赤血球

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酸素を運ぶ血液中のタンパク質:ヘモグロビン

- ヘモグロビンとは血液は、体中に酸素を送り届け、代わりに二酸化炭素を回収するという重要な役割を担っています。そして、この酸素を運ぶ役割を担っているのがヘモグロビンというタンパク質です。ヘモグロビンは、赤血球の中に多く含まれており、血液が赤い色をしているのも、このヘモグロビンによるものです。ヘモグロビンは、鉄原子を含む「ヘム」と呼ばれる色素と、タンパク質である「グロビン」が結合した構造をしています。このヘムの部分に酸素が結合することで、血液は体内を循環しながら酸素を体の隅々まで運搬しています。 ヘモグロビンは、酸素が多い場所では酸素と結合しやすく、酸素が少ない場所では酸素を離しやすくなるという性質を持っています。この性質のおかげで、肺で効率よく酸素を取り込み、体の各組織へ酸素を送り届けることが可能となります。もしも、ヘモグロビンが不足すると、酸素が体に行き渡らず、貧血などの症状が現れます。このように、ヘモグロビンは私達が健康に生きていく上で欠かせない重要な物質なのです。
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血液の検査:赤血球数について

赤血球数とは、血液の中にどれくらいの赤血球が含まれているかを示す数値です。血液は、体中に酸素や栄養を運ぶ重要な役割を担っており、その血液中の重要な成分の一つが赤血球です。赤血球は、肺から取り込んだ酸素と結びつき、全身の細胞に酸素を送り届ける役割を担っています。 健康な状態を保つためには、体中の細胞に十分な酸素が行き渡る必要があります。赤血球数が多すぎると血液がドロドロになり、血管が詰まりやすくなる可能性があります。反対に少なすぎる場合は、酸素を十分に体中に送ることができず、貧血の状態を引き起こします。 赤血球数は、血液検査で測定することができます。一般的に「RBC」と表記され、検査結果レポートにも「RBC」と記載されています。赤血球数の検査は、貧血の診断や、他の病気の有無を調べるために行われます。
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ヘマトクリット値って何?

- ヘマトクリット値とは血液は、体中に酸素を運んだり、細菌やウイルスから体を守ったりするために、無くてはならないものです。この血液は、大きく分けて液体成分である血漿と、細胞成分から成り立っています。細胞成分には、酸素を運ぶ役割をする赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、出血を止める血小板などがあります。ヘマトクリット値(Ht)とは、この血液全体の中で赤血球が占める割合のことを指します。血液検査では、このヘマトクリット値を調べることで、貧血や多血症など、血液の状態を把握することができます。例えば、ヘマトクリット値が低い場合は、赤血球が減少している貧血が疑われます。貧血になると、酸素が全身に行き渡りにくくなるため、動悸や息切れ、疲労感などの症状が現れます。一方、ヘマトクリット値が高い場合は、赤血球が増加している多血症が疑われます。多血症になると、血液がドロドロの状態になり、血栓ができやすくなるため注意が必要です。このように、ヘマトクリット値は、私たちの健康状態を知る上で重要な指標の一つと言えます。健康診断などで、この値が基準値から外れている場合は、医師に相談し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
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ヘモグロビン濃度って?

- 血液中のヘモグロビンの量について 血液は、体中に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。この酸素を運ぶ役割を担っているのが、赤血球という細胞の中に存在するヘモグロビンというタンパク質です。 ヘモグロビンは、肺で吸い込んだ酸素と結びつき、血液の流れに乗って全身の細胞に酸素を届けます。そして、細胞から排出された二酸化炭素と結びつき、肺まで運んでいきます。 ヘモグロビン濃度は、血液中にどれだけの量のヘモグロビンが含まれているかを表す数値です。この数値は、血液検査によって測定され、貧血の診断に非常に重要な指標となります。 貧血とは、血液中の赤血球またはヘモグロビンが減少した状態を指します。ヘモグロビン濃度が低い場合、全身の細胞に十分な酸素を供給することができなくなり、動悸や息切れ、疲れやすさなどの症状が現れます。 一般的に、男性と女性では、ヘモグロビン濃度の基準値が異なります。これは、男性ホルモンが赤血球の産生を促進する効果を持つため、男性の方が女性よりもヘモグロビン濃度が高くなる傾向があるためです。 ヘモグロビン濃度は、年齢や生活習慣、食生活などによっても変動します。健康な状態を維持するためには、バランスの取れた食事を心がけ、鉄分やビタミンB12など、ヘモグロビンの合成に必要な栄養素を十分に摂取することが重要です。
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酸素を運ぶ赤い細胞:赤血球

