血液疾患

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紫斑病:皮膚に出るサインを見逃さないで

- 紫斑病とは紫斑病は、皮膚の下で出血が起き、皮膚に紫色の斑点(紫斑)が現れる病気の総称です。この斑点は、はじめは赤色をしていますが、時間の経過とともに紫色、そして茶色へと変化していきます。紫斑は、その大きさや形も様々です。小さな点のようなものから、大きな地図のような形をしたものまであります。また、全身に現れることもあれば、手足の特定の部位に集中して現れることもあります。紫斑が現れる原因は、大きく分けて二つあります。一つは、血管の壁が弱くなることで出血しやすくなる場合です。これは、加齢や、ビタミンC不足、ステロイド薬の長期使用などが原因で起こることがあります。もう一つは、血液中の血小板が減少したり、その働きが低下したりすることで、出血が止まりにくくなる場合です。これは、白血病や再生不良性貧血などの血液疾患、薬剤性のものなど、様々な病気が原因となることがあります。紫斑が出た場合は、その原因を突き止め、適切な治療を行うことが重要です。自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。紫斑の大きさや形、全身状態などから、医師が適切な検査を行い、原因を診断します。
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骨髄検査:血液疾患診断の要

骨髄検査とは 骨髄検査は、血液に異常がある場合や、血液の病気が疑われる場合に行われる重要な検査です。血液は体中に酸素や栄養を運ぶ役割を担っていますが、その血液は骨の中心部にある骨髄で作られています。この骨髄で作られる血液細胞に異常があると、貧血や出血しやすくなる、感染症にかかりやすくなるなど、様々な症状が現れます。 骨髄検査では、腰の骨や胸の骨に針を刺し、骨髄液と骨髄組織を採取します。採取した骨髄液と骨髄組織は顕微鏡で詳しく観察され、血液細胞の種類や数、形に異常がないか、白血病細胞などの異常な細胞が混じっていないかなどを調べます。これらの情報をもとに、血液疾患の診断や治療の効果を判定します。骨髄検査は、血液疾患の診断と治療に欠かせない検査と言えるでしょう。
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マルクについて

- マルクとは「マルク」は、医療現場で「骨髄検査」または「骨髄穿刺」と呼ばれる処置を指す言葉です。 骨の中心部には、「骨髄」と呼ばれるスポンジ状の組織が存在します。骨髄は、赤血球、白血球、血小板といった血液細胞を産生する、人体にとって非常に重要な役割を担っています。マルクでは、この骨髄を採取して顕微鏡で観察したり、培養したりすることで、様々な血液疾患の診断や病状の把握を行います。具体的には、貧血、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの診断に役立ちます。検査自体は、通常、腰の骨に局所麻酔をしてから、専用の針を刺して骨髄液を採取します。 痛みや出血を伴うこともありますが、経験豊富な医師が適切な処置を行うため、安全性は高いと言えます。マルクは、血液疾患の診断や治療方針の決定に欠かせない検査です。 検査を受ける際には、医師から検査の目的や方法、予想されるリスクなどについて、十分な説明を受けるようにしましょう。
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血液のがん、白血病とは

- 白血病の概要白血病は、血液細胞ががん化する病気です。私たちの体内では、骨の中心部にある骨髄という組織で、血液細胞が作られています。健康な状態では、骨髄で作られた血液細胞は、それぞれ赤血球、白血球、血小板へと成長し、身体の様々な機能を担っています。 赤血球は全身に酸素を運び、白血球は細菌やウイルスから身体を守り、血小板は出血を止める役割を担っています。しかし、白血病になると、骨髄において白血病細胞と呼ばれる異常な細胞が過剰に増殖してしまいます。これらの異常な細胞は、正常に機能しません。そして、骨髄において正常な血液細胞の産生を妨げてしまうのです。その結果、健康な赤血球、白血球、血小板が減少し、様々な症状が現れます。 例えば、赤血球が減少すると、貧血になり、動悸や息切れが起きやすくなります。白血球が減少すると、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなります。血小板が減少すると、出血しやすくなったり、血が止まりにくくなったりします。白血病は、原因はまだはっきりとは解明されていませんが、遺伝的な要因やウイルス感染、放射線などが関係していると考えられています。
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悪性リンパ腫:免疫の守護者を襲う病

