痛風

検査

血清尿酸値:健康を知るための重要な指標

健康診断などで必ず測定する項目の一つに「血清尿酸値」があります。これは、血液中にどれくらいの尿酸が含まれているかを示す数値です。 では、この尿酸は一体どこから来るのでしょうか? 私たちの身体を構成する細胞の中には、「プリン体」と呼ばれる遺伝情報を司る物質が存在します。このプリン体が、何らかの原因で分解されると、最終的に「尿酸」という老廃物に変化します。 通常、尿酸は血液によって腎臓へと運ばれ、そこでろ過されて尿として体外へ排出されます。しかし、プリン体の量が多すぎたり、腎臓でのろ過がうまくいかなくなると、血液中に尿酸が溜まり、血清尿酸値が高くなってしまうのです。 この血清尿酸値が高い状態が続くと、やがて痛風などの病気を引き起こすリスクが高まるため注意が必要です。
血液

尿酸:その蓄積と健康への影響

- 尿酸とは私たちの体は、食事から摂取した栄養素をエネルギーに変えたり、体の組織を作ったりするために、常に変化を続けています。この変化には、古い細胞が壊され、新しい細胞が作られるという代謝と呼ばれる過程が深く関わっています。この代謝の過程で、不要になった物質は体外に排出されますが、尿酸もその一つです。尿酸は、細胞の核に存在する核酸や、遺伝情報に関わるプリン体と呼ばれる物質が分解されてできる最終産物です。核酸は、細胞の設計図とも言える重要な物質であり、プリン体はその構成要素の一つです。これらの物質は、私たちが食事をすることによって体内に取り込まれたり、体内で作られたりします。そして、役割を終えると、複雑な過程を経て分解され、最終的に尿酸に変化します。尿酸は水に溶けにくい性質を持っているため、血液中に溶け込める量は限られています。体内で毎日作られる尿酸は、血液に溶けて運ばれた後、主に腎臓で濾過され、尿として体外に排出されます。この働きによって、体内の尿酸の量は一定に保たれています。しかし、何らかの原因で尿酸の産生量が増えたり、排泄量が減ったりすると、血液中の尿酸値が高くなることがあります。これが、高尿酸血症と呼ばれる状態です。
その他

痛風:その原因と症状

- 痛風とは痛風は、体内で作られる「尿酸」という物質が原因で起こる病気です。尿酸は、細胞がエネルギーを作り出す際に生じる老廃物の一種で、通常は血液に溶けて腎臓から尿として排出されます。しかし、体質や生活習慣などによって尿酸が過剰に作られたり、排出がうまくいかなくなると、血液中の尿酸濃度が高くなります。これを「高尿酸血症」といいます。高尿酸血症の状態が続くと、血液に溶けきれなくなった尿酸は、針のような形の結晶となって、関節などに蓄積していきます。この尿酸結晶が関節周辺の組織を刺激することで、患部は赤く腫れ上がり、熱を持ちながら激しい痛みを引き起こします。これが痛風発作です。痛風は、主に足の親指の付け根など、体の末梢の関節に発症しやすいという特徴があります。痛風発作は、数時間から数日間、時には数週間続くこともありますが、その後は自然に治まることが多いです。しかし、放置すると発作を繰り返したり、関節が変形したりすることもあるため、適切な治療が必要です。
食生活

プリン体と健康

- プリン体とはプリン体とは、私たちの体の設計図ともいえる遺伝情報を持つDNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)といった核酸を構成する物質の一つです。DNAは細胞の核の中にあり、遺伝情報を担う重要な物質です。一方、RNAはDNAの遺伝情報を元にタンパク質を合成する役割を担っています。つまり、プリン体は遺伝情報を伝える物質の材料と言えるでしょう。また、プリン体はエネルギー源として知られるATP(アデノシン三リン酸)やGTP(グアノシン三リン酸)の材料にもなります。ATPは、体内のあらゆる活動に使われるエネルギーの貯蔵・運搬を担っています。呼吸や運動、体温維持など、生命活動のほぼ全てにATPが関わっていると言っても過言ではありません。GTPも細胞内の情報伝達やタンパク質の合成など重要な役割を担っており、プリン体はこれらのエネルギー代謝にも深く関わっています。このプリン体は、体内で合成されるだけでなく、私たちが毎日食べる食物からも摂取されます。そのため、プリン体を多く含む食品を摂りすぎると、体内のプリン体濃度が高まり、健康に影響を与える可能性があります。具体的には、プリン体が分解される過程で尿酸が作られ、尿酸が体内に過剰に蓄積されると、痛風のリスクが高まるとされています。
血液

尿酸:痛風の原因となる物質

- 尿酸とは私たちの体は、日々生まれ変わっています。細胞の中にある、生命の設計図である遺伝情報に関わる物質や、その設計図がしまわれている場所である細胞の核にある物質も、常に新しく作り替えられています。この新陳代謝の過程で、不要となった物質は分解され、体にとって必要のない老廃物として体外に排出されます。尿酸は、このような老廃物のひとつであり、細胞の核に存在する核酸や、遺伝情報に関わるプリン体という物質が分解されていく過程で最終的にできる物質です。尿酸は、食事から摂取したプリン体からも作られます。プリン体は、細胞の核に多く含まれる物質ですが、肉や魚、野菜など、私たちが普段口にする多くの食品にも含まれています。食事から摂取されたプリン体も、体内で分解され、最終的に尿酸へと変化します。こうして作られた尿酸は、血液中に溶け込み、腎臓へと運ばれます。そして、腎臓で血液がろ過される際に、老廃物とともに尿酸も血液中から取り除かれ、尿として体外に排出されます。このように、尿酸は、体内で作られると同時に、腎臓を通して常に体外へ排出され続けることで、健康な状態を保っています。
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