- 赤血球とは人間の体内には、全身に栄養や酸素を運ぶ血液が流れています。その血液の中で、最も数が多く、赤い色をしているのが赤血球です。顕微鏡で観察すると、中央が少しへこんだ円盤状の形をしており、大きさは直径約7マイクロメートル、厚さは約2マイクロメートルしかありません。これは、1ミリメートルのわずか100分の1ほどの大きさです。 赤血球は、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。私達が呼吸によって肺に取り込んだ酸素は、まず肺胞という小さな袋に入ります。そして、肺胞を取り囲む毛細血管の中にある赤血球に酸素が取り込まれます。赤血球の中には、ヘモグロビンという赤い色をした鉄を含むタンパク質が豊富に含まれており、このヘモグロビンが酸素と結びつくことで、効率よく酸素を全身に運ぶことができるのです。 酸素を届けた赤血球は、今度は体内を巡る中で、細胞から排出された二酸化炭素を受け取ります。そして、二酸化炭素を肺まで運び、私達は呼吸によって二酸化炭素を体外へ排出します。このように、赤血球は酸素と二酸化炭素を運ぶ、いわば「体の中の宅配便」のような役割を果たし、私達の生命活動に欠かせない存在なのです。
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酸素を運ぶ血液中のタンパク質:ヘモグロビン

- ヘモグロビンとは私たちの血液は赤い色をしていますが、それは血液中に含まれる「ヘモグロビン」というタンパク質の色です。 ヘモグロビンは、血液の中で酸素を運ぶという重要な役割を担っています。ヘモグロビンは、ちょうど宅配便のように、肺で吸い込んだ酸素と結びつき、血液の流れに乗って全身の細胞へと酸素を届けます。 細胞は、この酸素を使って栄養素を燃やし、私たちが生きていくために必要なエネルギーを作り出しています。つまり、ヘモグロビンは、私たちが呼吸をし、生命を維持するために欠かせない役割を担っていると言えるでしょう。さらに、ヘモグロビンは酸素を運ぶだけでなく、細胞で発生した二酸化炭素を回収して肺へと運び、体外へ排出する役割も担っています。 このように、ヘモグロビンは酸素と二酸化炭素を運ぶことで、私たちの体の細胞が正常に働くための環境を整え、生命維持に貢献しているのです。
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血液型って何?知っておきたい血液型の基礎知識

私たちの体の中を流れる血液には、実はいくつかの種類が存在します。これを「血液型」と呼びます。血液型は、赤血球の表面にある特定のタンパク質の種類の違いによって分類されます。このタンパク質は「抗原」と呼ばれており、血液型によって異なる抗原を持っています。 血液型が重要になるのは、輸血を行う際です。例えば、A型血液型の人は、B型の抗原を持っていません。もし、B型の血液をA型の人に輸血すると、A型の人の体内でB型の抗原に対する抗体が作られてしまいます。この抗体は、B型の抗原を持つ赤血球を異物とみなし、攻撃して破壊してしまうのです。これが「輸血反応」と呼ばれるものです。 輸血反応が起こると、発熱や貧血、最悪の場合はショック症状を引き起こし、命に関わる危険性もあります。そのため、輸血を行う際には、血液型を正確に把握し、適合する血液を輸血することが極めて重要です。自分の血液型を知っておくことは、病気や怪我をした際に適切な処置を受けるためにも大切なことです。
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驚異の細胞!造血幹細胞の秘密

私たちの体を巡る血液は、体の隅々まで酸素を届ける役割を担う赤血球、外部からの侵入者から体を守る免疫の役割を担う白血球、そして怪我をしたときに傷口を塞いで出血を止める血小板など、異なる働きを持つ様々な種類の細胞で構成されています。では、これらの多様な血液細胞は、一体どこでどのようにして作られているのでしょうか? その答えとなるのが、「造血幹細胞」と呼ばれる特別な細胞です。造血幹細胞は、骨髄と呼ばれる骨の中心部に存在し、そこで盛んに細胞分裂を繰り返すことで、様々な血液細胞を生み出しています。 例えるなら、造血幹細胞は、あらゆる種類の血液細胞を製造できる万能工場のようなものです。この工場では、まず造血幹細胞が分裂して、いくつかの異なる種類の血液細胞のもとになる細胞が作られます。そして、それらの細胞がさらに分化・成熟することで、最終的に赤血球、白血球、血小板といった私たちに馴染み深い血液細胞へと成長を遂げるのです。 このように、たった一つの造血幹細胞から、私たちの体を支える多種多様な血液細胞が生み出されているというのは、まさに生命の神秘と言えるでしょう。
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生命を巡る赤い川:血液の役割