私たちの身体には、細菌やウイルスなどの外敵から身を守る、免疫というシステムが備わっています。リンパ系は、この免疫システムにおいて重要な役割を担っており、全身に網目状に張り巡らされたリンパ管とその中を流れるリンパ液、そしてリンパ節、脾臓、扁桃腺などから構成されています。リンパ球は、このリンパ系において重要な役割を果たす細胞の一つで、外敵を攻撃し排除する働きを持っています。しかし、このリンパ球が何らかの原因でがん化してしまうことがあり、これを悪性リンパ腫と呼びます。 悪性リンパ腫は、リンパ球が制御不能に増殖を始める病気です。がん化したリンパ球は、リンパ節、脾臓、扁桃腺などのリンパ組織に تجمع し、これらの臓器を腫れさせます。また、悪性リンパ腫は血液を介して全身に転移し、骨髄、肝臓、肺など、様々な臓器に腫瘍を形成することがあります。 悪性リンパ腫は、その種類や進行度によって症状は様々ですが、一般的には、リンパ節の腫れ、発熱、体重減少、寝汗、疲労感などがみられます。リンパ節の腫れは、首、脇の下、足の付け根などに現れることが多く、痛みを伴わないことが多いです。 悪性リンパ腫は早期発見、早期治療が非常に重要です。気になる症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
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急性骨髄性白血病未分化型とは

- はじめに血液は、体中に酸素を運んだり、細菌などの外敵から体を守ったりするなど、私たちが生きていく上で欠かせない役割を担っています。この血液を作り出す工場が、骨の中にある骨髄という組織です。骨髄では、様々な種類の血液細胞が毎日生まれては成熟し、血液中に送り出されています。 しかし、この血液細胞ががん化してしまう病気があります。それが白血病です。白血病には、大きく分けて「急性」と「慢性」の二つ、さらに白血球の種類によって「骨髄性」と「リンパ性」の二つに分けられます。 今回は、骨髄において血液細胞ががん化するタイプの白血病である「急性骨髄性白血病」の中でも、特に「急性骨髄性白血病未分化型」について詳しく解説していきます。この病型は、顕微鏡で観察しても細胞の特徴がはっきりしないため診断が難しく、治療法の選択も難しいケースがあります。 この章では、急性骨髄性白血病未分化型の定義、症状、診断、治療法などについて、詳しく解説していきます。患者さんご本人やそのご家族にとって、この病気を理解し、治療に向き合うための一助となれば幸いです。
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プランマー・ビンソン症候群:知っておきたい3つの症状

プランマー・ビンソン症候群、聞き慣れない病名かもしれませんね。これは1900年代初頭に、イギリスの医師であるプランマー氏とビンソン氏によって報告された病気です。食道が狭くなってしまうのが特徴で、物をうまく飲み込むことができなくなってしまいます。 この病気の主な症状は3つあります。まず一つ目は、体中の組織に酸素を運ぶための鉄分が不足することで起こる、鉄欠乏性貧血です。顔色が悪くなったり、疲れやすくなったりします。二つ目は、舌が炎症を起こしてしまう舌炎です。舌の色が変わったり、表面が滑らかになったり、痛みを感じたりします。そして三つ目は、食べ物をうまく飲み込めなくなる嚥下障害です。食べ物が喉につかえる感じがしたり、飲み込む際に痛みを感じたりします。 プランマー・ビンソン症候群は、かつては中年期の女性に多く見られる病気でしたが、現代では医療の進歩や栄養状態の改善により、発症する人は少なくなりました。しかし、早期に発見して適切な治療を行えば、症状を改善し、より健康な生活を送ることができます。そのためにも、この病気の基本的な知識を持っておくことは大切です。
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急性前骨髄球性白血病:稀少だが治癒可能な白血病

