神経障害

泌尿器

神経因性膀胱:排尿の悩みを抱えるあなたへ

- 神経因性膀胱とは 神経因性膀胱は、脳や脊髄、膀胱につながる神経の道筋に障害が起こることで、膀胱の働きに問題が生じる病気です。 健康な状態では、脳からの指令が膀胱に伝わることで、尿が膀胱に溜まっていきます。そして、ある程度の量になると、再び脳から指令が出され、膀胱が収縮し、尿道括約筋が緩むことで、自然に排尿できます。 しかし、神経因性膀胱になると、この複雑な神経の伝達がうまくいかなくなってしまうため、様々な排尿の異常が現れます。例えば、尿意を感じにくくなる、急に我慢できないほど尿意に襲われる、尿がうまく出せない、残尿感がある、といった症状が現れます。 神経因性膀胱の原因は、脳卒中や脊髄損傷、多発性硬化症などの神経系の病気が挙げられます。また、糖尿病や前立腺肥大症、 pelvic organ prolapse(骨盤臓器脱)などの病気によって、神経が圧迫されることで発症することもあります。 神経因性膀胱は、適切な治療を行わないと、尿路感染症や腎臓病などの合併症を引き起こす可能性があります。そのため、排尿に異常を感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
看護技術

医療現場における側臥位の重要性

- 側臥位とは側臥位とは、その名の通り、身体を横にしている姿勢のことを指します。多くの人にとって、眠るときや休んでいるときに、自然とる姿勢の一つでしょう。 右側を下にするか左側を下にするかで、「右側臥位」「左側臥位」と区別することもあります。この姿勢は、楽に呼吸ができる、身体への負担が少ないといった利点があるため、リラックスするのに適しています。 実際、多くの人が、無意識のうちに睡眠中にこの姿勢をとっているのではないでしょうか。しかしながら、医療の現場においては、患者さんの状態によっては、注意が必要な姿勢となる場合もあります。 例えば、体の片側に麻痺がある患者さんや、褥瘡(床ずれ)のリスクが高い患者さんの場合、体重がかかる部分に負担が集中し、症状が悪化する可能性があります。 そのため、医療従事者は、患者さんの状態を適切に判断し、必要があれば、枕やクッションなどを用いて身体を支え、負担を軽減するなどの配慮を行う必要があります。また、妊娠中の女性、特に後期には、左側臥位が推奨されることがあります。 これは、左側臥位をとることで、心臓への負担を軽減し、胎児への血流を良くする効果があるとされているためです。このように、側臥位は、自然で楽な姿勢である一方、医療現場においては、患者さんの状態に合わせて、注意深く対応していく必要があります。
看護技術

安全な側臥位:患者さんのための基礎知識

- 側臥位とは?側臥位とは、身体を横に向けて寝る姿勢のことを指します。 楽な姿勢に思えますが、患者さんの状態によっては注意が必要です。特に、全身麻酔後や集中治療室に入室中の患者さんの場合、意識が朦朧としていたり、身体を動かす力が入らなかったりすることがあります。 また、脳梗塞などで片麻痺のある患者さんの場合も、自分の意思で身体を動かすことが難しい場合があります。 このような場合、長時間同じ姿勢を続けていると、体重で圧迫される部分に負担がかかり続け、血流が悪くなってしまいます。 その結果、皮膚が赤くなったり、水ぶくれができたりする褥瘡(床ずれ)や、神経が圧迫されることによる神経障害などの合併症のリスクが高まります。そのため、患者さんが楽な姿勢だと感じていても、定期的に体位変換を行うことが重要です。 体位変換を行うことで、身体への負担を分散し、褥瘡や神経障害などの合併症を予防することができます。 また、体位変換は、呼吸を楽にしたり、誤嚥を予防したりする効果も期待できます。患者さんの状態に合わせて、適切なケアを行うように心がけましょう。
脳・神経

麻痺について

- 麻痺とは麻痺とは、意識はあるのに自分の意思で身体の一部を動かせない、あるいは動きが制限されてしまう状態を指します。 この状態は、脳から筋肉への運動指令を伝える神経経路のどこかに損傷が生じることで引き起こされます。具体的には、脳で発生した運動指令は、まず脊髄へと伝達されます。 その後、脊髄から末梢神経を通じて、最終的に各筋肉へ指令が届けられます。 麻痺は、この経路のいずれかの部位、すなわち脳、脊髄、末梢神経のいずれかが損傷を受けることで発生します。麻痺の原因は多岐にわたり、例えば交通事故などによる脊髄損傷や、脳の血管が詰まったり破れたりする脳卒中などが挙げられます。 また、脳や脊髄の腫瘍、多発性硬化症などの神経疾患、 あるいは筋肉そのものの病気によって麻痺が生じることもあります。麻痺の症状は、損傷を受けた神経の種類や場所、 損傷の程度によって大きく異なります。 手足の力が弱くなる、感覚が鈍くなる、完全に動かせなくなる、 全く感覚がなくなるなど、症状は人によって様々です。
脳・神経