私たちの体内を流れる血液は、一見すると均一な赤い液体に見えますが、実際には様々な成分から構成されています。大きく分けると、液体成分である血漿と、細胞成分である血球の二つに分けられます。 血漿は血液の大部分を占める淡黄色の液体で、約90%が水分です。残りの約10%には、生命活動に必要な様々な物質が含まれています。栄養素やホルモンは、血漿によって体内の各組織に運ばれ、逆に組織で生じた老廃物は、血漿によって運び出されます。また、電解質と呼ばれるミネラル成分も含まれており、体内の水分量やpHバランスの調整に重要な役割を果たしています。 一方、血球は顕微鏡で観察すると形の違いによって区別できる細胞成分です。大きく分けて、赤い色をした赤血球、白い色をした白血球、そして細胞のかけらである血小板の三種類があります。赤血球は、肺から取り込んだ酸素と結びつき、全身の細胞に酸素を供給します。白血球は、体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を攻撃し、病気から体を守ります。血小板は、血管が傷ついたときに集まり、血液を凝固させて出血を止めます。 このように、血液は血漿と血球という異なる成分が互いに連携し、私たちの生命維持に欠かせない様々な機能を果たしているのです。
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多血症:血液の過剰は危険信号?

- 多血症とは 多血症は、血液中の赤血球の数が異常に増加してしまう血液疾患です。 赤血球は、体中に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。 しかし、その数が過剰になると、血液がドロドロの状態になり、様々な体の不調を引き起こす原因となってしまいます。 健康な状態を保つためには、血液中の赤血球、白血球、血小板といった細胞が、それぞれ適切なバランスで存在していることが重要です。 多血症では、このバランスが崩れ、赤血球が過剰な状態となってしまいます。 血液がドロドロになると、血管の中をスムーズに流れることが難しくなります。 その結果、血栓ができやすくなり、血管が詰まってしまうリスクが高まります。 脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる病気を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。 多血症は、その原因によって大きく二つに分けられます。 一つは、骨髄の造血幹細胞に異常が生じ、赤血球が過剰に作られてしまう「真性多血症」です。 もう一つは、脱水や低酸素状態など、体外の要因によって赤血球が増加する「二次性多血症」です。 多血症の症状は、顔面紅潮、頭痛、めまい、息切れ、動悸など様々です。 重症化すると、意識障害や心不全などを起こすこともあります。 早期発見、早期治療が重要となるため、気になる症状がある場合は、医療機関を受診するようにしてください。
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破壊される赤血球:溶血性貧血を知る

私たちの体内を流れる血液には、様々な役割を持つ成分が含まれていますが、その中でも特に重要な役割を担っているのが赤血球です。赤血球は、体の隅々まで酸素を運ぶという、生命維持に欠かせない働きをしています。 赤血球は、肺で吸い込んだ酸素と結びつき、血液の流れに乗って全身の細胞へと酸素を届けます。そして、細胞が活動するために必要なエネルギーを作り出す過程で生じた二酸化炭素を受け取り、肺まで運び出す役割も担っています。 しかし、様々な原因によってこの赤血球が減少してしまうことがあります。これを貧血と呼びます。貧血になると、体中に十分な酸素を運ぶことができなくなるため、様々な症状が現れます。 代表的な症状としては、少し動いただけで息切れがする、心臓がドキドキする、顔色が青白くなる、めまいがする、疲れやすい、などがあります。 貧血は、貧血の種類や程度によって治療法が異なります。そのため、医師の診断のもと、適切な治療を受けることが重要です。
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知っておきたい溶血:その原因と影響

私たちの体内を流れる血液の中には、体中に酸素を届ける役割を担う赤い細胞、赤血球が存在します。健康な状態であれば、赤血球は約120日間、体内を循環しながら酸素を運び続けます。そして、その役割を終えると、主に肝臓で分解され、体外に排出されます。これは、例えるならば、工場で製造された製品が、一定期間使用された後に回収され、リサイクルされるようなものです。 しかし、溶血と呼ばれる現象が起こると、まだ十分に役割を果たせるはずの赤血球が、寿命を迎える前に壊れてしまいます。これは、工場でまだ使える製品が、出荷前に壊れてしまうようなもので、体内では大変な異常事態と言えます。溶血が起こると、体内の赤血球の数が減少し、酸素を十分に体に行き渡らせることができなくなります。その結果、貧血と呼ばれる状態に陥り、動悸や息切れ、顔面蒼白といった症状が現れることがあります。さらに、重症化すると、生命に関わる可能性もあるのです。
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