血液は、体中に酸素を届けたり、細菌やウイルスなどの外敵から体を守ったりする重要な役割を担っています。血液の中には、赤血球、白血球、血小板といった様々な細胞が存在しますが、その中でも、白血球は体を守るために特に重要な役割を担っています。 白血病は、この白血球ががん化してしまう病気です。白血球は、体の中で毎日作られていますが、白血病になると、骨髄という場所で作られる白血球が、がん細胞に変化してしまいます。がん化した白血球は、正常な白血球のように働くことができず、増殖を繰り返して骨髄を占拠してしまいます。その結果、正常な血液細胞が作られなくなり、様々な症状が現れるようになります。 白血病には、大きく分けて急性と慢性の二つ、さらにそれぞれに骨髄性とリンパ性という種類があります。急性骨髄性白血病(AML)は、白血病の中でも進行が早く、放置すると命に関わる病気です。急性前骨髄球性白血病(APL)は、このAMLに分類される病気の一つで、AML全体の約10%と、比較的稀な病気ですが、適切な治療を行うことで治癒が期待できる白血病としても知られています。
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再生不良性貧血:血液の病気の理解

皆さんは「再生不良性貧血」という病気を聞いたことがありますか? 日常生活ではあまり耳にする機会が少ないかもしれません。しかし、再生不良性貧血は血液に深く関わる重大な病気なのです。今回は、このあまり知られていない再生不良性貧血について詳しく解説していきましょう。 貧血というと、鉄分不足によって起きるイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、再生不良性貧血はそれとは全く異なるメカニズムで発症します。私たちの血液中には、赤血球、白血球、血小板といった重要な成分が含まれています。これらの血液細胞は、骨の中にある骨髄という組織で作られます。 再生不良性貧血では、この骨髄の機能が低下し、十分な血液細胞を作ることができなくなってしまうのです。 その結果、体内で酸素を運ぶ赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、出血を止める血小板が不足し、様々な症状が現れます。具体的には、疲れやすさ、息切れ、動悸、顔面蒼白、めまい、発熱、感染症にかかりやすくなる、出血しやすくなる、といった症状が見られます。 今回は、再生不良性貧血の基本的な情報として、病気の概略についてお伝えしました。次の章では、さらに詳しく、この病気の原因について探っていきましょう。
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身近に潜む鉄不足: 鉄欠乏性貧血とは

- 鉄欠乏性貧血とは?鉄欠乏性貧血とは、体の中に鉄分が不足することによって起こる貧血です。 貧血とは、血液中の赤い色素であるヘモグロビンが減ってしまう状態を指します。 ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ役割を担っています。 鉄は、このヘモグロビンを作るために必要不可欠な成分です。 体内の鉄分が不足すると、ヘモグロビンが十分に作られなくなり、その結果、酸素を全身に効率よく運ぶことができなくなってしまいます。 鉄欠乏性貧血になると、以下のような症状が現れることがあります。* 顔色が青白い* 疲れやすい* 動悸がする* めまいがする* 頭痛がする* 食欲不振* 爪が割れやすい、スプーン状になる鉄欠乏性貧血は、特に成長期のお子さんや妊娠中の女性に多く見られます。 また、月経のある女性は、月経のたびに血液とともに鉄分も失われるため、鉄欠乏性貧血になりやすいと言われています。鉄欠乏性貧血と診断された場合は、鉄剤の内服や食事療法によって治療を行います。 鉄分を多く含む食品としては、レバーやほうれん草、ひじきなどが挙げられます。
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身近な病気:貧血について

- 貧血とは貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態を指します。 ヘモグロビンは、血液の中で赤い色をした細胞、赤血球の中に存在し、体中に酸素を運ぶという重要な役割を担っています。 私たちの体は、呼吸によって取り込んだ酸素を、血液中のヘモグロビンによって全身の細胞に送り届け、活動するためのエネルギーを作り出しています。 つまり、貧血になると、体全体に十分な酸素が行き渡らなくなり、様々な症状が現れる可能性があります。例えば、体がだるい、疲れやすい、顔色が悪い、動悸がする、息切れがする、めまいがする、頭痛がする、耳鳴りがする、食欲がない、爪が割れやすい、などです。 これらの症状は、貧血以外の病気でも起こることがありますので、注意が必要です。貧血には、大きく分けて3つの種類があります。一つ目は、赤血球が壊れやすくなることで起こる貧血、二つ目は、赤血球を作るのに必要な栄養素が不足することで起こる貧血、三つ目は、骨髄での赤血球の生産が減少することで起こる貧血です。 貧血の原因は様々ですが、最も多いのは鉄分の不足によるものです。 鉄分は、赤血球の中のヘモグロビンを作るために欠かせない栄養素です。貧血が疑われる場合は、医療機関を受診し、血液検査を受けましょう。 貧血と診断された場合は、その原因や症状に応じて、鉄剤の服用や食事療法などの治療が行われます。
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静かなる脅威:骨髄異形成症候群を知る

