社会の進展に伴い、日本では一人暮らしの高齢者や家族の介護負担の増加といった社会問題が深刻化しています。そのような中、病院は医療を提供する場であると同時に、高齢者にとって住み慣れた住居から離れることなく、食事や身の回りの世話などのサービスを受けられる場所として認識されるようになっています。また、介護保険制度の利用には制限があり、在宅介護サービスの不足や経済的な事情から、家族が十分な介護を提供することが難しい場合も少なくありません。こうした状況下では、医療の必要性が低いにもかかわらず、病院が生活の場や介護の場として利用され、結果として長期入院につながってしまうケースが見られます。これが「社会的入院」と呼ばれる状態です。社会的入院は、限られた医療資源の有効活用を阻害するだけでなく、患者にとっても、病院という環境下での生活の質の低下や、社会的なつながりの希薄化といった問題を引き起こす可能性があります。この問題の解決には、医療制度の改革や介護サービスの充実など、多角的な視点からの取り組みが必要不可欠です。
資格・職種

特別養護老人ホームとは?その役割と入居条件について

- 特別養護老人ホームの概要 特別養護老人ホーム、通称「特養」は、寝たきりや認知症などで日常生活に常時介護が必要な高齢者が、安心して生活を送ることのできる施設です。 国が定めた基準に基づいて運営される公的な福祉施設であり、社会福祉法人や地方自治体、一部民間事業者などが運営主体となっています。 全国各地に多くの施設があり、高齢化社会のニーズの高まりとともに、その数は増加傾向にあります。 特養は、単なる住居の提供に留まらず、食事、入浴、排泄などの日常生活の支援から、健康管理、リハビリテーション、レクリエーションなどのサービスを提供します。 これらのサービスを通して、高齢者の心身の状態を維持・改善し、可能な限り自立した生活を送れるよう支援することを目的としています。 また、家族の負担軽減にも大きく貢献しており、高齢者を支える社会的な役割を担っています。
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