静脈注射

看護技術

静脈注射:その役割と利点

- 静脈注射とは静脈注射とは、読んで字のごとく、静脈の中に直接薬剤を注入する方法です。注射器を用いて一度に投与する注射と、点滴のように時間をかけてゆっくりと投与する方法があります。いずれの方法であっても、薬剤が血管に直接入るため、効果があらわれるまでの時間が非常に短いことが大きな特徴です。では、なぜ静脈注射は、内服薬のように口から飲んだり、筋肉注射のように筋肉に注射したりするのではなく、静脈から直接投与する必要があるのでしょうか? それは、大きく分けて二つ理由があります。一つ目は、患者さんの状態によっては、口から薬を飲むことが難しい場合があるためです。例えば、意識がない場合や、吐き気がひどい場合などは、口から薬を飲むことができません。また、消化管の手術後などで、口から摂取したものが吸収されにくい状態の場合も同様です。このような場合、静脈注射は、必要な薬剤を確実に体内に届けるための有効な手段となります。二つ目は、迅速な効果が求められる場合です。静脈注射では、薬剤が血液に直接混ざるため、効果が非常に早く現れます。例えば、緊急性の高い病気や症状に対しては、一刻も早く効果を得るために静脈注射が選択されます。このように、静脈注射は、状況に応じて、患者さんの負担を軽減し、より効果的に治療を行うために欠かせない方法です。
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中心静脈カテーテル(CVC)とは?

- 中心静脈カテーテルとは中心静脈カテーテル(CVC)とは、心臓に近い太い静脈である中心静脈に挿入して使用する管状の医療器具です。中心静脈は、末梢静脈に比べて血管が太く、血流が豊富なため、刺激の強い薬剤や高カロリー輸液などを安全に投与するために用いられます。カテーテルの先端は、鎖骨下静脈や内頸静脈といった、体の表面に近い比較的太い静脈から挿入し、心臓近くの太い静脈である上大静脈まで到達するように留置されます。カテーテルの材質は、シリコンやポリウレタンなど、生体適合性に優れた素材が使用されています。中心静脈カテーテルは、長期にわたる点滴治療や、抗がん剤治療、高カロリー輸液が必要な患者さんなどに広く用いられています。具体的には、以下のような場合に、中心静脈カテーテルが使用されます。* 末梢静脈からの点滴が困難な場合* 血管刺激性の強い薬剤の投与が必要な場合* 長期にわたる栄養管理が必要な場合* 血液透析が必要な場合* 中心静脈圧の測定が必要な場合中心静脈カテーテルは、患者さんの負担を軽減し、より安全で効果的な医療を提供するために欠かせない医療器具の一つとなっています。
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医療現場における縁の下の力持ち:シリンジポンプ

- シリンジポンプとはシリンジポンプは、注射器を用いて、設定した量や速度で薬剤を投与する医療機器です。注射器をポンプに設置し、投与量、速度、時間を設定することで、正確かつ安全に患者さんに薬剤を送り届けることができます。従来の点滴のように、重力で薬液を落とす方法と比べて、シリンジポンプはより正確な投与量を維持できることが大きな特徴です。これは、ポンプ内のモーターが注射器を押す力を一定に保ち、重力の影響を受けずに薬液を送り出す仕組みになっているためです。シリンジポンプは、主に病院の集中治療室や手術室など、患者の状態を注意深く監視する必要がある場面で使用されます。例えば、鎮痛剤や抗生物質など、少量の薬剤を長時間かけて投与する場合や、心臓の薬のように、投与速度が厳格に管理されている薬剤を投与する場合などに用いられます。さらに、近年では、自宅で医療ケアを受ける在宅医療の現場でも、シリンジポンプの活用が進んでいます。小型化や操作性の向上が進んでおり、患者さん自身や家族が使用しやすいように工夫されています。このように、シリンジポンプは、医療現場において欠かせない医療機器の一つとなっています。
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