私たちの体を巡る血液は、全身に酸素を届けたり、外部から侵入しようとする細菌やウイルスと戦ったりと、生きていく上で欠かせない役割を担っています。この血液は、体内の「骨髄」という場所で絶えず作り出されています。骨髄は、骨の内部にあるスポンジのような組織で、そこでは日々、新しい血液細胞が生まれているのです。 しかし、この血液を作る工場である骨髄で、時として異変が起こることがあります。その異変の一つに「骨髄異形成症候群(MDS)」と呼ばれる病気があります。MDSは、骨髄における血液細胞の生産システムに異常が生じる病気です。通常、骨髄では未熟な細胞が成熟し、赤血球、白血球、血小板といった様々な血液細胞へと分化していきます。しかし、MDSではこの過程でエラーが起こり、未熟なままの細胞が増殖したり、正常に機能する血液細胞が十分に作られなくなったりします。 その結果、MDSの患者さんは、貧血、感染症、出血傾向といった様々な症状に悩まされることになります。MDSは、高齢者に多く見られる病気ですが、若い世代で発症することもあります。原因は未だはっきりとは解明されていませんが、遺伝子の異常や、過去に受けた放射線治療、化学物質への曝露などが関与していると考えられています。 MDSは、初期段階では自覚症状が現れにくいため、発見が遅れてしまうケースも少なくありません。しかし、早期に発見し、適切な治療を行うことで、病状の進行を遅らせたり、症状を和らげたりすることが可能です。
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多血症:血液の過剰は危険信号?

- 多血症とは 多血症は、血液中の赤血球の数が異常に増加してしまう血液疾患です。 赤血球は、体中に酸素を運ぶ重要な役割を担っています。 しかし、その数が過剰になると、血液がドロドロの状態になり、様々な体の不調を引き起こす原因となってしまいます。 健康な状態を保つためには、血液中の赤血球、白血球、血小板といった細胞が、それぞれ適切なバランスで存在していることが重要です。 多血症では、このバランスが崩れ、赤血球が過剰な状態となってしまいます。 血液がドロドロになると、血管の中をスムーズに流れることが難しくなります。 その結果、血栓ができやすくなり、血管が詰まってしまうリスクが高まります。 脳梗塞や心筋梗塞など、命に関わる病気を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。 多血症は、その原因によって大きく二つに分けられます。 一つは、骨髄の造血幹細胞に異常が生じ、赤血球が過剰に作られてしまう「真性多血症」です。 もう一つは、脱水や低酸素状態など、体外の要因によって赤血球が増加する「二次性多血症」です。 多血症の症状は、顔面紅潮、頭痛、めまい、息切れ、動悸など様々です。 重症化すると、意識障害や心不全などを起こすこともあります。 早期発見、早期治療が重要となるため、気になる症状がある場合は、医療機関を受診するようにしてください。
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急性骨髄性白血病:血液のがんを知る

- 急性骨髄性白血病とは 急性骨髄性白血病(AML)は、血液に発生するがんで、血液細胞の元となる造血幹細胞ががん化してしまう病気です。 私たちの血液には、酸素を運ぶ赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、出血を止める血小板など、様々な役割を持つ細胞が存在します。これらの血液細胞は、骨の中心部にある骨髄という組織で作られます。この骨髄の中に存在する造血幹細胞は、様々な血液細胞を作り出すことができる特別な細胞です。 通常、造血幹細胞は健康な血液細胞を作り出すために働いていますが、AMLでは、この造血幹細胞に遺伝子の異常が起こってしまいます。その結果、造血幹細胞は正常に機能しなくなり、異常な白血球である「骨髄芽球」が過剰に作られてしまいます。 骨髄芽球は、未熟な白血球であるため、細菌やウイルスから体を守るなどの正常な白血球としての働きを持ちません。さらに、骨髄芽球が増殖することで、正常な血液細胞が作られるスペースが失われてしまいます。そのため、AMLを発症すると、正常な赤血球、白血球、血小板が減少し、様々な症状が現れます。具体的には、細菌やウイルスに対する抵抗力が低下するため感染症にかかりやすくなる、貧血になる、出血しやすくなる、などが挙げられます。
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慢性骨髄性白血病:知っておきたいこと

