身体の動きを支える大胸筋:その構造と役割
- 大胸筋の位置と形状大胸筋は、その名の通り胸の前面に大きく広がる筋肉で、厚みがあり、まるで扇を広げたような形をしています。この筋肉は、鎖骨の下端から胸骨、肋骨にかけて広く付着しており、その範囲は胸全体の上部に及びます。そして、そこから腕の方へと伸びていき、上腕骨という腕の骨につながっています。大胸筋の特徴は、その繊維の向きが場所によって異なることです。鎖骨から起始する部分は、繊維が斜め下内側に向かって走り、胸骨から起始する部分は、繊維がほぼ垂直に下向きに走っています。さらに、肋骨から起始する部分は、繊維が斜め上内側に向かって走っています。このように、大胸筋は起始部によって繊維の方向が異なり、複雑な構造をしていることが分かります。この複雑な構造こそが、大胸筋が様々な動きに関与することを可能にしています。例えば、腕を前に突き出す動作、腕を横に広げる動作、腕を内側に捻る動作など、大胸筋は腕の動きと密接に関係しているのです。