血液循環

泌尿器

腎臓の血液循環:腎血流量

私たちの体には、不要なものや体に悪いものを取り除く働きを持った臓器がいくつかあります。その中でも特に重要な臓器の一つが腎臓です。腎臓は、血液をきれいにする役割を担っています。 毎日、心臓から送り出された血液の約20%もの量が腎臓に流れ込みます。これは全身に送られる血液のおよそ5分の1に相当し、体の他のどの臓器よりも多い量です。腎臓に流れ込んだ血液は、糸球体と呼ばれる毛細血管の塊を通り抜けます。このとき、血液中の老廃物や余分な水分、塩分などが濾し取られます。 濾し取られたものは、尿として体外に排出されます。一方、濾過された血液は、腎臓内の血管を通って再び体内に戻っていきます。このように、腎臓は血液を常にきれいに保つことで、私たちの体が健康な状態を保てるように重要な役割を果たしているのです。 もし、腎臓の働きが悪くなると、血液中の老廃物が体に蓄積し、様々な病気を引き起こす原因となります。腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、自覚症状が出にくい臓器です。そのため、健康診断などで定期的に腎臓の機能をチェックすることが大切です。
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心臓のポンプ機能:一回拍出量とは?

私たちの体内には、全身に酸素や栄養を運ぶために血液が絶えず巡っています。この血液循環の原動力となっているのが心臓です。心臓は休むことなく拍動し、血液を体全体に送り出しています。 心臓が一回拍動するごとに送り出す血液の量を「一回拍出量」と言います。心臓は4つの部屋に分かれており、そのうち左心室と呼ばれる部屋が全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。一回拍出量とは、この左心室が一回収縮するごとに、大動脈へ送り出す血液の量のことを指します。 一回拍出量は、心臓の働きを知る上で重要な指標の一つです。安静時の平均的な一回拍出量は約70mlとされています。心臓は、運動時にはより多くの酸素を必要とするため、一回拍出量が増加します。逆に、心不全などの心臓病になると、一回拍出量が低下し、全身に十分な血液を送り出すことができなくなります。 一回拍出量は、心臓のポンプとしての機能を評価する指標であり、私たちの健康状態を知る上で非常に重要です。
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生命の維持に欠かせない心拍出量

心臓は、体中に酸素や栄養を送り届けるために、昼も夜も休むことなく働き続けています。この血液の循環において、重要な役割を担っているのが心拍出量です。心拍出量とは、1分間に心臓から送り出される血液の量のことを指します。心臓が一回に送り出す血液の量である一回拍出量と、1分間の心臓の拍動数を表す心拍数を掛け合わせることで算出されます。 安静時でも5リットル前後という、想像をはるかに超える量の血液が体内を循環していることに驚かされます。これは、全身の細胞に十分な酸素と栄養を供給し、老廃物を回収するために、心臓が効率的に血液を送り出していることを示しています。 心拍出量は、運動やストレス、年齢、体の状態など様々な要因によって変化します。例えば、運動時には筋肉が多くの酸素を必要とするため、心拍数が増加するとともに一回拍出量も増加し、結果として心拍出量は増加します。逆に、睡眠中は体の代謝が低下するため、心拍出量は減少します。 このように、心拍出量は心臓のポンプとしての能力を評価する重要な指標となります。健康な状態を維持するためには、バランスの取れた食事や適度な運動など、生活習慣に気を配りながら、心臓に負担をかけすぎないようにすることが大切です。
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心臓の鼓動、脈拍ってなに?

- 脈拍とは心臓は、体全体に血液を送り届けるために、休むことなく働き続けています。この血液の循環によって、私たちの体は酸素や栄養を受け取り、老廃物を排出することができます。そして、この心臓の力強い鼓動は、体表に近い一部の血管に波動となって伝わります。これが脈拍です。心臓が一回収縮するごとに、血液が勢いよく送り出され、その勢いは血管の壁を押し広げます。この血管の膨らみと縮みを繰り返す動きが、まるで波のように全身に伝わっていくのです。この波動を指先などで触れることで、私たちは脈拍として感じ取ることができます。脈拍を測ることで、心臓が規則正しく動いているか、また、どれくらいの速さで血液を送り出しているかを知ることができます。健康な状態であれば、脈拍は一定のリズムと強さで感じられます。しかし、病気や体調の変化によって、脈拍は速くなったり、遅くなったり、リズムが乱れたりすることがあります。脈拍は、私たちの体の状態を反映する大切なサインの一つです。日頃から自分の脈拍に意識を向けておくことで、健康管理にも役立ちます。
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動脈血:酸素を運ぶ血液

私たちの体内を巡る血液には、動脈血と静脈血の二つがあります。そのうち、動脈血は心臓から送り出され、酸素を体の隅々まで運ぶ役割を担っています。 動脈血の特徴は、なんといってもその鮮やかな赤い色です。なぜこのような色をしているのでしょうか?それは、動脈血に含まれるヘモグロビンというタンパク質と、酸素との関係にあります。 ヘモグロビンは、酸素と結びつく性質を持っています。そして、酸素と結びついたヘモグロビンは、鮮やかな赤色を呈します。動脈血はこの酸素を多く含んだヘモグロビンによって、明るい鮮紅色をしているのです。 例えば、運動した後や興奮したときに、顔が赤くなる経験はありませんか? あれは、毛細血管に多くの動脈血が流れ込むことで、皮膚が赤く見える現象です。 このように、動脈血の鮮やかな赤い色は、酸素を豊富に含んでいることの証なのです。
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静かなる脅威:虚血とその影響

私たちの体は、無数の細胞が集まってできており、それぞれの細胞がそれぞれの役割を担うことで、生命を維持しています。細胞が正常に働くためには、酸素や栄養が不可欠ですが、これらの物質を体の隅々まで届けているのが血液です。しかし、様々な原因でこの血液の流れが悪くなってしまうことがあります。これが「虚血」と呼ばれる状態です。 虚血は、体のどの部分でも起こる可能性があります。例えば、心臓に血液を送り出す血管である冠動脈が動脈硬化などで狭くなると、心臓に十分な血液が流れなくなり、狭心症や心筋梗塞といった深刻な病気を引き起こすことがあります。また、脳の血管が詰まったり狭くなったりすると、脳梗塞を引き起こし、意識障害や運動麻痺などの後遺症が残ることもあります。 虚血は、早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。治療法は、原因や症状、重症度によって異なりますが、血管を広げる薬物療法や、血栓を取り除くカテーテル治療、外科手術などが行われます。虚血は、私たちの健康や生命を脅かす可能性のある病気です。日頃から、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、血管を健康な状態に保つことが重要です。また、胸の痛みや痺れ、ろれつが回らないなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
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