- 慢性骨髄性白血病とは私たちの体には、血液細胞を作り出す大切な組織が存在します。それが骨髄と呼ばれる組織です。骨髄では、酸素を運ぶ赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、そして出血を止める血小板といった、血液を構成する重要な細胞が、毎日バランスを保ちながら作られています。 しかし、慢性骨髄性白血病を発症すると、この骨髄で異常が起こります。具体的には、白血球の中の顆粒球という種類の細胞が、過剰に作られてしまうのです。その結果、血液中の細胞のバランスが崩れ、本来必要な赤血球や血小板が減ってしまい、様々な症状が現れます。 慢性骨髄性白血病は、中高年に多く発症する病気として知られていますが、近年では若い世代での発症も報告されています。自覚症状が出にくい病気ではありますが、健康診断などで血液検査の異常を指摘された際は、医療機関への受診をお勧めします。
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骨髄穿刺:血液疾患診断の決め手

- 骨髄穿刺とは骨髄穿刺は、血液の病気である血液疾患を診断する上で、非常に重要な検査の一つです。人の血液は、骨の中心部に存在する、スポンジのように柔らかく、多くの空洞を持つ組織である骨髄で作られています。この骨髄で作られた血液細胞は、やがて骨髄から血液中に移動し、体全体へと循環していきます。 骨髄穿刺では、この骨髄で作られる血液の状態を詳しく調べるために、骨髄液を採取します。具体的には、腰の骨に針を刺し、そこから少量の骨髄液を採取します。採取した骨髄液は、顕微鏡を用いて観察することで、血液細胞の種類や数、成熟度などを詳しく調べることが可能となります。 これらの情報から、白血病や悪性リンパ腫、再生不良性貧血などの血液疾患の有無や、その進行状況を診断することができます。また、病気の治療効果を判定したり、再発の兆候を早期に発見するためにも重要な検査です。
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造血幹細胞移植:新たな希望を告げる治療法

私たちの体内を流れる血液は、全身に酸素を届けたり、外部から侵入した細菌やウイルスと戦ったりと、生命維持に欠かせない重要な役割を担っています。この血液は、骨髄という組織で作られます。骨髄には、造血幹細胞と呼ばれる、様々な血液細胞を生み出す能力を持った細胞が存在します。造血幹細胞は、赤血球、白血球、血小板など、それぞれ異なる役割を持つ血液細胞を作り出し、健康な状態を保っています。 しかし、白血病や再生不良性貧血などの病気にかかると、この造血幹細胞が正常に働かなくなり、十分な量の健康な血液を作ることができなくなってしまいます。その結果、貧血や感染症などを引き起こし、命に関わる危険性も出てきます。 このような血液の病気に対する治療法の一つとして、「造血幹細胞移植」があります。これは、健康な人から提供された造血幹細胞を患者に移植することで、再び正常な血液を作れるようにする治療法です。造血幹細胞移植は、血液の病気で苦しむ多くの患者にとって、希望の光となる治療法と言えるでしょう。
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骨髄バンク:命をつなぐ希望の橋渡し

骨髄バンクとは、白血病などの血液疾患で苦しむ患者さんにとって、まさに命の橋渡しをする大切な役割を担っています。これらの病気の治療には、健康な人の骨髄から採取した造血幹細胞を移植する治療法が有効な場合があります。しかし、移植が成功するには、提供者と患者さんの間で、白血球の型であるHLA型が一致する必要があります。 骨髄バンクは、まさにこのHLA型の一致という難題を乗り越えるために存在しています。ドナーと呼ばれる提供者の方々から、骨髄液や末梢血幹細胞を提供していただき、大切に保管しています。そして、移植を必要とする患者さんが現れた際に、HLA型が一致するドナーを探し出し、移植が実現するよう橋渡しを行います。 提供者と患者さん、両者の善意と希望を繋ぐ骨髄バンクは、多くの命を救う可能性を秘めた、非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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骨髄検査:血液疾患の診断に欠かせない検査