モートン病:足指の間の痛み

- モートン病とはモートン病は、足の指の付け根に発生する神経の病気です。特に第3指と第4指の間に多く見られます。この病気は、足の指に向かう神経が圧迫されたり、刺激を受けたりすることで発症します。モートン病になると、強い痛みやしびれを感じることがあります。痛みの程度は、少しチクチクする程度のものから、歩くのも困難になるほどの激しいものまで様々です。また、しびれは、足の指の先端にまで広がることもあります。これらの症状は、長時間立っていたり、歩いたりした後に悪化する傾向があります。さらに、靴を脱ぐと症状が和らぐことも特徴です。モートン病の原因は、まだ完全には解明されていません。しかし、ハイヒールや先の細い靴など、足の指に負担をかける靴を履くことが、発症のリスクを高めるといわれています。また、偏平足や外反母趾など、足の構造的な問題も、モートン病の原因となることがあります。モートン病は、中年以降の女性に多く見られるのも特徴です。これは、女性の方がハイヒールを履く機会が多いためと考えられています。モートン病は、適切な治療を行えば症状を改善できる病気です。そのため、もし足の指の付け根に痛みやしびれを感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
その他

糖尿病が引き起こす足病変:糖尿病足病変とは?

- 糖尿病足病変とは糖尿病は、血液中の糖分を調節するインスリンというホルモンが十分に働かなくなる、あるいは体がインスリンをうまく利用できなくなることで発症する病気です。このインスリンの作用不足によって、血液中に過剰な糖分が滞ってしまう状態が高血糖です。糖尿病足病変は、この高血糖状態が長く続くことで引き起こされる合併症の一つで、足にさまざまな症状が現れます。糖尿病によって高血糖状態が続くと、足の神経や血管に障害が生じます。神経障害によって足の感覚が鈍くなり、痛みや温度を感じにくくなってしまうため、知らず知らずのうちに足に傷を負ってしまっても気づかないことがあります。また、血管の障害によって血流が悪くなると、傷の治りが遅くなり、細菌などに感染しやすくなります。こうした状態が悪化すると、足には潰瘍や壊疽といった深刻な病変が生じます。潰瘍は皮膚や皮下組織が欠損した状態で、細菌感染を伴うことが多く、強い痛みを伴います。壊疽は組織が壊死した状態で、黒く変色したり、悪臭を放ったりします。糖尿病足病変は、放置すると日常生活に支障をきたすだけでなく、最悪の場合は足を切断しなければならなくなることもあるため、早期発見と適切な治療が非常に重要です。そのため、糖尿病と診断された方は、足の症状に注意し、定期的な検査を受けるように心がけましょう。
脳・神経

糖尿病神経障害:高血糖が引き起こす神経の合併症

- 糖尿病神経障害とは糖尿病神経障害は、長期間にわたる高血糖状態によって引き起こされる、神経の合併症です。私たちの体には、脳からの指令を全身に伝えたり、外部からの刺激や感覚を脳に届けたりする、神経という組織が張り巡らされています。この神経は、高血糖状態が続くことでダメージを受けたり、栄養を運ぶ血管が詰まったりすることで、その働きが鈍くなってしまうことがあります。これが糖尿病神経障害と呼ばれる状態です。神経は、大きく分けて感覚神経、運動神経、自律神経の3つに分類されます。糖尿病神経障害は、これらの神経のうちどれが障害されるかによって、現れる症状が異なってきます。例えば、感覚神経が障害されると、手足にしびれや痛み、感覚の鈍さなどが現れます。運動神経が障害されると、筋力低下や歩行障害などが起こりやすくなります。また、自律神経が障害されると、便秘や下痢、立ちくらみ、発汗異常など、様々な症状が現れることがあります。糖尿病神経障害は、糖尿病患者全体の約3割にみられると言われています。初期には自覚症状が出にくいこともありますが、症状が進行すると日常生活に支障をきたす場合もあります。そのため、早期発見と適切な治療、そして日々からの血糖コントロールが非常に重要です。
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