肉芽腫

その他

全身に影響を及ぼす難病:サルコイドーシス

- サルコイドーシスとはサルコイドーシスは、原因がまだはっきりと分かっていない、全身の様々な臓器に影響を及ぼす病気です。あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、国が「指定難病」としている重要な病気の一つです。この病気は、顕微鏡で観察すると「サルコイド肉芽腫」と呼ばれる特徴的な小さな炎症組織が、体の様々な場所に現れることが特徴です。この肉芽腫は、小さな塊のように見えるのですが、これは体の中に侵入してきた異物を排除しようとして、免疫細胞が集まってできるものです。サルコイドーシスは、20歳から40歳代の比較的若い世代に発症することが多く、特に女性に多くみられます。また、日本では特定の遺伝子を持つ人に発症しやすいという報告もあります。症状は、肉芽腫ができる場所や大きさによって様々です。初期には、発熱、咳、倦怠感、体重減少など、風邪に似た症状が現れることがありますが、自覚症状がないまま健康診断で発見されることもあります。進行すると、息切れや胸の痛み、視力障害、皮膚病変など、様々な症状が現れることがあります。サルコイドーシスは、現在のところ完全に治すことができる治療法は見つかっていません。しかし、多くの場合、自然に治癒することもあります。症状が重い場合や、重要な臓器に影響が出ている場合は、ステロイド薬などの薬物療法が行われます。
その他

肉芽腫:免疫の戦場

「肉芽腫」という名前には「腫」という字が含まれていて、腫瘍と混同されがちですが、実際には全く異なるものです。腫瘍は、細胞が制御を失って無限に増殖してしまう病気ですが、肉芽腫は、私たちの体を病気から守る免疫システムが、体にとって有害な異物に対して起こす反応の結果として現れます。 肉芽腫は、例えるなら、敵を囲んで戦う、免疫細胞が集まってできた砦のようなものです。この砦の中心となるのは、マクロファージと呼ばれる白血球です。マクロファージは、体内に侵入してきた細菌や異物を食べて消化してくれる、いわば体の掃除屋さんのような役割を担っています。 肉芽腫は、このマクロファージに加えて、リンパ球などの様々な免疫細胞が集まってできています。これらの免疫細胞たちは、力を合わせて、体にとって有害な異物と戦い、排除しようとします。 肉芽腫は、感染症だけでなく、膠原病や特定の薬剤への反応など、様々な原因で発生する可能性があります。肉芽腫自体は病気ではありませんが、その原因や部位によっては、治療が必要になる場合があります。もし、医師から肉芽腫と診断された場合には、その原因や治療法について、よく相談することが大切です。
アレルギー

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症:あまり知られていない病気について

- 病気の概要好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)は、あまり知られていない病気です。これは、体の様々な臓器に炎症を引き起こす、稀な自己免疫疾患です。 自分の免疫システムが誤って自分の体の組織を攻撃してしまうことで、血管、肺、皮膚、神経などに炎症が起こります。 そのため、様々な症状が現れます。この病気は、以前はアレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)と呼ばれていました。 EGPAは、血液中の白血球の一種である好酸球が増加することが特徴です。 好酸球は、通常、寄生虫感染やアレルギー反応に対して働きますが、EGPAでは、何らかの原因で過剰に増加し、炎症を引き起こすと考えられています。EGPAの症状は、炎症が起こる臓器やその程度によって異なります。 初期症状としては、喘息のような咳や息切れ、鼻炎などがみられます。 病気が進行すると、血管の炎症による臓器障害や、神経障害によるしびれや麻痺などが現れることもあります。EGPAは、稀な病気であるため、診断が難しい場合もあります。 血液検査や画像検査、組織検査などを行い、他の病気との区別を行います。 治療法としては、ステロイド薬や免疫抑制剤などが用いられます。早期に診断し、適切な治療を行うことで、症状を抑え、病気の進行を遅らせることができます。
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