- 骨髄検査とは骨髄検査は、血液の病気や異常の原因を調べるために行われる検査です。血液は、体中に酸素を運んだり、細菌やウイルスから体を守ったりするなど、生きていく上で欠かせない役割を担っています。この血液を作り出しているのが、骨の中心部にある骨髄と呼ばれる組織です。骨髄では、赤血球、白血球、血小板といった様々な血液細胞が作られていますが、骨髄の病気や異常によって血液細胞が正常に作られなくなると、貧血や感染症、出血傾向などの症状が現れることがあります。骨髄検査では、骨髄液と呼ばれる骨髄に含まれる液体や、骨髄組織そのものを採取して、顕微鏡で観察したり、染色して細胞の種類や数を調べたりします。これらの検査結果から、骨髄の状態や血液細胞の産生能力を評価することで、血液疾患の診断や治療方針の決定に役立てることができます。骨髄検査は、一般的には腰の骨に針を刺して行われます。検査中は局所麻酔を行うため、痛みはほとんど感じませんが、検査後には少し痛むことがあります。骨髄検査は、血液疾患の診断において非常に重要な検査ですが、医師は患者さんの症状や他の検査結果などを総合的に判断した上で、検査の必要性を判断します。
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希望を繋ぐ架け橋:同種造血幹細胞移植

私たちの体を巡る血液は、体の隅々に酸素を届けたり、外部から侵入しようとする細菌やウイルスから体を守ったりと、生きていく上で欠かせない様々な働きをしています。しかし、白血病や再生不良性貧血といった病気にかかってしまうと、血液が正常に作られなくなり、体に様々な不調が現れてしまいます。 これらの血液の病気と闘うための治療法の一つに、近年注目されているのが「造血幹細胞移植」という方法です。造血幹細胞というのは、血液中の赤血球、白血球、血小板といった様々な細胞の元となる細胞です。この造血幹細胞を移植することで、正常な血液を作り出す能力を取り戻そうとするのが、造血幹細胞移植の目的です。 造血幹細胞移植には、大きく分けて「骨髄移植」と「末梢血幹細胞移植」、「臍帯血移植」の3つの方法があります。骨髄移植は、骨盤などにある骨髄から造血幹細胞を採取して移植する方法です。末梢血幹細胞移植は、血液中から造血幹細胞を採取して移植する方法で、近年ではこちらの方法が主流となっています。臍帯血移植は、出産時に残る臍帯血(さいたいけつ)から造血幹細胞を採取して移植する方法です。 造血幹細胞移植は、患者さんにとって大きな負担となる治療法ですが、血液の病気と闘うための有効な手段の一つとして、日々研究が進められています。
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自家末梢血幹細胞移植:がん治療の新たな選択肢

- 自家末梢血幹細胞移植とは自家末梢血幹細胞移植とは、文字通り自分の体から採取した血液幹細胞を、再び自分自身の体内に戻す治療法です。 血液幹細胞は、血液中に含まれる赤血球や白血球、血小板など、あらゆる血液細胞の元となる細胞のことを指します。この治療法は、主にがん治療、特に悪性リンパ腫や多発性骨髄腫といった血液のがんの治療に用いられます。がん細胞を死滅させるために、高用量の抗がん剤治療や放射線治療を行うと、正常な血液細胞も同時にダメージを受けてしまいます。その結果、重い貧血や感染症、出血などを引き起こす可能性があります。そこで、あらかじめ患者さん自身の血液から健康な血液幹細胞を採取し、凍結保存しておきます。そして、高用量の抗がん剤治療や放射線治療を行った後に、採取しておいた血液幹細胞を体内に戻すことで、骨髄機能を回復させ、正常な血液細胞を再び作り出すことができるのです。自家末梢血幹細胞移植は、自分自身の細胞を移植するため、拒絶反応が起こるリスクが低いというメリットがあります。また、ドナーを探す必要がないため、比較的治療が開始しやすいという点も挙げられます。しかし、すべての患者さんに適応できるわけではなく、合併症のリスクもゼロではありません。そのため、治療を受けるかどうかは、医師とよく相談し、ご自身の病気の状態や治療の副作用などを考慮した上で、慎重に判断する必要があります。
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第三者からの希望の光:同種骨髄移植

- 同種骨髄移植とは同種骨髄移植は、病気のために正常な血液を作ることができなくなった患者さんに対して行われる治療法です。血液は私たちの体にとって非常に重要で、酸素を全身に届けたり、細菌やウイルスなどの病原体から体を守ったり、傷を治したりするなど、様々な役割を担っています。 血液の中には、赤血球、白血球、血小板といった様々な種類の細胞が存在しますが、これらの血液細胞は骨髄で作られています。骨髄には、血液の細胞の元となる「造血幹細胞」があり、盛んに細胞分裂を繰り返すことで、毎日、膨大な数の新しい血液細胞を作り出しています。 しかし、白血病などの病気になると、この造血幹細胞が正常に働かなくなり、十分な数の健康な血液細胞を作ることができなくなってしまいます。その結果、貧血や感染症、出血傾向など、様々な症状が現れ、生命の危機に瀕することもあります。同種骨髄移植は、このような血液の病気の患者さんに対して、健康な人から提供された造血幹細胞を移植することで、血液を作る機能を回復させることを目的とした治療法です。健康な人の骨髄から採取した造血幹細胞を、患者さんの体内に入れることで、患者さんの骨髄に新たに根付き、健康な血液細胞を作り出すことが期待されます。 同種骨髄移植は、患者さんにとって大きな負担を伴う治療法でもありますが、血液の病気の根治を目指すことができる、有効な治療法の一つです。
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希望を繋ぐ光:同種末梢血幹細胞移植

「新たな命を芽吹かせる治療法」と呼ばれる医療が、近年注目を集めています。これは、「同種末梢血幹細胞移植」と呼ばれるもので、血液のがんや一部の悪性リンパ腫など、様々な血液の病を抱える患者さんにとって、新たな希望となる治療法です。 私たちの血液には、赤血球、白血球、血小板など、生命を維持するために欠かせない様々な細胞が存在しています。これらの細胞を生み出す源となるのが、「造血幹細胞」と呼ばれる細胞です。血液の病気にかかると、この造血幹細胞がダメージを受けてしまい、正常な血液細胞を十分に作ることができなくなってしまいます。 同種末梢血幹細胞移植は、健康な人の血液から採取した造血幹細胞を、患者さんの体内に移植する治療法です。移植された造血幹細胞は、患者さんの体内で再び血液細胞を作り出す働きを再開し、失われた造血機能を回復させるのです。 この治療法によって、患者さんは再び健康な血液を作り出す能力を手に入れ、病を克服できる可能性が広がります。まさに、新たな命を吹き込まれるかのような治療法と言えるでしょう。
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希望を繋ぐ光:同種骨髄移植の理解

近年、医療技術の進歩によって、これまで多くの人々を苦しめてきた「がん」という病に対する治療法も日々進化を遂げています。 その中でも、特に注目されている治療法の一つに「同種骨髄移植」があります。 これは、健康な人の骨髄から採取した「造血幹細胞」を、がんを患っている患者に移植するというものです。 造血幹細胞とは、血液中の赤血球、白血球、血小板といった様々な血液細胞の元となる細胞です。 がん治療において、手術や抗がん剤治療、放射線治療などを行う場合がありますが、これらの治療法によって、がん細胞だけでなく、正常な細胞もダメージを受けてしまうことがあります。 その結果、骨髄の機能が低下し、血液細胞が十分に作られなくなることがあります。 同種骨髄移植は、低下した骨髄の機能を補い、再び健康な血液を作り出す力を回復させることを目的としています。 移植された造血幹細胞は、患者の骨髄に定着し、やがて新しい血液細胞を作り始めます。 同種骨髄移植は、白血病や悪性リンパ腫、骨髄異形成症候群など、様々な血液疾患の治療に用いられています。 しかし、その一方で、移植後の拒絶反応や感染症などのリスクも伴います。 そのため、患者にとって最適な治療法を選択するために、医師とよく相談することが重要です。
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